急成長でも失われない一体感 Sansanはどのように“ミッションドリブン”な組織をつくりあげたのか

実施ウェビナー概要

・2020年10月29日開催

・タイトル:「ー急成長SaaSの戦略人事に聞くー 部門を越えた“ミッションドリブン”な組織のつくり方」

・登壇:Sansan株式会社 取締役/CHRO 大間 祐太 氏、Fringe81株式会社 執行役員 兼 Uniposカンパニー社長

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組織の拡大にともなって、結束力の欠如に悩まされる企業は少なくありません。特にテレワークが長期化した昨今では、離れて仕事をすることで一体感がさらに失われつつあるという声も耳にします。

そうした課題の解決に有効な方法として注目を集めるのが、ミッション、ビジョン、バリューなどの“企業理念”をもとにした組織づくりです。同じ理念を共有することで、組織が拡大しても、テレワークで離れていても、一体感を高めることが期待できるからです。

しかし、理念はそう簡単に組織に浸透するものではありません。組織の規模が大きくなればなるほど、全従業員が理念を共有することは難しくなります。どうすれば理念を浸透させ、“ミッションドリブン”な組織を実現できるのでしょうか。

今回、2020年10月29日にUniposウェビナー「ー急成長SaaSの戦略人事に聞くー 部門を越えた“ミッションドリブン”な組織のつくり方」を開催。Sansan株式会社のCHRO大間祐太氏をゲストにお迎えし、創業より一貫して“ミッションドリブン”な組織づくりを行ってきた同社の事例をもとに、オフィス勤務とテレワークが共存するニューノーマル時代にも、部門の壁を越えて連携し、成果を出す組織のつくり方についてお話を伺いました。

従業員がミッションに触れる機会を意図的につくる

2007年の設立以来、クラウド名刺管理サービスでビジネスシーンにイノベーションを起こし続けてきたSansan。ここ3年で社員数は3倍に増加するなど、急成長を遂げています。

「Sansanは理念を大切にしている」と同社取締役 CHROの大間氏は言います。同社の掲げるミッションは「出会いからイノベーションを生み出す」。創業から現在に至るまで、Sansanはこのミッションに基づいて組織運営を行ってきました。

理念浸透がうまくいかない企業も多いなか、なぜSansanは“ミッションドリブン”な組織であり続けられるのでしょうか。

その理由を紐解くためには、まずSansanの事業について知る必要があります。

「当社は単に名刺管理クラウドサービスを展開したいわけではありません」と大間さんは言います。たしかに同社のミッションには「名刺」の文字が入っていません。同社のミッションはあくまでも「出会いからイノベーションを生み出す」こと。ミッションが先にあり、そのための手段として名刺管理があるのです。

「名刺とは出会いの証であり、繋がり。ビジネスネットワークそのもの。名刺のデータを分析することで、出会うべき人たちと出会うべき人たちが出会える世界を実現していきたいと考えています」

“企業として何を目指すのか”がミッションとして明示されており、従業員全員に浸透していること。これこそがSansanの強みだと大間氏は言います。

では、Sansanは700名を超える従業員に向け、どのようにして理念を浸透させているのでしょうか。

1つ目のポイントは、「従業員がミッションに触れる機会を意図的につくっている」ことです。

Sansanでは月に2回、従業員全員が参加する全社会議を行っており、その会は必ずミッションを唱和することから始まるのだといいます。

「冷静に考えるとおかしいと思われるかもしれませんが(笑)、それは認識した上であえてやっています」

実は従業員数が400名を超えた時期、全社会議でミッションの唱和をやめたことがあったと大間氏は振り返ります。

しかし、やめてしばらくすると、一部、ミッションへの「自分ごと感」が薄らぎつつある社員もいることに気づいたのだそうです。

「唱和をやめたことで、ミッションに触れる機会が減ってしまったのです。ミッションを声に出すことは日常でなかなかない機会なので、意識も高まります。だからこそ今もミッションの唱和を続けているのです」

従業員全員で議論し、理念を常にアップデート

続いての理念浸透のポイントは、「従業員全員で理念のアップデートを常に行っている」ことです。

Sansanはミッションに加えてバリューズ(行動指針)を定めており、これらをあわせて「Sansanのカタチ」と呼んでいます。

Sansanのカタチは創業と同時に「ver1.0」が作られ、約2年おきにアップデートされてきました。さらに2018年からは毎年アップデートが行われており、従業員は常にSansanのミッション、バリューズと向き合ってきたのです。

「アップデートといっても、伝えたいことは同じ」と大間氏は言います。

「その時々で表現を見直し、大切にしたい価値観を伝えられる“カタチ”を議論しています」

たとえば2016年の議論では、バリューズに「自分事にする」を入れるべきかどうか、入れるなら表現は適切かを話し合い、2018年にはそれまでのミッションだった「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」から、現在のミッションである「出会いからイノベーションを生み出す」にアップデートを行ったとのことです。

「直近の議論では、コロナの影響でコミュニケーションのあり方が揺さぶられたこともあり、“あらためてSansanの強みを再考する”をテーマに話し合っています」

この「Sansanのカタチ議論」には、全従業員が参加するといいます。ただし、700名以上の社員が一斉に話し合うことは現実的ではないため、大きく4つのフェーズに分けて議論していると大間氏は説明します。

まずフェーズ1では、全従業員を100チームに分けて議論を始めます。チームは職種、部門、社歴などをミックスし、オンライン・オフラインの両方で1時間×3回の議論を行い、何らかのアウトプットを行います。約750名が3時間かけて行うということは、それだけで2,250時間を費やしているわけですから、どれだけ同社がカタチ議論を重視しているかがわかるというものです。

続いてフェーズ2では、各チームで出したアウトプットを所属部門に持ち帰り、議論を行って部署ごとのアウトプットを行います。ここでも3時間程度の議論を実施するといいます。

そしてフェーズ3では、マネジャー以上の役職者約100名を20チームに分割して議論を行い、アウトプットを出します。最後にフェーズ4として、すべてのアウトプットを持ち寄って経営陣が議論し、最終決定するという流れです。

議論開始から決定までは、約半年から1年かかるとのこと。直近では1年おきに議論しているため、つまり「つねにカタチについて議論している状態」なのだそうです。

バリューズを紐付けたUniposの投稿でミッションを“自分ごと化”する

どうしてSansanでは、これほどのコストをかけてミッションとバリューズを全従業員で議論するのでしょうか。

全員参加の「カタチ議論」の意義について大間氏は、「あらためてミッションに向き合うことで、自身の業務の先にある価値を再認識し、個人と組織が向かう方向性や重なりを最大化できる」と説明します。

また、「今このフェーズにおいて組織が大切にすべきバリューズ、組織の方向性、あり方に自身の意思を反映できる」ことや「他部門の思いを理解することで、部門をまたいだ社員のつながりを強くし、あらためて全員でミッションを追いかけていることを実感できる」こともメリットだと強調。

すなわち、全員が議論参加することでミッションが“自分ごと”になり、それが組織へのコミットメントを高めることにつながるというわけです。

この“自分ごと化”においてもう一つ重要な役割を果たすのがバリューズの存在です。バリューズとはミッションの実現のために体現すべき価値観、行動指針、プロフェッショナリズムであり、従業員がバリューズを正しく体現できている状態がミッションの実現を引き寄せる力になると大間氏は言います。

そこでSansanではバリューズの浸透施策の一つとしてUniposを導入。投稿にバリューズをハッシュタグとして紐付けることで、「どんな行動がバリューズを体現しているのか」を可視化しています。

組織が目指すものをミッションとして定め、ミッションと従業員の思いに重なりをつくって主体性を醸成する。そしてミッションを達成するために必要なバリューズを体現した従業員をUniposで称賛、可視化してその意義を組織全体で再認識する――こうした流れをつくることで、Sansanはミッションドリブンな組織を実現できているのです。

大事にしている軸が守れていればミッションはアップデートしても良い

 

大間氏の講演を受けて斉藤は、「自分ごと化する」ことの重要性をあらためて認識できたとして、「“会社のために”のように考えると、どうしても他人事になってしまう。それよりも“自分がこうありたい”と思うことがミッションと結合すれば、モチベーションの源泉になる」とコメントしました。

これに大間氏も同意し、「組織のミッションに全従業員が完全にアラインする必要はない。組織が目指すミッションと個人の重なりをどう醸成していくかが大事」とあらためて強調しました。

また、斉藤からの「ミッションドリブンな組織づくりは何から始めるべきか」という質問に対して、大間氏は「ミッションは変えてはいけないものだと考えがちだが、大事にしている軸は残しながら変えていってもいい」とした上で、「今のミッションが本当に事業に沿ったものなのか、見直すところから始めてみてはいかがでしょう。全社ではなく、部門のミッションを考えてみるのも面白いと思います」とアドバイスしました。

* * *

全従業員がコミットしてミッション、バリューズをつくることで、従業員の当事者意識を醸成し、ミッションドリブンな組織を実現したSansan。テレワークの長期化により多くの組織で一体感の欠如が課題になっている今こそ、同社のようにミッション、バリューズを中心とした組織づくりが大きな効果を発揮するはずです。

ミッションドリブンな組織を実現するための多くの手がかりが得られた今回のウェビナーは、組織づくりに悩む方にとって有意義な時間になったのではないでしょうか。

<登壇者プロフィール>

Sansan株式会社 取締役/CHRO 大間 祐太 氏

人材系ベンチャー企業へ入社し、営業として採用コンサルティング事業の立ち上げを経験し、独立。その後、取締役として採用メディアや採用コンサルティング領域のベンチャー企業の立ち上げに携わる。2010年にSansan株式会社へ入社。営業部門でマネジャーを務めた後、人事部門へ異動。採用全体を統括し、2016年には人事部長に就任。現在はCHROとして、人材価値を高めるための人事戦略を指揮する。

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変化に対応できる強くしなやかな組織をつくるための「Uniposウェビナー」とは

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働く仲間同士、異なる部門同士、企業と個人が相互理解を深めたら、組織はもっと強くなる。「あなたの組織を一歩前へ進めるUniposウェビナー」は、変化に対応できる強くしなやかな組織をつくるためのウェビナー。コロナ危機をきっかけに2020年5月開始し、毎回数百名の方にご参加いただいています。

組織課題解決やSDGsのプロ、識者、実践者を毎回ゲストにお呼びし、予測不可能な時代を生き抜く組織のあり方を共に考え、実践のヒントをお伝えします。みなさまお誘い合わせの上、お気軽にご参加下さいませ。

▼過去ウェビナー参加者様の実際の声

「経営陣や上層部に対してのアプローチに悩みを持っておりましたが、今回の講演で素敵なヒントをいただくことができました。どうもありがとうございました。​」

「今まで何度か同テーマのセミナーに参加しましたが、​一番腑に落ちる内容が多いセミナーでした。 ​又、参加させて頂きたく思います。」​

「いまプロジェクトを担当していますので本当に助かりました。」​

「いくつものヒントをいただけて、同じように悩んでいる方が大勢いることもわかりました。今は、さぁどこから手をつけようか、と前向きに考えています。」​

「目から鱗で感動しました。」​

▼次回ウェビナー情報はこちらよりご確認いただけます

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主催社Unipos公式サイト:https://unipos.me/ja/