モンスター社員5タイプの見分け方とタイプ別モンスター社員の対処法


2.モンスター社員5タイプの見分け方

本章では、具体的にモンスター社員を種類別に見分ける方法をまとめました。

今まで、自分の同僚や部内のモンスター疑いの人に「え?」「なんで!?」というびっくりする言動をされても、なんとなくモンスター断定がしづらかった人たちは、以下の表が判断基準として利用できます。

また、総務や人事部などの人で、他部署から「うちにモンスター社員がいる」という報告があり、事実確認のための内偵をする場合も、以下の要素が当てはまるかで判断が出来ます。対処法は次章で触れます。

モンスタータイプ

原因

モンスター・スタイル

よくあるモンスター言動

①ひねくれ

性格

自己卑下・被害妄想

「どうせ、俺(私)なんか」・気にしすぎ

②メンタル不安定

性格

情緒不安定・依存

泣く・仕事しない・休職と復帰を繰り返す

③自己アピール

性格

承認欲求暴走・キラキラ

かまってちゃん・自慢話

④パワハラ

攻撃

悪意のある攻撃

自分より立場の弱いものを攻撃をする

⑤親介入

親子依存

ヘリコプターペアレンツ

何かにつけて親が会社に乗り込んでくる

①ひねくれモンスター

・モンスタースタイル:卑屈・自信がない・被害妄想
・問題と原因:性格に問題があります。自分は人よりも劣っているなど自己肯定感が低く、自信がありません。自分の存在に対して常に不安を抱いているため

 ・自分は見下されているかもしれない
 ・人から大事にされていない気がする

などの認知の歪みがあります。人の誠意や善意を信じられず、疑心暗鬼になりがちです。仮に周囲が励ます・褒めるなどをして元気付けても、相手の言動の中から「自分が大事にされてない部分」だけを上手に探し出して元に戻ってしまいます。

基本がネガティブ思考なため攻撃力はありませんが、ネガティブな言動により周囲を精神的に疲弊させるパワーがあります。

・モンスター言動1:「どうせ俺(私)なんか」などの自分を卑下する言葉を使う
・モンスター言動2:人が自分のことを悪く言っている、思っているなどの事実無根の被害妄想がある
・モンスター言動3:メンタルが弱い。傷つきやすく、ちょっとしたことですぐ仕事を休んでしまう

【参照:ウィキペディア 認知の歪み
【参照:高田利武 社会的比較による自己評価の自己減退傾向

②メンタル不安定モンスター

・モンスタースタイル:情緒不安定・依存体質
・問題と原因:いわゆる精神状態が不安定でメンタルが弱い人です。悪意のないタイプ、悪意のあるタイプに分かれます。

<悪意のない・メンタル不安定モンスタータイプ>
多くの場合、単にわがままに甘やかされて育てられたケースが多く、ストレス耐性がないので些細なことですぐ気持ちがグラグラと揺れます。

男女共、昨今は決して少なくはないタイプですが、悪意はありません。メンタル状態が良い時は明るくて社交的、話好きでとても魅力的なのですが、何かのきっかけで不安定な状態になると

 ・ところかまわず泣く
 ・突然、キレる。または黙り込む
 ・仕事を放棄する(帰る・サボる)

など社内のトラブルメーカーに変身します。しかし、自分が不安定であることは自覚しており、自分が自分に振り回されている傾向があるため、自分を守る能力にも長けており、言い訳が非常にクリエイティブなのも特徴的です。

・モンスター言動1:少しのストレスや叱責でも耐性がなく、仕事中でも泣き出す。泣き出すと止まらない。
・モンスター言動2:自分の推していた企画がボツなったことが気にくわなかったため、仕事の途中で帰宅しまう。またはデスクには残っているが、不機嫌さをあらわにして仕事もしない。
・モンスター言動3:日常生活がダイレクトに仕事に反映するタイプ。家庭や恋愛がうまくいかないとPCの前でぼーっと座っているだけ、突然何かを思い出して泣く。被害者意識が強いので、職務態度についての注意をすると「傷ついた」など、恨みメールを1日に何十通も上司に送りつけてくる。

【参照:戸塚唯 千葉科学大学教職課程 情緒不安定性の類似が対人魅力に及ぼす効果

<悪意のある・メンタル不安定モンスタータイプ>
精神疾患までとはいかないのですが、非常に厄介なメンタルを持つ人です。過去に大きなトラウマがある・単に性格が悪いなど原因は様々ですが、常に情緒不安定1日のうちの気分のアップダウンが激しく、大変に付き合いづらい人です。悪意のないタイプと違い、このタイプは自覚がありません。

傷つきやすい自分の心を守るためならばどんな嘘でも平気でつきます。ひどい場合は、自分でついた嘘を真実だと信じ込み、仲間を作って集団で自分に都合の良い主張を展開してくる場合もあり、放置しておくと大変厄介な存在に成長する危険性があります。

また、会社の制度を悪用するなど、会社にパラサイトするというスタイルで自分の依存心を満たすタイプも、数回注意をしても直らない場合は、「悪意のある依存」としてここに含まれます。

・モンスター言動1:少しのストレスで仕事中でも泣く。泣き出すと止まらない。客前でも泣く。
・モンスター言動2:離職票の内容を自分の都合良い内容に変更するため、セクハラなどをでっち上げる。
・モンスター言動3:パラサイトという形で会社制度に依存し、悪用する。例えば、
 ・休職・復帰を自分都合で何度でも繰り返す。
 ・できる限り仕事をしない。
 ・周りがどんなに忙しくても絶対に残業をしない。
 ・会社備品などを勝手に持ち帰る。
 ・金額の大小を問わず、社費をくすねる。

【参照:嶋田洋徳 早稲田大学人間科学学術院 教授「臨床心理学からみた「うそ」の理解」

③自己アピールモンスター

・モンスタースタイル:承認欲求暴走・キラキラ
・問題と原因:自分が「他者より優れている」という裏付けを取りたい欲求が強すぎるタイプです。自分を認めて欲しいという気持ちは、心理学者マズローの6段階欲求でいうところの4段階目・尊厳欲求に当たる部分で、

 ・賞賛されたい
 ・尊敬されたい
 ・地位や名誉が欲しい

など、他者からの承認を求めて自分を満たしたいという、人間ならば誰にでもある欲求です。しかし自分の価値や評価を他人に委ねるという性質上、100%満足する承認を得るのは難しく、自分と周囲のギャップが大きい人ほど、満たされない思いから、次第に承認欲求が暴走しはじめます。

【参照:自己実現理論
【参照:アブラハム・マズロー

一般的には、段階4でほどほどの承認を得た後は次の段階に進み、他人の評価を求めて生きることよりも自分自身の課題へチャレンジするように成長しますが、このタイプは自己評価が大甘なため、いつまでも世間から「十分だと思えるほどの承認」を集めることができずに、第4段階に長いこと止まった結果、モンスター化します。

モンスターになると、常に他人が自分に関心を持ってくれていないと気が済まないようになり、人からの承認を得るために繰り返し過剰な自己アピールを行い、結果的に業務妨害になることがあります。

また、自己評価が極端に高いため、自分が格下であると勝手に判定した相手に対しては、相手の役職や立場などに関わらずバカにしたような態度をとる傾向があり、これも業務妨害につながります。

・モンスター言動1:派手なプレゼンとスタンドプレーで自己アピールをしようとして失敗、チーム全体の成果を逃す。
・モンスター言動2:話す内容が自慢話ばかりの上司、「すごいですね」などの褒め言葉が存分に聞けるまで何度でも繰り返す。それでも足りなくて、フェイスブックに自慢ネタ掲載をし「いいね」を欲しがる。
・モンスター言動3:SNS中毒になった過剰なキラキラ女子社員。フォロワー獲得のためなら何でも(整形・借金など)する。

④パワハラ・モンスター

・モンスタースタイル:攻撃・明確な悪意
・問題と原因:自分の立場や地位を盾に、部下や自分よりも弱い立場の従業員を攻撃するタイプです。パワハラ・モンスターがいると職場の雰囲気が悪くなり、攻撃に耐えきれなくなった部下・新人・派遣などが次々とやめていく事態を引き起こします。

パワーハラスメントに関した報道は増えており、世間の関心もある程度はありますが、なかなか減らない原因の1つとして、パワハラ・モンスター社員本人は社内で業績をあげているタイプが多く、企業としては注意勧告程度しか指導していないこともあげられます。

・モンスター言動1:大勢のまえで公開叱責(公開処刑とも言う)をし、叱って育てるのではなく、相手の尊厳を傷つけることが目的で行う。叱責内容は「給料泥棒!」「存在が目障り」など人格否定・存在否定が多い
・モンスター言動2:「辞めちまえ!」「殺すぞ」、物を投げる・壊すなど、脅しや暴力と受け取れるような言動
・モンスター言動3:こなしきれない量の仕事を与え、低評価にするなどの悪意

上記以外でも、
・「インフルエンザ程度で仕事を休むのは気合が足りないからだ」(同:ノロウイルス・溶連菌ウイルスなど)
と病気の社員を出社させたり、自分が感染者でありながら出社してくる

・「台風程度で休むのは責任感が欠如している!」(同:地震・竜巻・大雨・大雪など)と、通勤に半日以上かかっても出社させようとする。早退や遅刻・欠勤も認めない。

など、一般常識や社会通念を逸脱した考え方や行為も、このジャンルに含まれます。

⑤親介入型モンスター

・モンスタースタイル:親がしゃしゃり出てくる(家族・配偶者の場合もある)
・問題と原因:業務や職場に対し従業員の親や家族が介入してきます。社員本人が家で会社での出来事をあれこれ「告げ口」するような報告をしていることが多いのですが、その問題の対処方法などに関して、親や家族が会社に口を挟んでくるのが特徴です。

このような親や家族1990年にアメリカで現れたヘリコプターペアレントという概念に合わせ、日本では「ヘリ親」「ヘリママ」と呼ばれることもあります。ヘリコプターペアレントとは、子供の上空をまるでヘリコプターのように旋回しながら監視し、何かあればすぐさま飛んできて子供に代わって様々な主張をする保護者のことです。

当時、アメリカの州立大学院生(23才)の両親が、担当教授の指導法に口を挟んだことがきっかけで全米ニュースになり、同じような行為を、子供が社会人になってもしている親が大勢いたことで大きな社会問題になりました。企業に対して口出しをしてくる問題は主に

 ・賃金の問題
 ・昇進・タイトルなどの問題
 ・転勤・配置などの問題
 ・社内での扱いの問題

など、企業が我が子を適切に(親が思っているように)取り扱ってくれるかが争点です。似たような現象として、日本では数年遅れでモンスターペアレント(モンペ)という言葉が生まれ、子供の学校教育に関して親が激しく口出しをするなど、やはり介入型の親の存在が問題になりました。

どれも幼少期からの親の介入と子供の依存が強すぎて、親離れ・子離れに失敗してしまっていることが主な原因です。親に乗り込まれると、会社としても適当な対応をするわけにもいかず、単なる業務上の問題が複雑になります。

また、ヘリ親・モンペの子供は親の言うこと聞いてしまうので、親が家で下した命令をそのまま仕事場でも遂行する傾向があり、これがさらに問題を複雑化させています。親子両方に対処しなくてはならないため、担当者や上司のストレスは甚大です。また、平気で職場にズカズカと参上しますので、社内業務が中断されることもあります。

・モンスター言動1:残業をお願いして帰宅が遅い日の翌日、「うちの子には残業をさせないでちょうだい」と、親から職場の上司に直接クレーム電話がかかってくる。
・モンスター言動2:「ママが会社の飲み会には参加しなくていいと言っていたので、僕、帰りますね」と会社記念事業式典でも平気で帰る。引き止めたら、後日、親御さんが会社に乗り込んできた。
・モンスター言動3:ミスをしたので部下を叱ったら、その部下は翌日から欠勤。会社に激昂した親から「うちの子が部屋から出てこない。傷ついてご飯も食べない、上司のあなたのせいだ!どうしてくれる」というクレーム電話が入り、説明しても受け付けない。

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