
6.クレドの作成方法
クレドの作成にあたっては、他社を真似してもうまくいきません。正しくステップを踏み、自社に合ったクレドを作成しましょう。
ステップ① 目的の明確化
まずは、クレドを何のために作成するのかという目的をはっきりさせます。
目的がはっきりしていないと、効果的なクレドの作成には結びつきません。従業員の価値観にばらつきがある、モチベーションが低いなど課題を上げ、その解決を目的にクレド作成に取り組みましょう。
ステップ② 経営者への提案、承認
次に、経営者への提案と承認を行います。企業の価値観に沿っていないと、従業員を混乱させてしまうリスクがあります。できれば経営者自身に考え、作ってもらうのがベストです。
従業員が一体となり、会社が成長するために必要な行動指針が何なのかを考えていきましょう。
ステップ③ 従業員へのヒアリング
クレドの作成にゴーサインが出たら、従業員へのヒアリングを行います。
クレドは従業員の行動指針となるものなので、ヒアリングは欠かせません。
せっかく作ったクレドに不満が出ることのないよう、あらかじめアンケートなどで目指す姿や現場で感じる課題などをヒアリングし、現場が困っていることをつかむようにしましょう。
ヒアリングができたら、その内容をベースにクレドの作成に入ります。
経営者がベストな意思決定ができるよう、たたき台を作成したり、考えるための材料を揃えたりすることで、スムーズに作成が進みます。
クレドの方向性が定まったら、いよいよ文章にしていきましょう。あまりにも抽象的だと、機能しなくなります。
反対に具体的すぎると応用しにくくなるため、幅広い場面で使え、行動の際に判断基準となるような文章にしていくことがポイントです。
7.クレド作成の注意点
クレドを作成する際には、機能しにくい内容にならないよう気を付ける必要があります。
ありきたりな内容で形骸化
例えば、ありきたりな内容のクレドだと、形骸化しやすいです。
社会貢献する、お客様を大切にするなどの文言は、会社の独自性がなく浸透しにくくなります。
また、実際に行動するときの判断基準としてもイメージがわきません。どの会社にも当てはまるようなクレドは、避けるようにしましょう。
抽象度が高すぎる
同じく、抽象度の高い内容も要注意です。
例えば、世の中の課題を解決する、お客様の幸せを実現するといった内容だと、具体的な行動がイメージしにくく浸透しません。
行動の判断基準になるかどうかという視点から、抽象度について判断していきましょう。
8.クレドを導入するときの注意点
よいクレドができたからといって、それだけで企業がよくなるわけではありません。
従業員にしっかり浸透し、行動化できることが大切なのです。そのために、導入するときにいくつか気を付けたいことがあります。
まずはクレド導入の目的を、従業員が理解することです。
会社側から一方的に押し付けてしまったのでは、共感を得られません。ひどい場合には、反発を起こすこともあります。
やらされ感を生み出さないためにも、アンケートなどによって意見を聞く場を用意することが大切です。
自分たちもクレド作成にかかわっているという意識がもてれば、自然と行動に移してくれるようになります。
また、クレドの内容と行動が矛盾しないことも大切です。
クレド作成者が内容を的確に理解し、クレドに沿った行動を常に意識しなければなりません。従業員の数が多いほど、意見の違いも多くなり、反感が生まれやすい環境といえます。注意点を理解したうえで、適切に作成し導入しましょう。
クレドを使って会社をレベルアップしよう!
クレドは従業員が行動するときのよりどころといえます。
クレドの作成と導入が成功すれば、従業員の方向性が一致し、会社に一体感が生まれます。どう行動すればよいか、なかなか判断できず迷ったり悩んだりする従業員も少なくありません。
クレドが上手く機能すれば、悩んだときこそ個人としても企業としてもレベルアップできる機会になるのです。