オンボーディングの事例から学ぶ、失敗しないためのポイントとは?

3.オンボーディングの企業事例5選

オンボーディングと一口に言っても、取り組むべき内容の範囲は広く、方法もさまざまです。

オンボーディングが上手に活用できている5つの企業の事例を参考に、具体的な施策を検討してみましょう。

事例①:Google

Googleでは、新入社員を受け入れるチームが主体となり、入社前から念入りな準備を始めます。

入社日の直前に、上司となる社員にチェックリストがメールで送られます。チェックリストの内容は、具体的に入社後に取り組むべきTodoが5つ挙げられています。

<5つのチェックリスト>

・仕事の役割と責任についてきちんと会話をする

・メンター役となる先輩社員を指名する

・社内のネットワーク作りをサポートする

・最初の6か月は毎月面談を実施する

・気兼ねなく話せる環境を作る

これら5つの点が確実に実施できているかを確認すること自体が、上司の重要なタスクとして位置付けられているのです。

また、入社初日には担当業務についてはもちろんですが、会社の説明にも力を入れています。そうすることで、会社の仕組みや社風、価値観などを学ぶことができるからです。

事例②:Twitter

Twitterのオンボーディングは、新入社員の採用が決まってすぐに始まります。

このことを、採用のオファーを受けて(Yes)から、当日席につく(Desk)までという意味で、”Yes to Desk”と呼んでいます。

新入社員が入社するまでに、PCのセットアップやメールの設定はもちろん、席に歓迎の証としてTシャツとワインを置いておく習わしもあるのだとか。

また、新入社員の席は仕事で関係が深い同僚の隣に配置し、質問などがしやすい環境を整えています。

そして、入社当日の朝食はCEOと一緒にとり、その後オフィスツアーも行います。

その後も月に1度は経営陣との交流があったり、他の部署の仕事を学ぶ機会も用意されていたりと、企業文化の理解を深めるためのさまざまな工夫が施されています。

事例③:キャスター

全社員が完全フルリモートで仕事をしているキャスターでは、もちろんオンボーディングも全てオンラインで実施しています。

同社のCASTER BIZ事業部での具体的なオンボーディングの流れは、以下の通りです。

<オンボーディングの流れ>

・入社初日:全体研修

・2日目:事業部研修

・3日目以降:チーム配属でのOJT

リモートワークが前提になるからこそ、全体研修にてコミュニケーションツールなどの基本ルールを丁寧に説明しています。また、OJTに際してもリモートワークによって孤独を感じたり、相談事を抱え込んだりしないよう、ツールの活用方法を工夫しています。

例えば、チームごとに相談専用のオンラインルームを常設し、何かあればチャットで連絡したのち音声で会話するなど、ミーティングなどの人が集まる場以外でも、相談がしやすい環境づくりに注力しています。

事例④:DeNA

DeNAでは、新卒社員の集合研修もオンボーディングの一環として位置付けています。

その中でも、オンラインでの実施にあたり、リモートワーク特有のストレスを軽減できるようなさまざまな施策に取り組んでいます。具体例は以下の通りです。

<オンライン施策の例>

・連続でのオンライン会議は実施せず、法務などの入社時に必須の研修については、自身のタイミングで受講できるようにする。

・グループ研修では、Zoomのブレイクアウトルーム機能やGoogleのオンラインホワイトボード「Jambord」を活用する。

・事業部の説明時は、一方通行の説明にならないよう、パネルディスカッション形式で双方向コミュニケーションを促進する。

・入社前にZoomのバーチャル背景として使用できる「DeNAオリジナル壁紙」を配布し、チームワークの醸成を図る。

新卒社員だからこそ、基礎的なレクチャーが多くなってしまうところ、オンラインでの一方的な情報発信にならないように作り込まれています。

事例⑤:日本オラクル

日本オラクルでは、毎年200〜300人の中途採用を行なっており、オンボーディングを強化しています。

まず、オンボーディングにおける受け入れプロセスを「全社員の仕事」と位置付けた上で、会社の印象を決める最初の1ヶ月を特に意識し、5週間のプログラムを実施。具体的には、以下のような取り組みを行なっています。

<5週間で取り組むこと>

・会社のルールなどの基礎知識を学んだあと、OJTトレーナーによる実地的な学びに移行。

・ナビゲーターが業務の細かな部分をサポートし、サクセスマネージャーが毎週1時間の面談を実施してエンゲージメントを測るなど、あらゆる方面からサポートする。

・メンター制度の導入や定期的な1on1ミーティングで関係性を構築する。

・ランチ会や歓迎会、交換日記などを用いて、社員との交流を促す。

一般的に中途社員は即戦力採用の前提のため、オンボーディングが疎かになりがちですが、日本オラクルでは、長期間にわたって手厚いサポートを行なっている点が特徴です。

4.オンボーディングで失敗しないためのポイント

ここまで、先進的なオンボーディングに取り組む企業の具体事例をご紹介してきましたが、事例から学ぶことのできる「失敗しないためのポイント」とは何でしょうか?

3つのポイントを押さえておきましょう。

ポイント①:入社前の準備を怠らない

GoogleやTwitterの事例からも分かるように、オンボーディングは入社後対応だけではなく、入社前から念入りに準備を行うことでより良いものになります。

具体的にどんなフローでオンボーディングを行なっていくのか、Todoとして何があるのかを整理しておくことをオススメします。必要に応じて説明資料などのコンテンツも準備しながら、万全の体制で新入社員を迎え入れましょう。

そうすることで、新入社員が入社してから手持ち無沙汰になったり、不安や不満を感じてしまったりすることを避けることができます。

ポイント②:人事部門以外の社員の協力体制を構築する

日本オラクルの事例では特に顕著でしたが、既存社員の協力はオンボーディング成功の秘訣です。

従来の「研修」では、どうしても人事部門が実施するものという印象が強く、人事部門の社員があれもこれも対応しなければと背負いこんでしまうケースもあるかもしれません。

しかし、実際は受け入れ部署のマネージャーはじめ、同僚のサポートは必須ですし、日本オラクルのように、「全社員の仕事」としてオンボーディングを捉えていた方が、新入社員にとって有意義な内容になることは間違いありません。

既存社員を上手に巻き込むことで、中身の薄い表面的なオンボーディングにならずに済むのです。

ポイント③:短期ではなく継続的にサポートする

キャスターや日本オラクルの事例では、継続的なサポート体制が特徴的でした。

特に、中途社員に対しては会社側も即戦力としての活躍を期待してしまうため、入社後数日の最低限のレクチャーを経て、すぐに現場に送り込まれるというケースも多いでしょう。

しかし、短期的なオンボーディングによって業務が上手く進められなかったり、社員との関係構築に失敗してしまったりすると、早期離職のリスクが高まってしまいます。

当然、中途入社であれば、新卒社員よりも早いタイミングでOJTに移行することはありますが、その後のフォロー体制も合わせて強化していくことが望ましいでしょう。

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まとめ

今回は「オンボーディング」をテーマに、具体的な導入事例と、そこから明らかになった失敗しないためのポイントを中心に解説してきました。

ここまでの内容をおさらいしましょう。

・オンボーディングとは、新入社員の早期戦力化や離職防止を目的に業務に必要な知識や技術の習得を支援したり、組織の一員として馴染めるようにサポートしたりする継続的な取組み。

・オンボーディングが注目される背景には、採用形態の多様化や、人材の流動性が高まっていることが挙げられる。

・オンボーディングを行うことで、新入社員のエンゲージメントや心理的安全性の向上が期待でき、離職を防止することで採用コストを抑制することにつながる。

・オンボーディングで失敗しないためには、入社前の準備を怠らないこと、人事部門だけではなく受け入れ部署を中心とした既存社員の協力を得ること、継続的に実施することがポイントである。

いかがでしたか?

ますますその重要性に注目が集まるオンボーディング。社員の能力を最大限に発揮できる環境を構築するため、ぜひ本記事を参考に実践してみてくださいね。

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