1on1ミーティング実施の目的は?質問内容の具体例や注意点・導入企業を紹介

5 1on1ミーティングを実施する際の3つの注意点

部下の成長を促す面で多くのメリットがある1on1ミーティングですが、実施の方法を誤ってしまうと逆効果になりかねません。

1on1ミーティングの実施においては、以下の3点に注意して進めていきましょう。

1.目的が不明瞭なまま実施しない

2.高圧的な態度を取らない

3.実施することを目的にしない

 

5−1 1.目的が不明瞭なまま実施しない

1on1ミーティングの担当者が実施の目的を理解していなければ、十分な成果は上げられないでしょう。部下の自主的な成長を促すという1on1ミーティングの目的が不明瞭なまま進めると、評価面談と変わらなかったり、部下が不満を述べたりするだけの場になってしまいます。

建設的な話題が行えなければ、1on1ミーティングにて上司と部下がお互いに時間を奪い合うだけの状態になるでしょう。

そうならないためにも、上司として1on1ミーティングを実施する目的と理由をきちんと理解し、事前に部下に伝達しておきます。決められた枠内で、有意義な話し合いができる場にしなければなりません。

 

5−2 2.高圧的な態度を取らない

 面談の場ということで、ついつい上から目線で話を進めがちな上司もいるかと思います。部下の話を全否定したり、会話を遮って発言するなどの行為は避けましょう。上司側があまりに高圧的な態度を取ると、部下は萎縮して本音を話せなくなってしまいます。

部下との信頼関係を築き上げ、本音ベースで話をしてもらえるよう、毎回しっかりと傾聴することを意識してください。

また上司として、人生の先輩としてさまざまなアドバイスをしたくなりますが、そこはぐっとこらえてください。1on1ミーティングでは部下に気づきを与え、自主的な成長を促すことが重点的な目標です。

上司から積極的に話しかけるよりも、議題に合わせて部下がしっかりと発言できる場にすることを心がけましょう。

5−3 3.実施することを目的にしない

企業内に1on1ミーティングを導入すれば、それがゴールというわけではありません。正しく実施され、上司と部下の信頼関係が構築され、社員の自主的な成長が期待できるようになることが目的だからです。

導入を推進する経営層や人事部としては、1on1ミーティング実施の目的をしっかりとマネジメント層に浸透させることを重視しましょう。

また、1on1ミーティングを実施する前に、マネジメント層への十分な説明や、研修などを行うことをおすすめします。実際に行うにあたり、上司として何をすべきかわからない、という状態を避ける狙いがあります。

人数の多い部署では、上司の負担もそれだけ大きくなります。そのため、導入に関しては少人数の部署や、実施に積極的なマネジメント層のいる部署から導入していくのも手段です。

6 1on1ミーティングを導入している企業例

1on1ミーティングを導入している代表的な企業を4社紹介します。

・ヤフー株式会社

・パナソニック株式会社

・楽天株式会社

・日清食品ホールディングス

 実施するにあたっての施策や、どのような効果を上げているかを参考にしてみてください。

6−1 ヤフー株式会社

6,000人の社員が1on1ミーティングを行なっているという、ヤフー株式会社。「Yahoo!Japan」の運営で有名な企業です。

ヤフー株式会社では人事部の主導によって、2012年から1on1ミーティングをスタート。現在まで毎週にわたって定期的に実施されています。導入前は多くのマネジメント層からの反対がありましたが、「実施の目的を明確にする」「客観的なフィードバックを行う」などの要素を設定し、外部から専門家を招いて社風に合うように調整。

「社員の才能と情熱を解き放つ」ことを目的に、多くの社員が積極的に1on1ミーティングを利用する姿勢が定着しています。

 

参考:「1on1ミーティング」で強い組織をつくる 人材育成のための部下とのコミュニケーション

https://about.yahoo.co.jp/blog/column/2018/10/11/1on1.html

6−2 パナソニック株式会社

国内の大手電気メーカーであるパナソニック株式会社では、社内カンパニーであるコネクティッドソリューションズ社において、2018年から1on1ミーティングを導入しています。事業やマネジメント変革のための土壌づくりを目的としてたものです。

ビジネスモデルが逐一変化し続ける時代において、顧客の多様性に対応する必要があります。そのため、社内での自由な発言の機会や、アドバイスやフィードバックによる可能性の開花を実現するために1on1を導入。上司主体ではなく部下から対話を行うなど、上司と部下の関係性を変化させ、部下の自律的な成長を促すことを目的としています。

1on1ミーティングの実施は2週間に1回で、最低15分をガイドラインとして設定しました。

同時に、上司だけでなく同僚からの視点を取り入れる、360度評価も導入しています。

 

参考:ビジネスコーチ株式会社・【パナソニック様】事業・マネジメント変革に向け1on1を導入しました

https://www.businesscoach.co.jp/case/panasonic.html

6−3 楽天株式会社

 インターネットショッピングモール、「楽天市場」を中心に、通信など70の事業を展開している楽天株式会社。2017年から1on1ミーティングを導入しています。

楽天株式会社のマネジメント層は直属の部下に対し、1週〜2週に1回の頻度で30分の1on1ミーティングを実施。主役はあくまでも部下であると定め、上司は「指導」することも禁止され、フィードバックを行い自主的に考えてもらうことを目的にしています。

これは楽天株式会社がめざす「エンパワーメント」の考え方に通じています。

 

参考:ビジネスコーチ株式会社・【楽天株式会社様】1on1は、上司が何かを言う場ではなく、「質問して、部下に考えさせる場」

https://www.businesscoach.co.jp/case/rakuten.html

6−4 日清食品株式会社

世界的食品メーカーである日清食品株式会社では、営業部とマーケティング部の約300名に対して1on1ミーティングを実施しています。

導入の理由は、中期経営計画の目標達成のためです。そのためには、変化する市場への対応力や自主的に考え、内省できる人材の育成が欠かせません。また、上司ではなく部下が主役であるコミュニケーションの場を設ける意味もあるそうです。

導入にあたって抵抗感を持っていたマネジメント層に対し、「1on1の質問スクリプト」を配布するなど、スムーズに浸透させるための工夫を実践しています。

人事考課との関連性については、上司は部下育成の評価項目の参考とし、部下は無関係としています。

 

参考:ビジネスコーチ株式会社・【日清食品株式会社様】1on1を通じた人材育成に期待

https://www.businesscoach.co.jp/case/nisshin.html

7 まとめ

1on1ミーティングの内容と質問例を、導入企業の事例と合わせて紹介しました。

導入した企業の多くは変化の激しい時代に対応した、自主的に活躍できる人材の育成をめざしています。

評価面談とは異なり、部下を主役に据えた1on1ミーティングの導入には、担当者の多くが戸惑うと考えられます。

多くの部下を持つ上司ほど時間的な負担が大きくなるため、マネジメント層への導入説明は事前にしっかりと行っておく必要があります。

1on1ミーティング実施の目的を理解し、「評価」や「指導」ではなく、しっかりと「傾聴」し「フィードバック」を行う姿勢を意識してみてください。部下との距離感がわからないという方も、紹介した質問例を参考に、一人ひとりに合わせた対話を実現させてください。

しかし、全く緊張感がないミーティングでは建設的な意見が出にくく、上司と部下が時間をかけて行う意味が薄くなりがちです。適度なピアプレッシャーが働くほうが、活発な意見が飛び交う1on1ミーティングにできるでしょう。

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