仕事におけるチームワークとは?チーム力の重要性と高めるための5つの方法

「部署内で新たなチームを組ませてみたものの、あまりうまく機能してないようだ……」

「社内の問題解決のためチームを編成したいが、どのように作ればよいのかわからない」

仕事をする上で何かと問題になる「チームワーク」。

プロのスポーツ競技や学生が打ち込む部活動など、チームワークが語れる場面は多くありますが、実は、

「仕事におけるチームワーク」というとすぐにはピントこない、なんで大事なのかわかっていない、そもそも仕事は個人で責任を持って行うものだからチームワークはそれほど重要ではないと考えている、という方も多いのではないでしょうか。

しかし、仕事でメンバー1人ひとりの強みが発揮され、チームワークが発揮されだすと、チームワークがいまいちな状態で仕事をしている時よりも、ずっと大きな成果を残せるようになります。

本記事では、仕事でチームワークが重要な理由、チームワークのメリット不足した時のデメリット、高めるための具体的な方法について、わかりやすく説明しています。

そろそろ本腰を入れてチームワークと向き合いたい、まさに今チーム力が低く困っている方などなど、チームワークでお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

明日からのチームづくりに役立つヒントが少しでも得られれば幸いです!

1 仕事でチームワークが必要とされる理由

仕事でチームワークが必要とされる理由は、1人で働くよりも、協力せずバラバラに働くよりも、高い目標達成を目指せるようになるからです。

チームワークが発揮されている状態とは、1人ひとりの強みが活かされ、弱みを補い合い、同じゴールに向かって進んでいる状態を指します。

例えばウェブサイト制作を担うチーム場合、コミュニケーションが得意な社員が顧客対応を行い、デザインスキルを持った社員が依頼を元に制作を行うという分担作業によって、お互いの長所を最大限に活かした仕事の取り組みを実現できます。

チームワークが発揮されることで、メンバーが苦手な分野は最小限の労力で済ませられ、得意分野に関して効率よくパフォーマンスを発揮できるようになります。こうして強みや弱みを補い合うことで、社員同士の能力の純粋な足し算よりも、さらに大きな効果を発揮できるのです。

1−1 チームならより高い目標を達成できる 

 前述の通り、チームワークが発揮されることで、個人で行うよりも高い目標の達成を目指せるようになります。

個人で目標を追う場合は、その社員のスキルや業務遂行能力に依存します。力を出し切ったとしても一人で対応できる範囲や労働時間には限界があります。

不得意な業務を行うとなると、多くの工数をかけた割に成果に結びつかない場合も多く、合理的とはいえません。

チームで仕事を行う場合、メンバー同士のスキルを活かした相乗効果が期待でき、弱みを補い合うことで、生産性を大きく向上させられます。

そのため、個人で向かい合うよりも、チームで取り組む方が目標値を高く設定しやすくなるのです。

1−2 VUCA時代を乗り切る、柔軟で素早い対応力が得られる

 先行きが読めず、急激なスピードで絶えず変化を続ける現代は「VUCA時代」と言われ、そうした変化に素早く対応できなければ、ビジネスでも結果をだすことが難しくなってきています。

「いつ、これまでのやり方が通用しなくなるかわからない」

そんな状況の中で成果を出し続けるには、変化を柔軟に捉え、素早く判断し、行動していく力が必要です。

1人ひとりがそうした力を高めることももちろん有効ですが、メンバー同士が様々な角度から意見を出し合い、試行錯誤する中で学びながら進んでいけたら、変化への対応力は1人の時よりもずっと増すのではないでしょうか。それこそチ、ームワークのなせる業といえます。

多様性を持ったメンバーが集まることで、チームの思考力が高まり、困難な状況を打破しやすくなるのです。

1−3 グローバル化する社会への対応

 IT化の進歩はグローバル化を加速させました。企業は国内だけでなく、国際社会と競争する時代になっています。時代の変化に対して敏感になり、迅速な対応を実現するには、さまざまなスキルを持ったメンバーで組まれたチームの存在が不可欠です。

グローバル企業や多国籍な社員への対応力を高めるためにも、語学力を持った社員や、海外への広い知見を持つ社員を含めたチームの活躍が期待されます。メンバー同士がチームワークを発揮し、長所を伸ばしながらお互いを高め合うことで、今後も時代の変化に合わせて成長し続けられるチームにすることが可能になります。

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2 チームワークを高めるための5つの方法

では、実際に社員同士のチームワークを高めるにはどうすればいいのでしょうか?

今回は、以下の5つの方法をご紹介します。

  1. リーダーがメンバーを取りまとめる
  2. チームとしての目標を意識する
  3. メンバーの役割を明確に
  4. 柔軟なコミュニケーションの実施
  5. メンバーのスキルを合わせる

チームをうまく統率できる人材によるリーダーシップの発揮や、メンバー間の友好的な人間関係に加え、チームの選定に携わるポイントについてまとめました。

2−1 リーダーがメンバーを取りまとめる

 チーム力発揮を左右するのが、リーダーの存在です。

スキルや経験、個性が異なる社員同士をとまとめ、各自が能力を発揮できるチームづくりのためには、チームの中心となる人物の存在はカギです。

とはいえ、現在は徐々に「強いリーダーシップを持った1人の人物が、他のメンバーをぐいぐい引っ張っていく」

といった形だけが正解ではないことが、様々な現場で実証されています。

「サーヴァント・リーダーシップ(メンバーを支えて活躍を支援する)」、「オーセンティック・リーダーシップ(メンバーにありのままの姿を見せる)」

など様々なリーダーのスタイルが研究されており、そのチームの性質、リーダーの性格、その時々の状況などにより、柔軟にリーダーシップスタイルを選択していくことが大切だと言われています。

例えば、カルビー人事トップの武田氏は「オーセンティック・リーダーシップ」を実践していて、以下のような気持ちで、日々社員と接しているそうです。

「自分が鎧を脱いでオープンマインドになることで、相手もオープンマインドになってくれる。相手よりもいつでも1枚多く鎧を脱いで接することが大事」

カルビー人事トップ武田氏が語る 転換期の人事の心構えと現場との信頼の築き方

自分の性格やチームの性質、その時の状況などを考慮しながら、リーダーシップスタイルを使い分けていきましょう。

2−2 チームとしての目標を意識する

 チームの目標を全員で共有することはとても大切です

それぞれの個性が発揮できる土壌を整えたとしても、その先のゴール、目標を全員で共有できていないと、各自がてんでバラバラな方向に伸びていってしまいます。

共有する目標は、具体性のあるものが効果的です。目標、達成までの期間を定め、チーム全体で追っていくのです。

  • 今月の受注件数を、前年比110%にする
  • 既存のウェブサイトを改善し、アクセス数を3ヵ月後に150%にする
  • 今後半年で、顧客からのクレームを毎月5件ずつ削減する

上記のような具体性のある目標にするとよいでしょう。

また、あまりに高すぎる目標を設定した場合、チームのメンバーが「それはちょっと無茶では…」と思い、モチベーションが下がってしまう場合があります。

ですので、最終目標とは別に中間目標を決めておき、段階を踏んで達成していけるように工夫しましょう。目標へ向かう途中でチームがバラバラになることを予防できます。

2−3 メンバーの役割を明確に

 チームワークを上手く発揮させるには、メンバー同士の役割を明確にすることが欠かせません。

チームが定めた目標に対して、各メンバーが自分の役割を自覚し、互いの役割を認識し合うことで、求められる能力を発揮しやすくなります。

メンバー1人ひとりの強みと弱みを把握し、適切な役割を配分を行い、全体で共有しましょう。新しくチームを作る際には、予め得意分野が異なるメンバー同士を選定しておいてもよいかもしれません。

メンバー同士が長所を発揮し短所をカバーし合えるよう、リーダーがメンバー1人ひとりの特質を把握することが重要です。

2−4 コミュニケーションの量と質を上げる

 安定したチームワークを持続するためには、メンバー同士の良質なコミュニケーションが重要です。

互いの性格、仕事上の得意不得意、仕事に対する価値観など、メンバー間の相互理解を深めておくと、仕事上のコミュニケーションも円滑になりますし、チーム意識も高まります。

月に一度でもいいので、チームで定期的に相互理解を深める時間を持つとよいでしょう。(チームの相互理解を高めるワーク、実践のヒントは「変化に強いチーム育成実践BOOK」にも載っていますのでひご活用ください)

チャット、社内SNS社内ポータルサイト内の掲示板、ピアボーナスサービスなど、ツールを使って、普段のささいなコミュニケーションの量を増やしていくことも効果的です。

2−5 メンバーのスキルを合わせる

 チームを結成する際には、個人の知識やスキルをベースにしますが、能力がある程度均等になるようにするのが効果的です。

チーム内でメンバーの能力に大きな差がある場合、高いスキルを持つ社員に負担が集中しがちになります。特定のメンバーだけが活躍する状況ではチームワークが十分に発揮されているとはいえません。

メンバー同士がお互いをライバル視しながら、切磋琢磨できる環境を作ることで、継続したチーム力の向上が期待できます。

チームワークによる相乗効果を高めるためには、リーダーが主体となり、メンバーの育成にも力を入れていきましょう。

3 仕事上でチームワークを高める5つのメリット

チームワークを高めることで得られるメリットは、たくさんあります。

中でも代表的な5つのメリットをご紹介します。

  1. メンバー同士でサポートし合える
  2. メンバーのモチベーションアップ
  3. お互いの成長を刺激し合える
  4. 生産性の向上が期待できる
  5. 新たな気づきを得られる

チームワークの発揮により、社員同士の自己成長を促進できるのです。

3−1 メンバー同士でサポートし合える

 チームの目標達成をめざす過程においては、メンバー同士の協力が欠かせません。

それぞれに得意分野を持つ社員同士、他のメンバーの苦手とする部分を補いながら働くことで、自然とサポートし合える関係性が構築されます。

困難な課題を乗り越えることがメンバーの成功体験となり、チームの更なる成長が期待できます。

リーダーは、互いを認め合い大切にする姿勢を身につけられるよう、メンバーをサポートしていきましょう。

3−メンバーのモチベーションアップ

チームワークを発揮できている時、メンバー同士は互いの個性を認め、尊重し合っています。自分の強みや仕事が他のメンバーから認められているという実感は、互いに対する信頼を築き、チームで働くことを一層前向きにさせます。

そして仕事で困ったことや新たなアイディアが欲しい時などは、1人で抱え込まず、他のメンバーに自然と意見やアドバイスを求めることができます。

こうしたチームへの信頼やポジティブな気持ちが、貢献意欲を高め、よりモチベーション高く働くことに繋がっていきます。

3−3 お互いの成長を刺激し合える

 チームで仕事を進めていると、メンバー同士が互いの仕事を近くで見る機会が増えます。

他の人の仕事を見ている中で「そんな風にできるのか、すごい!」と感心したり「そんな方法があったのか!」と目から鱗が落ちたり、様々な刺激や学びを得た経験のある人も多いのではないでしょうか。

互いが学び合い、良い点を吸収し合うことで、成長を刺激・促進することが期待できるのです。

3−4 生産性の向上が期待できる

 チームワークの発揮によって、お互いにサポートしたり刺激し合ったりすることで、生産性が向上します。

さらに、れぞれの得意分野に注力できるようリーダーが適切に業務を振り分けることで、メンバー同士の強みが発揮され、少ない時間で大きな成果が得られるようになります。メンバー1人ひとりの能力の単純な足し算ではなく、より大きな相乗効果を生むことができるのです。

3−5 新たな気づきを得られる

 チームワークのメリットは作業効率を高め生産性を高められることだけではありません。

お互いに刺激し合う中で業務改善や自己成長につながる、新たな気づきが得られるのです。

チームで働いていると、与えられた業務上の役割だけではなく、1人ひとりがチーム力向上の意識を持つことも必要になってきます。そうした視点を持ち日々行動していると、自分の業務だけのことを考えている中では気付かなかった、新たな発見や、問題解決の方法を閃いたりすることができるのです。

気づきを得るためには、周囲からの意見やアドバイスを素直に受け止めることも大切です。

気づいたことや改善すべき点は、積極的に意見交換できるよう、日頃から皆が気軽に発言しやすい雰囲気づくりを心掛けておきましょう。

馴れ合いではなく、お互いに切磋琢磨できる環境でこそ、チームの総合力が高まっていくのです。

4 チームワーク不足だとこんなデメリットが

チームワークを高めると仕事に大きなメリットがあること、だいぶおわかりいただけたのではないでしょうか。

これだけ良いことがあるのなら、チームワークを向上させないのは、ソン!ですよね。

(「今すぐチームワークを高めたくなった!という方はぜひ「変化に強いチーム育成実践BOOK」もご覧ください)

この章では、改めてチームワークが適切に発揮されていない、チームワークが不足している場合にどんなデメリットが起こり得るのかをまとめました。

こちらも合わせてご覧ください。

4−1 仕事をサボる社員が現れる

 しっかり働いている社員を横目に、仕事をサボる社員が現れる場合があります。

もともとチームへの帰属意識や貢献意欲の希薄な社員が、チームワークのない環境にいくと「自分一人が仕事をしなくても、周囲がカバーしてくれる」と思い、

仕事をしないフリーライダーと化してします可能性があります。

優秀なチームの場合は例え1人が仕事をサボったとしても、他のメンバーがきちんと働いていれば目標を達成できてしまいます。

しかし1人分の働きが減ったことで、真面目に働くメンバーの不要な負担が増やし、本来ならもっと大きな目標を達成できていた可能性を閉ざしてしまうことは事実です。

「このチームのために力を発揮したい」、メンバー1人ひとりがそう思えるかどうかで、チームの成績は大きく変わります。

4−2 メンバーのモチベーションダウン

 チームワークがよい方向に向いていれば、メンバー同士で切磋琢磨してモチベーションを高く維持できます。

しかし、仕事をしない社員が出てきたり、チーム内のコミュニケーション状態が悪化すると、モチベーションを維持することが難しくなるでしょう。

メンバー間で能力に差がある場合や、仕事をしない、納期を守らない社員がいた場合、きちんと責任を持って業務に臨んでいる社員からすれば、不公平感が出てきます。

例えば仕事の期限に遅延が起きた場合、結果的に周囲でフォローをする必要があり、負担が増えるためモチベーションの低下は避けられません。 

また、チーム内で馴れ合いをはじめてしまうと、メンバー間で向上心が芽生えなくなり、成長速度が低下。結果としてモチベーションを維持できなくなり、チームの生産性を低下させることにつながります。

4−3 対立が起こってしまう

これまで見てきたような不満が 溜まってくると、メンバー間の信頼関係がなくなり、やがて対立へと発展してしまう可能性があります。

目標を達成できなかった場合は、責任の押し付け合いなどになる場合もあるでしょう。

こうした状態になってしまうと、チームの生産性は著しく低下し、目標達成は難しくなります。

ここまでの状態になるチームはなかなか無いとはいえ、チームワーク不足が慢性的に続くと、決してないとは言えない未来です。ご注意ください。

チームの生産性を高めるためには、心理的安全性が欠かせない!詳細はこちら

5 まとめ

 個人では達成が難しい目標でも、多様な知識とスキルを持ったメンバーが集まることで、お互いの弱みと強みを補い合い、達成へと近づくことができる。これがチームワークの最大のメリットです。

チームワークを高めるためには、以下の5つの方法が重要だということがわかりました。

1.リーダーがメンバーを取りまとめる

2.チームとしての目標を意識する

3.メンバーの役割を明確に

4.柔軟なコミュニケーションの実施 

5.メンバーのスキルを合わせる

仕事におけるチームワークはプロジェクトの成功につながるだけでなく、企業の成長にも大きく関係してきます。変化の激しい時代において、新たな価値を創造するために必須の要素だと言えます。

社内によいチームを多く生み出すためにも、適切な人材配置と、柔軟なリーダーの育成に取り組みましょう。

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