なぜ理念浸透はうまくいかないのか? ベルフェイスに学ぶ現場をシラけさせないポイントとは(ウェビナーレポート)

・2020年11月12日開催

・タイトル:「【理念浸透ミッションをお持ちの方対象】〜It’s OLD理念浸透?! 現場をシラけさせない秘訣とは〜」

・登壇:ベルフェイス株式会社 People&Value室 室長 吉本猛氏(部署は登壇時)、Fringe81株式会社 執行役員 兼 Uniposカンパニー社長 斉藤知明

今後のウェビナー情報はこちらよりご確認いただけます

https://unipos.peatix.com/view

 

価値観の多様化や、コロナ禍による働き方の急激な変化により、組織の一体感を保つことが難しい時代です。テレワークが定常化し在宅勤務が増えたことで、「会社に行かなくても仕事ができる」「今の会社に勤めている意味は?」といった声も上がるようになり、ますます組織が一体感を失う危険性は高まっているといえます。

その中であらためて注目されるのが理念浸透です。ミッションやビジョン、バリューといった企業理念は、組織にとって良しとされる行動の基準を作り、組織が向かう方向を示してくれます。企業理念はこれからの時代において、バラバラになりそうな組織を一つにしてくれる重要な存在なのです。

しかし、理念は抽象的なことも多く、接する機会もすくないので、社員に浸透させるのは難しいものです。現場から「理念を理解したところで売上が上がるわけじゃないですよね」などといったシラけた声が聞こえてくることも少なくないでしょう。

今回、11月12日にUniposウェビナー「【理念浸透ミッションをお持ちの方対象】理念浸透 大解剖~It’s OLD理念浸透?! 現場をシラけさせない秘訣とは~」を開催。ベルフェイス株式会社のPeople&Value室長 吉本猛氏をお招きし、全社を巻き込む理念浸透の実践方法についてディスカッションを行いました。

 

バリューは組織が苦しい時期にこそ真価を発揮する

そもそも吉本氏はなぜバリュー浸透を強化しようと考えたのでしょうか。それには前職での実体験が強く影響しているといいます。

吉本氏が前職の会社に入社した際、社員数は50名ほどでした。そこから事業の成長に伴って組織は急成長し、社員数も一気に150名まで増加。その結果、前職の会社は組織崩壊を起こしてしまったのだといいます。

崩壊した理由として吉本氏は「ビジネスモデルさえしっかりしていれば良いと考えていた」ことを挙げます。

「組織のカルチャーやバリューといったものは、事業が順調なときはそれほど表に出てこないものです。しかし、事業には波があります。事業がうまくいかないときや、逆に組織が急成長するようなフェーズにメンバーはストレスを感じます。この苦しい時期にこそカルチャーやバリューが真価を発揮するのです」(吉本氏)

会社組織にとってビジネスとカルチャーはどちらも重要な要素で、片方だけでは成立しないと吉本氏は言います。というのも、変化の激しい現代においてビジネスだけで競争力を得ることは困難だからです。

「今はプロダクトを出してもいくらでも真似される時代です。組織を作り込まないと、本当の意味での競争優位性を得られないということに私は前職で気づきました」(吉本氏)

その後、ベルフェイスに入社した吉本氏は前職の経験を活かして、バリューと評価制度を作成したといいます。ただし、当時はベルフェイス設立2年目であり、事業が大きく成長していた時期でした。社員数もどんどんと増加し、このままでは前職の二の舞になってしまいかねないと感じた吉本氏は、よりバリューの浸透を強化しようと考えました。

「数十名の規模まではある種の”阿吽の呼吸”でやっていけるのですが、2020年度は採用を急拡大することが決まっていました。そこで、2020年の年明けに社員数が100名を超えたあたりでUniposを導入し、バリューの浸透施策を進めていきました」(吉本氏)

バリューの浸透のためにUniposを導入した理由については、「バリューを特別なものにするのではなく、日常のものにしたかった」と説明。バリューをハッシュタグ化し、バリューを体現できている従業員の行動に対してポイントを送る使い方を行っているといいます。

ポイントは全員に対して無理に使ってもらおうとしないことだと吉本氏は言います。

「こういった施策が好きな人と好きではない人がいます。全員を動かそうとするのではなく、頻繁に投稿してくれる人にフォーカスすることが大事です。全体の2割が積極的に使ってくれれば広まっていきます」(吉本氏)

同社ではSlackにUnipos用の特設チャンネル「#ベルチップ広場」を開設し、Uniposと連携して活用しています。Uniposの投稿がSlackにも流れてくるので、業務でのSlack利用の際、自然と目に入る効果が期待できるのだそうです。

 

気合いと根性に頼るのではなく、バリューについて自然と触れる仕組みを構築することが大事

また、同社ではUnipos以外にもバリューに触れる機会を増やすため、様々な施策を実施しているといいます。

たとえば、1on1の面談にバリューを溶け込ませたり、バリューを体現した社員を表彰する制度を設けたり、評価にも組み込んで形骸化することを防いだり、Slack内でのやりとりでもバリューを表した絵文字を使用したりといった具合です。

中でも1on1での浸透策は徹底しています。毎週、オンラインで行う1on1では、雑談やコンディションの確認、先週の業務の振り返りを行うと共に、バリューについても必ず話す機会を作っているといいます。

また、毎週ではないものの隔週またはそれに近い間隔で、キャリアや会社のビジョンに関して話し合い、その際にチームワークに関するバリューについても話題に出すようにしているそうです。

このように、自然とバリューについて話すフレームワークを設定することが重要なのだと吉本氏は説明します。

また、ユニークなのは評価制度にバリューの評価も組み込んでいる点です。同社では実績の評価とバリュー評価を50:50で評価しているとのことで、一般的な企業よりもバリュー評価の割合がかなり高いものになっています。

これは、「それだけバリューが重要だというメッセージになる」ことから実施しているものです。

吉本氏はあらためて、理念浸透のポイントについて次のように語りました。

「トップダウンだからだめとかボトムアップだから良いというわけではありません。”トップダウン=古いやり方”ではないんです。トップダウンで一方的に押し付けてもだめだし、ボトムアップだけでやろうとしても組織がアンコントローラブルになってしまいます。大切なのは情報の流れ方や伝達ルールが整備されているかどうか。リーダーは”これくらいわかるだろう”ではなく、メンバーが持っている情報の差について認識した上で発信しなければなりません。それをせずに気合いと根性に頼った浸透方法は良くありません」(吉本氏)

 

バリューを自分ごと化するためには「会社だけでなく人生を豊かにするもの」というところまで落とし込む

吉本氏の話を受けて、斉藤は「ベルフェイスのバリューが具体的であること」に着目。どのようにしてバリューが決まったのかについて質問しました。

ベルフェイスのバリューは7項目あり、以下のように「グロースバリュー」と「チームワークバリュー」に分かれています。

Three Growth Values
 ・的を絞って一点突破 Focus
 ・その手があったか!!を捻り出す Think different
 ・先手を打つ。それが必要となる前に Precede the needs

Four Teamwork Values
 ・誠実であれ Be honest
 ・全員でチームビルディング Team building with everyone
 ・成功は細部に宿る Success is in the details
 ・困ったときはお互いさま For friends

(参照:ベルフェイス株式会社コーポレートサイト

吉本氏はこれらのバリュー策定の背景ついて「ベルフェイスの代表が普段から大事にしている考えで、トップの思想をかなり入れている」と説明。「バリューは抽象的になりがちで、普段の会話で出そうとしても出にくいもの。特に自分の業務に直結しないバリューは理解しにくい。『わかるけど、どうしたらいいの?』となりがち」と課題を述べた上で、「今回、グロースバリューとチームワークバリューに分けたことで、バリューをフレームワーク的に使えるようになり、定例MTG等でもバリューを会話に盛り込みながら戦略的に話ができるようになった」と語りました。

特に”バリューを腹落ちするところまで落とし込む”という点について吉本氏は徹底しています。

「今はもう終身雇用の時代ではありませんから、バリューが会社の話で閉じてしまうと自分ごと化しません。会社の業績以前に、バリューが自分の人生を豊かにするために必要な価値観なんだというところまで落とし込まないと浸透しないのです」(吉本氏)

吉本氏のお話を受けて斉藤は、「従業員はバリューに共感できる組織に移っていくもの。だからこそ、万人受けするバリューではなく、自分のチームが強烈に共感できるバリューにするべきだし、従業員がバリューを自分の言葉で語れることが大事」と共感を示しました。

吉本氏はまた、バリューの浸透を担うチームについて「バリューの浸透に全力でコミットし、従業員から質問があったら何でも回答できないと不信感を抱かれてしまう」と強調。10月のバリュー刷新の際も、バリューを策定した経営層に対して「このバリューはどういう意味ですか?」と何度も問いかけ、吉本氏の中でしっかりと腹落ちした状態にしてからチームメンバーに伝えていったと話しました。

* * *

終身雇用の時代が終わり、価値観が多様化した中で、企業理念は組織の一体感を保つために重要な役割を担っています。しかし、せっかく理念をつくり浸透させようとしても、「理念を理解したところで売上が上がるわけじゃない」といった声が聞こえてくるようでは台無しです。

従業員をシラけさせることなく、自分ごとになるような理念浸透を進めるために何が大切なのか。多くのポイントが語られた有意義なウェビナーとなりました。

 

<登壇者プロフィール>

ベルフェイス株式会社 People&Value室 室長 吉本猛氏

2015年4月、代表の中島氏と共にベルフェイス株式会社を創業。インサイドセールス、カスタマーサクセス、テクニカルサポートの立ち上げを経て、その後プロダクトマネージャーとしてプロダクト開発を牽引。2019年10月より経営企画室を立ち上げ採用から組織開発を、2020年10月よりPeople&Value室を立ち上げ、バリュー浸透を軸に強固な組織構築に従事。

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変化に対応できる強くしなやかな組織をつくるための「Uniposウェビナー」とは
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働く仲間同士、異なる部門同士、企業と個人が相互理解を深めたら、組織はもっと強くなる。「あなたの組織を一歩前へ進めるUniposウェビナー」は、変化に対応できる強くしなやかな組織をつくるためのウェビナー。コロナ危機をきっかけに2020年5月開始し、毎回数百名の方にご参加いただいています。

組織課題解決やSDGsのプロ、識者、実践者を毎回ゲストにお呼びし、予測不可能な時代を生き抜く組織のあり方を共に考え、実践のヒントをお伝えします。みなさまお誘い合わせの上、お気軽にご参加下さいませ。

▼過去ウェビナー参加者様の実際の声

「経営陣や上層部に対してのアプローチに悩みを持っておりましたが、今回の講演で素敵なヒントをいただくことができました。どうもありがとうございました。​」

「今まで何度か同テーマのセミナーに参加しましたが、​一番腑に落ちる内容が多いセミナーでした。 ​又、参加させて頂きたく思います。」​

「いまプロジェクトを担当していますので本当に助かりました。」​

「いくつものヒントをいただけて、同じように悩んでいる方が大勢いることもわかりました。今は、さぁどこから手をつけようか、と前向きに考えています。」​

「目から鱗で感動しました。」

▼次回ウェビナー情報はこちらよりご確認いただけます

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運営メディア:「あなたの組織を一歩前へ ONE TEAM Lab」 https://media.unipos.me/

主催社Unipos公式サイト:https://unipos.me/ja/

 

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