部署間連携を阻む「サイロ化」とは?原因と解消する5つの施策

「隣の部署が何をしているかわからない」「同じ案件を、知らないうちに別のチームも進めていた」——こうした声、思い当たる方は少なくないはずです。

厄介なのは、サイロ化が"静かに"進行する点です。日々の業務は一見回っている。けれど気づけば、部署をまたいだ意思決定に何週間もかかるようになっている。現場には「なぜかうまく噛み合わない」という漠然とした違和感だけが残る。

本記事では、サイロ化がなぜ起きるのかを構造的に掘り下げたうえで、人事やマネージャーが明日から動ける5つの施策を紹介します。「うちの組織もそうかも」と感じたら、ぜひ最後まで読んでみてください。

組織の『行動』を変え、挑戦する組織風土へ

サイロ化とは?組織に起きている"見えない壁"

サイロ化とは、部門間で情報・目標・ノウハウが共有されず、組織が分断された状態を指します。急成長・多拠点展開・リモートワークの普及により、多くの企業で深刻化しています。

なぜサイロ化が起きるのか?よくある4つの原因

サイロ化の原因とは、組織構造・評価制度・コミュニケーション設計に起因する構造的な問題群です。

「部署間の連携が弱い」と聞くと、つい「社員のコミュニケーション力が足りない」と個人の問題にしたくなります。しかし実際には、サイロ化の原因のほとんどは制度や仕組みの設計にあります。人ではなく構造を変えないと、いくら「もっと連携しよう」と呼びかけても現場は動きません。

部門ごとにKPI・評価指標が分断している

KPIの分断とは、各部署が独自の数値目標だけを追い、全社成果への貢献が評価されない状態です。

営業は売上、マーケティングはリード数、カスタマーサクセスは継続率。それぞれの指標を追うこと自体は健全です。ただ、問題は「他部署を助けたところで、自分のKPIには1ミリも反映されない」と気づいた瞬間に生まれます。善意で他部署に協力しても「余計な仕事を引き受けた人」としか見えない。この構造がある限り、どれだけ「横連携を大切に」と言っても、合理的な判断として人は自部署の数字を優先します。

情報共有の仕組みがなく属人化している

情報の属人化とは、業務知識が特定の個人に集中し、組織として蓄積されていない状態です。

ベテラン社員の頭の中にだけ業務手順がある。3年前のトラブル対応の経緯が個人のメールフォルダに埋もれている。「あの人に聞けばわかるけど、今日は休みだから明日にしよう」——こんなやりとりが日常化していたら要注意です。属人化が進むほど「あの人に聞かないとわからない」という依存関係が固定化し、部署をまたいだ情報連携はどんどん細っていきます。ナレッジが個人に閉じている限り、横のつながりは生まれようがないのです。

物理的・心理的な距離(リモート環境含む)

物理的・心理的距離とは、フロアや拠点の違い、リモートワーク下での接点減少が部署間の理解を妨げている状態です。

同じビル内でもフロアが違えば、すれ違う機会は驚くほど減ります。リモートワークならなおさらです。以前は廊下やエレベーターで「最近どう?」と交わしていた何気ない会話が、意外と大きな情報交換の場になっていました。こうした"偶発的な接点"が失われると、他部署は「何をやっているかわからない存在」に変わっていく。物理的な距離が心理的な距離を広げ、それがさらにサイロを強化するという悪循環が生まれます。

組織として横連携を評価する仕組みがない

横連携の未評価とは、部署を超えた協力行動が人事評価に含まれていない状態です。

評価制度は、経営が「何を大事にしているか」を社員に伝えるメッセージです。横連携が評価項目のどこにも出てこない組織では、「自部署の成果だけ出していればOK」が合理的な行動になる。善意で他部署のプロジェクトに参加しても、期末の評価面談では「本業に集中してほしかった」と言われかねない。仕組みが行動を規定する以上、個人の意識改革だけでサイロを壊すのは難しいのです。

サイロ化を解消する5つの施策

サイロ化は仕組みで解消できます。現場の人事・マネージャーが明日から着手できる施策を5つ紹介します。

施策①:部門横断プロジェクトを設置する

部門横断プロジェクトとは、複数部署からメンバーを集め、共通の課題やテーマに取り組むチーム編成の手法です。

テーマは新規事業でも業務改善でも社内イベントの企画でも構いません。大切なのは「普段関わらない人と一緒に成果を出す経験」を意図的につくること。一度でも協働の経験があると、その後の日常業務でも「あの時一緒にやった○○さんに聞いてみよう」という動きが自然に生まれます。

ポイントは2つ。期間を3〜6か月程度に区切って短期で成果が見える設計にすること。そして、参加者の通常の評価にもプロジェクトの成果を反映させること。この2つがないと「本業の邪魔」として敬遠されてしまいます。

施策②:全社共通の情報共有プラットフォームを導入する

情報共有プラットフォームとは、部署を問わず全社員がアクセスできるナレッジベースやコミュニケーション基盤を指します。

SlackやTeamsを入れている企業は多いでしょう。ただ、チャンネルが部署ごとに閉じた状態では、せっかくのツールも縦割りを再現しているだけです。全社横断のチャンネルを設け、プロジェクトの進捗や成功事例を日常的にシェアする運用がカギ。社内Wikiやナレッジベースの整備も有効で、「誰でも・いつでも・検索で」情報にたどり着ける状態をつくれれば、「あの部署に聞かないとわからない」を着実に減らせます。

施策③:他部署の貢献を可視化・称賛する仕組みをつくる

貢献の可視化とは、部署を超えた協力や成果に光を当て、組織全体で称賛・共有する仕組みのことです。

「営業が大型受注を決めた裏で、バックオフィスが驚くほど速く見積を仕上げていた」。こういう貢献は、放っておくと誰にも気づかれません。見えないものは評価されず、評価されないものは続かない。これがサイロ化を加速させるもうひとつの力学です。

ピアボーナス®サービス「Unipos」は、社員同士が感謝のメッセージとポイントを送り合い、その内容がオープンなタイムラインに流れる仕組みです。他部署の貢献が全社員の目に触れるようになると、「隣の部署が何をしているのか」が自然と見えるように。称賛が可視化されると「自分たちの仕事が他部署に役立っている」という実感が生まれ、部署間の心理的な壁が溶けていきます。

施策④:ジョブローテーション・越境体験の機会を設ける

ジョブローテーションとは、社員を一定期間ごとに異なる部署に配置転換し、多角的な視点と社内ネットワークを育成する人材育成手法です。

半年〜1年の本格的なローテーションが難しければ、短期の「越境体験」から始めるのも手です。他部署の定例会議にオブザーバーとして参加してみる、1週間の短期留学制度を設けるなど、ハードルを下げた形でも効果はあります。他部署の仕事を体験すると「なぜあの部署はああいうやり方をしているのか」が腹落ちする。相互理解が深まるだけでなく、部署を超えた人脈が自然と形成され、日常の連携がぐっと円滑になります。

施策⑤:横連携の成果を評価制度に組み込む

横連携の評価制度化とは、部署を超えた協力行動や成果を人事評価の項目に正式に組み込み、報酬や昇格に反映させる仕組みです。

「他部署との協業プロジェクトに参加した回数」「部門横断の改善提案件数」といった定量指標に加えて、360度評価で「他部署からの協力評価」を取り入れると、貢献の全体像が見えるようになります。評価制度を変えることは、経営からの「横連携を本気で推進するぞ」という明確なメッセージ。遠回りに見えるかもしれませんが、最も持続性のある施策です。

サイロ化を放置するとどうなる?3つのリスク

サイロ化のリスクとは、部門間連携の不全が経営成果・組織文化・従業員心理に与える中長期的な悪影響です。

意思決定の遅延・重複コスト

部門間の情報が共有されていないと、同じテーマについて複数の部署が独立に検討を進めてしまうことがあります。それぞれが調査し、資料をつくり、会議を開く。重複コストは想像以上に膨らみます。さらに、部署間の調整が必要な案件では承認フローが長期化し、競合に先を越される原因にもなりかねません。

イノベーションの停滞

新しいアイデアは、異なる専門性や視点の掛け合わせから生まれます。技術部門の知見と営業の顧客理解、マーケティングのデータ分析と現場の肌感覚——こうした越境が起きない組織では、既存事業の延長線上の改善策しか出てきません。サイロ化した組織ではそもそも「他部署にどんな知見があるか」を知る機会がないため、掛け合わせるべき材料の存在に気づけないのです。

従業員エンゲージメントの低下

自分の仕事が会社全体にどう貢献しているのかが見えない状態は、静かに働きがいを削っていきます。部署内に閉じた業務を繰り返すうちに「自分はこの会社で成長できているのだろうか」という疑問が生まれ、優秀な人材ほど早く離れていく。従業員エンゲージメントを高めたいなら、まずサイロの壁を取り払うことが先決です。

サイロ化を解消した企業事例

実際にUniposを活用してサイロ化を解消した2社の事例を紹介します。

環協株式会社——部署・拠点を超えたコミュニケーションが組織開発の起点に

建物の保全・運営・管理を手がける環協株式会社は、技術部門・管理部門・営業部門が複数の拠点に分かれている組織です。現場で起きていることが他部署から見えにくく、「隣のチームが何をしているかわからない」状態がずっと続いていました。拠点が離れているぶん、ちょっとした相談や情報共有にもハードルがあったのです。

Unipos導入後は、拠点や部署を超えた感謝・称賛のやりとりが日常的に行われるように。それまで見えなかった社員同士のつながりや、黙々とこなされていた現場の貢献が全社に共有されるようになりました。Uniposが組織開発の起点として機能し始め、採用活動でも「社内の雰囲気が伝わるツール」として活用されるなど、想定していなかった副次効果も生まれています。

(出典:環協株式会社 支援事例

TISシステムサービス株式会社——拠点間・常駐の壁を乗り越え、カルチャー変革を実践

TISインテックグループの一員としてITインフラの運用サービスを提供するTISシステムサービスは、社員の多くが顧客先に常駐する働き方をしています。拠点が分散しているだけでなく、そもそも「自社のオフィスにいない」社員が大半を占めるため、同じ会社の仲間同士でさえコミュニケーションが取りにくいという構造的な課題を抱えていました。

Unipos社と一体となってカルチャー変革プロジェクトに着手し、常駐先にいても感謝や称賛が全社に届く仕組みを構築。「物理的に離れていても、同じ会社の一員としてつながっている」という感覚が、日々のタイムラインを通じて醸成されています。拠点間の壁を超えたコミュニケーションが活性化し、顧客価値の最大化に向けたカルチャー変革が前進しています。

(出典:TISシステムサービス株式会社 支援事例

まとめ|サイロ化は"仕組み"で壊せる

サイロ化は個人の意識の問題ではなく、組織の構造と仕組みが生み出す現象です。だからこそ、仕組みで壊せます。原因はKPIの分断・属人化・距離・評価制度の4つ。打ち手は部門横断PJ・情報共有基盤・貢献の可視化と称賛・越境体験・評価制度改定の5つです。

特に「他部署の貢献を見える化する」施策は、コストを抑えつつ即効性が見込めるアプローチです。自社の課題に近い事例をUniposの導入事例で探してみてください。

関連記事
Unipos (ユニポス) | 称賛とノウハウ支援で組織を変える
ピアボーナスUnipos (ユニポス) | 感謝と称賛でエンゲージメント向上・理念浸透を実現

サイロ化に関するよくある質問

Q. サイロ化とは何ですか?

サイロ化とは、組織の各部門が独立して動き、情報・ノウハウ・目標が共有されない状態のことです。穀物貯蔵庫(サイロ)が中身を行き来させないことから名付けられた表現で、急成長期や多拠点展開中の企業で特に起こりやすい組織課題です。

Q. サイロ化が起きやすい組織の特徴は?

KPIが部門ごとに分断されている、全社共通の情報共有基盤がない、横連携の成果が人事評価に反映されない——この3つの条件が揃っている組織はリスクが高いです。逆に言えば、この3つのうちひとつでも改善すれば、サイロ化の進行を止める力が生まれます。

Q. 解消にはどれくらいの期間がかかりますか?

ピアボーナスや情報共有ツールの導入であれば、2〜3か月でコミュニケーション量に変化が見え始めるケースが多いです。一方、評価制度の改定や組織文化の変革には半年〜1年以上のスパンが必要です。即効性のある施策と中長期の施策を並行して進めるのがおすすめです。

組織を変える行動を増やすUniposとは?

「隣の部署が何をしているかわからない」「同じ案件を、知らないうちに別のチームも進めていた」——こうした声、思い当たる方は少なくないはずです。

厄介なのは、サイロ化が"静かに"進行する点です。日々の業務は一見回っている。けれど気づけば、部署をまたいだ意思決定に何週間もかかるようになっている。現場には「なぜかうまく噛み合わない」という漠然とした違和感だけが残る。

本記事では、サイロ化がなぜ起きるのかを構造的に掘り下げたうえで、人事やマネージャーが明日から動ける5つの施策を紹介します。「うちの組織もそうかも」と感じたら、ぜひ最後まで読んでみてください。

組織の『行動』を変え、挑戦する組織風土へ

サイロ化とは?組織に起きている"見えない壁"

サイロ化とは、部門間で情報・目標・ノウハウが共有されず、組織が分断された状態を指します。急成長・多拠点展開・リモートワークの普及により、多くの企業で深刻化しています。

なぜサイロ化が起きるのか?よくある4つの原因

サイロ化の原因とは、組織構造・評価制度・コミュニケーション設計に起因する構造的な問題群です。

「部署間の連携が弱い」と聞くと、つい「社員のコミュニケーション力が足りない」と個人の問題にしたくなります。しかし実際には、サイロ化の原因のほとんどは制度や仕組みの設計にあります。人ではなく構造を変えないと、いくら「もっと連携しよう」と呼びかけても現場は動きません。

部門ごとにKPI・評価指標が分断している

KPIの分断とは、各部署が独自の数値目標だけを追い、全社成果への貢献が評価されない状態です。

営業は売上、マーケティングはリード数、カスタマーサクセスは継続率。それぞれの指標を追うこと自体は健全です。ただ、問題は「他部署を助けたところで、自分のKPIには1ミリも反映されない」と気づいた瞬間に生まれます。善意で他部署に協力しても「余計な仕事を引き受けた人」としか見えない。この構造がある限り、どれだけ「横連携を大切に」と言っても、合理的な判断として人は自部署の数字を優先します。

情報共有の仕組みがなく属人化している

情報の属人化とは、業務知識が特定の個人に集中し、組織として蓄積されていない状態です。

ベテラン社員の頭の中にだけ業務手順がある。3年前のトラブル対応の経緯が個人のメールフォルダに埋もれている。「あの人に聞けばわかるけど、今日は休みだから明日にしよう」——こんなやりとりが日常化していたら要注意です。属人化が進むほど「あの人に聞かないとわからない」という依存関係が固定化し、部署をまたいだ情報連携はどんどん細っていきます。ナレッジが個人に閉じている限り、横のつながりは生まれようがないのです。

物理的・心理的な距離(リモート環境含む)

物理的・心理的距離とは、フロアや拠点の違い、リモートワーク下での接点減少が部署間の理解を妨げている状態です。

同じビル内でもフロアが違えば、すれ違う機会は驚くほど減ります。リモートワークならなおさらです。以前は廊下やエレベーターで「最近どう?」と交わしていた何気ない会話が、意外と大きな情報交換の場になっていました。こうした"偶発的な接点"が失われると、他部署は「何をやっているかわからない存在」に変わっていく。物理的な距離が心理的な距離を広げ、それがさらにサイロを強化するという悪循環が生まれます。

組織として横連携を評価する仕組みがない

横連携の未評価とは、部署を超えた協力行動が人事評価に含まれていない状態です。

評価制度は、経営が「何を大事にしているか」を社員に伝えるメッセージです。横連携が評価項目のどこにも出てこない組織では、「自部署の成果だけ出していればOK」が合理的な行動になる。善意で他部署のプロジェクトに参加しても、期末の評価面談では「本業に集中してほしかった」と言われかねない。仕組みが行動を規定する以上、個人の意識改革だけでサイロを壊すのは難しいのです。

サイロ化を解消する5つの施策

サイロ化は仕組みで解消できます。現場の人事・マネージャーが明日から着手できる施策を5つ紹介します。

施策①:部門横断プロジェクトを設置する

部門横断プロジェクトとは、複数部署からメンバーを集め、共通の課題やテーマに取り組むチーム編成の手法です。

テーマは新規事業でも業務改善でも社内イベントの企画でも構いません。大切なのは「普段関わらない人と一緒に成果を出す経験」を意図的につくること。一度でも協働の経験があると、その後の日常業務でも「あの時一緒にやった○○さんに聞いてみよう」という動きが自然に生まれます。

ポイントは2つ。期間を3〜6か月程度に区切って短期で成果が見える設計にすること。そして、参加者の通常の評価にもプロジェクトの成果を反映させること。この2つがないと「本業の邪魔」として敬遠されてしまいます。

施策②:全社共通の情報共有プラットフォームを導入する

情報共有プラットフォームとは、部署を問わず全社員がアクセスできるナレッジベースやコミュニケーション基盤を指します。

SlackやTeamsを入れている企業は多いでしょう。ただ、チャンネルが部署ごとに閉じた状態では、せっかくのツールも縦割りを再現しているだけです。全社横断のチャンネルを設け、プロジェクトの進捗や成功事例を日常的にシェアする運用がカギ。社内Wikiやナレッジベースの整備も有効で、「誰でも・いつでも・検索で」情報にたどり着ける状態をつくれれば、「あの部署に聞かないとわからない」を着実に減らせます。

施策③:他部署の貢献を可視化・称賛する仕組みをつくる

貢献の可視化とは、部署を超えた協力や成果に光を当て、組織全体で称賛・共有する仕組みのことです。

「営業が大型受注を決めた裏で、バックオフィスが驚くほど速く見積を仕上げていた」。こういう貢献は、放っておくと誰にも気づかれません。見えないものは評価されず、評価されないものは続かない。これがサイロ化を加速させるもうひとつの力学です。

ピアボーナス®サービス「Unipos」は、社員同士が感謝のメッセージとポイントを送り合い、その内容がオープンなタイムラインに流れる仕組みです。他部署の貢献が全社員の目に触れるようになると、「隣の部署が何をしているのか」が自然と見えるように。称賛が可視化されると「自分たちの仕事が他部署に役立っている」という実感が生まれ、部署間の心理的な壁が溶けていきます。

施策④:ジョブローテーション・越境体験の機会を設ける

ジョブローテーションとは、社員を一定期間ごとに異なる部署に配置転換し、多角的な視点と社内ネットワークを育成する人材育成手法です。

半年〜1年の本格的なローテーションが難しければ、短期の「越境体験」から始めるのも手です。他部署の定例会議にオブザーバーとして参加してみる、1週間の短期留学制度を設けるなど、ハードルを下げた形でも効果はあります。他部署の仕事を体験すると「なぜあの部署はああいうやり方をしているのか」が腹落ちする。相互理解が深まるだけでなく、部署を超えた人脈が自然と形成され、日常の連携がぐっと円滑になります。

施策⑤:横連携の成果を評価制度に組み込む

横連携の評価制度化とは、部署を超えた協力行動や成果を人事評価の項目に正式に組み込み、報酬や昇格に反映させる仕組みです。

「他部署との協業プロジェクトに参加した回数」「部門横断の改善提案件数」といった定量指標に加えて、360度評価で「他部署からの協力評価」を取り入れると、貢献の全体像が見えるようになります。評価制度を変えることは、経営からの「横連携を本気で推進するぞ」という明確なメッセージ。遠回りに見えるかもしれませんが、最も持続性のある施策です。

サイロ化を放置するとどうなる?3つのリスク

サイロ化のリスクとは、部門間連携の不全が経営成果・組織文化・従業員心理に与える中長期的な悪影響です。

意思決定の遅延・重複コスト

部門間の情報が共有されていないと、同じテーマについて複数の部署が独立に検討を進めてしまうことがあります。それぞれが調査し、資料をつくり、会議を開く。重複コストは想像以上に膨らみます。さらに、部署間の調整が必要な案件では承認フローが長期化し、競合に先を越される原因にもなりかねません。

イノベーションの停滞

新しいアイデアは、異なる専門性や視点の掛け合わせから生まれます。技術部門の知見と営業の顧客理解、マーケティングのデータ分析と現場の肌感覚——こうした越境が起きない組織では、既存事業の延長線上の改善策しか出てきません。サイロ化した組織ではそもそも「他部署にどんな知見があるか」を知る機会がないため、掛け合わせるべき材料の存在に気づけないのです。

従業員エンゲージメントの低下

自分の仕事が会社全体にどう貢献しているのかが見えない状態は、静かに働きがいを削っていきます。部署内に閉じた業務を繰り返すうちに「自分はこの会社で成長できているのだろうか」という疑問が生まれ、優秀な人材ほど早く離れていく。従業員エンゲージメントを高めたいなら、まずサイロの壁を取り払うことが先決です。

サイロ化を解消した企業事例

実際にUniposを活用してサイロ化を解消した2社の事例を紹介します。

環協株式会社——部署・拠点を超えたコミュニケーションが組織開発の起点に

建物の保全・運営・管理を手がける環協株式会社は、技術部門・管理部門・営業部門が複数の拠点に分かれている組織です。現場で起きていることが他部署から見えにくく、「隣のチームが何をしているかわからない」状態がずっと続いていました。拠点が離れているぶん、ちょっとした相談や情報共有にもハードルがあったのです。

Unipos導入後は、拠点や部署を超えた感謝・称賛のやりとりが日常的に行われるように。それまで見えなかった社員同士のつながりや、黙々とこなされていた現場の貢献が全社に共有されるようになりました。Uniposが組織開発の起点として機能し始め、採用活動でも「社内の雰囲気が伝わるツール」として活用されるなど、想定していなかった副次効果も生まれています。

(出典:環協株式会社 支援事例

TISシステムサービス株式会社——拠点間・常駐の壁を乗り越え、カルチャー変革を実践

TISインテックグループの一員としてITインフラの運用サービスを提供するTISシステムサービスは、社員の多くが顧客先に常駐する働き方をしています。拠点が分散しているだけでなく、そもそも「自社のオフィスにいない」社員が大半を占めるため、同じ会社の仲間同士でさえコミュニケーションが取りにくいという構造的な課題を抱えていました。

Unipos社と一体となってカルチャー変革プロジェクトに着手し、常駐先にいても感謝や称賛が全社に届く仕組みを構築。「物理的に離れていても、同じ会社の一員としてつながっている」という感覚が、日々のタイムラインを通じて醸成されています。拠点間の壁を超えたコミュニケーションが活性化し、顧客価値の最大化に向けたカルチャー変革が前進しています。

(出典:TISシステムサービス株式会社 支援事例

まとめ|サイロ化は"仕組み"で壊せる

サイロ化は個人の意識の問題ではなく、組織の構造と仕組みが生み出す現象です。だからこそ、仕組みで壊せます。原因はKPIの分断・属人化・距離・評価制度の4つ。打ち手は部門横断PJ・情報共有基盤・貢献の可視化と称賛・越境体験・評価制度改定の5つです。

特に「他部署の貢献を見える化する」施策は、コストを抑えつつ即効性が見込めるアプローチです。自社の課題に近い事例をUniposの導入事例で探してみてください。

関連記事
Unipos (ユニポス) | 称賛とノウハウ支援で組織を変える
ピアボーナスUnipos (ユニポス) | 感謝と称賛でエンゲージメント向上・理念浸透を実現

サイロ化に関するよくある質問

Q. サイロ化とは何ですか?

サイロ化とは、組織の各部門が独立して動き、情報・ノウハウ・目標が共有されない状態のことです。穀物貯蔵庫(サイロ)が中身を行き来させないことから名付けられた表現で、急成長期や多拠点展開中の企業で特に起こりやすい組織課題です。

Q. サイロ化が起きやすい組織の特徴は?

KPIが部門ごとに分断されている、全社共通の情報共有基盤がない、横連携の成果が人事評価に反映されない——この3つの条件が揃っている組織はリスクが高いです。逆に言えば、この3つのうちひとつでも改善すれば、サイロ化の進行を止める力が生まれます。

Q. 解消にはどれくらいの期間がかかりますか?

ピアボーナスや情報共有ツールの導入であれば、2〜3か月でコミュニケーション量に変化が見え始めるケースが多いです。一方、評価制度の改定や組織文化の変革には半年〜1年以上のスパンが必要です。即効性のある施策と中長期の施策を並行して進めるのがおすすめです。