2021年最新!人事評価制度の10社の成功事例を徹底解説

3. 最新トレンドも!人事評価制度に使われる10つの手法

自社の風土に合う人事評価制度を作るためには、どんな手法があるかを知り、それぞれのメリットやデメリットを理解する必要があります。

ここからは、以下の10つの人事評価制度手法の内容、メリット、デメリット、導入企業の例を紹介します。

◎MBO(目標管理制度)
◎コンピテンシー評価
◎360度評価
◎OKR(Objectives and Key Results)
◎バリュー評価
◎成長志向
◎ピアボーナス
◎ノーレイティング
◎リアルタイム評価(リアルタイムフィードバック)
◎評価のオープン化(見える化)

ちなみに今回の10社の事例で登場したのは、表の3番目以降の手法です。「MBO」「コンピテンシー評価」は従来型の人事評価制度であり、新しい人事評価制度への切り替えを行う会社が増えています。

3-1. MBO(目標管理制度)

日本の企業が現在もっとも多く導入している人事評価制度が、1950年代にピーター・ドラッカーが提唱した目標管理制度(MBO/Management by Objective)の仕組みです。

項目

内容

評価方法

個人やチームごとに目標を設定し、その達成度に応じて年に1回評価を行う

導入メリット

  • 目標や期限などを明確にすることで、評価をしやすい
  • 経営目標や部門目標と連動させることで、業績向上につながりやすい

導入デメリット

  • 業務内容によっては目標を設定することが難しい
  • 目標から外れる業務をやりたがらない、目標を低く設定するなどの可能性がある
  • 評価タイミングの頻度が少ない

導入企業

多くの日本企業が導入しているが、別の人事評価手法に切り替える企業が増えている

現在も日本の約8割の企業が導入している といわれていますが、アメリカの先進的な企業がMBOに代わる人事評価制度を採用し始めてからは、日本でもMBOから新しい人事評価制度に移行する企業が現れています。

目標管理制度(MBO)についてより詳しく知りたい方は、「MBO(目標管理制度)とは?導入の利点と活用へ向けたステップをわかりやすく説明」の記事もご覧ください。

3-2. コンピテンシー評価

コンピテンシーとは「業績や成果につながる行動特性」のことです。コンピテンシー評価はこうした特性を持っている従業員を評価するという人事評価制度です。

項目

内容

評価方法

企業の業績や成果につながるような行動特性のモデル(=評価基準)を作り、それに基づいて評価を行う

導入メリット

  • 評価する者の主観に頼らず、明確な評価基準に基づいた公正な評価が可能
  • 評価される行動を可視化できるため、戦略的に人材を育成できる
  • 採用の評価に適用することで、ミスマッチを無くすことが可能

導入デメリット

  • 導入する企業ごとに評価基準を作るため、導入のハードルが高い
  • 経営環境の変化などへの対応が難しい

導入企業

2002年頃に流行した人事評価制度

年功序列や上司の主観で人事評価が決まるのではなく、明確な評価基準があるコンピテンシー評価は、2000年頃から日本でもブームとなりました。しかし導入のハードルが高いなどの理由から、あまり導入企業の事例は目にしません。

最近では人事評価制度としてよりも、どのような人材を採用するかを決める採用ツールとして活用されることが多いようです。

コンピテンシー評価についてより詳しく知りたい方は、「客観的人事評価が可能なコンピテンシー評価のメリット・導入までの流れ」の記事もご覧ください。

3-3. 360度評価

360度評価は、360度フィードバック、多面評価、周囲評価などとも呼ばれます。上司だけが評価する従来の人事評価制度と異なり、同僚や部下なども一緒に評価するという新しい評価手法です。

項目

内容

評価方法

上司や部下、同僚など複数の立場から、従業員を多面的に評価する

導入メリット

  • 複数の人が評価するため、公平性や客観性が高まる
  • 一緒に働いているメンバーからの評価なので、自分への評価に納得しやすい

導入デメリット

  • 評価に慣れていない従業員がいると、評価にバラツキが出ることがある
  • 部下や同僚からの評価を気にしすぎて、仕事がやりづらくなる可能性がある
  • 評価の準備や実行するための時間を確保する必要がある

導入企業

GMOインターネット株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー、アドビシステムズ株式会社、株式会社メルカリ、株式会社ISAOなど

「日本の人事部 人事白書2018」によると、2018年時点で360度評価を導入している企業は2割で、従業員が多い大企業や成長企業が大半を占めています。

360度評価についてより詳しく知りたい方は、「360度フィードバック導入のメリットと失敗しない為の5つの注意点」の記事もご覧ください。

3-4. OKR(Objectives and Key Results)

OKRはシンプルな目標設定方法のひとつで、Objectives and Key Results(目標と成果指標)の略称です。アメリカのIntelで誕生したこの新しい手法は、GoogleやFacebookなどでも導入され、日本でも採用する企業が増えています。

ただし注意が必要なのは、OKRはあくまで目標設定方法であるということです。OKRの進捗結果だけを人事評価に直結するのはあまりおすすめしません。OKRを人事評価制度に取り入れている企業もありますが、別の人事評価手法と組み合わせて総合的に個人の評価を決めている企業が大半です。

項目

内容

評価方法

1~3カ月で達成できる定性的な「目標(Objectie)」を設定し、そのための「成果指標(Key Results)」を3~5個用意する。達成状況を定期的に確認し、結果の測定を行う

導入メリット

  • 6~7割の達成率に向けて、社員が成長できる
  • 会社と従業員の目標が合致し、ビジョンを共有できる

導入デメリット

  • OKRの進捗結果だけを人事評価制度に直結はできない
    (どれだけ挑戦したか、などにアレンジが必要)

導入企業

株式会社メルカリ、Chatwork株式会社など

OKRについてより詳しく知りたい方は、「OKRとは?KPIやMBOとの違いと仕組みや導入へ向けた進め方」の記事もご覧ください。

3-5. バリュー評価

バリューとは「会社の価値観や行動指針」を指します。従業員がバリューをどの程度体現できているかを定性的に評価する手法が「バリュー評価」です。

項目

内容

評価方法

バリュー(会社の価値観や行動指針)に合った行動を取ることができたかを評価する

導入メリット

  • 会社と従業員の方向性を合わせることができる

導入デメリット

  • 適切に運用するためには、バリューの浸透が必要

導入企業

株式会社メルカリ、ヤフー株式会社、ワイジェイカード株式会社、ソフトバンクグループ株式会社、Chatwork株式会社など

定量評価と組み合わせて人事評価に取り入れる企業が増えています。

バリューを体現した貢献を見える化する「Unipos(ユニポス)」

3-6. 成長志向

現状では能力やスキルが足りていなくても、成長志向を持っている従業員は今後伸びていく可能性が高いですよね。反対に、成長したいというマインドを持っていなければ、それ以上成長することはないでしょう。

成長志向とは、個人の成長に重きを置いた人材育成の方法や評価手法です。

項目

内容

評価方法

従業員の成長度合いを人事評価に取り入れる

導入メリット

  • 一人ひとりの成長したい気持ちを引き出すことができる
  • チームの士気を高めることができる

導入デメリット

  • ルーチンワークが多い部署などは評価がしづらい

導入企業

アドビシステムズ株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社ISAOなど

3-7. ピアボーナス

ピアボーナスとは、従業員から従業員へ成果給(特別手当・ボーナス・ポイントなど)を贈る仕組みのことです。その蓄積を見ることで、他の従業員から感謝されているのは誰かを可視化することができます。また、ピアボーナスには「ありがとう」と言い合う文化を作り出す効果もあります。

項目

内容

評価方法

ピアボーナスの蓄積をもとに、評価の参考にする
多くピアボーナスを得た社員を表彰する
投稿の内容を参考に、適材適所の配置を行う(管理職に向いているなど)

導入メリット

  • ありがとうの気持ちを伝えあう文化を作ることができる
  • 社内の良いことが可視化される

導入デメリット

  • ツールを導入するコストがかかる
  • 報酬稼ぎに熱心な従業員が出てくる可能性がある

導入企業

株式会社メルカリ、スマートキャンプ株式会社、株式会社マイナビなど

ピアボーナスを導入するメリットについてより詳しく知りたい方は、Unipos「ピアボーナスの活用方法と導入事例」をご覧ください。

ピアボーナスで貢献を見える化する「Unipos(ユニポス)」の詳細はこちら

3-8. ノーレイティング

ノーレイティングは、ランク付けによる評価を排除した人事評価手法です。部署のコミュニケーションを強化して、より短い期間の従業員のパフォーマンスを観察することで評価を行います。

項目

内容

評価方法

頻繁にコミュニケーションを取り、従業員のパフォーマンスを観察して評価する

導入メリット

  • 上司と部下のコミュニケーションが活性化する
  • 双方に話し合った結果評価されるため、納得感がある
  • リアルタイムにフィードバックをもらうことができる

導入デメリット

  • 部下一人ひとりと面談する時間がかかるなど、管理職の負担が大きい
  • 管理者に高いマネジメント能力が問われる
  • 安易に導入してしまうと、現場が混乱してしまう可能性がある。

導入企業

アクセンチュア株式会社、アドビシステムズ株式会社、カルビー株式会社など

ノーレイティングは主に外資系企業が取り入れている画期的な人事評価手法ですが、どの会社にも合う簡単なものではないため、慎重な判断が必要です。

ノーレイティングについてより詳しく知りたい方は、「ノーレイティングとは?レイティングとの違いやメリット・事例を解説」の記事もご覧ください。 

3-9. リアルタイム評価(リアルタイムフィードバック)

年に一度、半期に一度の評価では遅すぎるという考えから、よりタイムリーなタイミングで評価を行う方法です。GE(ゼネラル・エレクトリック社)の新しい人事評価制度「PD(パフォーマンス・デベロップメント)」、アドビシステムズ株式会社の新しい人事評価制度「チェックイン」もこの手法に含まれます。

項目

内容

評価方法

月に一度、2週間に一度などの頻度で、上司と1on1でフィードバックを行う

導入メリット

  • こまめに評価しフィードバックを行うので、納得感がある
  • 上司と部下のコミュニケーションが増え、信頼関係が生まれる

導入デメリット

  • 1on1の時間が増えるため、管理職に負担が集中する

導入企業

ゼネラル・エレクトリック社、アドビシステムズ株式会社、株式会社フィードフォース、株式会社ISAOなど

 

3-10. 評価のオープン化(見える化)

評価や等級に関する情報を隠さず、全従業員にオープン化する人事評価手法です。

項目

内容

評価方法

評価や等級に関する人事情報を、従業員にオープンに共有する

導入メリット

  • 全て包み隠さずに公開されるため、従業員の納得感が増す
  • 次に何をしたら良いか、目標などが明確になる

導入企業

株式会社ISAO、株式会社VOYAGE GROUP、株式会社ディー・エヌ・エー、GMOインターネット株式会社など

4. 事前準備が重要!人事評価制度を作る上での注意点

人事評価制度に取り入れたい10の手法、そして10つの企業事例を見て、自分の会社に必要な人事評価制度のイメージが沸いてきた方も多いのではないでしょうか。

最後に、人事評価制度を新しく作る際に気を付けたい3つのことをお伝えします。

4-1. 他社の企業事例をただ真似るのはNG

人事評価制度にはどんどん新しいトレンドが生まれています。それらを取り入れた企業の成功事例を見ると、ついそのまま取り入れたくなってしまうものです。

しかし、他社の企業事例をただ真似するのはおすすめしません。なぜならば、企業の風土や文化によって、最適な人事評価制度が異なるからです。

他社でうまく行っている人事評価制度だからといって、自分の会社でもうまく行くとは限らないのです。

他社の事例を参考にするのは大いに結構ですが、それが自社の文化に合っているのか、導入したら従業員に受け入れてもらえるのか、よく検討したうえで取り入れましょう。 

4-2. 評価者(リーダー)の理解・協力を仰ぐ必要がある

新しい人事評価制度が頓挫する原因の多くは、評価者(リーダー)の不満によるものです。特に、従来の評価方法から大きく手法が変わる場合は、何よりも評価者の理解や協力を仰ぐ必要があります。

評価方法が変われば、どうしても慣れない作業で評価者の負荷が増える可能性が大いにあります。また、人事評価制度によっては、導入後に定常的に評価者の負担が増えるものもあります。

事前にしっかりと人事評価制度を変更する意義について理解してもらい、協力してもらえる体制を作ることが重要です。

4-3. 全従業員に制度の周知を徹底する

評価者と同様に、全従業員に理解してもらうことも大切です。評価方法が変わることで従業員が得られるメリットを丁寧に説明し、制度変更のスケジュールなども共有しましょう。

制度変更の意図が十分に伝わっていないまま実施してしまうと、従業員の不満が増大し、モチベーションが低下する原因になってしまう可能性があります。

「人事評価制度を導入することで評価の納得感が上がる」など、導入のメリットや制度の仕組みを徹底することが大事です。

5. まとめ

この記事では、人事評価制度の参考になる10の企業事例と10の人事評価手法を、最新トレンドを交えながら説明しました。

成長企業から学ぶ!人事評価制度の10つの企業事例
1. 株式会社メルカリ【OKR、バリュー評価、ピアボーナス】
2. 株式会社ディー・エヌ・エー【成長志向・360度評価】
3. アドビシステムズ株式会社【ノーレイティング】
4. 株式会社フィードフォース【リアルタイム評価】
5. GMOインターネット株式会社【360度評価、オープン化】
6. 株式会社ISAO【360度評価、リアルタイム評価、オープン化】
7. Chatwork株式会社【OKR、バリュー評価】
8. ワイジェイカード株式会社【バリュー評価】
9. カルビー株式会社【ノーレイティング、オープン化】
10. 株式会社フロムスクラッチ【その他(クルー制度)】

今回紹介した10つの企業事例や手法を参考に、自社にはどんな人事評価制度が向いているのか、議論を進めてみてはいかがでしょうか。

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