職場の事なかれ主義とは?その心理と予防のための3つの対策&事例

3.職場で起きる問題の事例

事なかれ主義の人には3つの特徴があることがわかりました。では、職場での事なかれ主義は、どのような問題を引き起こすのでしょうか。実際に職場で起きた事例をご紹介しましょう。

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3-1.ケース①部下が事なかれ主義で仕事に責任を持たない

1つめのケースは上司目線での事例です。

部下が事なかれ主義で、当事者意識が薄く何を話しても他人事のような顔。ミスが発生していても気付かない振りをしたり他の人に事後処理を押しつけたり、チームの士気も下がるので困っている。

この事例では、部下が事なかれ主義のため、ミスに気付いていてもスルーしています。さらに、自分さえ良ければ良いという考えに陥っており、全体の利益を考えることができないため、チームの士気を下げてしまうのです。

 

まとめると、事なかれ主義によって次の2つの問題が起きています。

①ミス発覚の遅れ

②チームのモチベーション低下

 

3-2.ケース②上司が事なかれ主義でトラブルを解決してくれない

1つめのケースは部下目線での事例です。

上司が事なかれ主義で、チーム内でトラブルが起きているのに見て見ぬ振り。人間関係が悪化してギスギスしているのは明らかなのに何もしてくれない。直接何度か訴えたのに、変わらなかった。

この事例では、上司がチームの問題を見て見ぬ振りをしています。「やっかいごとに巻き込まれたくない」という気持ちが強いようです。部下たちにとって、改善を訴えても対応してもらえないという失望は、信頼問題に関わります。

また、この上司は単に問題を先送りにしているだけなので、時間の経過とともに解決は難しくなっていくばかりです。

 

まとめると、事なかれ主義によって次の2つの問題が起きています。

 ①部下からの信頼感の損失

②社内の問題の先送り

 

以上、ケース①とケース②に共通していえることは、職場の事なかれ主義はミス・トラブルの発覚や対応を遅らせるとともに、社内の雰囲気を悪くするということです。

 

4.職場で事なかれ主義に陥っている人の心理

職場で事なかれ主義な態度を取る人は、どうしてそうなってしまったのでしょうか。もちろん、元々の性格による部分もあります。しかし、多くは職場環境に依存しているのです。

つまり、もともと事なかれ主義ではなかった人が、職場での経験を経て、事なかれ主義へ変わってしまうことがあるということです。

職場に事なかれ主義の人がいる場合、まずはその人の資質を責めるのではなく「事なかれ主義にならざるを得ない要因が、職場環境にあったのでは?」と振り返ることが大切です。

そのヒントとして、事なかれ主義に陥っている人がどんな心理状態にあるのか、見ていきましょう。

4-1.心理①声を挙げて損するのが嫌

1つめは「声を挙げて損するのが嫌」という心理状態です。職場で下記のような経験をすると、陥りやすくなります。

 

・新たな提案をしたら、その業務が全部自分に降りかかって大変な思いをした

・問題点を指摘したことがきっかけで人間関係が悪化した

・失敗を正直に申告したら不当な人事評価を受けた

 

このケースでは、最初は善意で「会社のために」という思いで声を挙げています。ところが、その純粋な気持ちが踏みにじられる経験をすると、その失望感から事なかれ主義に転じやすくなるのです。

 

4-2.心理②険悪なムードを恐れて萎縮している

2つめは「険悪なムードを恐れて萎縮している」という心理です。職場で下記のような経験をすると、陥りやすくなります。

 

・やむを得ないミスを上司から強い口調で叱責された

・トラブルが起きたとき犯人捜しが始まってチームの雰囲気が悪くなった

・問題が起きたとき同僚が不機嫌になり当たり散らされた

 

このケースでは、険悪なムードになったことが心に強いトラウマを残しています。「もう二度とこんな思いはしたくない」という恐怖心から、事なかれ主義になびきやすくなります。

4-3.心理③組織・チームとしての目的意識が持てない

3つめは「組織・チームとしての目的意識が持てない」という心理です。職場で下記のような経験をすると、陥りやすくなります。

 

・会社の問題に一生懸命に取り組んだのに評価されず失望した

・上司の言動から自分はただの駒としか見られていない無力感を感じた

・会社が大きくなりすぎて仕事をしている実感が持てない

 

このケースでは「やりがい」が感じられないことが、仕事に対する姿勢に影を落としています。「どうでも良い」という投げやりの態度から、事なかれ主義へと陥っていきます。

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