ピアプレッシャーとは?同調圧力ではなく企業の成長に活かす方法

企業という組織の中では周囲との関係性を重視して、大勢の意見に従わなくてはならないことがあります。このような同調圧力を「ピアプレッシャー」と呼び、強すぎる場合は過剰なストレスを感じるなど、仕事に支障をきたす恐れがあります。

しかし、ピアプレッシャーが適度に働いている場合は、同僚に対する仲間意識の向上や業務の効率アップなど、プラスに働くことがあるのです。

ピアプレッシャーをよい方向へと向けるためにも、ピアプレッシャーが持つメリットとデメリットを把握し、組織の効果的な運用に役立てることが重要だといえます。

ピアプレッシャーとは?

ピアプレッシャーとは、「仲間からの圧力」という意味です。和の精神や秩序を保つことを重視するような企業に所属していた場合、「周囲に合わせなくては」という同調圧力が、精神的なプレッシャーとして重くのしかかってきます。

ピアプレッシャーには2種類がある

ピアプレッシャーには以下の2種類が存在します。

・同調圧力としてのピアプレッシャー(相互監視)

・助け合いとしてのピアプレッシャー(相互配慮)

働き方次第で企業や社員にとってのメリットにもデメリットにもなり得るピアプレッシャー 。

まずは、それぞれの特徴を確認しましょう。

同調圧力としてのピアプレッシャー(相互監視)

同調圧力としてのピアプレッシャーは、多くの社員にとってストレスに感じてしまいます。

他の社員が頑張っているから、自分も同じくらい頑張らないといけない

という考え方は、立派な同調圧力です。

ピアプレッシャーは業務上の相互監視も生みます。お互いに監視しながら働いていたのでは、労働環境は劣悪なものになってしまうでしょう。同調圧力が働きすぎることでストレスの温床となり、作業効率が大幅に落ちてしまうことが懸念されます。

助け合いとしてのピアプレッシャー(相互配慮)

同調圧力であるピアプレッシャーがプラスに作用するケースもあります。相互配慮によって組織の連帯感が高まる効果が期待できるのです。

適度なピアプレッシャーはお互いに励まし合い、助け合うなど、業務を効率化できる可能性があります。社員同士が切磋琢磨できる環境づくりのためには、適度に働くピアプレッシャーが必要だといえるでしょう。

ピアプレッシャーが強すぎる際の5つのデメリット

ピアプレッシャーが強すぎると組織に問題を引き起こすことは、先述の通りです。

ここからは、ピアプレッシャーが強すぎる場合の5つのデメリットを確認しましょう。

1.相互監視によるストレスの増加

2.残業を断りにくくなる

3.育休などを取得しにくい

4.企業内のイベントを断りにくくなる

5.自己主張が難しくなる

1.相互監視によるストレスの増加

ピアプレッシャーが強すぎる組織では相互監視が行われ、常に周囲の目を気にしなくてはならなくなります。そのような環境では仕事に集中することも難しくなり、過剰なストレスから生産性が下がることが考えられます。

また逆に、ピアプレッシャーをうまく活用して生産性を高められたとしても、周囲の視線を意識し常に緊張しているせいで、ストレスを感じてしまいます。

2.残業を断りにくくなる

ワークライフバランスが浸透する中、ピアプレッシャーによって「残業を断れない」「意味もなく残業している」社員がいるかもしれません。

例えば、定時を過ぎているのに部署内で数人が残業をしていると、「自分の業務は終わっていても、残って仕事をしなくてはならないのではないか?」という同調圧力が発生してしまうのです。

3.育休などを取得しにくい

企業を挙げてワークライフバランスを推進しようとしても、組織内にピアプレッシャーが強く働いている場合は、有給や育休の取得率が上がらない可能性があります。働き方改革を掲げていても、社員同士が相互監視を行なっている環境下では、「自分だけが休みをとりづらい」と感じてしまうためです。

厚生労働省が行なった「平成29年度雇用均等基本調査」によると、平成29年度における男性の育休取得率は5.14%でした。女性の場合は83.2%となっていますが、それでも取得しづらい雰囲気があるようです。

育児休暇取得率の推移

性別

平成25年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平成29年度

女性

83.0%

86.6%

81.5%

81.8%

83.2%

男性

2.03%

2.30%

2.65%

3.16%

5.14%

 

参考:厚生労働省・平成29年度雇用均等基本調査 表5 有期契約労働者の育児休業取得率

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-29r/03.pdf

4.企業内のイベントを断りにくくなる

企業によっては定期的な懇親会や社員旅行など、福利厚生の一環としてのイベントが開かれることがあります。これらのイベントを楽しく感じる人と、そうでない人がいるのは仕方がないことです。しかし、ピアプレッシャーによって、不参加が許されにくい空気ができあがってしまうことがあります。

お酒の席が苦手な人や、退勤後はプライベートを優先させたいと思う人でも、参加を強制されてしまうことがあるのです。

5.自己主張が難しくなる

ピアプレッシャーによる同調圧力が働く環境下では、自己主張することが難しくなります。周囲に足並みを揃えた意見しか許されない風潮が生まれてしまうのです。よくない流れだと思っていても、周囲に配慮して意見をいえなくなってしまうと、多様性が失われることにより組織全体の発展が阻害されてしまう可能性があります。

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