メンターの意味とは?役割やメリット、注意点と事例を解説

3.メンター制度のメリットと注意点

メンター制度を導入することで、企業はさまざまなメリットを得られます。

一方で、運用の際には注意すべきポイントも理解しておかなければなりません。ここでは、メンター制度のメリットと、メンター制度の運用の注意点について解説します。

3−1.メンター制度のメリット

メンター制度の最大のメリットは、メンティーが抱える仕事の悩みや課題を解決することによって、メンティーのモチベーションと定着率が向上することです。

また、メンティーだけではなく、メンターとなる中堅社員の成長のきっかけとなる点もメリットといえるでしょう。メンターはメンティーへの指導・助言を通じて、責任感や人材育成への意識が向上します。

さらに、メンターはメンティーと異なる部署から選ばれることが多いため、部署を横断したコミュニケーションが活性化するメリットも得られるでしょう。

企業にとって、メンター制度を導入することは、新入社員の離職率の低下、組織風土の醸成、中堅社員の育成、企業内コミュニケーションの活性化など、幅広いメリットがあるのです。

3−2.メンター制度の運用の注意点

メンター制度を導入するにあたっては、全社的な推進体制を整えておかなければなりません。

経営層をはじめ、人事関係の部署、現場のマネージャー、メンターやメンティーになる可能性のある中堅・新入社員に、制度の趣旨を理解してもらう必要があります。

メンター制度の趣旨やメンターの役割、上司との違いなどについて、共通理解を持ち、運用するためのルールを制定しておきましょう。

また、メンターを担う社員は、その活動によって、通常業務を圧迫することも考えられるため、業務負担の見直しも検討しなければなりません。

さらに、メンティーからの相談内容によっては、メンターの対応範囲を超えた問題が発生することも予想されます。そのような場合に備え、メンター自身の相談先を明確化しておくことも必要です。

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4.メンター制度の成功事例

ここで、実際にメンター制度を導入し、成功を収めている2社の事例を見てみましょう。

4−1.株式会社高島屋

大型小売店という業態の高島屋では、シフト制での勤務ゆえ、OJTの運用が難しかったことと、社内でのコミュニケーションが希薄になっていたことが課題でした。

そこで、入社4年目の社員をメンティー、入社10年目前後の社員をメンターとするメンター制度を導入しました。

メンタリングスキル研修の実施、メンター制度の手引きの作成、メンター同士のネットワークの構築などの準備を経て実施した結果、主体的なキャリア形成、マネジメント力の向上を促進することに成功しています。

参考:人材育成|従業員|CSR|企業情報|高島屋(https://www.takashimaya.co.jp/corp/csr/employee/human_resources.html)

4−2.株式会社資生堂

資生堂では、メンターとメンティーの年齢関係を逆転させた、「リバースメンター制度」を展開しています。

若手社員がメンターとなり、メンティーとなる役員に、マンツーマンでITツールの知識やスキルを伝授する制度です。

役員のITスキルを向上させて、全社的なIT活用を推進することが最大の目的ではありますが、同時に社内コミュニケーションの活性化や、若手社員の育成も目指しました。

厳密な意味での「メンタリング」とはいえないかもしれませんが、世代間ギャップを埋め、具体的な業務改善やイノベーションにつながるコミュニケーションが生まれるきっかけにもなっています。

2020年時点では、200名ほどの役職者が必ず受けるプログラムに育っており、大きな成果を上げています。

参考:若手社員が役員にIT指南!リバースメンター制度が資生堂にもたらした変化とは?(https://news.mynavi.jp/itsearch/article/solution/3230)

参考:社内コミュニケーション | 中小企業を活性化する経営誌 月刊「理念と経営」

(https://www.rinen-mg.co.jp/web-rinentokeiei/entry-4747.html)

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5. 良いメンター・メンティーを育成するには

メンター制度を成功させるためには、「良いメンター」「良いメンティー」の育成が不可欠です。ここでは、両者を育成するためのポイントを紹介します。

5−1.研修を実施する

コミュニケーション力が高いなど、メンターに適した人材をただ選定するだけでは足りません。

研修の実施によって、メンターに求められる資質を伸ばし、メンティーとの対話(メンタリング)についての理解を深める必要があります。また、メンティーとなる社員についても、メンター制度の概要や、どのようにメンターとの信頼関係を構築していくかなど、研修にて理解を深めるとよいでしょう。

5−2.定期的に効果を測定する

メンター制度を、有効な人材育成施策として継続するためには、数値目標を設定し、メンター・メンティー双方の課題を定期的に見出すことも大切です。

例えば、支援ツールを活用し、メンタリングの実施状況や質などを分析することで、メンターにとってもメンティーにとっても、より良いメンタリングに必要なポイントが理解しやすくなります。

参考:メンター制度支援ツール(https://www.mentor-kyoukai.jp/mentor-tool/)

5−3.メンターのケアを行う

メンターの役割は幅広く、通常の業務とは別に時間と労力を割いて、後輩社員の成長のために動かなければなりません。

その責任感から、体力的にも精神的にも負担を強いることになるため、制度運用にあたる担当部局や上司などがメンターをケアすることも、良いメンターの育成には欠かせないでしょう。

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6.まとめ

今回の記事では、メンターの意味や役割、選ばれたときにすべきこと、メンター制度の成功事例などについて解説しました。改めて、記事の内容について振り返ってみましょう。

・メンターとは、仕事やキャリア、プライベートの悩みについて、指導・助言をしてくれる、信頼のおける相談相手のこと

・メンターは、「働き方や価値観の多様化」と「人材育成にかける時間の縮小」の観点から、効果的な人材育成に欠かせない存在として求められるようになった

・メンター制度は、業務上の接点が少ない先輩社員が指導役を担い、公私ともにサポートする手法である一方、OJTでは、直属の上司や同課の先輩社員が指導役を担い、仕事の知識やノウハウを、職場での実践を通じて教育する手法

・メンターの役割は、メンティーが悩みや課題を解決する方法を見出すために、サポートすること

・メンターのタイプは、以下の2つ

 ・話しやすいメンター

 ・学びのあるメンター

・メンターには、コミュニケーション力が求められるものの、メンターに選ばれたからといって「特別なこと」をするのではなく、メンティーと素直に・誠実に話すという気持ちを大切にすべき

・メンター制度のメリットとして、新入社員の離職率の低下、組織風土の醸成、中堅社員の育成、企業内コミュニケーションの活性化などが挙げられる

・メンター制度を運用する際には、全社的な推進体制を整えておくことが大切

・メンター制度の2社の成功事例

 ・株式会社高島屋

 ・株式会社資生堂

・良いメンター・メンティーを育成するポイントは、以下の3つ

 ・研修を実施する

 ・定期的に効果を測定する

 ・メンターのケアを行う

この記事を参考に、メンター制度の効果的な運用に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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