人材育成方針とは?人材育成方針の重要性や決め方、他社事例を解説!

4.人材育成方針3つのポイント

他社の事例も参考にしつつ人材育成方針を定めたら、いよいよ実行に移ります。

言うまでもなく、方針を定めただけでは意味がありません。

ここでは、人材育成方針を実行していく際の3つのポイントをご紹介します。

(1)人材育成方針の浸透

人材育成方針をいかに社内に浸透させるかは重要なポイントですが、特に企業規模が大きくなればなるほど、難しいと感じるかもしれません。

この点は、独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表した『人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査』の調査結果からも明らかになっています。

具体的には、調査対象20,000社の中で「何らかの人材育成・能力開発の方針を定めている」企業のうち、従業員にその方針が「浸透している」と回答した企業は7.2%にとどまりました。

「ある程度浸透している」割合は66.8%に上るものの、自信をもって浸透しているとは言えない企業が多いと感じられます。

そもそも、定めたばかりの方針は社員に認知されていないため、社内報への落とし込みや、イントラを通した定期的な発信などによって、認知と理解を深める施策を実施しましょう。

若手社員はもちろんのこと、管理職にも当事者意識を持ってもらう必要があります。

人材育成方針を決める「現状把握」のステップでもお伝えしたように、なるべく多くのプロセスにおいて管理職が関わり、人事部門と連携して実行していきましょう。

方針を浸透させるのには一定の時間を要しますが、あらゆる取り組みが方針に沿っていることを理解し共感できるようになると、社員の意識も変化してきます。

参考:https://www.jil.go.jp/press/documents/20210205.pdf(P.3−4)

(2)社員を評価する仕組みづくり

人材育成方針に沿った取り組みと併せて、社員を評価する仕組みも構築する必要があります。

方針の策定とともに評価する仕組みも出来上がっていれば問題ありませんが、正当な評価体制が整っていなければ人材育成は困難です。

人事評価制度をはじめ、方針に沿って活躍している社員を適切に評価することで、社員自ら求める人材に近づこうとするモチベーションの向上にもつながります。

また、評価する側も、人材育成方針と評価結果を照らし合わせ、「なかなか上手くいかない」「想像以上に伸びている」と現状分析しやすくなります。

社員を評価する仕組みづくりは、人材育成を加速するとともに、人材育成方針の軌道修正にも役立つでしょう。

(3)経営層の視点

人材育成方針が定着しつつあり、さまざまな制度や研修も順調に進んでいる……一見問題なさそうな状況ですが、経営層の視点を忘れてはいけません。

なぜなら、人材育成方針はあくまで道しるべであり、方針に沿った仕組みを回すこと自体が目的ではないからです。

経営層と同じ目線で、この先10年、20年と自社をリードしていく人材が育っているか、長期的な視点を忘れずに意識するようにしましょう。

5.人材育成方針の明確化がもたらす+αのメリット

人材育成方針、すなわち企業が求める理想の人材を明確にすることは、人材育成そのもの以外にもメリットをもたらします。

ここでは、その+αのメリットを2つご紹介します。

自社の価値観が明確になる

1つ目は、自社の価値観が明確になるということです。

人材育成方針を決めていくプロセスの中で、自社のビジョンやミッションを棚卸しすることになるため、根底にある価値観が明らかになると考えられます。

これからの日本において、変化の激しい社会のニーズに応えていくためには、社員一人ひとりがスピード感を持って柔軟に対応していくことが求められます。

そのためには、単に上下関係やルールではなく、共通した価値観によって社内の統一を図り、速やかな意思決定をしていくのが効果的と言えるでしょう。

自社の価値観が明確になれば、企業の発展を自分のこととして考えられる、社員の意識改革が期待できるのです。

従業員エンゲージメントが向上する

2つ目のメリットは、明確になった価値観に共感する社員が増えると同時に、「従業員エンゲージメント」の高い社員も増えるということです。

「従業員エンゲージメント」とは、社員の企業への貢献意欲の度合いのことで、エンゲージメントの高さは企業の業績に密接に関係すると考えられています。

実際に、株式会社リンクアンドモチベーションが公開した「『エンゲージメントと企業業績』に関する研究結果」によって、従業員エンゲージメントの向上は「営業利益率」と「労働生産性」にプラスの影響をもたらすことがわかりました。

相関性を示すグラフを見ると、(従業員)エンゲージメントのスコアが1ポイント上昇すると、当期営業利益率が0.35%、労働生産性は0.0035とそれぞれ上昇しています。

さらに、従業員エンゲージメントの高い、すなわち貢献意欲の高い社員が増えるということは、結果として優秀な人材の流出を防ぐことが可能になります。

この記事の前半で、「労働人材の確保が難しい環境下で企業の将来性を高めるためには、人材育成方針に沿った取り組みによって社内人材を育成し、生産性の向上を図るのが現実的」と述べましたが、人材育成方針の明確化は生産性の向上に加え、離職率の低下という嬉しいメリットも期待できると言えるのではないでしょうか。

参考:https://www.lmi.ne.jp/about/me/finding/detail.php?id=14

6.まとめ

人材育成方針とは、目指すべき社員像と、そのために必要な取り組みを定めたものです。

この記事でご紹介したように、

  • 「現状把握」→「目指すべき社員像の決定」→「取り組みの具体化」という流れで方針を決める
  • 実行する際には、(1)人材育成方針の浸透(2)社員を評価する仕組みづくり(3)経営層の視点を意識する

以上の点を押さえてみてください。

人材育成方針は、自社の価値観を明確化するとともに、優秀な人材の流出防止や生産性の向上にもつながると考えられます。

ポイントを踏まえて方針を策定・実行し、ぜひ企業の持続的な成長を目指してください。

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