人事制度の評価が不満な人は62%!不満ランキングTOP10と対策

1-6. 評価結果が昇給に結びつく制度ではない(21.4%

6位は「評価結果が昇給に結びつく制度ではない」です。

これも、5位の理由と同じく人事制度の設計上の問題です。人事制度の3本柱のうち報酬制度】が、昇給について定めた制度です。

評価制度】と【報酬制度】が連動していなければ、「せっかくがんばって高評価を得たのに、給料は変わらないのはおかしい」と、従業員は不満を抱きやすくなります。

1-7. 会社の定める評価指標が現実に即していない(20.6%

7位は「会社の定める評価指標が現実に即していない」です。

例えば、以下のケースが考えられます。

  • 現実的に達成不可能な目標を提示される
  • 評価指標が創業時のまま改定されておらず古い
  • 業務上の成果を上げることと評価指標を満たすことが連動していない

1位の不満理由として「評価基準が不明瞭」がありました。

一方、この7位の不満理由からは、たとえ評価指標が明確に提示されていても、それが現実に即していなければ不満の原因となることがわかります。

1-8. 評価指標が成果のみで、プロセスへの評価がない(17.5%

8位は「評価指標が成果のみで、プロセスへの評価がない」です。

この不満は、2018年の調査時点では8位という結果ですが、これから増加する可能性があります。というのも、人事制度のトレンドが「成果主義型」から「役割主義型」へと変遷しているからです。

成果にフォーカスした人事評価よりも「どんな役割を担ったか」という行動プロセスにフォーカスした評価制度を導入する企業が増加しています。

そのような人事制度の導入を自社の魅力としてアピールする企業も多く、新卒社員〜若手社員の間では、「成果主義=古い、役割主義=新しい」という認識が生まれつつあります。

今後、この傾向はさらに強まっていくことが予想されます。

■参考:プロセス評価を簡単に実現できるピアボーナスとは?

1-9. 評価指標に上層部の意向は反映され、一般社員は反映されない(14.4%

9位は「評価指標に上層部の意向は反映され、一般社員は反映されない」です。

この不満理由も、8位の「プロセスへの評価がない」と同じく、人事制度トレンドの変遷とともに、増える可能性があります。

従来の評価制度では「上司が部下を評価する」のが一般的でした。しかし、それでは限界があるとして、同僚や部下など他の従業員も評価する制度(「360度評価」などと呼ばれます)が注目を集めています。

※さらに詳しく人事制度のトレンドについて知りたい方は「人事制度2020年代の最新トレンド傾向と事例3社に学ぶ取り入れ方 も併せてご覧ください。

1-10. 実績に対する評価より、年功序列が優先される制度である(9.2%

10位は「実績に対する評価より、年功序列が優先される制度である」です。

数は減りつつありますが、それでもまだ、年功序列を基本とする人事制度を継続している企業も多くあります。

年功主義型の人事制度が主流だった1970年代は団塊世代の大卒〜入社の時期にあたり、成果主義型が台頭する1990年代は就職氷河期世代の大卒〜入社の時期にあたります。

長年、企業に貢献してきた自負のあるベテラン社員は、年功序列が優先されるのは当然と考えるでしょう。

一方、若手社員・中堅社員は、成果主義型から役割主義型へと変遷する社会の中で社会人経験を積んでいます。年功序列には不満を抱きやすい傾向があります。

以上が、人事評価制度に従業員が抱えている10個の不満です。今まで気付けていなかった「従業員視点」が、得られたのではないでしょうか。

参考:Adecco Group「人事評価制度」に関する意識調査

■参考:プロセス評価を実現し人材育成を加速させるピアボーナスとは?

2. 人事制度の不満を放置すると起きる問題

従業員は、人事制度にさまざまな不満を抱えていることがわかりました。それらを放置したら、企業はどうなるのでしょうか。

本章では「人事制度の不満を放置すると起きる問題」にフォーカスしたいと思います。

順に解説しましょう。

2-1. 不満を抱えている従業員のモチベーションが低下する

まず、不満を抱えている従業員のモチベーションが低下します。

実は、不満を口に出している段階では、まだ救いがあります。「何とか現状を変えたい」という意欲が、「不満を口に出す」という行動を引き起こしているからです。

しかし、不満を抱えた状態が続くと、やがて仕事に対してのやる気が失われていきます。

  • 不満を伝えてもどうせ変わらない
  • がんばって働いても評価されないならムダだ
  • 必要最低限の労力しか使いたくない

…といった具合に不満が意欲を損なわせ、やがて勤務態度に表出していきます。

そうなればパフォーマンスが下がりますので、成果は出にくくなります。成果が出ないとさらにモチベーションは下がりと負のスパイラルの始まりです。

2-2. 不満が伝染し組織全体の生産性が低下する

不満を抱えた従業員のパフォーマンスが低下すれば、組織の生産性は下がりますが、影響はそれだけではありません。怖いのは、不満の伝染による組織全体の生産性低下です。

人事制度への不満を、たった一人の従業員が抱えていることは少ないものです。潜在的に複数の従業員が、同じような不満を抱えています。

そのため、ある従業員の勤務態度が悪くなれば、そこから不満の伝染が起こりやすくなります。それぞれが少しずつ抱えていた「人事制度が不満」という思いが、増幅していくのです。

職場の雰囲気は悪くなり、チームワークが悪化して、組織全体の生産性が低下していきます。

2-3. 離職率が高まり優秀な人材の流出が始まる

最終的には、離職率が高まり優秀な人材の流出が始まります。

「意欲がなく雰囲気の悪い職場は自分に合わない」と感じる従業員たちが、転職を考えるのは当然です。このタイミングで、より魅力的な人事制度をアピールする企業に出会えば、退職を決意する人も出てくるでしょう。

やがて離職率が高まり、優秀な人材が組織から姿を消します。組織の生産性はさらに低下しますので、悪循環が止まらなくなります。

この段階に陥ってからの立て直しは難しく、組織の弱体化が進めば存続さえ危うくなる危機的状況です。

こうなる前に、人事制度の不満を解決する手だてを打ちましょう。その方法は、次章で解説します。

【ウェビナーで学ぶ】優秀な人材が離れない「エンゲージメントが高い組織」までの道

次ページ「3. 人事制度に不満が出る3つの原因と対策方法」

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