
※こちらのブログは、UniposサイトのCEOblogから転載/リライトしています。
このCEOブログは、CEOの田中がこれからの企業経営について得た人的資本経営に関する情報をまとめ、見解を踏まえて投稿していくシリーズです。
先日、オープンロジの五十嵐さん(オープンロジの創業CTOであり、現在は技術フェロー)から、「うちのエンジニアがUniposのデータで超面白い分析をしたので紹介させて!」ということで、お話をうかがいました。とても面白かったので社長ブログで書かせてもらいます。オープンロジさんは、Uniposを活発にご利用くださっています。ありがとうございます。
この分析は、オープンロジさんの社内イベントの「Beerbash」内のライトニングトークで発表されたものを記事化したもので、「データ分析で Unipos ポイントを増やす」というイベントレポです。※素敵なイベントの詳細についてはこちらをごらんください
弊社ではUnipos ピアボーナスを福利厚生として導入しており、自分が貰った Unipos ポイントをボーナス(ギフトカード)として受け取ることができます。仲間からメッセージを貰うことで心と懐が同時に温まる素晴らしい仕組みです。そんな素敵な Unipos ポイント(お金)を増やすために、弊社の Unipos 投稿データを勝手に分析して、行動戦略を考えてみました。
こういう分析をしていただけるとサービス提供者としてはとってもうれしいです。Uniposは人間関係のデータの宝庫なので、分析して掘っていくと色々わかりますね!
以下、部分抜粋及び感想を含めお伝えしていければと思います。
分析の結果判明した、Uniposメッセージを送ることの効果について
相手へメッセージ経由で贈ったポイントと同じ相手からもらったポイントの量にはある程度の相関(相関係数 0.6)があります。誰かにメッセージを送ると、お返しのような形でメッセージを返してくれることが多く、私もメッセージの贈り合いを経験したことがあります。また、一度関わることで相手が自分の活躍に興味を持ってくれるようになり、メッセージ(や拍手)を送る敷居が下がるのではないかと予想しています。
送ると送られる。この関係には相関関係があるのではないか?この分析、実はUnipos社でも最近、似たような分析をしていました。なんというタイミングでシンクロしていたのか…繋がった感がありました。
自社の分析結果を交えながら、サンクスカードやピアボーナスというサービスにおける【送ると送られる】についてもう少し深掘りしたいと思います。
「他の人の行動を発見した人を増やす」Uniposの仕組み
Uniposをご利用でない方もいらっしゃると思うのでUniposのポイントシステムの特徴を簡単に書きますね。Uniposではプロダクトの設計上、「他の人の行動を発見した人を増やす」仕組みが入っています。
以下の図は、先日私が、とある社員に送ったUniposです。
社員の顔の下にある「+39pt」は私が一週間に遅れるポイントの400ポイントのうち、39ポイントを送ったことを示しています。
一方、右下に拍手のボタンがあり、その横に152とあります。これは様々な部署の社員がいいね!と思ったら押せるボタンですが、これもポイントとして加算されます。
つまり私は「39ポイントを社員に贈ったら、152ポイント拍手で加算され、差し引きで+113ポイント追加で貰えた」ということになります。ここが、Uniposのユニークなポイントです。
Unipos社がやりたいのは、組織の風土、空気を変えること
Unipos社がやりたいのは、組織の風土、空気を変えることです。
私は、突き詰めて考えると、組織の風土、空気を変える方法は以下の2つだと思っています。
- 社員の挑戦行動を共有し増やすこと
- 助け合いの数が増えること
組織の空気を変えるには、これら2つのKPIを改善する仕組みが必要です。
お互いの挑戦行動を知らなければ、「私もやってみよう」とはなりませんよね。
そのためには活躍する社員の行動を発見してくれる、コンテンツの書き手が重要なのです。
コンテンツの書き手にインセンティブが無いと、良い行動の発見の数は自然と減っていってしまいます。それを防ぐためにUniposではコンテンツの書き手にもポイントを付与することにより、発見の数を増加させようとしています。そのために、拍手で得られるポイントが2方向なのです。
自然に社員が挑戦したり、助け合うように自主的に動いたりする事は難しい。とするならば仕組みで解決できないか、と思っています。
数万人の利用データから分かった、Unipos(サンクスカード/ピアボーナス)の効果
「投稿数合計」と「もらったポイントの合計値」には正の相関がある
Unipos社が持つ数万人の利用データを分析した結果、『全ユーザーの「投稿数合計」と「もらったポイントの合計値」には正の相関(R=0.66)がある』と言えました。
これを言い換えると、「感謝・称賛を発見して組織にシェアをする人は、自らもより多く称賛をもらえる人でもある」ということではないでしょうか。
Uniposを多く送る人は、働きがい指標が上がる?
もう一つ別の研究成果を紹介させてください。九州大学の池田先生の研究成果です。
九州大学の池田浩先生の研究で、「感謝カード」というものを使った調査があります。この調査結果で、主に感謝カードを多く渡した人が、仕事への意欲やコミュニケーションの向上などの効果を実感していることがわかりました。
もう一度、オープンロジさんの分析を見てみましょう。
こちらはメッセージを送ったことがある人の人数と、月間獲得ポイント数が相関している、というものでした。これに池田先生の研究成果を組み合わせると、「メッセージを送ったことのある人の人数が多いほど、月間獲得ポイント数が増加し、さらに仕事への意欲、チームの一体感、連携の向上、コミュニケーションの向上が実感しやすいのではないか」という仮説が生まれます。(特に図の黄色い部分に当てはまる方は、その実感を感じていただけているかもしれません)
また、オープンロジさんはUniposの平均的な利用ユーザー様よりも、メッセージを多くの人に送っている方が多いです。月に20名以上の方に送っている人数の数がとても多いのです。それだけ組織がオープンで、称賛にあふれているのでしょう。カルチャーの健全性も高いんだろうなと推察されます。
称賛を共有すると、活躍する社員が増え、心理的安全性が高まる
もう少し、Unipos全ユーザーでの分析を深ぼってみましょう。今度は、横軸を「投稿を送った数」縦軸を「投稿をもらった数」でグラフ化してみます。
すると、結果として相関係数は0.78と、かなり相関が強いことがわかりました。(オープンロジさんの記事を読まなければここまで分析やらなかったと思うので大変感謝してます)また、非常に力強い結果が出たので、こちらもうれしいです。
つまり、「称賛を送る人ほど、称賛をもらう」ということです。
言い換えれば、「他の人の称賛行動を共有する人は、働きがい指標(↑の池田先生の研究)を実感しやすいうえ、自らも称賛行動をしやすくなる」と言えるでしょう。
しかも、投稿を送る数は企業側でコントロールできます。
そして、社内での称賛行動が増えることで組織の風土や空気が変わり、心理的安全性の高い会社になっていくのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ユニポスを送れば送り返してもらえ、さらにエンゲージメントも上がる。称賛行動をたくさん共有すればするほど、活躍する社員を増やすことができるのです。
組織の空気、風土を変えるには「称賛を共有する」ことで成果が出ます。
余談ですが、最初にメッセージをくれたオープンロジの五十嵐さんは、ネット産業黎明期にネットエイジで同僚でした。そんな繋がりでまたお仕事できて、うれしいです。
先出のブログでは、引用させていただいた部分以外にも面白い考察が載っているので、是非ご一読くださいね。
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代表取締役社長CEO 田中 弦
1999年にソフトバンク株式会社のインターネット部門採用第一期生としてインターネット産業に関わる。ブロードキャスト・コム(現 Yahoo!動画)の立ち上げに参加。その後ネットイヤーグループ創業に参画。 2001年経営コンサルティング会社コーポレイトディレクションに入社。 2005年ネットエイジグループ(現UNITED)執行役員。モバイル広告代理店事業の立ち上げにかかわる。2005年Fringe81株式会社を創業、代表取締役に就任。2013年3月マネジメントバイアウトにより独立。2017年8月に東証マザーズへ上場。2017年に発⾒⼤賞という社内⼈事制度から着想を得たUniposのサービスを開始。2021年10月に社名変更をし、Unipos株式会社 代表取締役社長として感情報酬の社会実装に取り組む。2022年10月に著書「心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100(ダイヤモンド社刊)」を刊行。
Uniposでは、人的資本経営、心理的安全性、風土改革などに関するウェビナーを多数開催しております。ご興味のある方は、完全無料、オンライン開催ですのでお気軽にご参加ください。お土産に講演資料をお渡ししております。