
4 チームワーク不足だとこんなデメリットが
チームワークを高めれば、多くのメリットがあるということがお分りいただけたでしょう。組織の生産性を高めるためにも、より多くのチームを結成したいとお思いかもしれません。
しかし、チームワークが適切に発揮されていない、もしくはチームワーク力が不足していると、デメリットといえる部分が表面化してきます。
4−1 仕事をサボる社員が現れる
チームは複数のメンバーで構成されているため、しっかりと働いている社員を横目に、仕事をサボる社員が現れる場合があります。「自分一人が仕事をしなくても、周囲がカバーしてくれる」という安心感から、仕事をしないフリーライダーが生まれてしまうのです。
優秀なチームの場合は仕事をサボる社員がいたとしても、周囲のメンバーの働きによって目標を達成できてしまいます。しかし、本来ならば全員が能力を発揮することで、目標の達成に近づけるようにチーム編成を行うものです。その中で仕事をサボる社員が現れてしまうと、周囲がどれだけフォローしようとも、生産性が低下しているのは間違いありません。
4−2 メンバーのモチベーションダウン
チームワークがよい方向に向いていれば、メンバー同士で切磋琢磨してモチベーションを高く維持できます。しかし、仕事をしない社員が出てきたり、チーム内のコミュニケーション不全が起こると、モチベーションを維持することが難しくなるでしょう。
メンバー間で能力に差がある場合や、仕事をしない、納期を守らない社員がいた場合、きちんと責任を持って業務に臨んでいる社員からすれば、不公平感が出てきます。納期の遅延などが起きた場合は、結果的に周囲でフォローする必要があり、負担が増えることからモチベーションの低下は避けられません。
また、チーム内で馴れ合いをはじめてしまうと、メンバー間で向上心が芽生えなくなり、成長速度が低下。結果としてモチベーションを維持できなくなり、チームの生産性を低下させることにつながります。
4−3 対立が起こってしまう
チーム内での不満が溜まるとメンバー間の信頼関係がなくなり、やがて対立へとつながってしまいます。目標を達成できなかった場合は、責任の押し付け合いなどに発展する場合もあるでしょう。
それぞれが違う価値観を持ったメンバーが集まっているのですから、必然的な流れになります。
ただし、対立を恐れてチームの改善につながるような意見まで発しないというのは避けるべきです。どんな小さな意見でも、チームへの客観的な視点というものは必要だからです。とはいえ、メンバーの前で否定的な意見を述べるのには勇気がいります。
チームリーダーはメンバーが意見を発言しやすい環境を普段から整えておくことが必要です。
コミュニケーションが正常に取れている状態なら、対立が起きそうになっても事前に抑止することも難しくはありません。
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