心理的安全性の高いチームの作り方!今すぐ使える8つの実践方法

心理的安全性を重視している国内企業の事例

チームの心理的安全性の研究は、アメリカで盛んに行われてきたものですが、近年では国内でも心理的安全性に取り組む企業が増えています。

そこで、本章では以下の2企業の事例をご紹介します。

ねぎしフードサービス

②ZOZOテクノロジーズ

カヤック

自社で実践する上で、参考になるヒントがたくさんあります。

ねぎしフードサービス

出典:ねぎしフードサービス

牛タン・とろろ・麦めしのチェーン店を展開する株式会社ねぎしフードサービスは「HRアワード2013」「中小企業技能人材育成大賞知事賞」など人材アワードの受賞歴が多く、人材育成の分野で評価されている企業です。

ねぎしフードサービスの組織図の特徴は、逆ピラミッド型。社長はその底辺に位置する存在となっています。

実際、経営の目的(ビジョン)に第一に掲げられているのは「働く仲間の幸せ」です。

出典:ねぎしフードサービス

ねぎしフードサービスには、立場を超えて本音で意見を交わし合える風土があります。心理的安全性の高い環境が根付いていることがうかがえます。

執行役員で人材共育部長の石野直樹氏によれば、コミュニケーションをとにかく重視しているとのこと。

「どんな場合も重要視しているのは、コミュニケーションです。これがないまま『はい時間、お疲れ』で終わってしまうと、モノとして扱われているような気がしてしまう。社員でもアルバイトでも、人として認められているという安心感があることが風通しの良さやモチベーションの高さにつながっているのではないでしょうか」心理的安全性のあり方 – リクルートマネジメントソリューションズよより

キーワードは「人として認められているという安心感」。まさに心理的安全性を高めるためにやるべきことをやっているのが、ねぎしフードサービスの特徴です。

ZOZOテクノロジーズ

出典:ZOZOテクウノロジーズ

『ZOZOSUIT』など革新的な取り組みを行っているZOZOグループを技術的に支えるテクノロジー企業の同社。「心理的安全性を感じながら働くことは、革新的な技術を生み出すために必要不可欠」だと代表取締役CINO(Chief Innovation Officer)の金山 裕樹氏は名言しています。

しかし元々は、機密情報を取り扱うことが多く社内の風通しに課題を抱えていました。そしてそれが、従業員の心理的安全性を阻害していたそうです。

そこで取り組み始めたのが「DM禁止」「経営会議の議事録の公開」「Uniposを活用した互いの仕事を認め合う文化醸成」です。

「人にやってほしいことがあったら、まずは自分から」が持論です。だから例えば、情報共有のためのチャンネルにも、「こんなニュースがあって、こんな風に思うんだけど、どう思う?」みたいな感じで、議論の火付け役として、自分が率先して投稿するようなことも行っています。

ほかには、「Unipos」(同僚と成果給を送り合えるシステム)を導入して、お互いの仕事を認め合う文化を醸成したり、エンプロイー・サーベイで従業員満足度を定量化し、3カ月に1回振り返って、行動を見直したりといったことも行っています。これらも広い意味で、デジタル心理的安全性を高めるための取り組みと言えるでしょう。

DM禁止、原則オープン、ZOZOテクノロジーズが「デジタル心理的安全性」のためにやったことより

機密情報の取り扱いなどの結果、風通しが悪くなってしまっている企業は少なくないはずです。「事業上の特性だから」と諦めるのではなく、まずはこうした取り組みをチーム単位などで試してみるのはいかがでしょうか。

カヤック

出典:面白法人カヤック

ゲームやWEBなどのコンテンツ制作を手がける株式会社カヤック。ホームページにアクセスすると、「面白法人カヤックの、いちばん面白いコンテンツは、仲間です。」というメッセージが目に飛び込んできます。

カヤックでは、上司のアイデアに「それはおもしろくない」と意見する場合も、リスクを感じることはないそう。そんな心理的安全性の高さを作り出しているのが「役割はあっても役職はない」というフラットな組織。

その評価制度は非常にユニークで、社員の給料は何と「サイコロ」で決まります。以下は、カヤックのホームページからの引用です。

サイコロで給料を決めるなんて不謹慎?いや、人間が人間を評価するなんて、そもそもいい加減なもの。もっともらしく説明したって、上司の感情ひとつで、どうにでも変わってしまうもの。

だったら、給料の仕組みにも、そのくらいの遊びがあっていいのでは?自分の客観的評価を見つめるのは必要だけど、他人からの評価で暗い気持ちになるのはもったいない。面白法人カヤックより

「他人からの評価で暗い気持ちになるのはもったいない」というフレーズが、心理的安全の核心を突いています。評価によって心理的安全性が損なわれるのを回避する仕組みが秀逸です。

カヤックでは他にも、社員が別の社員の長所を褒めて給与明細に記載する「スマイル給」制度や、CEO以下役員が率先して失敗を認め弱みをさらけ出す雰囲気など、心理的安全性が高まる環境を整えていることがわかります。

参考:心理的安全性のあり方 – リクルートマネジメントソリューションズ

心理的安全性が高いチームを作る上での注意点

最後に、心理的安全性が高いチームづくりに取り組む上で注意したい点を2つ、お伝えします。

心理的安全性が高い=仲良しでユルい職場ではない

「心理的安全性を高める」と聞くと、次のような懸念を示す人がいます。

「職場が仲良しグループみたいな雰囲気になるのは困る!職場は学校じゃないんだ!」

「雰囲気がユルくなる分、プレッシャーが減って成果が下がるのではありませんか?」

結論からお伝えすると、これらは心理的安全性とは無関係です。心理的安全性は、仲良しでユルい職場を作るためのものではありません。

心理的安全性を高めることは、心理的安全性が低いことによって起きる「従業員の、会社にとってマイナスになる態度」を排除することともいえます。

会社にとってのマイナスになる態度の例を挙げましょう。

  • 会社のためには言うべきことなのに、反論されるのが怖くて言えない

  • すぐ不機嫌になる上司に気を遣って、YESマンに成り下がっている
  • 失敗して査定にひびいたらイヤだから、チャレンジしない
  • 助けを求められる雰囲気ではないので、仕事をひとりで抱え込む
  • 皆の前で叱責されたのがトラウマで、以降ミスは隠している

心理的安全が低いまま放置することは、企業にとって大きなリスクとなることが、おわかりいただけるのではないでしょうか。

心理的安全性が高くなれば、皆が気兼ねなく、のびのび働けるようになります。表面的な仲良しチームごっこをしていた会社では、逆に意見の対立が目立つようになるかもしれません。

あるいは、遠慮して厳しい意見を言いづらかったメンバーたちが、健全なプレッシャーをかけ合う関係性へ変化するかもしれません。

心理的安全性が高いチームは生産性が上がり、成果を上げやすくなります。当然、企業の業績向上につながっていきます。

心理的安全性を高めるためには意図的な促進が欠かせない

前の章では、心理的安全性を重視している国内企業の事例として「ねぎしフードサービス」「カヤック」をご紹介しました。

これらの事例からもわかるように、心理的安全性は放っておいて自然と高まる類いのものではありません。心理的安全性が高い企業は、高めるための意図的な働きかけを行っています。

「心理的安全性を高める」と決めたら、そのための施策をきちんと行っていくことが重要です。まずはこの記事でご紹介した8つの実践方法からスタートしましょう。

心理的安全性は意図的に促進しないと向上しませんが、施策を行えば行っただけ、徐々に上がっていくものでもあります。ぜひ、今日からコツコツと実践してみてください。

まとめ

心理的安全性を高めるためには、対人リスクの排除が必要です。対人リスクとは、無知・無能・ネガティブ・邪魔などと思われる不安のこと。

対人リスクを排除するための実践方法として、以下の8つをご紹介しました。

 ①チームメンバーを人として承認する

 ②マネジャー(上司)自身が自己受容する

 ③マネジャーがチームに弱みをさらけ出す

 ④1on1(ワン・オン・ワン)を行う

 価値観や想いをベースにした会話を増やす

 愚痴や不満を建設的な言葉で言い換える

 心理的安全性を損なう評価制度を改善する

 感謝の気持ちを見える化する

心理的安全性を重視している国内企業には、ねぎしフードサービスやカヤックがあります。

心理的安全性が高いことと、職場の仲良し度・ユルさは無関係です。むしろ心理的安全性が高い職場には、本音で意見をぶつけ合い、意見の対立も恐れない活発さがあります。

心理的安全性は、勝手に高まることはありません。高めるためには、意図的な促進が必要です。

ぜひ8つの実践方法を通して、心理的安全性の高いチームを作っていってください。それが、企業の成長へつながっていきます。

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