データから分かる人材育成の課題とは?【階層別の解決策あり】

2.人材育成における4大課題の解決策

人材育成の課題が分かったら、さっそく解決策への理解を深めましょう。

4大課題の解決策は以下の通りです。

課題

解決策

育成時間がない

解決策①業務中に育成指導する
解決策②しっかりと練られた人材育成計画書を活用する

育成スキルがない

解決策③信頼関係を築く

意欲がない

解決策④部下が意欲を高める働きがけを行う
解決策⑤部下のモチベーションを上げる

予算がない

解決策⑥費用をかけない育成方法を導入する
解決策⑦育成プロセス、育成実績を提示して予算を確保する

それぞれ具体的に解説していますので、気になるところから読み進めてくださいね。

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2-1.解決策①業務中に育成指導する

解決策の1つ目は「業務中に育成指導する」ことです。

従来は、多くの人が【通常の業務+部下の育成】ととらえており、部下の育成指導のためには業務時間+αの時間の確保が必要と考えていました。

しかし、わざわざ「部下の育成時間」を確保しようとすると、いくら時間があっても足りません。
ですから、部下と接するすべての時間が育成指導のチャンスと考えましょう。

例えば、部下から報告を受ける場面では下記のような対応が一般的ですよね。

育成指導の意識なし

  • 報告をただ聞く
  • 疑問点や問題点があれば質問する

育成指導の意識を持つと、上記に加えて、部下に適した対応を取る必要があります。

スタンドプレーに走りがち

  • メンバーとの協調が成長につながることを説明する
  • チームで取り組む機会を設ける

ケアレスミスが多い

  • 常に2回確認することを徹底させる
  • ミスを多発する箇所のチェックリストを作成する

コミュニケーションが取れない

  • 相談は仕事の一部であると理解させる
  • 雑談の仕方を教える

これらの対応は業務中に一言二言盛り込んでいく程度の指導になるため、隙間時間で十分対応ができます。

このように、上司が部下に対して意識を向けることで、部下の行動改善につなげることができるのです。

とはいえ、これだけでは育成は不十分です。さらに踏み込んだ育成を行うには、「いかに効率良く育成するか」がポイントとなります。

この問題の解決策は次項「解決策しっかりと練られた人材育成計画書を活用する」で詳しく解説していきます。

2-2.解決策②しっかりと練られた人材育成計画書を活用する

2つ目の解決策は、「しっかりと練られた人材育成計画書を活用する」ことです。
なぜなら、よく練られた人材育成書には「効率良く人材育成する3つのポイント」が含まれているからです。

【効率良く人材育成する3つのポイント】 

  • その業務はなぜあるのか
  • その業務はなぜ必要なのか
  • その業務を行うことで、どのような結果になるのか

この3つをしっかり理解させるだけで、育成ターゲットは「自分が何をすべきか」を判断し、行動に移せるようになります

人材育成計画がしっかり共有されていると、育成ターゲットは、

  • やるべき業務
  • 業務の目的
  • 求められている業務の結果

を理解した上で業務に携わるため、育成者が期待するパフォーマンスを上げることができるでしょう。

つまり、

「自社製品について自分で勉強しておきなさい」
「分からない点があれば質問して、問題なければそのまま進めて」

と指示を出すだけで、育成ターゲットは「あなたが望む業務」を遂行できるようになるのです。

反対に人材育成計画書が練られていなかったり、具体的でない場合は、逐一細かな指示を出さなければいけません。
これでは業務多忙になると、育成が完全にストップしてしまいますよね。

このほか、人材育成計画書には次のような利点があります。

人材育成計画の立て方や計画書の作成については、「 人材育成計画に必要な4つの要素と計画書に役立つ情報!テンプレあり 」の記事で詳しく解説していますので、お役立てください。

2-3.解決策③信頼関係を築く

解決策の3つ目は「信頼関係を築くことです。

部下との間に信頼関係が構築されていれば、育成スキル不足を十分補うことができます。
なぜなら、他者から指導を受ける時、「何を教わるか」「どうやって教わるか」よりも、「誰に教わるか」が大きなウエイトを占めるからです。

もしあなたが指示を受ける側の立場なら、

A)すでに信頼関係があり、尊敬している上司の指示
B)信頼関係がなく、あまり尊敬していない上司の指示

すんなりと指示に従えるのは、どちらでしょうか?
おそらく多くの人が(A)の信頼関係がある上司を選択するはずです。

信頼できない人の場合「従っても大丈夫だろうか?」「やり方が間違っている可能性もあるのでは?」と疑心暗鬼になり、取り組みに集中ができません。

それでは、部下との信頼関係はどのように築くのでしょうか?
今すぐ実践できる3つのポイントは次の通りです。

【部下の信頼を獲得するための3つのポイント】

業務や人に対して誠実である

業務や人に対して、常に誠実であることを心がけましょう。とはいっても、媚びを売る必要はありません。誠実であるということは、当たり前のことを当たり前に取り組むことです。
「〇〇さんには安心して任せられる」と言われることを目指して、コツコツ積み上げていきましょう。

ポジティブである

ポジティブであることは非常に重要です。
「どうせできないよ」と否定的だったり、グチグチと文句を言ったりすると、どんどん人は離れていきます。ネガティブな姿勢は、職場の雰囲気を悪くするだけで、何も生みだしません。
部下が上司に求めるのは、ポジティブな姿勢と建設的な意見です。
ネガティブ思考の人は、少しずつ物事を前向きにとらえるようにしていきましょう。

コミュニケーションをしっかり取る

信頼関係を構築するためには、コミュニケーションは欠かせません。
私たちは人の心を読む術を持ちませんから、相手を知るためには、こまめなコミュニケーションが必要となります。
コミュニケーションは雑談やスキンシップがすべてではありません。

  • 目を見て挨拶をする
  • 名前を呼ぶ
  • 「頑張っているね」などの一言

だけでも十分です。

「自分のことをきちんと見てくれている」と部下が感じれば、自然とあなたに対して信頼感を持つでしょう。

このように育成者に「人材育成のスキル」が不足していたとしても、育成者と育成ターゲットの間に信頼関係が成立していれば、育成は十分可能になります。

2-4.解決策④部下が意欲を高める働きがけを行う

4つ目の解決策は「部下が意欲を高める働きがけを行う」ことです。

「働きがけ」は上司の言動と考えていただくと分かりやすいでしょう。
上司の働きがけがプラスに作用すると、部下の意欲は高まり、マイナスに作用すると部下は意欲をなくします。

それぞれの代表的な例は下記の通りです。

意欲を高める代表的な働きかけ

意欲をなくす代表的な働きかけ

  • 褒める
  • 認める
  • 任せる
  • 信頼する
  • 怒る
  • 押しつける
  • 評価しない
  • 無視する

育成ターゲットが意欲をなくすと、上司の顔色をうかがいながら仕事をするようになります。
業務に対する積極性が失われ、持ち味が発揮できなくなるかもしれません。

それでは部下が意欲を出す時とは、どのような時なのでしょうか?
部下が意欲を出す時と意欲をなくす時の具体例をご紹介します。

【部下が意欲を出す時】

  •  仕事を任せてくれた
  • 提案が採用された
  • 工夫やアイディアが褒められた
  • 成長や努力を認められた
  • 仕事で困っていた時にアドバイスしてくれた
  • 仕事に行き詰まった時にサポートしてくれた
  • いつでも気軽に相談に乗ってくれる雰囲気・環境

【部下が意欲をなくす時】

  •  仕事を任せてもらえない
  • 提案が説明もなく不採用だった
  • 業務を急がされたのに、なかなか確認してもらえない
  • 理由や状況を聞かずに一方的に怒られる
  • 上司の気分次第で指示が変わる
  • 上司が部下の業務内容を全く把握していない

もちろん、上記以外にも部下自身のプライベートな問題から業務意欲が低下することがあります。
「部下のモチベーションの上げ方」には万人に適応する正解はありません
部下のモチベーションの上げ方については、次項で詳しく解説していきます。

2-5.解決策⑤部下のモチベーションを上げる

5つ目の解決策は「部下のモチベーションを上げる」ことです。

部下のモチベーションを上げるのも下げるのも、上司の対応が大きく影響します。

育成者と育成ターゲットの間に年代差があると、自分事のようにとらえるのは難しいもの。
しかし、育成ターゲットに寄り添って考えることで、自然と取るべき対応が見えてきます。

一般的に仕事のモチベーションが上がらない場合の理由としては次のことが考えられます。

A)仕事がつまらない(興味がない、キャリアアップにつながらない)
B)プライベートで問題を抱えている

A)の場合は、

  • 育成ターゲットが行う業務の必要性や意味
  • 業務を達成することで得られるスキルやキャリア
  • 育成ターゲットの働きがチームや組織にもたらす利益

    について十分理解させる必要があるでしょう。

    B)の場合は、

    • 育成ターゲットの話を傾聴する
    • やるべき業務をルーチン化する
    • 効果的に褒める

      ことが有効です。

      プライベートな悩みに関しては、深く詮索したり、過剰な反応をするとマイナスに作用することがあります。
      この場合は、どんな精神状態でも最低限の業務を行えるよう、業務のルーチン化を推進しましょう。

      ルーチン化された業務をこなすことで、部下の精神状態が回復してくるのを待ちます。もちろん「いつでも相談に乗る」「いつでもサポートする」という姿勢でいることが前提ですが、「部下には自分で立ち直る力がある」と信頼することが大切です。

      業務のルーチン化には、

      • 精神面に左右されることなく、一定の効果を上げられる
      • やるべき業務が明確になる
      • やるべき業務に取り組むことで、集中できる

        等のメリットがあります。

        それぞれの具体的な対応例は下記の通りです。

        部下への対応

        具体例

        傾聴

        ・きちんと向き合って話を聞く(PCや資料を見ない)
        ・部下の言葉を先取りしない
        肯定的な態度で話を聞く

        ルーチン化

        ①やるべき業務について、段取りとペース配分を計画する
        ②計画を実行し、記録する
        ③無理がある部分は随時修正し、計画を練り直す

        効果的に褒める

        「良かった点」「伸びたところ」を具体的に褒める
        ・「~をしたところを感心した」
        ・「以前より〇〇のスキルが向上した」

        こちらの記事「モチベーションを上げる具体的方法9つ|リーダーが部下へできること 」では、自分と部下のモチベーションを上げる方法が詳しく紹介されています。
        ぜひお読みになって参考にしてくださいね。

        2-6.解決策費用をかけない育成方法を導入する

        6つ目の解決策は、「費用をかけない育成方法を導入する」ことです。

        人材育成は必ずしも費用をかければ良いというものではありません。
        近年ではIT化が進んだこともあり、インターネット上で学習ができるデジタルラーニングや、テレビ電話を使用した研修も可能になっています。

        デジタルラーニング

        デジタルラーニングとは、PCやタブレット、スマートフォンなどのデジタルツールを用いた学習法。

        ネットワークと学習する端末さえあれば良いため、導入コストを抑えることができる。いつでもどこでも学習ができるのも魅力的。

        テレビ電話

        テレビ電話を使って会議や研修を行うメリットは主に4つ。

        • 参加者の交通費や宿泊費が不要
        • 会議や研修で使う資料の印刷代が不要
        • 会場費や準備費が不要
        • 時間を有効的に活用できる

        低頻度で行う会議より、高頻度で行うテレビ会議の方が、コミュニケーションエラーが起きにくいこともあり、複数の拠点を持つ企業には特におすすめ。

        それでは、費用をかけない人材育成で成果をあげている2社の実例をご紹介します。

        2-6-1.【成功事例】株式会社栄光

        少人数制の学習塾・栄光ゼミナールを運営する株式会社栄光では、講師スタッフとして大学生や大学院生が多く働いています。そのため、次のような課題を抱えていました。

        ①計12時間の初期研修(教室配属前の集合研修)に参加必須
        ②指導者側・指導される側ともに大きな負担がかかっていた

        そこで同社では、課題を解決するためにe-ラーニングを導入集合研修の4分の1eラーニングに変更した結果、次のような成果が出ました。

        • スマートフォンやタブレットで学べるため、忙しい学生の学習法として最適
        • 集合研修に対する集中力アップ
        • 「新人講師のスキルが上がっている」との声が各教室から届く
        • トレーナーのコストを25%削減

        参考:〔株式会社栄光〕研修のスリム化:研修の1/4をeラーニング化し、運用コスト25%削減 | 株式会社ライトワークス

        2-6-2.【成功事例Sushi Kin Sdn Bhd(スシキング)

        マレーシアで回転寿司などの日本食サービスを提供するスシキングでは、次の3つの課題を抱えていました。

        ①スタッフの能力に差がある
        ②新人の人材育成に時間がかかる
        ③マニュアルを各店舗に配布するのに時間・コストがかかる

        スシキングでは上記の3つの課題を解決するために、マニュアルツールを導入し、マニュアルのペーパーレス化を実施。その結果、次のような成果が出ました。

        • マニュアルの印刷代が250万から30万になり、85%のコストカットを実現
        • トレーナ―の出張費やマニュアル配布にかかるコストなど、年間300万円削減

        参考:導入事例 Sushi Kin Sdn Bhd(スシキング)様|Teachme Biz

        このようにコストを抑えても、アイディア次第で人材育成の成果をあげることができます。

        2-7.解決策育成プロセス、育成実績を提示して予算を確保する

        最後7つ目の解決策は、「育成プロセス、育成実績を提示して予算を確保する」ことです。

        経営状況に問題はないものの、人材育成の予算を確保してもらえない場合は、「人材育成にかかった費用と成果をしっかり提示」しましょう。

        予算を確保するためには、経営陣に「人材育成は企業にとってプラスである」と認めてもらう必要があるのです。

        人材育成手法

        費用と成果の算出例

        OJT

        OJTを実施前に人材育成計画書を作成し、OJT終了後に成果報告を行う

        Off-JT

        研修にかかった費用を算出し、研修内容や参加者アンケートなどで近似的な費用対効果を導き出す

        どんな組織でも予算によるコスト管理が行われているものです。
        育成予算が確保できるよう、育成プロセスや育成の成果を見える化することような仕組みを作りましょう。

        あの有名企業も導入!毎日1分のマネジメント習慣で、人材育成を後押しするUniposとは?詳細資料ダウンロード

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