モチベーションを上げる具体的方法9つ|リーダーが部下へできること

「目の前にやるべきことが山積みされているのにやる気が起きない」
「仕事へのモチベーションが低い部下がいる。どういうふうに接したらよいのか?」
「自分自身はもちろん、部下や子供など他人のモチベーションを意識的に上げる方法はないのだろうか」

仕事や勉強に限らず、多くの人がこれらの悩みを抱えているのではないでしょうか。モチベーションを意図的に上げることができれば、必要な場面で躊躇せず為すべきものごとをこなし、状況をよりよい方向へ運べるでしょう。

意識的に自分や他者のモチベーションを上げることは可能です。
この記事ではそのために役立つ具体的な方法をお伝えします。

目次

1.モチベーションとは

モチベーションとは人が何かを行うための動機や意欲、心理的な理由になるものを意味します。やる気、刺激、熱意などという意味にあてはめられ使われる場合もあります。

日本語では「動機づけ」、つまり第三者に動機を与えたり引き出したりすることも指します。

1-1. 内発的モチベーション

モチベーションには内発的なものと外発的なもの、2つのタイプがあると考えられています。

このうち仕事の達成感、自分の成長欲、知的好奇心から生じる、自己の内部から発生する意欲を「内発的モチベーション」と呼びます。

1-2. 外発的モチベーション

一方、外部から与えられる報酬や称賛、名誉や肩書、金銭などを目標とする意欲をさします。
またペナルティなどのネガティブな要因も(それを与えられないために)行動する意欲となります。

1-3. それぞれのモチベーションの特徴

仕事においては内発的モチベーション、外発的モチベーションともに必要です。

理由として、内発的に動機付けられ起こされる行動は持続性が高いことが上げられます。そのため、特に創造性のある仕事や粘り強く挑戦し続ける仕事には欠かせない要因でしょう。しかし、一定の結果を短期間に出す状況の場合は外発的に動機付けられた行動の結果のほうが効率的であるという研究結果は20世紀から知られています。
そのため、よい仕事をするには、どちらのモチベーションもバランスよく必要ということになります。

内発的モチベーションは自分自身でコントロールし鍛える必要があります。外発的モチベーションは他者から与えられるため自分ではコントロールしづらいものです。
例えば会社という組織ならば、社員一人ひとりが自分の内発的モチベーションを高め持続させる努力をするとともに、上司は部下にやる気を出させられるよう職場の雰囲気を良くし、2つのモチベーションを同時に高められる環境や仕組みづくりが必要といえるでしょう。

2.「自分」と「他人」のモチベーションを上げる具体的な方法

モチベーションを上げたいと思うときはどんなときでしょうか。

「勉強や仕事を頑張りたいのになんとなくやる気が出ず、なかなか進められない」
「仕事のチームでいまひとつやる気のない部下がいるが、なんとかモチベーションを上げてチーム一丸となって頑張りたい」

前者は「自分の(内発的)」モチベーションを上げられないパターン、後者は「他者の(外発的)」モチベーションを上げたいけれどどうしたらいいかわからないパターンといえるでしょう。

ケン・ブランチャードは著作の中で、「仕事」へのモチベーションを上げるための柱が3つあることを動物になぞらえて述べています。

・リスの精神:仕事が「重要」と理解し、「やりがい」がある仕事をする
・ビーバーの行動:自己管理をし、「達成可能」かつ「挑戦的」な仕事をする
・ガンの贈り物:一緒に仕事をする仲間への声援を惜しまず、祝福を贈り合う

この3つの柱を理解することで、自分自身のモチベーション(内発的モチベーション)を上げることができるだけではなく、他者のモチベーションを上げるためにはどんな「仕掛け」が必要か(外発的モチベーション)がわかるでしょう。

ここでは、「自分」と「他者」のモチベーションを上げるそれぞれの方法について、具体的に紹介します。

2-1. 「自分の(内発的)」モチベーションを上げる方法9つ

(1)目の前の目標をまずは「ひとつ」クリアする

脳科学者の池谷裕二氏が「やりはじめないと、やる気は出ません。脳の側坐核が活動するとやる気が出るのですが、側坐核は、何かをやりはじめないと活動しないので。」と述べたものがあります。

人は先にほんの少し行動し脳に刺激を与えることで、やる気が出ることがわかっています。
やる気を出してから何かをするのではなく、まずはほんの少しのことでも始めてみる、手をつけることで、モチベーションを上げることができます。

(2)たった一つのことをやり遂げる

まずは一つのことを最後までやり遂げましょう。そうすることで自分に自信がつき、さらにほかの仕事にもその自信とやる気がよい影響を生み出します。

(3)時間を区切って行う

「1時間だけ頑張る」と区切りを決めることで時間とのかかわりかたを濃密に、積極的にします。

ただし、あまりに短い時間でいくつもに区切ると大局が見えなくなり、目の前のことを片づけるだけになってしまい、逆にモチベーションが下がってしまいます。何かを行うときは時間を区切ると同時に、長期的なスパンで仕事の流れや目標を見る機会も設ける必要があります。

(4)長期的視点をもち具体的目標をかかげる、ただしがんばりすぎない

目先のやるべきことだけをただ繰り返すのではなく、自分が取り組むべき新しいことを探し出すこともモチベーションアップには必要です。
高く広い視野をもち、長期的スパンで計画をたてます。

ただし、あまりに綿密な目標は逆効果になることもあります。一方で漠然としすぎていてもモチベーションは持続しないでしょう。実現可能な目標を掲げ、そこに至るための具体的な道筋をつくることが大事です。

(5)成功をイメージする

イメージトレーニングはスポーツや様々な分野で有効とされています。成功や達成にいたるまでをイメージすることはモチベーションを上げることにも役立ち、イメージした結果を誘導しやすくなります。

例えば五輪2連覇の羽生結弦選手は、2度目のオリンピックの直前に大きなけがをしてしまいましたが、本番までの限られた時間、実際の練習ができない中で何度もジャンプのイメージトレーニングをして挑んだそうです。勝ちたいという欲求と勝つイメージを具体化することが実を結んだのでしょう。

(6)やるべきことや成果を「見える化」する

やるべきこと、目標をはっきり見えるようにする、また成果を具体化することで、実際に行動するハードルは下がります。

(7)習慣(ルーティーン)化する

時間や場所を決め、「この場合はこうする」ということをパターン化、ルーティーン化します。習慣になると一定の条件がそろうことで行動するスイッチが入ります。
上記(1)で述べたように、まず行動してしまえばモチベーションは後からついてきます。

(8)他者視点でフィードバックする

例えばスポーツにおいて、フォームを撮影しておかしいところがないか見返したり、鏡を見ながらトレーニングすることはよくあります。鏡やビデオは他者の視点です。自分だけの視点ではなく周りの人からどう見えているかを定期的に意識し、自分の行動を見返して改善点を見出すことを習慣化すると「もっと良くしていこう」というモチベーションが高まります。
このため、率直な他人の意見を求めることも必要です。

(9)ライバルや目標とする人を定める

「あの人に負けたくない」「あの人のようになりたい」という気持ちは自分を奮い立たせることに役立ちます。
数字で比較するだけでなく、ライバルを設定し、お互いに切磋琢磨することでより高めあうことができます。
また目標とする人を定め、その人の行動を「まねる」ことで、自主的に「学ぶ」ことにつながります。

2-2. 「他人の(外発的)」モチベーションを上げる方法9つ

他人のモチベーションを上げるのも、基本的には自分のモチベーションを上げる方法と同じです。

そのほかに特徴として、外発的モチベーションを上げる要素には内発的モチベーションとは異なり「集団の力を使える」ことが挙げられます。
上司は組織のたくさんの人のコミュニケーションを図り部下のモチベーションを上げる「環境」「仕組み」づくりを心がけることが大切です。

(1)「何をするか」宣言させる

目の前の目標をまずは「ひとつ」クリアさせることが内発的モチベーションのきっかけにもなると上記で述べました。
これを外発的モチベーションへ応用するために、宣言する機会を設けます。「やります!」と言ったのにやっていないとほかの人の手前恥ずかしいとなり、期日や期限までに頑張ろうという意欲になるでしょう。

ただし、あまりに理不尽な目標を宣言させてしまうと逆効果になるので、目の前の小さなひとつ、小さなステップになる宣言をさせることがポイントです。

内発的モチベーション(2)で述べたとおり、一つのことを最後までやり遂げることで自信がつき、ほかの仕事にもよい影響を生み出します。そのためのきっかけとして「宣言」は有効です。

(2)目標は短期と長期で立てさせる

これも内発的モチベーション(3)(4)の、他者への応用です。
短期的な目標と長期的な見通しを立てさせます。
またこれを(1)の「宣言」に使うとよいでしょう。

(3)目標や成果を「見える化」する

内発的モチベーション(6)の応用となります。
例えば営業ならば、朝に何をすべきかミーティングで確認しあう、毎日または週に1回など定期的に個人の成果をまとめて全員に配る、などの方法があります。

ただし、自分の(あまり良くない)成績が他者に「見える」ことで劣等感をもち、モチベーションを下げてしまう人もいます。
全体だけではなく個々人の伸び具合がわかるようにするなど、やる気を出させる工夫をするのが上司の仕事です。

(4)習慣(ルーティーン)化する

内発的モチベーション(7)の応用です。
時間や場所を特定して、「△△(場所)で週に〇回、何時には〇〇をする」「1か月のうち〇日を過ぎたらこの作業に手を付ける」などをパターン化、ルーティーン化します。
社員が習慣化するうちに慣れてきて、「今月、まだあれやってないな」「今日いつもならあれをするのにできていない、終わらせなきゃ」と、なんとなく落ち着かないように自発的に感じられれれば大成功でしょう。

全体を統括する上司としては、無理のあるスケジュールを押し付けないようにするのがポイントです。

(5)フィードバックする

ここから、組織や集団など、内発的モチベーションではほとんどきっかけにならなかったものからよい影響を与える方法になります。

フィードバックは、内発的モチベーション(8)の応用です。
ただし、自分で見る、身近な人にアドバイスをもらうだけでなく、組織や仕事のチーム全体でお互いを見て意見を述べ合います。
よいところ、悪いところなど、忌憚なく発言できる、メッセージを送れる環境、そしてそれができる社風(文化)が必要となります。

(6)ロールモデルを設定する

内発的モチベーション(9)の応用です。

ライバルや目標を定めて切磋琢磨し身近でまねる(学ぶ)ことは内発的モチベーションを上げるのに有効だと述べました。
これを組織にあてはめ外発的モチベーションのきっかけにするには、誰かひとりの全体をモデルにするのではなく、お手本となる各人のスキルを分解し、それぞれをロールモデルとして設定することになります。
例えば、事務処理のマルチタスク能力はAさん、営業でのトーク力はBさん、資料をまとめプレゼンする力はCさん、職場内をよい雰囲気にするDさんなど、各人のよいところを取り出して、不足している社員はそれをモデルとして学ぶことになります。

これは一部署や一チームではモデルとなる人物がいない場合もあるため、上司は他部署や他部門、ときには協力会社などとのつながりを使って、よいロールモデル(の能力をもつ人物)との接点をつくる必要があります。

(7)失敗を恐れる必要のない環境をつくる

一人だけなら、大きなことに挑戦して失敗した場合のリスクを考え、挑戦をあきらめてしまうかもしれません。
そんなとき、集団で責任を担い、一緒に同じ目標に向かって支えあいながら進むことでモチベーションをアップさせられます。

また、共感しあえる仲間がいることも重要です。仕事でつらいときも「わかるよ」「私もだよ」とお互いに声を掛け合うことでモチベーションが上がり、解決するための新しい考えも一緒に考え出せるでしょう。

上司は円滑なコミュニケーションがとれる環境、組織をつくることに注力する必要があります。コミュニケーションがとれなければ、この「外発的モチベーション」のとても長所となる点を活かせません。

(8)称賛し合い、感謝を贈り合う文化をつくる

「ありがとう」
これは外発的モチベーションのきっかけの重要なひとつであり、同時に内発的モチベーションにもつながる貴重な「報酬」です。

「ありがとう」などの感謝を受け取ることで、人は自分の行動や仕事が誰かの役に立っている、世の中のためになっていると実感できます。逆に感謝がもらえないと、仕事の意義、自分の行動の意味がわからなくなってモチベーションは下がってしまいます。

この状況を悪い方向へおしすすめるのが、組織の細分化、仕事の分業化です。歯車のひとつ、パズルのピースのひとつ、どうせ自分がいなくても何もかわらないなどという気持ちになってしまうのです。
実際は歯車もパズルのピースも、そこにあるからこそ全体が完成するのですが、そんなことは考えられなくなってしまいます。

そのために、「貢献」を見える化する必要があります。
例えばお互いにサンクスカードを贈り合う、などの方法があります。具体的に、こんなことをしてくれて助かった、嬉しかった、など言葉にして社員同士で贈り合います。
現在はチャットツールや社内SNSなどで、この「感謝し合う」「称賛し合う」という文化を根付かせられるシステムもあります。カードより手軽で、導入の後もSNSに慣れている若い世代はスムーズに使いこなせるようになるでしょう。

上記(7)(8)のためにも「円滑なコミュニケーションがとれる環境づくり」は必須です。環境、特に人間関係が悪いとモチベーションは上がりません。

・称賛を浴びることで自分の行動が肯定できる
・感謝を受け取ることでがんばれる
・集団の雰囲気が良く、思わず自分も一緒にやりたくなるような環境をつくる

さまざまな価値観を提供しあい共有する組織、一緒に頑張る人がいること、共感できる人がいることが心を癒しモチベーションをアップさせます。

(9)まずは自分自身のモチベーションを上げる

上司自身が、モチベーションを上げ、頼ってくる部下のモチベーションを上げられるようにしましょう。

3.モチベーションを維持するために行いたい具体的な5つの仕掛け

せっかく上げたモチベーションも持続せずすぐに下降してしまうと効率がよくありません。
ここではモチベーションを維持するために日常的にできる方法、仕掛けをいくつかご紹介します。

3-1. マイルストーンを設定し「あと一歩だけがんばる」を繰り返す

心理学者クルト・レヴィンの「ツァイガルニーク効果」と呼ばれる理論があります。「今のままでは何かが足りない」という心理状態が人にはあり、それがその人を成長させるという考え方です。

この理論をつかって、「あともう少しだけ頑張ればもっと高い目標がクリアできる」という、あと一歩だけがんばる目標(マイルストーン)を設定します。
大きな目標の最終到達地点まで一気に登るのではなく、ひとつの目標(マイルストーン)を達成したら、さらに次の目標を目指すこの繰り返しでゴールまで、あきらめることなくたどり着く方法です。
繰り返し習慣化することで、モチベーションを持続させられます。

3-2. モチベーションの高い人のそばで真似をする

2章でも述べたとおり、よい集団の力は、個人にとってよいモチベーションを生み出します。日ごろからやる気に満ち溢れている人がいれば、その人のそばで真似をすることで自分のモチベーションも影響を受けて高まります。

3-3. 健康維持と観察

モチベーションを上げるには、健康状態が良いことが必須です。

(1)十分な睡眠をとる

スケジュールの都合で十分に取れない場合は、適切な時間(10分~30分)の昼寝がおすすめです。

(2)栄養のある適度な量の食事をとる

よい食事が健康な体をつくり、ひいてはモチベーションにもかかわります。
腸をきれいにすると体全体の調子がよくなるので、水分はこまめに十分とり、食物繊維や乳酸菌を適度に摂取しましょう。
また糖分のとりすぎはかえってイライラが募るため注意しましょう。

(3)視力の低下がないか、肩こりや頭痛はないかチェック

視力が落ちるとやる気が損なわれます。また頭痛や肩こりも起きやすくなります。
パソコン仕事をするなど長時間同じ体勢を続けてしまいがちな人は、1時間ごとに立ち上がり軽く体を動かしたり歩いたりしましょう。

(4)適度な運動をする

モチベーションは脳に直結し、脳の状態は体の状態に直結しています。
適度に運動することで体の血流をよくし、脳を活性化させてモチベーションをアップさせることができます。巷で人気の筋トレなども効果的です。集中力がなくなってきたと感じたら、体勢を変えて身体を動かしてみましょう。

(5)悩み事は溜め込まない

心の状態と体の状態は密接につながっているため、悩み事や心配事があると体調にも悪影響が出ることがたびたびあります。実際、悩み事が解決したら嘘のように体調がよくなったという経験がある人もいるのではないでしょうか。
精神状態が不安定ではモチベーションのアップなど到底期待できないでしょう。

仕事であれ個人的なことであれ、悩み事はなるべく周囲と共有し、ひとりで抱え込まないことが大切です。

3-4. モチベーションを上げるパターンをつくる(アンカリング)

アンカー(錨)とは、心理学的には「引き金」「基準」を意味します。

アンカーとなる特定の行動などを利用し、決まった反応を引き起こすプロセスを意図的に作り出すことを「アンカリング」といいます。

例えば、プロ野球選手などがこの「アンカリング」を使っていることは有名です。
試合で先発が決まっている日は必ず野球場までの高速料金所は同じゲートを通っていた元横浜ベイスターズの佐々木投手や、打席に入るときの動作は必ず同じ足から踏み出し打席で同じポーズをするメジャーリーグのイチロー選手などの例があります。
成功のための動きのパターンやルーチンづくり、同じ行動をすることで「これで大丈夫」と自分に暗示をかけることができるため、モチベーションを上げるためにも有効です。

難しく考える必要はありません。
「モチベーションが上がらないときはこの音楽を聴く」
「好きなお茶をのんで軽く運動する」
「息抜きに近所の神社でお参りをする」
など、その行動をすることでモチベーションが上がるような反応を引き出せれば、立派なアンカリングです。

3-5. ポジティブな言葉を使う

「言霊」ともいうように、言葉には実際に人の行動や感情を左右する力があります。ネガティブな言葉を使うと脳に刷り込まれます。
そのためモチベーションを上げるには、日ごろからポジティブな言葉、キレイな言葉、よい言葉、心地よい言葉を使うように心がけるとよいでしょう。
そうすることで、同時に周りの人との人間関係もよくなります。

4.モチベーションを高めやすい組織・仕組みをつくるために

特に仕事のモチベーションを高めるためには一人だけで頑張るより、一緒に働く仲間とともに高めあうほうが効果的なことはすでに述べました。
モチベーションを高めるために自分でできること・皆で参加できること・それらを促す仕組みづくりについて、ここでは簡単に紹介します。

4-1. モチベーションの上がる組織・仕組みづくりをする

モチベーションは日本語では「(誰かがほかの誰かに対して)動機づけをする」という使われ方も多くあるようです。
しかしこれまで見てきたように、仕事におけるモチベーションのあり方は「自発的に目標を定めて自分の意思で行動する」内発的モチベーションを主軸としたほうが効果が上がり持続するといえるでしょう。

第三者から「飴と鞭」を与えられるだけ、すなわち「あからさまなご褒美(または罰)が与えられるから、それを行う」という外発的要因だけでは、モチベーションは持続しません。

例えば、本人の創意工夫や努力が正当に評価されて賞与がアップしたなら、仕事への意欲はさらに高まるでしょう。賞与が理由なく与えられたからではなく、自分で考え、仕事の意義を理解し、頑張った結果を報われ称賛されたことによりモチベーションが上がると考えられます。
しかし、仕事の意義もわからないまま、ただ命令通りに何かをやる、単純作業を延々と続ける、などの場合はモチベーションが上がらず、またその仕事で給料をある程度満足できる額がもらえたとしても、結果的には持続することが難しくなるようです。

「本来モチベーションは、第三者の都合で強制的に行使されるのではなく、個人の自発的行動を引き起こすためのものである」ことを上司も部下もよく認識し、そのうえでお互いに関わり合い、モチベーションをアップさせ維持するために職場(組織)全体で「仕組み」をつくることが必要です。

4-2. 自分と向き合い、他者へ称賛と感謝を

仕事の内的モチベーションを上げるためには、仕事の意義を考えましょう。自分はなぜこの仕事をしているのか、この仕事はどのように社会に役立っているのか。そうすることで新たにやるべきことや重要なことが見えてきます。
なぜその仕事をしたいと思ったのか振り返り、自分自身が満足しているのか、不満があるならどうすべきかを考えます。
例えば、自分自身を見つめなおすために座禅に挑戦したり、マインドフルネスを体験するのもよいでしょう。

また、一緒に仕事をする人たちとコミュニケーションをとり、感謝しあうことで、さまざまな問題が見えると同時に解決策も見えてきます。
これまでに述べてきたように、オープンにコミュニケーションが取れる環境をつくり、努力の形が見えるシステムをつくることが肝要です。
例えば、社内チャットなどのコミュニケーションツールで皆に見える形で感謝を送りあい、ポイントを貯めるシステムを導入する方法があります。上記で見てきたように「(他者からの)感謝」「称賛」はモチベーションを上げることにおおいに効果があります。

4-3. 楽しく取り組める仕組みを社内でつくる

ほかには、社内全体で「残業時間を削減する」「長く健康に勤められるよう、運動や禁煙をする」などの目標をたて、達成されたならば社内通貨で報酬が支払われる制度などがあります。この社内通貨で社員食堂での健康ランチが食べられる、マッサージサービスの利用ができる、有給休暇に交換できる、などの方法を取り入れている企業もあります。

単純に「ご褒美がもらえる」のではなく、仕事のための合理的な目標に対して努力した結果の報酬であること、全員で共有できること、目標が可視化されていること、できれば楽しみながら積極的に参加できることが重要です。
個々の満足度も上がり、仕事の効率化への創意工夫の原動力にもなります。

5.まとめ

モチベーションを上げる具体的な方法を紹介しました。

内発的モチベーションと外発的モチベーションも根本的には同じですが、集団の力を使ってモチベーションを上げることはより効果的で有効です。
他者から与えられるきっかけでありながら、感謝や称賛を与え合うことで、やがて自発的に自分自身が「やりたい」欲求につながる効果があります。
情報共有と積極的な感謝のやりとりができる組織づくりが、上司が部下のモチベーションを上げるためには必要といえるのではないでしょうか。この記事がモチベーションを上げることにとどまらず、よりよい環境、組織作りに役立てば幸いです。