組織風土改革の成功事例5選と失敗しないための4つのポイント

1−3.株式会社村田製作所

世界トップクラスの電子部品メーカーである村田製作所では、かつて自由な風土が失われかけた時期があったと言います。

携帯電話機器の普及やデジタル家電の登場といった、1990年代後半のITバブルは、これらの製品に欠かせない電子部品を手掛ける村田製作所にとって、業績拡大の絶好のチャンスでした。

実際に、ITバブル崩壊直前の業績は、前の期と比べて売上高は1,000億円以上拡大し、営業利益率は29.8%と圧倒的な収益力でした。

しかし、その後のITバブル崩壊とともに業績は伸び悩み、社員の意識調査からも閉塞感がうかがえるなどしたため、経営陣は危機感を強めます。

社内に「組織風土改革委員会」を立ち上げ、自由な風土を取り戻す改革に乗り出しましたが、経営陣が改革を掲げるだけでは組織に変化は生まれませんでした。

それでも経営陣は諦めず、各事業部を訪問する際には、組織風土改革について対話を繰り返しました。また、「社員が幸せな会社」の代表格とされる伊那食品工業に全役員で訪れ、組織風土改革について徹底的に話し合う合宿をするなどの取り組みもしたそうです。

すると、改革に対する経営陣の本気度に社員が気づき始め、徐々に経営陣の話に耳を傾けるようになったのです。

改革の声は少しずつ浸透し、10年ほどかけて村田製作所らしい自由な風土を取り戻すことに成功しました。現在では、平均勤続年数は14.1年、離職率は1.74%と、人材の定着にも効果を発揮しています。

参考:村田製作所には自由な風土が失われかけた時期があった

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00121/

参考:数字で見るムラタ|キャリア採用|村田製作所

https://recruit.murata.com/ja-jp/career/data/

1−4.オリンパス株式会社

医療・科学・映像の分野で、確固たる地位を築いているオリンパス。

2011年に、同社トップ自らが、損失計上先送りによる粉飾決算を主導するという不祥事が明るみになりました。

株価の急落、経営陣の辞任、刑事事件への発展……。企業が混乱する中で、オリンパスは2012年に新体制で再スタートをきることになりました。

経営陣が粉飾決算を指示していたことや、社員の経営への不信感、活力の低下などを受けて、組織風土改革の実行に踏み切ります。

「Our Purpose 私たちの存在意義」「Our Core Values 私たちのコアバリュー」という2つの経営理念を掲げ、経営陣・人事部門が中心となってさまざまな取り組みを始めました。

例えば、経営トップによる対話集会を開催し、3年間で200回開かれた集会には、2,000人が参加しました。

また、部門を超えた全社イベントを開催し、社内の一体感の醸成を図ったり、コンプライアンスの徹底に向けた内部通報制度の整備をしたりと、積極的に取り組みを進めたと言えるでしょう。

新しい経営陣が次々と変化を生み出し、社員も一体となって組織風土改革に取り組んだ結果、改革をスムーズに進めることに成功したのです。

100周年を迎えた2019年には、新たな組織風土改革への取り組みとして、社内報のリニューアルも手掛けています

世界を相手に持続的に成長していくため、組織として目指す姿を社員それぞれが自分事として捉え、最終的には自社の「ファン」になってもらえるよう、社内報で示していくと言います。

参考:オリンパスが行った風土改革とは

https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NBO/18/bizreach_olympus_0301/?P=1

参考:社内報で経営陣と従業員の距離を縮める(オリンパス株式会社) | 社内報づくりに悩んだら「社内報ナビ」https://shanaiho-navi.jp/archives/7479/

1−5.株式会社湖池屋

スナック菓子の老舗メーカーである湖池屋は、これまで数多くのヒット商品を開発し、業界をリードしてきました。

しかし、「ブランドを強くしていくためには協力を惜しまない」という風土は以前からあったものの、上からの指示を待つ社員の姿勢が目立っていました。

チャレンジして目立つよりも、波風を立てないことを優先する雰囲気があり、「主体性があって自律的に動ける人材開発」が課題となっていたそうです。

そこで、2016年に佐藤章社長が新たに就任し、新生湖池屋として生まれ変わるために、「指示待ち脱却」「思考力と主体性を身につける」をテーマとして組織風土改革をスタートさせました。

例えば、佐藤社長が就任した際には、ブランドブックを新たに作成し、主体性と自律性を持ってどんどんチャレンジしていこうという社員へのメッセージを盛り込みました。

また、部門間の連携が取れていなかったため、部門間連携の会議体を立ち上げ、コミュニケーションを深める仕組みも整えたと言います。

これらの取り組みによって、自律的に働く社員を生み出す組織風土がつくられ、次々と新しい商品が生まれました。新しいブランドのヒットは、社員の停滞していた自信を回復させ、社員の主体性をさらに後押ししたようです。

また、お互いの仕事を理解し、部門の垣根を越えて協力し合う風土が強化されたり、スピード感のある経営が可能になったりという良い影響がありました。

湖池屋は、「働いてみたい注目成長企業2019」で第一位に選ばれており、その理由の一つに改革の成果があると考えられるでしょう。

参考:“働いてみたい注目成長企業”湖池屋が実践! チャレンジする人材と組織をつくる「人事制度改革」 – 『日本の人事部』https://jinjibu.jp/article/detl/tonari/2402/

毎日1分のマネジメント習慣で組織風土を改革する「Unipos(ユニポス)」

2.組織風土改革成功の4つのポイント

ご紹介した事例のように組織風土改革を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。その4つのポイントを、以下で解説します。

2ー1.ボトムアップとトップダウン、それぞれの進め方

組織風土改革は、ボトムアップで行う場合と、トップダウンで行う場合があります。

ボトムアップで行う場合

組織風土改革をボトムアップで行う場合、重要なのは根回しです。

特に会社の規模が大きいほど、「前例がない」「今はそんなことをしている場合ではない」などと、上層部の反発が生まれる可能性があります。

まずは、改革を必要だと考える社員が多いことを示すために、現場レベルで同じ考えを持つ仲間を集めていきましょう。特定の部門やチームの中だけではなく、垣根を超えた仲間や、改革に好意的な管理職を味方につける必要があります。

また、「組織風土改革」という大きな括りでの提案は、どうしても反発を生みやすいものです。「こういった取り組みを始めたい」と小さい提案から一つずつ理解してもらうと良いでしょう。

トップダウンで行う場合

一方、トップダウンで改革を進める方法もあります。

その場合、トップのひとりよがりにならないことが大切です。

なぜ今この改革が必要なのか、組織はどのような姿を目指すべきなのかを明確にし、現場より先にリーダー層の意識を変えましょう。トップとリーダー層が思いを共有し、意識を統一します。

その後、現場へ展開する際には、発信を継続的に繰り返す必要があります。時間はかかりますが、現場に「会社は本気で改革を進めようとしている」と理解してもらうことが重要です。

2ー2.目指す姿を明確にし、組織全体で納得する

組織風土改革を成功させるためには、組織の目指す姿を明確にする必要があります。

トップや経営陣、管理職、現場、それぞれの立場で組織に対する考えは異なるため、一部の意見だけで見切り発車にならないよう、広く意見を吸い上げるようにしてください。

組織の目指す姿と、なぜその姿を目指すのかというビジョンを明らかにし、全社的な納得感のもと協力し合える体制を整えましょう。

2ー3.プロジェクトチームを組成し、優秀な仲間を集める

組織風土改革のような全社単位のプロジェクトにおいては、実践に重きを置いたチームの組成が必要です。

また、プロジェクト成功のためには、そのチームに次世代のリーダー候補となる優秀なメンバーのアサインが必須と言えるでしょう。

しかし、特にボトムアップから改革を始める場合、プロジェクトの重要性を管理職や経営層に理解してもらえなければ、優秀なメンバーのアサインは難しくなってしまいます。

プロジェクトの重要性とともに、「『チーム』とは、そもそも問題解決のために必要な人材が集うものであり、優秀なメンバーのアサインは無くてはならない」ということを、継続して発信することが大切です。

2ー4.各部門に組織改革を推進するリーダーを設置する

プロジェクトチームを組成したら、各部門やチームごとに、改革を推進するリーダーを置きましょう。リーダーには、その部門やチームに影響力を持つ人を見極め、アサインします。

各部門の橋渡しの役割を担うと同時に、改革による変化も波及させやすくなります。

参考:ポイント2:変えるべき組織・ヒトを見極め「変わった」という実感を持たせる|組織風土改革を成功させるポイント

https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/human-capital/articles/hcm/organizational-culture-change-points-for-success-2.html

毎日1分のマネジメント習慣で組織風土を改革する「Unipos(ユニポス)」

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