表彰制度を見直して社内エンゲージメントを最大化させる導入方法

4.表彰スタイルの作り方

ここでは、表彰スタイルを新しく作る・追加する場合のやり方を説明します。表彰をゼロから作る場合でも、1つ1つの賞の設定には下記のプロセスが必要になりますので、賞の制定の仕方として理解してください。

4-1.ゴール設定 

まずは、「企業として」達成したいゴールを定めます。ゴール設定が明快だと、この後に続くステップが非常にやりやすくなります。

 

【おすすめパターン】

基本は、自社が伸ばしたいと思っている部分をメインにして考えます。例えば

  • 売り上げ数を伸ばしたい
  • 離職率を下げたい
  • もっと知名度をあげたい

など、具体的で数値化できるものの方が賞としては公平性があります。達成したいゴールのために「何をしたら褒められるのか」という考えで良いでしょう。ゼロから表彰制度を制定する場合は、伸ばしたい部分にプラスして、自社の経理理念や企業理念の部分から、理想の人物像などをイメージすると「褒めるべき人」の姿がわかってきます。

4-2.予算設定

予算の確保をします。表彰制度を長く続けていくためにも、無理のない予算設定が必要です。予算の内訳は、主に経費ですが、全てを社内で行う場合と、外注する場合とで費用に大きく差が出ます。

例として、永年勤続賞などのように毎年必ず発生する賞で、会場を借りずに社内の大会場で社員で協力して表彰式をする場合で計算してみましょう。

都内シンクタンクの調査によると、永年勤続賞の経費は一人当たり5年で15,000円、10年で36,000円、15年で49,000、20年で7万5000円と、年功序列に増えていきます。これにプラス副賞として楯などの記念品を送る場合はさらに1人あたり5,000円程度が追加されます。委員会活動費は社内で行うため諸費用3,000円程度です。

タイトル

かかる経費

永年勤続など表彰(1人あたり)

5年:1.5万 20年:7.5万 30年:13.2万 

表彰楯・トロフィーなど

クリスタル表彰楯 一枚5,000円〜

その他委員会活動費など

打ち合わせ一回3,000円前後

永年勤続賞はその年に出る人数にもよりますが、5・10・15・20・30が1人ずつの受賞者が出て楯を副賞とする場合

  • 15,000+36,000+49,000+75,000+132,000+(5,000楯×5=25,000)=332,000円

になります。これ以外に、様々な賞が発生し、中には大きな賞金や賞品が必要な場合もあります。

派手な表彰をする場合は、これ以外に会場費手配、人員手配(照明・カメラ・誘導)などのプロに頼む費用が発生します。平均的なイベント費用は50名来場者で40〜120万円です。ただし、イベント会社に依頼をすると、表彰式をグラミー賞のように盛り上げてくれます。

【参考:産労総合研究所 永年勤続賞に対する調査

【参考:法人用トロフィー作成 メイクワン】

【参照:JTB 表彰イベント専門 モティベーションプラス

 

【おすすめパターン】

まずは経理と相談をします。その際、がしっかり決まっているほうが経理も納得しやすいので、ある程度、賞の作り込みをしてから行きます。その際、最低でも

  • 賞の数
  • 褒賞と商品の数
  • 対象者の数
  • 開催回数
  • 開催時期
  • この賞の運営に関わる経費
  • 表制度委員会の活動費

がわかっていないと、経理も回答のしようがありませんので、よく下調べをして作成をしましょう。

4-3.担当者設定

表彰制度を社内に定着・継続させていくには、担当者と担当チームを作ります。専門の担当者がいる方が表彰に関したノウハウがたまりやすいという長所もあります。

 

【おすすめパターン】

担当者・担当チームには、なるべく様々な背景の人を入れ、社内をあらゆる角度から見て褒めるべき・表彰すべきことをピックアップできるようにした方が良いでしょう。企業では、自分が所属している部門の仕事以外のことは、意外と知らないものです。

  • 営業
  • 総務
  • 事務職
  • システム系

などをバランスよく取り入れ、各方面からの意見を吸い上げます。どちらかといえば、性質的にはクリエイティブで自由、かつ仕事を公平に見られるタイプが向いています。

あまり大所帯になると動きが悪くなりますので、人数はリーダーを入れて1012人程度いれば、欠員が出ても運営ができます。実際の表彰式の時はもっと多くの人手が必要になりますので委員会などを作って対応すると良いでしょう。

4-4.ガイドラインを作る

表彰制度のガイドラインは、毎回、表彰を一定した基準で行えるように作ります。毎年決まったことをするためには、以下のようなガイドラインが必要になります。これらのガイドラインは、社内規則にも追加して誰もが閲覧できるようにします。

<例>

  1. 期間:毎月・半年に1回・1年に1
  2. 表彰の目的:何にスポットライトを当てるのか
  3. 対象部門:全社・本社のみ・事業所ごと、など
  4. 選考対象:全社員
  5. 賞金・褒賞:賞状、楯、記念品など
  6. 推薦者:自薦・他薦・ネット投票など
  7. 審査:審査をする方法・審査をする人
  8. 発表:毎年月〜月に本社掲示板・ウェブサイト・社内報にて発表
  9. 表彰式:毎年月 東京本社大会議場にて表彰式を開催・立食懇親会あり
  10. 選考にあたっての留意点など:永年勤続賞と定年退職感謝賞も同時表彰*

【参照:コンタクトセンター 表彰ガイドライン

【参照:日経アジア賞 表彰ガイドライン

 

【おすすめパターン】

ガイドラインそのものは、各企業のものを参考する、様々な表彰スタイルをモデルにしながら作って行きます。決まりはありませんので、自社の表彰制度にとってぴったりなものが、一番良いガイドラインです。

企業と社員にとって価値ある表彰であるためには「自分にも平等にチャンスがある」、公平に評価をされる機会であることをわかってもらうようにします。

例えば、永年勤続賞*は最短5年からスタートすれば、5・10・15・20〜と、誰もが5年ごとに必ず表彰台に乗ってスポットライトを浴び、社長から労いと感謝の言葉を受け取ることができます。

世の中には得意分野を持つ人ばかりではありません。華々しい数字や特技がなくても、誠実で地道な仕事をしてくれている人への「存在承認」をしてくれる、自分を見てくれている会社なのだとわかってもらう必要があり、表彰制度はそれを伝える力があります。

また、企業内のポジションや階級に全く関係のない賞を制定するのも面白いでしょう。例えば、

  • いつもスーツがかっこいいで賞・ベストスーツ賞
  • カバンがおしゃれ賞
  • ランチ選びセンス良い賞
  • 表彰式特別企画 ラテアート大会

など、なんでも良いのです。日々、会社の雰囲気を明るくしてくれる行動は褒めるに値します。一番大切なのは、この表彰制度と表彰式そのものを「自分には関係ないや」とは思わせないことです。

4-5.賞品選び

制度をある程度まで設定したら賞品を決めます。褒められるのも嬉しいですが、賞品に魅力がないとモチベーションは下がります。もし、従来型の表彰制度などで人気のない賞品がある場合は、この機会に撤廃しましょう。賞品として多いのは

  • 賞金
  • カタログギフト
  • ギフトカード・ポイントカード
  • 海外旅行・国内旅行券

などがあります。どれも欲しいものを自由に選べるという点で共通しています。

 

【おすすめパターン】

もらって嬉しいものは年代や性別により差も出てきますので、ネット上で社内アンケートを取っても良いでしょう。最近の傾向としては、もらって嬉しいものには

  • テーマパークチケット(ディズニー・USJ
  • 高級食材の引換券(カニ・和牛など)
  • 飲食系ギフトカード(高級レストラン向け)
  • 有名店のスイーツ(並ばないと買えないもの)
  • 高級炊飯器・電子レンジなどの高級家電

など、「欲しいけれど、自分で買うにはちょっと手が出ない」というものは、その商品名だけでもテンションが上がり、とてもやる気が出る傾向があるようです。結婚式二次会の豪華景品などは、表彰式で使う賞品の参考にもなりますので、定期的にチェックすると良いでしょう。

【参照:ゼクシイ ゲスト200人が激白!本当に欲しいものランキング10

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