風通しの良い職場づくりの極意!6施策と4事例で解説

この記事では、実際に効果を上げるための戦略を明確にするために、

1. 何をもって風通しの良い職場と定義するのか

2. 風通しの良い職場のメリットと潜在的なデメリット

3. 成功するための6つの施策と具体的な手法

4. 四つの事例で見る、風通しの良い職場の実現方法

を詳しく掘り下げます。

「うちの職場、もっと風通しが良くなればいいのに」と感じているなら、この記事はまさにあなたのためのガイドです。以下のポイントで問題点を特定し、効果的な改善策を見つける第一歩として、どうぞ参考にしてください。

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1.風通しの良い職場とは具体的にどんな職場なのか

まずはじめに、風通しの良い職場とは具体的にどんな職場なのか、明確にしておきましょう。

さまざまな定義がありますが、大まかには以下の4つに絞られます。

社内コミュニケーションの活性化は良好な職場風通しの象徴

社内コミュニケーションが活発な職場では、社員同士が気軽に意見を交わし合うことができます。そのため、アイデアや情報の共有が活発になり、新たな価値の創出につながります。また、社員のモチベーションアップや、組織の一体感の醸成にも役立ちます。

一方、社内コミュニケーションが活発でない職場では、社員同士の信頼関係が築きにくく、業務上の課題があっても、なかなか解決に至らないことがあります。また、社員が孤独感や疎外感を抱き、離職率が高くなるリスクもあります。

社内コミュニケーションの活発さを高めるためには、以下の施策が有効です。

  • 1on1ミーティングの導入
  • 社内報やSNSの活用
  • コミュニケーションツールの導入
  • 社員同士の交流イベントの開催

上司と部下の関係性がフラット

上司と部下の関係がフラットであることは、風通しの良さの重要な要素です。フラットな関係がもたらすメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 情報の迅速な伝達・共有
  • 組織の意思決定速度の向上
  • 状況変化への柔軟な対応
  • 部下の発言促進

部下が上司の顔色をうかがったりすることなく、必要なことがあれば部下からも進言できるような関係性が保たれている職場では、情報が滞ることがなくなり、上下関係を気にしないで率直な意見やアイデアが出やすくなります。

また、フラットな関係は、部下と上司の信頼関係の構築にも役立ちます。部下が上司を尊敬し、上司が部下を信頼し合う関係が築かれている場合、部下はより積極的に意見を述べ、上司は部下の意見をより真剣に受け止めることができます。

このように、上司と部下のフラットな関係は、組織のパフォーマンス向上につながる重要な要素と言えます。

社内の風通しを良くし、従業員の生産性を上げるカギとなる”心理的安全性”について徹底解説!

自分の意見を言いやすい

風通しの良い職場は、社員が自分の意見を言いやすい環境です。これは、心理的安全性が高く、意見を否定されることなく受け入れられる雰囲気が醸成されていることを意味します。

心理的安全性とは、自分の意見や考えを自由に表現できる、安心感があることを指します。心理的安全性が高まると、社員は自分の意見やアイデアを積極的に述べることができ、組織の活性化につながります。

風通しの良い職場を作るためには、以下の施策が有効です。

  • 上司と部下の関係をフラットにする
  • 社員同士のコミュニケーションを活発にする
  • 意見を否定せず、建設的な議論を促す

これらの施策を実施することで、社員は自分の意見を言いやすくなり、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

社内の雰囲気を悪くする規則やローカル・ルールは不要です。

社内のコミュニケーションを活性化させるためには、ローカル・ルールの影響を理解し、その影響を最小限に抑える必要があります。ローカル・ルールとは、会社の文化や慣習から生じる「暗黙の了解」のことで、これらが強制的になると、職場の風通しを阻害します。

  1. ローカル・ルールの特徴: これらのルールは明文化されていないものの、破った場合には陰口を叩かれたり、社内の雰囲気を悪くすることが一般的です。
  2. 具体的な例: 定時が5時半でも、上司が帰り支度を始めるまで誰も帰宅できない、などの規則があります。
  3. 自由度の確保: 最低限のマナーやルールは必要ですが、それ以外は自律的な動きが可能な職場が理想です。

風通しの良い職場とは、従業員やスタッフが自由に発言し、自主的に行動できる環境を提供することから始まります。これは、企業の生産性の向上、従業員の満足度の向上、そして組織全体の健全な成長に直結します。

組織運営においては、ローカル・ルールの存在を否応なく認識し、その影響を適切に管理することが、より良い職場環境の構築へと繋がるのです。この視点は、今後の組織管理や人材育成においても重要な考え方と言えるでしょう。

 

2.風通しの良い職場をつくり:メリット・デメリットを解説

風通しの良い職場を形成することには、多くのメリットがあります。しかし、その一方でデメリットも存在することを忘れてはなりません。ここでは、この重要なバランスについて詳しく見ていきます。

2-1. 風通しの良い職場にするメリット

風通しの良い職場とは、従業員同士のコミュニケーションが活発で、意見交換や情報共有がしやすい職場です。**風通しの良い職場には、さまざまなメリットがあります。

生産性向上

風通しの良い職場では、従業員同士が積極的に意見を交わすため、課題や問題点を共有しやすくなります。また、アイデアやノウハウを共有することで、業務効率化や生産性向上につながるでしょう。

イノベーション創出

風通しの良い職場では、従業員が自由に意見を述べることができるため、新しいアイデアや発想が生まれやすくなります。また、多様な意見が集まることで、イノベーションの創出にもつながるでしょう。

離職率低下

風通しの良い職場では、従業員が働きやすいと感じるため、離職率が低下する傾向があります。また、従業員の満足度が高まることで、仕事へのモチベーションやエンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

これらのメリットは、単に独立した要素として存在するのではなく、連動して効果を発揮します。高いモチベーションがパフォーマンスの向上を促進し、結果として会社全体の業績を引き上げる可能性があります。

2-2.風通しの良い職場のデメリットとその対策

風通しの良い職場の概念は、多くのメリットをもたらすとされていますが、その一方でいくつかのデメリットも存在します。具体的には以下のような点が挙げられます。

人間関係のトラブル

風通しの良い職場では、従業員同士のコミュニケーションが活発になるため、人間関係のトラブルが発生するリスクが高まります。上司部下や同僚間のコミュニケーションを円滑に進めるためには、マネジメントの工夫が重要です。

緊張感の欠如

企業文化としての緊張感が失われることがあります。**遅刻が増える、勤務態度がルーズになる、お客様に対する礼儀が欠けるなどの問題が発生する可能性もあります。

メリハリのある運営

これらの問題を克服するためには、オープンな雰囲気の中でも、適度な緊張感を維持し、メリハリをつける運営が求められます。

3.風通しの良い職場づくり: 実践する6つの効果的な施策

風通しの良い職場の構築は多くの企業が目指していますが、具体的な実施策に迷っている企業も少なくありません。ここでは、企業文化を改善し、効果的なコミュニケーションを促進するための6つの施策をご紹介します。

1. サンクスメッセージを送り合う

感謝の気持ちを形にして伝えることで、互いの信頼と理解が深まります。

サンクスカードとは、日々の仕事の感謝のメッセージを名刺大のカードに書き、社員同士で送り合う仕組みです。

ザ・リッツ・カールトン東京や東京ディズニーリゾートが取り入れていることで有名ですが、最近では、ネット環境を利用してもっと手軽にメッセージを送り合うことができるサンクスカードアプリも登場しています。

社員同士の感謝のメッセージにプラスして、少額のインセンティブを送り合える「Unipos(ユニポス)というwebサービスもあります。

2. 上司と部下で1on1ミーティングを行う

定期的な個別対話は、信頼関係の構築と問題解決につながります。

3. メンター制度、ブラザーシスター制度の導入

社員のサポートと早期離職防止に効果的です。

4. フリーアドレス制度を導入

フレキシブルなオフィス環境は、コミュニケーションの活性化に貢献します。

5. 定期的に社内イベントを開催する

社内イベントはチームワークの強化と楽しい職場環境作りに繋がります。

6. ウェルカムランチの開催

新しいメンバーを温かく迎えることで、開かれた職場文化を築きます。

すべてを一度に導入する必要はありません。自社の状況に合ったものから取り組むことで、職場の風通しの改善を始めることができます。これらの施策は、社員間のコミュニケーションの促進、チームの結束力強化、職場の雰囲気向上に寄与する効果的な手段となるでしょう。

4.風通しの良い職場づくりの成功事例

1. ヤフー株式会社: 1on1ミーティングの導入

ヤフーは、上司と部下が週に1回30分間、部下の話を聞く「1on1ミーティング」を全社的に導入しています。

この1on1ミーティングの目的は、部下の成長を支援することです。そのため、上司は部下の話を傾聴し、部下自身が自分の強みや課題に気づく手助けをします。

1on1ミーティングを導入する際には、部下や管理職から「時間がない」「愚痴を聞いてばかりで終わりそう」などの声が上がりました。

しかし、ヤフーは外部の専門家にアドバイスを受けつつ、1on1ミーティングのカリキュラムやスキルを磨き続けました。その結果、1on1ミーティングはヤフーのカルチャーとして定着し、部下の成長に大きく貢献しています。

以下に、1on1ミーティングの具体的な内容をまとめます。

  • テーマ:部下の成長につながる内容を話し合う
  • 時間:週に1回30分間
  • 場所:部下がリラックスできる場所
  • 参加者:上司と部下
  • 内容:
    • 部下の仕事の進捗状況
    • 部下の課題や悩み
    • 部下の目標やキャリアプラン
    • 上司からのフィードバック

1on1ミーティングは、部下と上司の信頼関係を築くための貴重な機会です。上司は、部下の成長を真剣に考え、1on1ミーティングを有効に活用しましょう。

2. ヤマハ発動機株式会社: 社内報のリニューアル

ヤマハ発動機株式会社は、2016年1月から社内報のイメージを大きくリニューアルしました。

従来の社内報は、A4サイズで、経営者からのメッセージや製品紹介、決算発表など、無難なコンテンツで占められていました。

しかし、ヤマハ発動機は、社員一人ひとりに届けられる、読みやすい社内報を目指して、リニューアルを実施しました。

具体的には、以下の変更を行いました。

  • サイズをコンパクトなB5サイズに変更
  • フルカラーで写真やインタビューを多く盛り込む
  • 古参の社員だけでなく若手社員の興味や関心を引くコンテンツを盛り込む

このリニューアルによって、社内報の閲読率は年々増加し、2018年には84.8%に達しました。

具体的なコンテンツとしては、以下のようなものがあります。

  • 職人たちの物語
  • 社史をブランドの視点からとらえ直したブランドストーリー
  • 若手社員の活躍を紹介する企画

これらのコンテンツは、社内報をより読みやすく、興味深いものにしています。

ヤマハ発動機は、社内報のリニューアルによって、社員一人ひとりに会社の情報を届け、社員のモチベーションアップにつなげています。

3. ライフネット生命保険株式会社: 相互理解・関係性の可視化

ライフネット生命保険株式会社は、社内の信頼関係を強化するために、社員同士が日々の仕事の感謝をオープンに送り合うWebサービス「Unipos」を導入しています。

ライフネット社は、専門性の高い業務が多いため、職場でのコミュニケーションが閉じてしまうことがありました。そこで、社員同士が互いの仕事をもっと知り合い、オープンなコミュニケーションを促進することで、信頼関係をより強固にすることを目的として「Unipos」を導入しました。

「Unipos」は、社員同士が感謝の気持ちを送り合うことができるWebサービスです。誰かに感謝の気持ちを伝えたいときは、その人の「Unipos」のページにアクセスして、感謝の言葉やエピソードを投稿します。

「Unipos」の導入により、ライフネット社では、社員同士の感謝の気持ちをオープンに伝え合う機会が増えました。そのため、社員同士のコミュニケーションが活発化し、信頼関係が深まりました。

具体的な例として、ある社員は、会議で他の社員が自分が担当していた仕事を代わりに進めておいてくれたことに感謝を伝えました。その社員は、感謝の気持ちを「Unipos」に投稿したことで、自分のチームワークに対する貢献を社内に広く伝えることができたと語っています。

「Unipos」の導入は、ライフネット社の社内文化をより良いものにするために、大きな効果をもたらしています。

4. 日本マイクロソフト株式会社: フリーアドレス制度

日本マイクロソフト株式会社は、フリーアドレス制度を導入しています。

フリーアドレス制度とは、社員が自分の好きな場所で仕事をする制度です。日本マイクロソフトでは、本社移転を契機にこの制度を導入しました。

従来は、部署ごとに各人のデスクがパーテーションで区切られており、コミュニケーションの範囲が限られていました。フリーアドレス制度を導入することで、部署や上下関係の壁を超えたコミュニケーションが可能になり、コミュニケーションが活発になりました。

また、2011年3月の東日本大震災発生をきっかけに、テレワークも推進されるようになりました。テレワークは、従業員が自由な場所で仕事をすることができる制度です。

フリーアドレス制度とテレワークの導入により、日本マイクロソフトは従業員の働き方をより自由度の高いものにしました。

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5.まとめ

これらの企業が実践する風通しの良い職場づくりの取り組みは、他の企業にも参考になるでしょう。大切なのは、全てを一度に取り入れるのではなく、ひとつの施策をしっかりと実施すること。それが成果を挙げるカギです。

最後に、風通しの良い職場づくりのための6つの施策を復習しておきましょう。

1.サンクスメッセージを送り合う

2.上司と部下で1on1ミーティングを行う

3.メンター制度、ブラザーシスター制度は新入社員の早期離職防止になる

4.フリーアドレス制度を導入

5.定期的に社内イベントを開催する

6.ウェルカムランチ開催も効果的

ご自身の職場に合ったもので始めやすいものから、まずは初めの一歩を踏み出していってくださいね。

最後に、これらの取り組みがどうして成功につながったのか、その背後にある「心理的安全性」についても解説していきます。社内の風通しを良くし、従業員の生産性を向上させる秘訣を知りたい方は、ぜひご一読ください。

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