フリーライダー問題の具体例と組織を改善するための5つの対処法

あなたの職場には「仕事をしない」、または「周囲に仕事を押し付ける」人はいませんか? 

自分は仕事をせずに報酬だけ受け取ろうとする社員のことを、「フリーライダー 」といいます。

フリーライダーを放置すると、周囲の社員たちまで就労意欲を無くしフリーライダー化する可能性があるため、存在に気づいたら早めの対処が必要です。

当記事では、フリーライダーが生まれる原因と、適切な対処法をご紹介します。


フリーライダーとは?

フリーライダーは直訳すると、「タダ乗りする人」になります。「不労所得者」や「コストを負担せずに利益だけを得る者」という意味を持っています。つまり、企業におけるフリーライダーとは、自分では仕事をせず、報酬だけはちゃっかりと受け取ろうとしたり、他の社員の成果を横取りしたりする社員のことを指すのです。

フリーライダーの対処が困難に

フリーライダーは昔から企業内に存在していて、「給料泥棒」などと呼ばれていました。しかし、近年における雇用形態の変化や労働人口の減少などにより、組織内でのフリーライダーへの対処が難しくなっています。

「社員教育にかける余裕がない」などの理由でフリーライダーを放置しておくのは危険です。仕事をしないことが許される姿勢を見た、他の社員までやる気を無くしてしまい、フリーライダー化する可能性があります。フリーライダーは現代社会が抱える大きな問題なのです。

フリーライダーになりやすい社員の特徴

フリーライダーになりやすい社員には共通する特徴があります。以下に3つの特徴をまとめました。

フリーライダーになりやすい

社員の共通点

フリーライダーになりやすい

社員の特徴

仕事に時間がかかる

 

1つの業務に時間をかけることで、他の業務を割り振られないようにしている。

意図したものではなく、業務の遂行能力が低い場合も考えられる。

何ごとにも批判的なことが多い

 

自分に仕事が降りかかりそうな場合は批判的な発言を行い、回避しようとする。

仕事への責任感が薄い

仕事への責任感が薄く、業務上のミスがあっても気に留めない。

自分のミスを他の社員に責任転嫁しようとするケースもある。

このような特徴を持った社員がいた場合、すでにフリーライダー化している可能性があります。


フリーライダーへの5つの対処法

職場にフリーライダーが存在する場合は、すぐさま対処する必要があります。フリーライダーは伝染することがあるからです。

この章では、フリーライダー に対する5つの対処法をご紹介します。

1.仕事内容の見える化

2.評価制度を工夫する

3.定期的な面談の機会を設ける

4.社員教育を重視する

5.結果以外も評価される仕組みを導入する

1.仕事内容の見える化

フリーライダーが仕事をさぼれる理由の一つに、「何の仕事をしているかわからないから」というのがあります。社員同士がお互いにどんな仕事をしているか把握できていない環境では、フリーライダーが生まれやすくなります。

そこで、日々の仕事内容の「見える化」により、他の社員がきちんと仕事をしていることを明確にしましょう。すぐに取り組める方法としては、部署内のコミュニケーションを活発化させるのが効果的です。日々のコミュニケーションを増やし、その中から社員同士が仕事内容を把握できる環境を作りましょう。仕事をさぼりづらい空気を意図して作り出すのです。

また、日々の作業日報にその日にこなした業務内容を細かく記載してもらうことで、各社員の仕事内容を視覚化できます。日報の内容から仕事をさぼっていることがばれてしまえば、フリーライダーを続けるのが難しくなるでしょう。

2.評価制度を工夫する

多くの企業で運用されている評価制度ですが、きちんと機能していなければフリーライダーを見つけることが困難になります。

個人の主張だけを基準とせずに、360度評価などの多面的な評価基準を設けるのも効果的です。360度評価とは、上司だけではなく同僚など、評価対象者との立場や関係性が異なる複数の社員からの評価を行うというものです。多面的な評価を実施することで、上司だけでは見抜けない評価対象者の働き方や考え方を明確にできます。

フリーライダーに近い所にいる社員から話を聞いてみるとよいでしょう。フリーライダーは上司など、評価担当者へ対するアピールが上手な場合が多いため、同僚の視点からの評価を聞き出すことは極めて重要です。

3.定期的な面談の機会を設ける

社員との面談を定期的に行い、現状に対するフィードバックを行うことも効果的です。人事考課の結果や日常の業務への取り組み方など、適切にフィードバックしていきます。フリーライダーには他者からの評価を踏まえ、自分を客観視してもらう機会を設けることが重要です。

フリーライダーに対しては、部署内における1on1ミーティングが効果的です。1on1ミーティングとは、上司と部下が11で行う面談のことで、週に1回〜月に1回のペースで行うなど、短期間で継続的に実施するのが特徴です。

1on1ではフリーライダーに対し、褒めるべき点と改善を求める点を明確にしたフィードバックを行いましょう。適度に緊張感を持たせることで、フリーライダーが仕事をさぼりにくい環境を作れます。ピアプレッシャーが適切に働くことで、フリーライダーでいづらい空気感が生まれるのです。

4.社員教育を重視する

人材教育に適切なコストと時間をかけることで、フリーライダーが生まれにくい土壌を作れます。定期的な社員教育によって、仕事へのモチベーションを失わせることなく、仕事をこなすためのスキルや知識を身につけられます。

社員教育では企業理念や求められる人物像を伝えることで、フリーライダーにも企業の一員としての帰属意識を持ってもらい、責任を持って仕事に取り組む姿勢を根付かせることも重要です。

また、必要であれば外部の社員研修に参加させるのも効果的です。スキルや知識を身につけてもらうことで、業務上の課題が解決すれば、フリーライダーを脱する機会が見つかるかもしれません。他の企業の社員と接する機会を持つことで、少しでも自分の置かれた立場に危機感を抱いてもらえる可能性もあります。フリーライダーには仕事に対するモチベーションを少しでも高めてもらいましょう。

5.結果以外も評価される仕組みを導入する

成果主義を導入している企業では、評価において結果だけを重視しがちなのは前述の通り。そこで、仕事におけるプロセスも評価基準へと加えれば、フリーライダーが仕事をさぼりにくい環境を作ることが可能です。結果だけで判断するのではなく、目標達成までのプロセスについても評価基準にするとよいでしょう。

先述の360度評価の導入と適切なフィードバックにより、プロセス面を評価する体制を整えましょう。周囲から仕事への努力が認められることで、フリーライダーが仕事へのやる気を取り戻してくれることが期待できます。

また、ピアボーナスという、社員同士がお互いの仕事内容や社内改善への取り組みに対し、成果給を支払う制度の導入も一つの方法です。ピアボーナスは第3の給与といわれ、従来の評価制度と給与の仕組みではカバーできない日々の貢献に支払われます。

ピアボーナスはお互いを監視するのではなく、尊重しながら見つめ合えるようになるため、フリーライダーが日頃のあり方を改めるきっかけになるかもしれません。


フリーライダー3つの具体例

フリーライダー社員について、3つの具体例からご紹介します。

1.自分の仕事をしない

2.他の社員の成果を奪う

3.他の社員に負担を強いる

仕事をせずに周囲に迷惑をかける、企業にとって厄介な存在だということがわかると思います。

1.自分の仕事をしない

与えられた仕事をせず、怠けているのはフリーライダーの可能性が高いといえます。与えられた最低限の仕事には手をつけるものの、自分から進んで仕事を貰おうとはしません。あわよくば、自分の仕事を他の社員に肩代わりしてもらおうとします。

単にやる気がないだけでなく、業務の遂行能力が低いことも原因として考えられます。

2.他の社員の成果を奪う

周囲の社員の成果を横取りし、自分の成果にしようとするフリーライダーのタイプも存在します。普段は仕事をしませんが、たまに成果が出たときには自分の手柄だと強く主張します。反対に、仕事でミスが発覚した場合は自分に責任がないことをアピールします。

上司など、人事考課に関わるポジションの人に対して、自分をよく見せることに慣れているのです。

3.他の社員に負担を強いる

フリーライダーは必要以上に仕事を振られることを嫌います。そのため、自分に面倒な仕事が降りかかりそうになると、何かと否定的な意見を発して回避しようとするのです。その分、周囲の社員の負担が増えることになります。

仕事を押し付けられた社員は残業が増えるなど、コンディションの低下が懸念されます。


フリーライダーが生まれる理由

そもそも、なぜフリーライダーが生まれてしまうのでしょうか? 

フリーライダーが生まれるのには、過去と現代における働き方や雇用形態の違いが考えられます。

1.終身雇用制の終了

2.労働環境の変化

上記の2つがフリーライダーを生まれやすくしている原因といえます。

1.終身雇用制の終了

終身雇用制が機能していた高度経済成長の時代は労働人口も多く、周囲の社員たちが協力し、フリーライダー化させないためにコストをかけて教育することができました。また、一つの企業で定年まで働く風土ができており、真面目に勤務していれば次第に昇進する仕組みがあったため、フリーライダーが生まれにくい環境が整っていたのです。

しかし、成果主義が導入され雇用形態も幅広くなった現在、転職が当たり前になり、社員同士の関係性は以前よりも希薄になりました。即戦力が求められる時代において、フリーライダーをきちんと教育し、人材として活用することが難しくなっているのです。

2.労働環境の変化

非正規雇用の拡大などによる雇用形態の変化も、フリーライダーの増加に影響しています。非正規雇用は正規雇用と比べて安定性が薄く、突然仕事を失う可能性があるからです。従来のように真面目に働き続けることで、安定した将来像を見据えるのが難しくなったのです。

また、正規雇用でも企業の経営不振などによって、いつ職を失うかわからない不安が、労働への意欲を削いでしまうことも否定できません。その結果、労働に対して意欲を持てないフリーライダーが多く生まれるようになりました。


まとめ

フリーライダーは働かずして他の社員に依存し、報酬だけを受け取ろうとする社員のことでした。

以下のような特徴を持っています。

・自分の仕事をしない

・他の社員の成果を奪う

・他の社員に負担を強いる

フリーライダー は仕事をしないだけではなく、放置しておくと周囲の社員まで労働意欲をなくし、フリーライダー化する危険性があります。

フリーライダーへの対策としては、評価制度の見直しや社員教育、定期的な面談が効果的です。結果だけでなくプロセスも大事にする企業風土を作り上げることで、フリーライダーでいづらいと感じさせる環境づくりが大切だといえます。

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