従業員満足度と顧客満足度には相関関係がある!調査結果を基に解説

3. ESとCSには正の相関があるという調査・研究データ

ESが上がるとCSが上がるという関係性については、実際にいくつもの調査研究で結果として出ています。ここからは、その調査結果を紹介します。

3-1. ESとCSの間には、99%の因果関係が認められる

顧客満足についての権威であり、ハーバード・ビジネス・スクールの教授でもあるジェームス・L・ヘスケットは、「カスタマー・ロイヤルティの経営」の中で以下のような調査結果を明らかにしています。

・ESとCSとの間に、99%の因果関係が認められた
(MICコミュニケーション、ウエスタン・ユーロピアン・マネー・センター銀行、メイジャーUSトラベル・サービス、ランク・ゼロックス)

・CSが平均水準以上に得られた店舗の78%が、ESでも平均水準以上だった(チッキンフィレ社)

・ESが1%増加すると、CSが0.22%増加する(メリー・メイド社)

米国企業での調査ですが、多くの会社でESとCSの間に高い数値での因果関係が認められていることを考えると、「ESを上げればCSが上がる」という根拠に十分なりえることがうかがえます。

参考:書籍「カスタマー・ロイヤルティの経営―企業利益を高めるCS戦略」(ジェームス・L.ヘスケット他)

3-2. 従業員満足度が上がると同時に顧客満足度も上がる

2018年に東京海上日動コミュニケーションズの田口浩が発表した論文「コンタクトセンタにおける社員満足度と顧客満足度の関係性について」では、自社のコンタクトセンタを舞台に、社員満足度と顧客満足度の関係性を調査しています。

・社員満足度が上がると、同時に顧客満足度(NPSの数値)も上がる

同社では、2012年度から2016年度までの間、社員満足度と顧客満足度をそれぞれに計測しています。社員満足度が前年よりも下がった年には必ず顧客満足度も下がり、社員満足度が上がった年には顧客度は上がっています。

参考:論文「コンタクトセンタにおける社員満足度と顧客満足度の関係性について」

3-3. ESはサービスの質を向上させ業績指標を向上させる

2013年に鈴木研一と松岡孝介が発表した論文「従業員満足度,顧客満足度,財務業績の関係―ホスピタリティ産業における検証―」では、ホテル業を営む日本企業A社を6年間に渡って調査し、従業員満足度と顧客満足度、財務業績の関係を検証しています。

・従業員満足度とサービスの質の相関には、正の関係が見られた
・サービスの質と顧客満足度の相関には、正の関係が見られた
・顧客満足度は、稼働可能客室当り粗利益への効果が認められた

つまり
・従業員満足度→サービスの質→顧客満足度→財務業績という
サービス・プロフィット・チェーンは成立する

こうした一連の関係を同時に分析した調査は他に例を見ないため、有意義な調査といえるでしょう。

参考:論文PDF「従業員満足度,顧客満足度,財務業績の関係―ホスピタリティ産業における検証―」

4. ESとCSを同時に高めている企業事例

「ESなくしてCSなし」を体現するように施策として取り入れている会社があります。その事例を見ていきましょう。

4-1. ザ・リッツ・カールトン・ホテル

出典:ザ・リッツ・カールトン ホテル

ホスピタリティが高いサービスの事例として必ず登場するほど有名な「ザ・リッツ・カールトン・ホテル」。

リッツ・カールトンは、従業員も顧客と同じように「紳士淑女」として大切に扱っています。従業員第一主義を貫くことで、従業員は顧客を喜ばせることに最善を尽くし、顧客を感動させるサービスを生み出すことができるのです。

また、従業員には2,000ドルの決裁権が与えられており、従業員はスピード感を持って目の前の顧客を感動させるサービスを提供することができます。

ESを重視した経営スタイルを取ることで、非常に高いCSを獲得している事例と言えるでしょう。

4-2. GMOインターネット株式会社

出典:GMOインターネット株式会社

「世界一のサービスを提供するためには、世界一の人財が不可欠」という言葉を掲げ、人財(=人材)を何よりも大切にしているGMOインターネット株式会社。

従業員満足度やエンゲージメントを上げるために、さまざまな施策を行っています。

・食事やドリンクが全て無料の食堂を、24時間365日オープン
・金曜の夜は食堂でバーをオープンし、従業員同士の交流が図れる
・パパやママが安心して働けるように、生後57日から預けられる社内託児所を設置
・従業員用のマッサージスペースと仮眠スペースを完備
・お昼寝を推奨し、生産性をアップ
・従業員が業務に集中できるよう、社内コンシェルジュを配備

従業員が伸び伸びと楽しく仕事できる職場環境が、同社の成長を支えています。

4-3. ボルボ・カー・ジャパン

2016年と2017年に2年連続で日本自動車セールス満足度「輸入車No.1」を獲得し、2018年には日本カー・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞。売上は4年間で1.6倍に拡大したボルボ・カー・ジャパン

その目覚ましい成果の舞台裏では、お客様のニーズと常に向き合い顧客満足を継続的に高めるために、2014年から従業員満足と価値観浸透への投資を実施していました。

現在同社ではES向上の一環として従業員の貢献を店舗を越えて共有できるHRサービス「Unipos(ユニポス)」を活用しています。従業員同士が感謝や称賛の言葉をリアルタイムにオープンな場で送り合うため、働きがいが高まりES向上に繋がることはもちろん、ベストプラクティスの共有にも繋がるため、結果的にCS向上にも繋がりやすい土壌ができていることが分かります。

ESとCSの関係
顧客満足と従業員満足の関係

出典:Unipos 活用事例Blog

ESを本気で高めたくなったら「Unipos(ユニポス)」での1分間マネジメントを習慣化

5. まとめ

ES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)には本当に相関関係があるのかについて解説してきました。顧客満足度や業績を上げるためになぜ従業員の満足度を上げなければいけないのか、理解できたのではないでしょうか。

最後に、もう一度この記事内容について振り返ってみます。

ES(従業員満足度)とは、従業員が働いている会社に対してどの程度満足しているかの度合いのこと。
CS(顧客満足度)とは、ある商品やサービスに対する顧客の満足度合いのこと。

ESを上げることでCSが上がり、企業の業績も上がるという好循環を生み出すことができる。

その理由は、

・ESが上がれば従業員のモチベーションが上がり、顧客へのサービスの質も上がるから
・ESが上がれば従業員の定着率が上がり、不要な採用コストを抑えられるから

ESとCSに正の相関関係があることはいくつもの調査結果で明らかになっており、その中で3つの調査結果を紹介しました。

また、ESを上げることでCSを上げる取り組みを行っている企業として、ザ・リッツ・カールトン・ホテルとGMOインターネット株式会社を紹介しました。

従業員満足度を上げるには、正直コストも時間もかかります。しかし従業員のモチベーションを上げ、社内を活性化させることが、企業の業績を上げるためにとても重要なことなのです。

従業員満足度を上げる取り組み方法や事例についてもっと知りたい方は、「従業員満足度向上の取り組みを解説!8の方法&12の企業事例を紹介」 という記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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