あなたの会社は大丈夫?社会心理学者スタイナーが説く社内コミュニケーションの重要性

2.コミュニケーション不足が生産性を低下させる理由

社内コミュニケーション不足はこのように、社員一人一人の能力発揮にマイナスに働き、それが周囲に伝播することによって、組織全体の生産性低下を引き起こします 。では、その社内コミュニケーション不足はなぜ起きるのでしょうか?

アメリカの社会心理学者スタイナーによると、集団の生産性は以下の公式を用いて説明が可能だそうです。

実際の生産性 = 潜在的な生産性 ー プロセス損失

一人一人の持っている潜在能力の総和(潜在的な生産性)」- 「複数名で協働する過程で発生する一人一人の潜在能力のマイナス(プロセス損失)」が、集団の生産性になるという考え方です。

「複数名で協働する過程で発生する一人一人の潜在能力のマイナス」とは、具体的には「情報伝達が漏れたことによるミス」、「目標やミッションが共有されていないことによるモチベーションのバラつき」などが挙げられます。

もう少しわかりやすくするため、以下具体例を見ていきましょう。

南山大学 人文学部 心理人間学科の中村和彦教授が「OMNI-MANAGEMENT」誌に寄稿した記事を参考に解説します。

潜在的な生産性

各自最大120㎏、110㎏、100㎏、90㎏、80㎏の力で縄を引っ張れるメンバー5人が綱引きをした時、それぞれが最大限の力で縄を引けば、その総和は(120+110+100+90+80)=500㎏となります。

これが「潜在的な生産性」です。

プロセス損失

しかし実際に5人で一緒に縄を引っ張っても、なかなかこの様な結果は得られません。理由は複数あります。

●綱を引くのが自分一人ではないことから「自分一人くらい全力を出さなくてもいいだろう」という「社会的手抜き」が生じて、全力で縄を引かないメンバーがいた。

●前の人が手を抜いているのを見た後ろの人が影響され「じゃあ私もそんなに頑張らなくていいか」と自らも力を抜いてしまった。

●更に5人が同じタイミングで、同じ方向に向かって縄を引っ張るのも容易なことでないため、タイミングや方向がバラバラのまま引っ張って、個々の力が結集されなかった。

このように、複数の人々とともに何かをする過程で発生するのが「プロセス損失」です。

プロセス損失を最小化するための手段が「コミュニケーション」

ですので複数の人々とともに何かをする際、その潜在能力を最大化して生産性を高めるには、プロセス損失をいかに少なくするかが重要になります。

そしてそのプロセス損失を最小化するための手段が「コミュニケーション」なのです。
例えば、

●「優勝のために皆で全力を出し切る」という目標を共有する

●皆が同時に縄を引っ張れるように声を掛け合う

●互いに励まし合い、真剣に取り組む雰囲気づくりをする

などといったコミュニケーションを通して「プロセス損失」は最小化され、人とチームの潜在能力が最大限に発揮できるようになっていくからです。

複数名でともに何かをする際、プロセス損失の発生は避けられません。

従ってプロセス損失を減らしてくれるコミュニケーションが不足すると、プロセス損失が大きくなり個人・組織の力がマイナスされてしまい、生産性が低下してしまうのです。

(参考: OMNI-MANAGEMENT.2012.2月号 「コミュニケーション不足が招く「協働性」と「生産性」の低下」南山大学 人文学部 心理人間学科教授 中村和彦)

社内コミュニケーションを活性化させプロセス損失を防ぐUnipos(ユニポス)とは

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