マトリックス組織とは?プロジェクト型組織との違い、導入企業例、メリット・デメリットを解説!

マトリックス組織が向いている企業

変化が激しい昨今のビジネス環境において、マトリックス組織の有効性は高まっていると言えますが、運用の難易度が高い組織形態であるため、導入すればどの企業でも成果が上がるというわけではないことを認識しておく必要があります。

マトリックス組織は、限られた経営資源を全社的に共有しやすいこともあり柔軟な対応が可能なため、激しい環境変化にさらされがちな多角経営を行う企業やグローバル展開をする企業に向いています。主に大企業で採用されていますが、その業種は様々です。

企業が成長していく中で、生産力をより向上させるために必要とされる、市場変動への柔軟な対応や、高い管理力を実現するために効果的な組織形態がマトリックス組織であると言えます。

マトリックス組織のメリット・デメリット

こちらではマトリックス組織のメリットとデメリットを確認しておきましょう。

マトリックス組織のメリット

まずはメリットについて見ていきます。

限られた経営資源を全社的に分かち合える

マトリックス組織は、事業部制組織と機能型組織の両者のメリットを得られる組織形態です。それにより、情報や人員のように限られた経営資源を複数の部署で効率的に分かち合えるというメリットが生まれます。

たとえば、事業部制組織や機能型組織の場合、各事業部や機能で活動が完結するため、他の事業部や機能で保有している経営資源を把握したり活用することは難しいでしょう。しかし、マトリックス組織の場合は、各機能と事業部が組み合わさっているため、情報や人員を把握したり共有したりしやすくなり、少ない経営資源を効率的に活用できます。

複数の組織形態を組み合わせているため柔軟な対応が可能

マトリックス組織は、全社的に経営資源を共有できるため、たとえば◯◯製品事業部のマーケティングで得たデータを△△製品事業部のマーケティングに活用するといった柔軟な対応が可能となります。

このような柔軟性は、市場の激しい変化やクライアントの希望に無理なく対応することを可能にしつつ、一元管理しやすいのが魅力です。

多角経営を行っているメーカーでは、例えば国別、製品別、機能別など3つの組織構造を組み合わせた「三次元マトリックス」なども導入しています。

管理が複雑化するグローバル展開に有効

ビジネスでグローバル展開を推し進める場合、各エリアごとの市場特性を把握するためのマネジメントとともに、各種製品別の管理も重要になってきます。また、製品部門は、各エリア部門から情報を吸い上げながら改良を繰り返すことで、市場特性に適した製品を提供していきます。

グローバル化が進む現代において、マトリックス組織はこれらを可能とする組織形態としてますますその存在感を強めています。

マトリックス組織のデメリット

次にマトリックス組織のデメリットについて確認していきましょう。

指揮命令系統に混乱が生じやすい

マトリックス組織では、機能部門と事業部が並存するため、複数の上司から指示を受けることになり、それにより意見の対立が生じたり意思決定が困難となるリスクがつきまといます。

機能部門の責任者と事業部の責任者では、それぞれ達成すべき目標が異なるために意見に食い違いが生じる可能性があります。意見の違いから一人の部下に対してそれぞれの責任者が異なる指示を与えた場合、部下はどちらの上司に従えば良いかわからず、意思決定が困難となります。

こうなるとマトリックス組織のメリットである柔軟性やスピーディーさが失われることになります。

マトリックス組織を導入するにあたっての注意点

マトリックス組織には柔軟さや迅速さを得られるメリットもあれば、意思決定が複雑になりやすいデメリットもあります。マトリックス組織は運営が難しい組織形態なので、メリットだけでなくデメリットも踏まえた上で導入するかどうかを決めるようにしましょう。

導入する場合は以下のことに注意してください。

自社に適したマトリックス組織の種類を選択する

冒頭で説明した3つのマトリックス組織の種類「ウィーク」「バランス」「ストロング」の中で、企業規模や目的に適した種類を採用するようにしましょう。種類の選択が適切であれば、現行の組織形態を大きく上回る効果を発揮する場合もありますので、慎重に選びたいところです。

組織の方向性を共有する

マトリックス組織の導入で大切なのは、社員間で組織の方向性を共有するということです。マトリックス組織は指揮命令系統の混乱を招きやすい組織形態です。ゆえにその概念を伝えるとともに「なぜマトリックス組織を導入するのか」「それによりどのような課題の解決が見込まれるのか」といったことを説明会や研修などで事前に説明し、導入目的を見誤らないように管理者を含む社員の理解を促す必要があります。

指揮命令系統を明確化する

マトリックス組織では、所属部署や上司が複数となるため、必然的に情報や指揮命令系統が複雑化します。混乱を避けるためには、社員はどのような場合にどの上司の指示を優先すべきなのか、あらかじめルールを作っておくことが必要になってきます。

一部の社員に業務が集中しないようにする

マトリックス組織では、社員は複数の上司から指示を仰いで業務に取り組んだり、複数の上司に報告したりしなくてはなりません。

これにより一部社員に業務が集中して大きなストレスを与える可能性が高まるため、社員のケアや業務の分散について配慮する必要があるでしょう。

不満解消のため定期的にヒアリングを行う

別の組織形態からマトリックス組織へ移行する際には、その大きな変化についていけず困惑する社員も出てくることでしょう。また、ポジションによっては負担が増す社員が出ることも考えられます。社員の不満を取り除くためにも、定期的にヒアリングの機会を設けるようにしましょう。

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