人事制度2020年代の最新トレンド傾向と事例3社に学ぶ取り入れ方

5. トレンド人事制度を導入する2つのデメリット

次にトレンド人事制度を導入するデメリット2つ、お伝えしておきましょう。

ベテラン社員から反発が起きやすい
失敗すれば組織の弱体化を招く

5-1. ベテラン社員から反発が起きやすい

1つめのデメリットは「ベテラン社員から反発が起きやすい」ことです。「長年、会社に貢献してきた」という自負のあるベテラン社員ほど、人事制度の変化に反発を示しやすいものです。

前述の通り、生産性の低い社員の離脱はメリットですが、優秀な人材まで放出することにならないよう、細心の注意を払わなければなりません。

新たな人事制度導入の背景にある問題意識や将来のビジョンを共有しながら、根気強く理解を求める必要があるでしょう。

5-2. 失敗すれば組織の弱体化を招く

2つめのデメリットは「失敗すれば組織の弱体化を招く」ことです。

人事制度は、企業に存在する各種制度の中でも、最もセンシティブな制度です。人間のやる気・やりがい・信頼といったメンタルに直結するため、失敗すれば一気に組織が崩壊することになりかねません。

特に、トレンドの人事制度は登場してから日が浅く、十分な効果検証が行われていないものもあります。「流行りだから」「成功企業が導入しているから」という理由だけで導入するのは危険です。

従業員一人ひとりの生活を変えうるデリケートな問題であることを踏まえ、慎重さを失わない配慮ある姿勢が求められます。具体的にどんな点に注意すべきなのか、次の章で詳しく解説します。

6. 人事制度にトレンドを取り入れる上での注意点

トレンドの人事制度は、企業に大きな成長をもたらすポテンシャルを秘めています。その価値を享受するために、注意したい3つの点をお伝えします。

効果がどれだけ副作用を上回るのか分析する
制度の本質を見極め自社に適合させる
導入プロセスの設計にこそ注力する

6-1. 効果がどれだけ副作用を上回るのか分析する

1つめの注意点は「効果がどれだけ副作用を上回るのか分析する」ことです。デメリットの章でもお伝えしたように、人事制度の変更にはベテラン社員からの反発や組織の弱体化などのリスクがあります。

トレンドの人事制度を取り入れたことで得られる「効果」が、想定される「副作用」をどれだけ上回るのか、慎重にシミュレーションを行なってください。

その際には、感覚的・主観的な判断ではなく、数値・データをもとに客観的な分析が必要です。導入後の業績推移、人件費、人員分布などの予測を行い、新制度の貢献度を根拠を持って見積りましょう。

新制度を導入する際には、考え得る副作用と、それに対する対策をあらかじめ準備しておくことも大切です。

6-2. 制度の本質を見極め自社に適合させる

2つめの注意点は「制度の本質を見極め自社に適合させる」ことです。

他社の成功事例を見ると、そっくりそのまま、自社でも真似したくなるものです。しかし、他社で成功したものが自社で成功するとは限りません。

倣うべきは成功事例の「本質(骨子)」であって、制度の細部は自社専用にカスタマイズが必要です。

自社に制度をマッチングさせる工程を丁寧に行った企業ほど、新たな制度で成果を上げることができます。トレンドを「自社にピッタリと適合させる」プロセスを重視しましょう。

6-3. 導入プロセスの設計にこそ注力する

3つめの注意点は「導入プロセスの設計にこそ注力する」ことです。「どんな制度を導入するか」はもちろん大切ですが、同時に深く検討したいのが「どんなプロセスで導入するか」です。

  • いつから実施するのか
  • 従業員への説明はどう行うのか
  • 定着させるための研修はどう行うのか
  • 導入後に問題が発生したらどう修正するのか

など、導入プロセスを綿密に設計することが、成功のカギを握っています。従業員に新制度が受け入れられ、効果的に機能するためのフォローを、手抜きなく行いましょう。

※さらに詳しく人事制度の設計について知りたい方は「人事制度を設計する手順とは?会社を成長させる戦略的やり方と注意点 も併せてご覧ください。

 

7. まとめ

2020年代以降の人事制度のトレンドは、以下の傾向があります。

具体的には次の制度として運用されています。

バリュー評価
②360度評価
パフォーマンス・デベロップメント(PD
チェックイン(Check-in
ピアボーナス

新しい人事制度を導入している先進企業として、アドビ・GE・メルカリの3社をご紹介しました。

トレンド人事制度を導入するメリットとデメリットは以下の通りです。

人事制度にトレンドを取り入れる上では、以下の3点に注意してください。

効果が副作用をどれだけ上回るのか分析する
制度の本質を見極め自社に適合させる
導入プロセスの設計にこそ注力する

人事制度は、時代の変遷とともに移りかわっていくものです。企業の成長と人事制度のトレンドは、切り離せない関係にあります。

人事制度で遅れを取れば、競争力を失うことにもなりかねません。トレンドのエッセンス(本質)を人事制度に取り入れて、より強い組織づくりを目指していただければ幸いです。

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