
3.政府がまとめた成功事例のリンク集(38社)
前章では、特にワークライフバランス度の高い3社の取り組み事例を取り上げました。
さらに、他の企業の取り組み事例も確認したい場合には、政府が取りまとめた事例集が便利です。
以下にリンク集を掲載しますので、必要に応じてご参照ください。
▼14社の企業事例掲載
社内におけるワーク・ライフ・バランス 浸透・定着に向けたポイント・好事例集(内閣府)
▼ 9社の企業事例掲載
企業事例 – 「仕事と生活の調和」推進サイト – 内閣府男女共同参画局
▼15社の企業事例掲載
男性の働き方改革・意識改革に向けた職場のワーク・ライフ・バランス推進のための取組事例集
4.ワークライフバランスの取り組みを行う上での注意点
ここまでお読みいただいた方は、早くワークライフバランスの取り組みを始めようと、実際の構想が頭を巡り始めているかもしれません。
そこで本章では、取り組みながらつまずきやすい2つの注意点をお伝えします。この2点に留意しつつ、取り組みを推進していってください。
4-1.法定を上回る制度を整備する
ワークライフバランスは、企業を良くするためだけのものではありません。企業は、各種法令によって法的な義務を負っている側面があります。
ワークライフバランスの取り組みを行う上では、法定を上回る制度を整備する必要があります。ワークライフバランスに関連する法令には、次のものがあります。
<ワークライフバランスに関連する法令>
・女性活躍推進法
・育児介護休業法
・育児・介護休業法
・男女雇用機会均等法
・次世代育成支援対策推進法
・高年齢者雇用安定法
・労働契約法
・労働基準法
詳しくは、内閣府が運営する仕事と生活の調和」推進サイトの「法律・制度など」のページが参考になります。
ワークライフバランスの取り組みを行う企業担当者は正しい知識を身に付け、法令にのっとって制度の整備を進めましょう。
4-2.経営陣やマネジャーが率先して制度の活用を促す
素晴らしい社内制度を準備しても、現場に定着しなければ意味がありません。経営陣やマネジャーが、率先して制度の活用を促す必要があります。
例えば、2.の「ワークライフバランス度ランキングBEST3企業の取り組み」でご紹介したパナソニックの事例では「両立応援ガイドブック」が、制度の理解促進と上司のマネジメントガイドに活用されていました。
また「制度を活用しやすくする社内雰囲気づくり」も重要になります。
例えば、女性経営者のクリスティン・エドマン氏は、CEOを務めるジバンシィ・ジャパンで「早く帰りなさい」「バケーションはいつ取るの?」と言って回る“社内パトロール”をしているそうです。
「早く帰ること、休むことは『なまける』ことではない」と彼女は言います。「休暇は効率性をアップさせ、部下の成長を促す」という考え方が根底にあります。
実際に、8年間社長を務めたH&Mジャパンでは残業を減らし、遠慮なく長期休暇が取れる環境をつくって、業績も向上させています。
経営陣・マネジャー陣がどのような姿勢を見せるべきなのか、大いに参考になるのではないでしょうか。
参考:上司が休んで成果が上がる組織のつくり方 | PRESIDENT WOMAN | “女性リーダーをつくる”
5.まとめ
ワークライフバランスを実践する際には「①調査→②計画→③実行→④定着」の4ステップを行い、順を追って進めることが大切です。
具体的な取り組み制度は、大きく次の5つに分けられます。
①休暇の取得促進
②労働時間の柔軟化
③多様な勤務スタイル
④残業時間の削減
⑤福利厚生サービス
ワークライフバランス度ランキングBEST3企業の取り組みには、ワークライフバランス実践のためのヒントが詰まっています。
【第1位】制度の充実度が圧巻の「富士フイルム」
【第2位】時代に合った支援制度が魅力の「ソニー」
【第3位】定着させる工夫を怠らない「パナソニック」
さらに多くの企業事例を確認したい場合には、政府がまとめた成功事例集が便利です。
実際に取り組みを行う上では、次の2点に留意してください。
①法定を上回る制度を整備する
②経営陣やマネジャーが率先して制度の活用を促す
本記事でお伝えしたことを参考に、あなたの会社のワークライフバランスが大きく改善し、従業員の働きやすさに直結することを願っています。さっそく取り組みをスタートしてみてください。