勝ち続けるために「組織文化」を変革せよ 中竹竜二 氏が語る“ウィニングカルチャー”のつくりかた

・2021年3月16日開催

・タイトル:「日本ラグビーフットボール協会 中竹 竜二さんと考える 勝ち続ける組織文化とリーダーの育て方」

・登壇:株式会社チームボックス 代表取締役 ラグビーフットボール協会 理事 中竹 竜二 氏、Fringe81株式会社 執行役員 兼 Uniposカンパニー社長 斉藤知明

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会社や部署といった組織には「組織文化」が存在します。実は、この組織文化が企業の成果や社員のパフォーマンスを大きく左右するのです。

それほど重要な要素でありながら、組織文化の改革に手を付けている企業は多くありません。組織文化は多くの場合、見えにくく曖昧にしかとらえられていないため、どこから着手すればいいかわからないというケースが多いのです。

そうした組織文化を変革し、様々な組織で勝ちぐせ――すなわち「ウィニングカルチャー」を醸成してきたのが株式会社チームボックス 代表取締役であり、ラグビーフットボール協会 理事の中竹竜二 氏です。

今回、3月16日にUniposウェビナー「日本ラグビーフットボール協会 中竹 竜二さんと考える 勝ち続ける組織文化とリーダーの育て方」を開催。中竹氏を講師にお迎えし、組織が勝ち続けるためのカルチャーづくりについてディスカッションをおこないました。

「組織文化」は企業の成果やパフォーマンスを左右する重要な要素

中竹氏は早稲田大学ラグビー蹴球部のキャプテンを務め、全国大学選手権準優勝を達成。卒業後には同部の監督に就任し、2年連続で全国大学選手権を制覇するという偉業を成し遂げました。さらに、日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクターやラグビーU20日本代表監督、ラグビー日本代表チームをヘッドコーチ代行などを歴任するなど、日本のラグビー界を代表するリーダーとして知られています。

現在は株式会社チームボックスの代表取締役として、ラグビーを通して培ったチームマネジメントをビジネスに応用する事業を展開。多くの経営者から信頼を集めています。

そんな中竹氏の専門領域をカテゴライズすると、「人材育成」「マネジメント」「組織文化」の3つとなります。中でも注目したいのは組織文化。中竹氏はこれまで多くのチームを率いた経験から、「人材育成やマネジメントの土台には、組織の空気や風土といった“組織文化”が重要な役割を果たしている」と感じているといいます。

ただし、組織文化を正しく捉えることは簡単ではありません。それは、組織文化が可視化しづらいものだからです。

中竹氏が提示する「カルチャーピラミッド」によると、組織の中でもっとも見えやすいものは「成果」であり、次に「サービスやプロダクト」だといいます。この点については共感する人も多いでしょう。成果は数字や業績ではっきりと表れるものであり、サービスやプロダクトも組織に属していれば明確にわかるはずです。

では「言動や習慣」、「仕組みや制度」になるとどうでしょうか。成果やサービスに比べると、やや見えにくいと感じる人も増えてくるのではないでしょうか。

このカルチャーピラミッドにおいて、もっとも見えにくいのが「組織文化」だと中竹氏は説明します。

「組織文化は見えにくいものですが、非常に重要です。スポーツもビジネスもそうですが、言動や習慣が積み重なってできあがった組織文化が、サービスやプロダクトの出来、試合のパフォーマンスや勝ち負けを左右するのです」(中竹氏)

ラグビー日本代表の躍進に学ぶ「ウィニングカルチャー」のつくりかた

では、企業が激動の時代を生き抜くためのカルチャー、すなわち「ウィニングカルチャー」をつくるためにはどうすればいいのでしょうか。

2021年2月に著書『ウィニングカルチャー: 勝ちぐせのある人と組織のつくりかた』を上梓された中竹氏は、ウィニングカルチャーをつくる第一歩について「その組織にとっての“成果”とは何かを定義することから始まる」と述べます。

というのも、同じ組織に所属していても、意外と“成果”の定義が人によってずれていることがあるからです。

それはスポーツも同じです。

「勝ち続けているチームは、目の前の勝利だけを成果にしているでしょうか。目の前の勝利を目標に掲げているチームは、意外と“勝ち続け”られないことが多いのです」(中竹氏)

では勝ち続けるチームが定義する成果とは何か。中竹氏は、「勝敗を超えたところにある、チームとしてのパーパスやビジョン、ミッション」こそが常勝チームの成果なのだと語ります。

1つの例として中竹氏が挙げるのが、ラグビー日本代表チームを歴史的勝利へと導いたエディ・ジョーンズ監督です。

エディ・ジョーンズ監督は2012年、日本代表チームの監督に就任しました。それまで負け続きだった日本代表チームはすっかり“負け犬根性”が染み付いており、試合に負けても悔しがる様子を見せず照れ笑いを浮かべていたといいます。

エディ・ジョーンズ監督は、そんなチームの姿勢に対して激怒し、目の前の勝利ではなく「日本代表チームの“負け犬根性”を覆す」ことを目標におきます。まさに、チームとしてのパーパスを自らの成果としたのです。

その後の日本代表チームの活躍と変貌ぶりは周知の事実です。エディ・ジョーンズ監督はハードな練習とチーム内のコミュニケーション活性化、そして積極的な挑戦の推進によって、日本代表チームの組織文化を根底から変えていきました。

2015年のラグビーW杯にて、世界の強豪である南アフリカチームと対峙した際、日本代表チームはスクラムを組んで次のように問いかけたといいます。

「歴史を変えるのは誰だ?」

かつての負け犬根性から脱した日本代表チームは、南アフリカに歴史的勝利を収め、世界に驚きをもたらしたのです。

中竹氏が語った日本代表チームのエピソードに対して、斉藤はエディ・ジョーンズ監督の手腕を称賛しつつ、「(日本代表チームの変革という)パーパスを最終的な目的におきつつ、そのための手段として試合に勝つことを個別具体的な目的にしたことがポイントだったのでは」と分析。

これに中竹氏は、「人間は個別具体的な課題がないと没入できないので、(最終的な目的と個別具体的な目的を)行ったり来たりすることが大事。手を伸ばせば届くという“手触り感”のある目標を常に配置し、そこからパーパスに立ち返ることを繰り返すのが重要」と答えました。

なお、最終的な目的と個別具体的な目的は、常に前者が上位レイヤーであり代替がきかない存在です。逆に個別具体的な目的は代替できるものであり、たとえば試合に負けたとしても別の形で最終的な目的に近づくことを考えればよいのだそうです。

この点について斉藤は「企業組織にも同じことが言える」と同意し、「企業として世界にどんなインパクトを与えるのかが“最終的な目的”なら、そのためにチームや個人としてどうしていくのかが“個別具体的な目的”になる。個々人が目的を再解釈し、自分ごと化していく必要がある」と述べました。

OFF the Fieldのコミュニケーションを重視せよ

では、具体的にどうすれば「勝てるチーム」をつくっていけるのでしょうか。

中竹氏がキーワードとして挙げるのが、「OFF the Field」――すなわちフィールドの外での取り組みです。ラグビーで勝つためにはフィールド内の出来事が重要に思えますが、なぜフィールド外を重視するのでしょうか。

「人間はオンとオフをそれほどきれいに分けられない生き物です。我々の習慣や癖はそう簡単に切り替えられるものではなく、オフでの思考が必ずON the Fieldに影響します」(中竹氏)

中竹氏は選手の個別のプレースキルについてはフィードバックしないといいます。その代わり、選手自身がミスをしたときの表情や、チームメイトがミスをしたときの態度などを見ているのだそうです。

練習や試合外のオフできちんと会話ができているのかという点も重要です。オフオンでのコミュニケーションがに限られていると、なかなかわかりあえず、その関係性がON the Fieldにも影響してくるからです。

「企業も同じです。いかにOFF the Fieldを過ごすのかが重要なのです」(中竹氏)

ただし、それほど親しくない相手とオフでいきなり雑談するのは難しいものがあります。組織での会話はともすれば「正しいか、正しくないか」という視点に収束されていきがちですが、そうなると今度は「正しいことを言わなければいけない」という組織風土が生まれ、思ったことをなかなか口にできなくなってしまいます。

正しいかどうかではなく、好き嫌いなど「正しいかどうかはおいておいて、自分はこう思う」という意見を表明できると心理的安全性が高まり、よりよいチームに向かっていけるのだそうです。この点において、中竹氏は「自らの思いや感謝を照れることなく伝えるカルチャーをつくるために、Uniposはすばらしいソリューションだと思う」とコメントしました。

また、近年特に組織で重視される「1on1」コミュニケーションについて中竹氏は、「1on1偏重になるのはリスクがある」と指摘。その理由として「1on1をする側の力量に左右されるし、1on1のクオリティが低いと相手を疲弊させてしまう」と説明した上で、「大事なのは1on1の手前の段階で、どれだけコミュニケーションがとれているか」だと強調しました。

最後に、「勝てるチーム」をつくるためのリーダーの役割について中竹氏は、「ちゃんと弱さをさらけ出すことが大切」と述べ、「リーダーが弱音を吐けないのは、助けを求めると信頼や評価を落とすと思っているから。そういう組織文化があるなら、変えるべき」と提言。「組織として目指す目標目的は高みにおきながらも、自らが助けてほしいときにはしっかりと感情を出すことで、チームメンバーも勇気づけられる」と述べました。

* * *

企業において「組織文化」は非常に見えにくいことが多いです。しかし、組織文化はプロダクトや制度、習慣、成果など企業を形づくるあらゆるものの土台になる重要な要素なのです。勝てる組織をつくるためには、この組織文化にメスを入れる必要があります。

組織文化を変えるには、組織としての最終的な目標を示しつつ、個別具体的な目標を掲げることも重要です。また、「OFF the Field」のコミュニケーションを重視し、リーダーを含めメンバーが弱音や本音をさらけ出せる環境を整えて、チームの心理的安全性を高めていく必要があります。

早稲田大学ラグビー蹴球部やラグビー日本代表チームを指導して率いてきた中竹氏ならではのメソッドを実践することで、さらなる組織改革を進められるのではないでしょうか。

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組織課題解決やSDGsのプロ、識者、実践者を毎回ゲストにお呼びし、予測不可能な時代を生き抜く組織のあり方を共に考え、実践のヒントをお伝えします。みなさまお誘い合わせの上、お気軽にご参加下さいませ。

▼過去ウェビナー参加者様の実際の声

「経営陣や上層部に対してのアプローチに悩みを持っておりましたが、今回の講演で素敵なヒントをいただくことができました。どうもありがとうございました。​」

「今まで何度か同テーマのセミナーに参加しましたが、​一番腑に落ちる内容が多いセミナーでした。 ​又、参加させて頂きたく思います。」​

「いまプロジェクトを担当していますので本当に助かりました。」​

「いくつものヒントをいただけて、同じように悩んでいる方が大勢いることもわかりました。今は、さぁどこから手をつけようか、と前向きに考えています。」​

「目から鱗で感動しました。」

<今回の登壇者プロフィール>

株式会社チームボックス 代表取締役 
日本ラグビーフットボール協会 理事
中竹 竜二氏

1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年より日本ラグビーフットボール協会、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターを努め、2019年、協会理事就任。
2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。
2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。ほかに、一般社団法人 日本車いすラグビー連盟 副理事長 など。著書に『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』(ダイヤモンド社)など多数。

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