組織開発とは人間的側面のマネジメント!手法やヤフー成功事例を解説

5.組織開発を取り入れている企業事例〜ヤフー株式会社

欧米を中心に発展してきた組織開発。日本で知られるようになったのは2015年以降といわれます。

そんな中、2012年から本格的に組織開発に取り組んできた企業があります。ヤフー株式会社です。

この章では、ヤフーの取り組みについて詳しくご紹介しましょう。

5-1.いち早く2012年から人材開発への取り組みを開始

ヤフーには「デジタル時代の最先端企業」というイメージがあります。しかし実は「組織開発」による人を育てる取り組みを実直に行ってきた企業です。

ヤフーの組織開発の始まりは2012年にさかのぼります。変化が激しく新しいサービスを生み出さなければ淘汰されてしまう業界で、その当時いわゆる「大企業的病」的なところもあったというヤフー。

経営陣は未来への危機意識を持ち、組織改革を始めたのです。その改革の一環が組織開発でした。

5-2.対話を増やす施策を続々投入

ヤフーでは組織開発によって「組織の自走力」を強化するというコンセプトを掲げ、そのための支援策を続々と投入しました。

その具体的な内容は、下記表をご覧ください。

<ヤフーの“組織の自走力”を強化するための支援>

1.バリュー発布

企業理念の刷新、浸透

2.フォロワーシップ

フォロワーの当事者意識、自律を促すマインド醸成

3.社員と経営陣の対話

経営陣と社員の膝詰め対話の場づくり

4.ワールドカフェ

バリューや新人事制度の運用方を、社員主導で考える

5.1on1ミーティング

管理職と部下の対話習慣化。コーチング手法を全管理職に展開

6.ななめ会議

アシミレーション。部下から上司へのフィードバックの場

7.ジョブチェン

社内FA制度の刷新によるキャリア自律促進

8.人材開発会議

関係者が一同に会し、部下の人材開発方針を決める会議の開始

9.経営メンバー合宿

経営課題解決会議の実施と、経営陣の関係の質向上

10.ES調査

全社・組織コンディションの可視化と定点観測

出典:ダイヤモンド・オンライン

組織開発において「対話」が重要であることは繰り返し述べてきた通りです。ヤフーの施策も多くが従業員同士の対話の機会を増やしその質を高めることを意図していることがわかります。

5-3.組織開発を企業文化として定着させることに成功

ヤフーでは、2012年の組織開発スタート以降、2013年には組織開発の専門チームが各部門に組織開発を実施。部門を超えての連携強化が図られました。

2015年以降になると、各部門の管理職に組織開発のナレッジが展開され、組織開発が企業文化として定着していきます。

2016年には「ODNJエクセレントアワード組織賞 2016」を受賞しています。これは組織開発のアプローチによって組織を活性化させた組織や個人を表彰するアワードです。

具体的にヤフーが評価されたポイントは、以下の通りです。

・1on1ミーティングを経営陣をはじめとする全従業員に対して導入

・人事上の仕組みづくりと連動しながら組織開発アプローチを実践

・社内で組織開発をおこなう部署を設置し組織強化においても重要な役割を担っている

現在では、組織開発を行っている代表的な企業として広く認知されるまでに至っています。

参考:ヤフー流・新サービスを生む人材が育つ「組織開発」の仕組み|「人が育つ組織」探訪|ダイヤモンド・オンライン

6.組織開発に取り組むときの注意点

組織開発は組織に多くの成果をもたらしてくれるものです。しかし、取り組む前には知っておいてほしい注意点が3つあります。

1.取り組み前にその職場や部門、組織のリーダーと合意する

2.変化への否定的な抵抗に適切に対処する

3.組織開発に終わりはない(半永久的に続けていく)

順に詳しくご説明しましょう。

6-1.取り組み前にその職場や部門、組織のリーダーと合意する

組織開発に取り組む際には、「その職場や部門、組織のリーダーと合意する」というステップが非常に重要とされています。

組織開発は、外部からの働きかけで行うものではなく、当事者自らが主体性を持って進めないとうまくいかないからです。

前述のヤフーの例でも、うまくいったケースの共通点として「その組織トップの変革へのコミットメント」を担当者が挙げています。

組織開発は、決してトップダウンで行うべきではありません。まずはその部門のトップであるマネジャーやリーダーに組織開発とは何なのかを説明します。そして組織開発を行うことへの合意を得てからスタートしましょう。

6-2.変化への否定的な抵抗に適切に対処する

組織開発の取り組みが展開されていくと、「変化すること」への抵抗が起きることがあります。例えば、新しい試みや対話に対しての「やる意味あるの?」「忙しくて時間がない」といった拒否的な反応です。

実は、このような抵抗が起きるのはごく自然なこと。逆に、不満や文句が表出するということは、組織開発がうまく行っている証でもあります。

この抵抗にも「対話」で対応していきます。対話を繰り返すことで、捉え方や意味づけに変化が起き、抵抗感が徐々に薄れていきます。

対話だけで抵抗感をなくすことができない場合には、「小さく試みる(試行)」ことが有効です。人は実際に体験してみないと、やることの意味が腹落ちしません。

そこで、小さく試みて成功体験を繰り返せば、少しずつ抵抗感を減らすことができます。

6-3.組織開発に終わりはない(半永久的に続けていく)

組織開発には、終わりはありません。組織開発は英語で「Organization Development」ですが、“Development”には「進展、発展、発達、成長」という意味があります。

組織では、常に新たな課題が発生しています。新たなメンバーの受け入れ、業務内容の変化、チーム編成の変更……さまざまな変化の中で、絶え間ない対話と探求を繰り返していくのが、組織開発の本質となります。

組織開発は、1つの問題を解決するための短期的な手法ではありません。組織の協働性を高め発展し続けるための永続的なアプローチとして、長期的な視点を持って取り組んでいきましょう。

7.まとめ

組織開発とは「組織を良くするために、当事者として対話し現状に気付き、行動を計画して実行していく」マネジメント手法のことです。

目に見えない「人間的側面」にアプローチするのが特徴です。「対話」「協働」が重要キーワードとなります。

組織開発の具体的な手法は数多くありますが、代表的なものとして次の3つが挙げられます。

1.アクション・リサーチ

2.コーチング

3.AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)

組織開発を取り入れている代表的な企業にヤフーがあります。2012年から取り組みを開始し、現在では企業文化として定着させています。

自社で組織開発に取り組む際には、次の3点に注意してください。

1.取り組み前にその職場や部門、組織のリーダーと合意する

2.変化への否定的な抵抗に適切に対処する

3.組織開発に終わりはない(半永久的に続けていく)

組織開発を行うことで、従業員にとっては働きやすく、企業にとっては生産性の高い組織へと成長していくことができます。ぜひ、あなたの会社でも実践してみてください。

<参考文献>

中村 和彦, 松尾 陽子『マンガでやさしくわかる組織開発』日本能率協会マネジメントセンター,2019年

あの有名企業も導入!毎日1分のマネジメント習慣で、組織開発を後押しするUniposとは?詳細資料ダウンロード

本質的な課題と向き合える

メールマガジン登録

気づきを得られる、試してみたくなる、動きたくなる。 組織改革や人材育成に関するヒントが詰まった、管理職や人事のための無料メールマガジンです。