心理的安全性の高いチームの作り方!今すぐ使える8つの実践方法

2.心理的安全性の高いチームを作る8つの実践方法

「チームメンバーが対人リスク(=無知・無能・ネガティブ・邪魔と思われる不安)を感じない状態を作る」

というゴールを常に念頭に置きながら、ここからは8つの実践方法を学んでいきましょう。

2-1.チームメンバーを人として承認する

対人リスクの不安が大きくなるのは、「私は人として承認されていない」と感じるときです。

例えば、自分が新人の頃を思い出してみましょう。「人格を否定された」と感じる出来事は、ありませんでしたか?

「仕事上の問題で叱責を受けるなら耐えられても、人として否定されることには耐えられない」という人が多いはずです。

とにかくまずは、チームメンバーを人として承認しましょう。ここでいう承認とは、仕事の成果への承認ではありません。相手の「存在」に対する承認です。

部下・上司・同僚などの関係性の前に、「人間」として相手を尊重する姿勢を持つこと。それが、チームメンバーを人として承認するということです。

具体的な行動としては、以下が挙げられます。

・あいさつやメールを無視しない

・フィードバックするときにバカにした言い方をしない

・忙しいときに話しかけられても邪険に扱わない

・部下に対して無関心にならない

・怖い顔をせず笑顔で接する

・嫌みを言わない

・相手の目を見て話す

・どんなときでも屈辱的・侮辱的な表現は使わない

・反対意見を言われても不機嫌な態度を取らない

こうして並べてみると、基本的すぎるほど基本のことかもしれません。しかし、上司と部下の関係になると急に態度が乱暴になり、できなくなる人が多いのです。

過去にあなた自身の上司だった人のことや、管理職だった人のことを思い浮かべてみてください。彼ら彼女らは、心理的安全性を高める態度で接してくれていたでしょうか。

心理的安全性の高いチームを目指すマネジャーが肝に銘じておきたいのは、「部下を萎縮させる上司は、心理的安全性の最大の妨げである」ということです。

逆にいえば、マネジャーのあり方を変えるだけで、チームの心理的安全性を飛躍的に高めることができます。それほどチームの心理的安全性にマネジャーが与える影響は大きいことを知っておきましょう。

2-2.マネジャー(上司)自身が自己受容する

マネジャー(上司)が「チームメンバーを承認するのが難しい」と感じるとき、その原因はマネジャー自身の心の中にあるかもしれません。

「自分を認めることができていないから、人を認めることができない」という状況に陥っている可能性があります。

その理由は、家庭環境の影響で自己肯定感がうまく育たなかった、問題ある上司の下で働きコンプレックスを抱えている、心に大きなトラウマがある……など、さまざま考えられます。

どんなケースにおいても、まずやるべきことは自己受容です。自分の強み・弱みを見つめ直し、自分という存在をまるごと受け入れて承認しましょう。

「自分は自己肯定感が非常に低い」という自覚がある方は、カウンセリングを利用するなど外部のサポートに頼るのも有効な手段です。

2-3.マネジャーがチームに弱みをさらけ出す

「このチームでは、弱みをさらけ出しても大丈夫だ」とチームメンバーに感じてもらう上で良い影響を与えるのが、マネジャー自身がチームのメンバーに弱みをさらけ出すことです。

例えば、次のような上司や先輩に出会ったことはありませんか。

・素直に失敗を認めて頭を下げてくれた

・本当は上司自身も悩んでいることを正直に打ち明けてくれた

・上の立場の人なのに自分の短所を開けっぴろげに語ってくれた

こういった上司や先輩がいるチームならば、自分も弱さをさらけ出して大丈夫と信じられるものです。

逆に、弱みを一切見せず完璧に振る舞う上司のもとでは、部下たちは弱みを見せてはいけないと緊張してしまいます。

マネジャー自身が、積極的に弱さを開示していきましょう。その勇気が、チームの心理的安全性を高めることにつながります。

2-4.1on1(ワン・オン・ワン)を行う

心理的安全性をチームづくりに活かしている企業はGoogleが有名。Googleでマネジャーに義務づけられているのが1on1(ワン・オン・ワン)」です。

1on1とは、マネジャーとメンバーが2人だけで、11で行う対面ミーティングのこと。

複数の人数で行うミーティングとは違い、ワン・オン・ワンの時間は、そのメンバーのためだけに割く時間です。1on1を行うこと自体が「時間をあなたに割いている(=あなたの存在を認めている、あなたを大切にしている)」というメッセージになります。

Googleでは、マネジャーはすべてのチームメンバーと週に1回・1時間の1on1を行うことがルール化されています。

仮に8人部下がいれば、週のうち1日(8時間)は1on1に費やしている計算に。それだけ重視されている証拠でもあり、ぜひ真似したい施策です。

2-5.価値観や想いをベースにした会話を増やす

1on1や雑談の中で積極的に取り入れたいのが「価値観・想い」をベースとした会話です。

価値観・想いをベースとした会話とは、

「どう感じたか?」

「どんな価値観を持っているか?」

「あなたは(私は)どんな人間なのか?」

など、感情・気持ち・信念を中心に据えた会話のことです。

価値観・想いをベースとした会話の対極にあるのが、「ファクト(事実)」をベースとした会話です。

ロジカルシンキング(論理的思考)を重視するあまり、ファクトベース以外の会話を無駄な雑談として排除してしまう企業が増えています。これは、心理的安全性を高める意味では逆効果です。

心理的安全性は、価値観・想いをベースとした会話を増やすことで高まります。チームメンバーの気持ちや考えに耳を傾けましょう。

2-6.愚痴や不満を建設的な言葉で言い換える

価値観や想いをベースとした会話をする中で、メンバーから愚痴や不満が漏れ出てくることがあるかもしれません。

ネガティブな本音をメンバーが口にすることは、決して悪いことではありません。心理的安全性が低い環境では、愚痴や不満は抑圧され、発信されることはないからです。

部下が不満や愚痴を言うということは、それだけ心理的安全性が高まってきた証拠と捉えることができます。

そこで、愚痴や不満が出てきたら、まずは否定せずによく話を聞きます。その上で、マネジャーは建設的な言葉を選んで使うようにしましょう。

例えば、

「最近、新しい仕事が多すぎて、なんかもう疲れちゃいました」

とメンバーが愚痴を言ったとします。

「そうか、今は大変な状況なんですね」

と受け入れた上で、建設的な会話へと進めていきます。

「仕事量を減らして、じっくり取り組めるようにしたいんですね」

「疲れを取るための休暇が必要でしょうか」

このようにメンバーの愚痴を建設的な言葉で言い換えながら、次のステップを一緒に探っていきます。

悪い例は、メンバーの愚痴や不満を頭ごなしに否定したり、解決するための指示を与えたりすることです。人は、自分を否定する人・コントロールしようとする人に、強い対人リスクを感じます。

メンバーの自律性を尊重しながら、建設的な方向へ導くことが、心理的安全性を高めることにつながるのです。

2-7.心理的安全性を損なう評価制度を改善する

職場における心理的安全性は、「評価が下がるのではないか」という不安と直結しています。企業として心理的安全性の向上に取り組むのであれば、人事評価制度を改善することも検討しましょう。

例えばゼネラル・エレクトリック社(GE)では、GE自身が生み出し世界的に有名になった評価制度「9ブロック」を2016年に廃止。「PD(パフォーマンス・デベロップメント)」という新しいシステムに移行しました。

それぞれの違いは、以下の通りです。

9ブロック

社員を順位づけする格付け式の評価制度

PD

上司・同僚・部下からのインサイト(気づき)を共有するためのフィードバックやコミュニケーションをベースとした評価制度

 GEがこのような大きな転換をした理由は「従来の評価制度は心理的安全性を損なうから」といわれています。

9ブロックに代わる新たな仕組みであるPDは、ざっくばらんとした日々のコミュニケーションを通した成長を目指しています。まさに心理的安全を高めるために好適な仕掛けといえるでしょう。

2-8.感謝の気持ちを見える化する

「自分はチームに必要とされている」という実感が強いほど、心理的安全性は高まります。その実感は、チームのメンバーから感謝されたときに得られるものです。

この感謝の気持ちを見える化する「ピアボーナス」という仕組みが、心理的安全性を高める手法として注目されています。

ピアボーナスとは、同僚に「ありがとう」の気持ちを伝えたいとき、少額のボーナス(お金)と感謝のメッセージを贈ることのできる制度です。

チームのメンバー同士が感謝し合い尊敬し合う文化が醸成できるため、組織レベルで心理的安全性を高めることができるのが特徴です。

Google、メルカリ、マイナビ、DeNA…など導入企業が急増していることからも、その効果がうかがえます。詳しくはピアボーナス「Unipos」 のページをご覧ください。

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