褒める社員は活躍する社員?オープンロジさんの分析をきっかけにとても面白い示唆が生まれた話|田中弦のCEOBlog-vol.9

※こちらのブログは、UniposサイトのCEOblogから転載/リライトしています。

このCEOブログは、CEOの田中がこれからの企業経営について得た人的資本経営に関する情報をまとめ、見解を踏まえて投稿していくシリーズです。

先日、オープンロジの五十嵐さん(オープンロジの創業CTOであり、現在は技術フェロー)から、「うちのエンジニアがUniposのデータで超面白い分析をしたので紹介させて!」ということで、お話をうかがいました。とても面白かったので社長ブログで書かせてもらいます。オープンロジさんは、Uniposを活発にご利用くださっています。ありがとうございます。

この分析は、オープンロジさんの社内イベント「Beerbash」内のライトニングトークで発表されたものを記事化したもので、「データ分析で Unipos ポイントを増やす」というイベントレポートです。

※五十嵐さんのプロフィール:https://www.wantedly.com/companies/openlogi/post_articles/296659

※Beerbashイベントの詳細:https://note.openlogi.com/n/n5a3f09ee587b

※分析レポート:https://zenn.dev/akabe/articles/unipos-analysis

弊社ではUnipos ピアボーナスを福利厚生として導入しており、自分が貰った Unipos ポイントをボーナス(ギフトカード)として受け取ることができます。仲間からメッセージを貰うことで心と懐が同時に温まる素晴らしい仕組みです。そんな素敵な Unipos ポイント(お金)を増やすために、弊社の Unipos 投稿データを勝手に分析して、行動戦略を考えてみました。

こういう分析をしていただけるとサービス提供者としてはとってもうれしいです。Uniposは人間関係のデータの宝庫なので、分析して掘っていくと色々なことがわかりますね!

以下、部分抜粋および感想を含めてお伝えしていきます。

人的資本経営を実現させるためには?

「送ると送られる」──Uniposメッセージの相関効果とは

Uniposのメッセージ送信と受信の間には、統計的に有意な正の相関があることがデータ分析で判明しています。「称賛を送る人ほど、称賛をもらう」というこの関係は、ピアボーナスの効果を理解するうえで重要な知見です。

メッセージを贈ったことがある人の人数×月間獲得ポイント数の相関グラフ

相手へメッセージ経由で贈ったポイントと同じ相手からもらったポイントの量にはある程度の相関(相関係数 0.6)があります。誰かにメッセージを送ると、お返しのような形でメッセージを返してくれることが多く、私もメッセージの贈り合いを経験したことがあります。また、一度関わることで相手が自分の活躍に興味を持ってくれるようになり、メッセージ(や拍手)を送る敷居が下がるのではないかと予想しています。

引用元:https://zenn.dev/akabe/articles/unipos-analysis

送ると送られる。この関係には相関関係があるのではないか? この分析、実はUnipos社でも最近、似たような分析をしていました。なんというタイミングでシンクロしていたのか…繋がった感がありました。

自社の分析結果を交えながら、サンクスカードやピアボーナスというサービスにおける「送ると送られる」についてもう少し深掘りしたいと思います。

「他の人の行動を発見した人を増やす」Uniposの仕組み

Uniposのポイントシステムは、メッセージの送り手(コンテンツの書き手)にもインセンティブが生まれる設計になっています。これにより「他の人の良い行動を発見し、共有する人」が自然と増える仕組みです。

Uniposをご利用でない方もいらっしゃると思うので、ポイントシステムの特徴を簡単に書きますね。Uniposではプロダクトの設計上、「他の人の行動を発見した人を増やす」仕組みが入っています。

以下の図は、先日私が、とある社員に送ったUniposです。

Uniposの投稿画面サンプル:送ったポイントと拍手ポイントの仕組み

社員の顔の下にある「+39pt」は、私が一週間に送れるポイントの400ポイントのうち、39ポイントを送ったことを示しています。

一方、右下に拍手のボタンがあり、その横に152とあります。これはさまざまな部署の社員が「いいね!」と思ったら押せるボタンですが、これもポイントとして加算されます。

つまり私は「39ポイントを社員に贈ったら、152ポイントが拍手で加算され、差し引きで+113ポイント追加でもらえた」ということになります。ここがUniposのユニークなポイントです。

Unipos社がやりたいのは、組織の風土・空気を変えること

組織風土の変革とは、社員の挑戦行動や助け合いが自然と増える環境をつくることです。Uniposはこの風土変革を仕組みで実現するためのツールとして設計されています。

私は、突き詰めて考えると、組織の風土・空気を変える方法は以下の2つだと思っています。

  • 社員の挑戦行動を共有し増やすこと
  • 助け合いの数が増えること

組織の空気を変えるには、これら2つのKPIを改善する仕組みが必要です。お互いの挑戦行動を知らなければ、「私もやってみよう」とはなりませんよね。

そのためには活躍する社員の行動を発見してくれる、コンテンツの書き手が重要なのです。

コンテンツの書き手にインセンティブがないと、良い行動の発見の数は自然と減っていってしまいます。それを防ぐためにUniposではコンテンツの書き手にもポイントを付与し、発見の数を増加させようとしています。拍手で得られるポイントが送り手にも付与される設計は、そのためなのです。

自然に社員が挑戦したり、助け合うように自主的に動いたりするのは簡単ではありません。だからこそ、仕組みで解決できないかと考えています。

数万人の利用データから判明した、ピアボーナスの効果

Unipos社が保有する数万人規模の利用データを統計分析した結果、「投稿を送る数」と「投稿をもらう数」の間に強い正の相関(R=0.78)があることがわかりました。この結果は、称賛文化が自己強化的に広がるメカニズムを裏付けています。

「投稿数合計」と「もらったポイントの合計値」には正の相関がある

投稿数ともらったポイントの正の相関とは、「感謝・称賛を発見して組織にシェアする人は、自らもより多く称賛をもらえる人である」というデータ上の事実です。Unipos社が持つ数万人の利用データを分析した結果、この相関係数はR=0.66でした。

言い換えると、「感謝・称賛を発見して組織にシェアをする人は、自らもより多く称賛をもらえる人でもある」ということではないでしょうか。

Uniposを多く送る人は、働きがい指標が上がる?

働きがい指標との関連とは、感謝メッセージを多く送る人ほど、仕事への意欲やコミュニケーションの向上を実感しやすいという研究知見です。九州大学の池田浩先生の「感謝カード」調査がこの仮説を裏付けています。

九州大学の池田浩先生の研究で、「感謝カード」というものを使った調査があります。この調査結果で、主に感謝カードを多く渡した人が、仕事への意欲やコミュニケーションの向上などの効果を実感していることがわかりました。

引用元:https://newspicks.com/news/7821821/body/

もう一度、オープンロジさんの分析を見てみましょう。

メッセージを贈ったことがある人の人数×月間獲得ポイント数の相関グラフ

引用元:https://zenn.dev/akabe/articles/unipos-analysis

こちらはメッセージを送ったことがある人の人数と、月間獲得ポイント数が相関している、というものでした。これに池田先生の研究成果を組み合わせると、「メッセージを送ったことのある人の人数が多いほど、月間獲得ポイント数が増加し、さらに仕事への意欲、チームの一体感、連携の向上、コミュニケーションの向上が実感しやすいのではないか」という仮説が生まれます。

また、オープンロジさんはUniposの平均的な利用ユーザー様よりも、メッセージを多くの人に送っている方が多いです。月に20名以上の方に送っている人数がとても多いのです。それだけ組織がオープンで、称賛にあふれているのでしょう。カルチャーの健全性も高いのだろうと推察されます。

称賛を共有すると、活躍する社員が増え、心理的安全性が高まる

称賛の共有と心理的安全性の関係とは、称賛行動が増えることで組織の風土・空気が変わり、失敗を恐れず挑戦できる環境が醸成されるという好循環を指します。データはこの仮説を強く裏付けています。

もう少し、Unipos全ユーザーでの分析を深掘りしてみましょう。今度は、横軸を「投稿を送った数」、縦軸を「投稿をもらった数」でグラフ化してみます。

投稿を贈った数×投稿をもらった数の相関グラフ:称賛を贈る人ほど称賛をもらっている

すると、結果として相関係数は0.78と、かなり強い相関があることがわかりました。(オープンロジさんの記事を読まなければここまで分析しなかったと思うので大変感謝しています。)また、力強い結果が出たのでこちらもうれしいです。

つまり、「称賛を送る人ほど、称賛をもらう」ということです。

言い換えれば、「他の人の称賛行動を共有する人は、働きがい指標を実感しやすいうえ、自らも称賛行動をしやすくなる」と言えるでしょう。

しかも、投稿を送る数は企業側でコントロールできます。

そして、社内での称賛行動が増えることで組織の風土や空気が変わり、心理的安全性の高い会社になっていくのです。

まとめ|称賛の共有が組織の風土を変える

ユニポスを送れば送り返してもらえ、さらにエンゲージメントも上がる。称賛行動をたくさん共有すればするほど、活躍する社員を増やせるのです。

組織の空気、風土を変えるには「称賛を共有する」ことで成果が出ます。

余談ですが、最初にメッセージをくれたオープンロジの五十嵐さんは、ネット産業黎明期にネットエイジで同僚でした。そんな繋がりでまたお仕事できて、うれしいです。

分析レポート(https://zenn.dev/akabe/articles/unipos-analysis)では、引用させていただいた部分以外にも面白い考察が載っているので、ぜひご一読くださいね。


Unipos代表取締役社長CEO 田中弦

代表取締役社長CEO 田中 弦
1999年にソフトバンク株式会社のインターネット部門採用第一期生としてインターネット産業に関わる。ブロードキャスト・コム(現 Yahoo!動画)の立ち上げに参加。その後ネットイヤーグループ創業に参画。2001年経営コンサルティング会社コーポレイトディレクションに入社。2005年ネットエイジグループ(現UNITED)執行役員。モバイル広告代理店事業の立ち上げにかかわる。2005年Fringe81株式会社を創業、代表取締役に就任。2013年3月マネジメントバイアウトにより独立。2017年8月に東証マザーズへ上場。2017年に発見大賞という社内人事制度から着想を得たUniposのサービスを開始。2021年10月に社名変更をし、Unipos株式会社 代表取締役社長として感情報酬の社会実装に取り組む。2022年10月に著書「心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100(ダイヤモンド社刊)」を刊行。

Uniposでは、人的資本経営、心理的安全性、風土改革などに関するウェビナーを多数開催しております。ご興味のある方は、完全無料・オンライン開催ですのでお気軽にご参加ください。お土産に講演資料をお渡ししております。

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ピアボーナス・称賛文化に関するよくある質問

Q.「称賛を送ると送り返される」というのはデータで証明されていますか?

はい。Unipos社が数万人規模の利用データを分析した結果、「投稿を送った数」と「投稿をもらった数」の間に相関係数0.78という強い正の相関が確認されています。オープンロジ社の社内分析でも相関係数0.6という同様の結果が得られており、「称賛を送る人ほど称賛をもらう」関係は統計的に裏付けられています。

Q. ピアボーナスを送ると働きがいも向上しますか?

九州大学の池田浩先生の研究によると、感謝カードを多く渡した人ほど、仕事への意欲やコミュニケーションの向上を実感していることがわかっています。Uniposの利用データと組み合わせると、「多くの人にメッセージを送る人は、獲得ポイントが増えるだけでなく、チームの一体感や連携の向上も実感しやすい」という仮説が導かれます。

Q. Uniposの拍手機能はどんな効果がありますか?

拍手機能は、メッセージの送り手(コンテンツの書き手)にもポイントが付与される仕組みです。これにより、他の社員の良い行動を「発見」して共有するインセンティブが生まれ、組織内で称賛行動が自然と増える好循環が生まれます。送り手にもメリットがある設計が、Uniposのユニークな特徴です。

Q. 称賛文化は心理的安全性にどう影響しますか?

称賛行動が組織内で増えると、「挑戦しても認めてもらえる」「失敗しても責められない」という風土が醸成されます。Uniposの分析データでは、称賛を多く共有する組織ほど挑戦行動や助け合いが増える傾向が見られており、結果として心理的安全性の高い組織づくりにつながっています。