360度評価の導入失敗で起こる弊害2つと失敗する4つの原因を解説

3.「360度評価」の導入を成功させる3つのポイント

ここまでの記事を通して「360度評価」の導入に失敗する根本的な原因について、ご理解いただけたのではないかと思います。

最後に、こうした失敗を回避し「導入を成功に導く」具体的な対策についてご紹介します。

3-1.「実施目的」と「ガイドライン」を明確にしておく

各従業員が有意義なフィードバックを受けられるよう、人事部や管理部門は「360度評価」の実施目的・ガイドライン(ルール)を取り決めておきましょう。

●実施目的
「従業員の能力開発を行うため」「仕事への取り組み姿勢を改善するため」など、「360度評価」を行う目的を伝える

●ガイドライン
評価方法、評価期間、注意点などをわかりやすく伝える

実施目的・ガイドライン(ルール)が定まったら、従業員がしっかり腹落ちするまで、何度でもくわしく説明し理解を促します。

実施目的に適ったフィードバックが行われるよう、説明会を開催するなりして、徹底して指導しましょう。評価に関する質問がある従業員が、気軽に相談できる「相談窓口」を設置するのも有効な方法の一つでしょう。

3-2.「360度評価」~振り返り面談までのスケジュール計画を立てる

受けっぱなしにならないよう、制度設計時に「全体スケジュール」を明確化しておいてください。
大まかな流れの例としては以下の通りです。以下の流れを意識して「360度評価」を運用していくと、失敗しないでしょう。

STEP1.
「360度評価」の制度説明会の開催
・「実施目的」「評価方法に関するガイドライン」「全体スケジュール」「評価項目」「記入方法」「人事考課や業績評価に反映されるのか否か」などについて説明する
・従業員が多い場合、複数回実施する

STEP2.
従業員が実施した評価の集計・評価の返却
・評価を受けてどのような改善が必要なのか、部下に考えさせる「自己フィードバック」を命じる
・自己フィードバックを行わせたうえで、面談日時を設定する

STEP3.
自己フィードバック
・受けたフィードバックに対して、部下は自己フィードバック(内省)する
・部下は自己フィードバックの結果、どのような改善を行っていくべきか自分なりの考えをまとめる

STEP4.
上司との面談
・上司は、「360度評価」の結果や、自己フィードバックの結果「どのようなことを考えたのか」じっくり聞く
・「今後どのような努力・改善を行うべきか」しっかり話し合う

STEP5.
Plan(計画)
・上司と一緒に、パフォーマンスを向上させるためのPDCAに取り組んでいく
・まずは「何を改善するべきか」「どんな努力を行うべきか」具体的なアクションリストを作成する

STEP6.
Do(実行)
・アクションリストに沿って業務を遂行する(上司は行動状況を日々見守る)

STEP7.
Check(確認)
・アクションリストの達成具合を1ヵ月単位等で、自分自身でチェック(評価)させる
・アクションリストの達成具合を1ヵ月単位等で、上司がチェック(評価)する

STEP8.
Action(実行)
・評価に基づいて、改善された点・改善すべき点を洗い出し、アクションリストの修正や項目追加を行う。

上記の流れを参考に、「360度評価」を設計してみてください。

3-3.従業員の負担にならない「設問づくり」を行う

実際に取り組んでもらう「設問」は、1人の評価につき「15分程度で完了する内容」にしましょう。
選択式の設問の数は30問までにとどめ、比較的時間がかかるフリーコメントは1~2問程度にし、文字数も少な目に制限するとよいでしょう。

以下にポイントをまとめましたので、ご覧ください。

【設問を作る際に押さえておきたいポイント】

・設問はどんなに多くても20~30問程度に留める
・選択式の回答を行う場合、その回答基準は5段階程度にとどめる
・フリーコメントの設問は、1~2問程度に絞る

4.まとめ

いかがでしたか。「360度評価」の導入失敗で起こる弊害や、失敗してしまう根本的な原因、導入を成功させるために押さえるべきポイントなどが、ご理解いただけたのではないでしょうか。

ポイントさえ外さなければ「360度評価」は優れた効果を発揮する「人事評価制度」です。
「従業員の能力開発」や「スキルアップ」「パフォーマンス向上」を図るならば、前向きに導入を検討するべきです!

最後に、この記事のポイントを整理します。

◎「360度評価」の導入に失敗すると、健全な社内コミュニケーションが取れなくなる
◎「360度評価」の導入に失敗すると、従業員のモチベーションが低下する
◎「実施目的」を説明しないと、実効性の高いフィードバックが得られず失敗に終わる
◎設問が多すぎると、流れ作業的にこなす従業員が増えるため、有益なフィードバックが得られない
◎振り返り面談が行われないと、フィードバックは活用されずに終わる
◎フィードバックを「PDCAサイクル」で管理しないと、従業員の能力開発には活かせない
◎「実施目的」と「ガイドライン」を明確にしておくことが大切!
◎「360度評価」の実施~振り返り面談までのスケジュールを計画しておく
◎従業員の負担にならない「設問づくり」を行う

この記事が「360度評価」の導入を検討している方の参考になりましたら幸いです。

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