働きがいのある会社に共通した4つの特徴と働きがい向上9アクション


.働きがいを高めるために企業ができる9アクション

本章では働きがいのある職場にしていくための9つの取り組むべきアクションをまとめました。これらのアクションは、日々の職場ですぐに取り入れることができる場面やチャンスがあります。

理想は9つ全ての取り組みがされることですが、すぐにできるところから始めるのでも問題はありません。大切なのは「社員の働きがいを高める」ために、今すぐできることを、企業が今・すぐする(DO)ことです。

「働きがいを高めるために企業ができる9アクション」 出典:Great Place to Work® Institute Japan

4-1 チームとして働くために必要なアクション

  • 分かち合う
    利益をみんな(企業・社員・社会全体)で分かち合うための仕組みや取り組みをします。例えば、企業Aが過去最高の業績を出したにも関わらず、社員の収入が過去最高にならないのは、やはり企業としてどこか歪みがあると言えます。

    出た利益は企業・社員に還元された結果、社会にも還元され、社会全体で分かち合えるように企業が考える必要があります。そのようにして大切にされている社員は、自社の顧客や株主のことも大切に扱い、社会全体に対しても分かち合いの考えで対処をする傾向があります。
    【参照:大和証券「すべての従業員にとって働きがいのある会社へ」】 

  • 採用
    採用は、単なる作業のための人員補給ではなく、会社に新しい風を入れる目的で行いましょう。新しいメンバーが「自分が受け入れられている」と感じられるような受け入れ側の対応・体制など、新人や新入社員歓迎のための仕組みも積極的に構築しましょう。

    例えば、新入社員の研修に経営トップを巻き込んで参加させ、企業とそのトップに親しみを感じてもらい、企業と新入社員との間に距離感を感じさせないようにします。

    また、従来のような人事配置をする前に、新人には各部署を順番に体験してもらうと、将来起こりうるキャリアのつまずきやモチベーション低下時に、転職という選択肢を取らなくても、続けて働くことができることを、初期の段階で理解してもらう効果があります。
    【参照:3年がんばる? 2年で辞める? 新社会人・新入社員のための「辞め時」の見極め方

  • 祝う
    積極的に、お祝いをするチャンスとスポットを作り、成功体験・楽しい経験の中から連帯感を育んでいく仕組み、取り組みをしましょう。例えば

    ・年次の表彰制度を半期に一度にしてチャンスを増や
    ・数字以外でお祝いできることはする
    ・発案や提案が多い人を表彰する
    ・月ごとに誕生日の人を合同でお祝いする
    ・誰にとってもお祝いなイベント(クリスマス・バレンタインなど)を活発にする

    など、社内で何かあるたびに、褒め合う、称え合う、祝いあう風土・カルチャーができるのが理想的です。

    調査によれば、承認による成功体験が蓄積するとクリエイティビティが増加するというデータがあるため、積極的に企業が社員を褒め、祝う仕組み作りは、企業のイノベーションをも高める可能性があります。
    【参照:千葉工業大学工業経営学科 C-31 若者の成功体験における創造性に関する調査研究

4-2 組織目標を達成するために必要なアクション

  • 触発
    仕事に対するモチベーションを触発する仕組み作りをしましょう。例えば、かつてソニー株式会社では、働きかたや生き方レベルでのロールモデルになる人を招聘してスピーチしてもらったり、創業者の逸話などを語る時間をとって

    ・自分も、あの人のように生きてみたい
    ・いつか、あんな大きな仕事をしてみたい

    など、社員の心を揺さぶる仕組みを多様して、VAIO・ウォークマン・MDディスクなどの数多くの秀作をこの世に出してきました。

    「自分の仕事は、ただの仕事だと思っていたけど、仕事にはもっと重要な意味があるんだ」

    ということを肌身で感じてもらい、組織全体が世の中に起こせるダイナミックな仕事の影響力を理解してもらいましょう。
    【参照:ソニー 盛田昭夫―――“時代の才能”を本気にさせたリーダー

  • 語りかける
    会社にとって重要なことは、経営陣だけで話さずに、社員にも「語りかけ」ましょう。

    トップや経営陣が社員に直接、経営理念や将来のビジョンを語ると、社員たちが普段思っている「企業イメージ」「将来のイメージ」と、経営陣のレベルの高い考えがリンクして、社員の脳内には気づきが大量に起こり、一気に経営方針や経営理念に対する理解が高まります。

    その結果、組織の目標が達成しやすくなります。
    【参照:教科書では学べない数学的思考: 「ウーン!」と「アハ!」から学ぶ

  • 傾聴
    上記の語りかけるの反対です。
    ・社員のなんでもない毎日のこと
    ・企業に対する文句やクレーム
    ・改革してほしいこと

    など、ランダムかつ総合的に社員の声を吸い上げ「傾聴」します。そして社員の声を総合的にまとめて今後のマネジメントに活かすために使います。

    従来はこれらの機会は、社内運動会・飲み会・上司との食事などで行われていましたが、時代の変化とともにその機会は失われつつありますので、企業が積極的に「傾聴」のチャンスを作り出すべきでしょう。具体的には

    ・自由に話せる時間を月に数回設ける
    ・匿名でネット投票
    ・社内共有ブログで書き込みができる
    ・社内SNS
    ・個別面談

    など、それぞれの社員がやりたい形で、自由に発言できるように企業側が受け皿を広くとる必要があります。大切なのは、これらの自由な意見が、人事評価などには一切影響しないということも理解しておいてもらう必要があります。

4-3 個人の能力開発のために必要なアクション

  • 感謝
    社員の成し遂げた仕事・努力に対する感謝を示すための仕組み、取り組みを取り入れましょう。
    表彰制度などをしっかりと組み立て、企業が社員に感謝をしていることがきちんと伝わるように努力をしましょう。

    また、社内にツールとして取り組むことができる「褒め合い」システムを採用しておくと、トップから末端社員まで一律に、感謝したい時に自由に感謝の気持ちを送り合うことができます。

    メールや会った時でいいかな、というような日常の何気ない小さな「ありがとう」「嬉しかったです」の気持ちを、伝えたい時にすぐ伝えあえるため、感謝の言葉や行為が温度を持って社員に伝わります。肯定的な言葉の応酬は、より感謝しやすい状態を作り出します。
    【参照:貢献を見える化するツール Unipos

  • 育成
    社員の能力開発のための仕組みや取り組みを用意しましょう。企業が社員の能力開発の機会を作ることは、社員の能力に期待をすることです。大切に育ててもらったと感じられた社員は、自分の部下にも同じく、手厚く育成の機会を与えるようになります。

    すでに能力開発制度を持っているところは、さらなる充実をはかりましょう。現在、働き方改革の一環として、人材開発支援助成金など多彩な育成システムの支援がありますので、積極的に採用していきましょう。
    【参照:厚生労働省 人材開発支援助成金

  • 配慮
    社員ではありますが、その前に一人の人としての人生があります。柔軟な働きかたなどを通じて、企業ができる個人への配慮は、最大限考えてあげるべきでしょう。

    例えば、女性社員の産休・育休支援強化として、社員が育児で長期休暇を希望する際、代替人員を採用する制度を使います。営業のような忙しい部署・職種であっても人員が補填されるのであれば、配属転換をしないままでも復帰ができます。また同時に、同僚も一人の欠員が出るために過重労働を余儀なくされることもなくなります。

    また、社内結婚の場合、夫婦の場合は希望があれば夫婦揃っての移動を認めるなど、企業できる配慮はして柔軟に対応をすれば、家庭を維持するために必要のない退職を防ぐこともできます。

    これ以外にも、介護や子育て中の社員に対して積極的なリモートワーク推奨をするなど、企業側から提案できる「配慮」は多くあります。自社の社員の傾向などを踏まえて、適切なことをして挙げましょう。

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