データから分かる人材育成の課題とは?【階層別の解決策あり】

4. 人材育成を行う時の注意点

ここまでで人材育成が抱える課題と解決策について、ご理解いただけたかと思います。
本章ではさらに人材育成を円滑に進めるために知っておくべき注意点をご紹介します。

このように、育成時の注意点は階層ごとに異なります。
育成する階層ごとに上記の注意点をしっかりおさえておきましょう。

4-1.【新人・若手層】人格否定はNG!性格ではなく、行動を変える

新人・若手層には、人格を否定する言葉は絶対に使わないように気をつけましょう。
これは私たちの誰にでも当てはまることではありますが、人格を否定されると、途端に自信とやる気を失ってしまうからです。

特に新人・若手の場合は、業務における成功経験が少ないため、人格否定で自信を失うと、中々立ち直れません

育成者は大前提として、「育成ターゲットの性格や思考は変えられない」と肝に銘じておきましょう。

性格や思考は、自分が「変えたい」「変えよう」と決意した時にのみ、変化するものです。
そのため、育成者は「育成ターゲットの行動を変える」ことを目指して指導すると良いでしょう。

育成ターゲットの行動を変えるには、目標(ゴール)が行動になるように設定する必要があります。

状態

『こちらが真剣に話をしているのに、どこか上の空で聞いている』

ゴール(行動)

  • 話している人の目を見て聞く
  • 話の理解度をはかるため、適宜質問をはさみ、その質問に答えられるようにする

状態

『指示をきちんと理解しないで、仕事を進めて失敗する』

ゴール(行動)

  • 与えられた指示を復唱させる
  • 進捗を定期的に報告する

人間は叱っても、本人の意思が伴わない限りは変わらないものです。
そのため、期待する状態を行動に置き換えて伝えると良いでしょう。

4-2.【中堅・リーダー層】固定概念に縛られるのはNG!みんなで育てる意識を持つ

中堅・リーダー層に対しては、固定概念に縛られないように注意しましょう。

人材育成における固定概念とは次の通りです。

  • 新人を放置してはいけない
  • OJTはマンツーマンで徹底的に行うべき

このような固定概念に縛られていると、

「君が新人指導の責任者だから、もっとしっかりしなさい」
「もう少し新人指導の時間を取るべきだ」

などと中堅・リーダー層に無理な要求をして苦しませてしまいます。

この問題を避けるためには、社内全体で人材育成の固定概念を払拭することが重要です。

【人材育成における抱きがちな固定概念】

【新しい考え方】

新人を放置してはいけない

  • 目的や目標の共有ができていれば多少放置しても問題ない

OJTはマンツーマンで徹底的に行うべき

  • 基本的にはOJT担当が指導を行うが、場合によっては別の人が担当してもよい
  • 必要に応じて、指導のサポートを受けられる

このように、人材育成を一個人に完全に委ねるのではなく、部署全体でサポートする姿勢を作ることが望まれます。

中堅・リーダー層となると、業務難度も上がりますし、OJT指導者やメンターなどとして後輩を育成する立場も担います。

上司からすると「かなり頼れる存在」になるため、ついパーフェクトな取り組みを期待しがちですが、彼らも多忙であることを理解し、部署全体での育成を心がけましょう。

4-3.【管理職層】ルール違反はNG!常に模範となる行動を

管理職層に対しては、ルール違反に注意して育成を進めましょう。

管理職を指導する立場となると、自分の裁量で動けることが多くなります。
そのため、ふと気を緩ませると、ルール違反を犯しやすいので気をつけましょう。

【管理職の上司が犯しやすいルール違反の例】

  • 喫煙所以外で喫煙する
  • 私腹を肥やす行為に走る
    (例:出張時は最安値の航空券を購入する規則だが、マイルを貯めるために決まりを破るなど)
  • 有給申請の期日を守らない

上記の例はいずれも企業に大ダメージを与えたり、規則を大きく破ったりするものではない小さなことかもしれません。しかし、「たかが」「これくらいいいだろう」という思考が、企業の倫理やモラルの崩壊につながっていきます

ですから、管理職の上司は、常に全社員の模範となる行動が求められます
「なぜ部下の手本とならなければいけないのか」を意識して行動することが大切です。

模範的な行動をするあなたを見て、管理職層の社員も「上司としてのあるべき姿」を学ぶでしょう。

 

まとめ

当記事では、人材育成が抱える課題とその解決策について解説しました。

多くの企業が抱える人材育成上の課題は、

  • 業務が多忙で育成にかける時間がない
  • 育成者の「育成スキル」が不足している
  • 育成される側の意欲が低い
  • 育成予算がない

4つでしたね。

上記の課題に対しては、

  • ポイントを守ることで、人材育成を効率的に進める
  • 育成スキル不足は、指導者の人間力(信頼)で補完できる

などの解決策をご紹介しました。

階層別の育成課題と解決策は次の通りです。

新人~若手層

育成課題

●業務が多忙で、育成の時間的余裕がない
●育成者の育成能力や指導意識の不足
●人材育成が計画的・体系的に行われていない

解決策

新人研修・OJTの内容を強化する
若手社員をメンターに抜擢する
加点方式で評価する

中堅・リーダー層

育成課題

●業務が多忙で、育成の時間的余裕がない
●育成者の育成能力や指導意識の不足
●人材育成が計画的・体系的に行われていない

解決策

社内・社外研修を有効的に使う
新人の指導は若手社員に任せる
キャリアアップに人材配置を行う

管理職層

育成課題

●管理職としての能力や資質の不足
●部下の育成・指導力の不足
●リーダーシップの不足
●実行・推進力の不足

解決策

マネジメントやコーチングなどの学習機会を提供する
人材育成の環境を整備する

人材育成は企業の成長の要となるものです。
人材育成が抱えやすい課題を理解することで、適切な対処ができるようになります。

いずれの課題もほんの少しの視点や行動の変化でプラスに作用することができますので、明日からの人材育成にぜひお役立てくださいね!

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