「褒めるのはみんなの前で、しかるのは個別に」は正しいか|田中弦のCEOBlog-vol.5

※こちらのブログは、UniposサイトのCEOblogから転載/リライトしています。

このCEOブログは、CEOの田中がこれからの企業経営について得た人的資本経営に関する情報をまとめ、見解を踏まえて投稿していくシリーズです。

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こんにちは。何度か人的資本について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?
自分も毎回書くたびに新しい発見があったり、再度認識が深まったりと、書くことの大切さが身に染みています。

さて、今回はシリーズは一旦お休みして、弊社サービス「Unipos」について少しお話しさせてもらおうと思っています。

今までのシリーズはこちら👇※新規ウィンドウが開きます

人的資本経営を多面的に考えてみる|田中弦のCEOBlog-vol.1
人的資本の開示は誰にとって重要か|田中弦のCEOBlog-vol.2
金融庁の「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案について人的資本の側面から読み解いてみる|田中弦のCEOBlog-vol.7

今回は主にサービス内容についての記載ですが、今後は設計や思想についてもコラム的に書いて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

褒めるのはみんなの前で、しかるのは個別にやるべし」という格言を聞いたことはありますでしょうか。
マネジメントの基礎的な考え方として上司から聞いた方も多いと思います。

この格言、調べてみたところ、田中角栄氏が言ったとか。(角栄氏はみんなの前で叱っていなかったのだろうか…?
私自身とても共感している言葉です。

この格言の言いたいことは「みんなの前でしかれ、個別で褒めろ」という言葉と対を成しているわけですが、じゃあ実際「みんなの前でしかり、個別で褒めるとどうなるのか?」を考えてみます。

みんなの前で叱ることが、隠蔽の温床になりやすい

全員の前で叱るということは、つまるところ全員の前で吊し上げるわけで、いわば罰を与えていることと同意義です。

さらに、「みんなの前で」なので恥ずかしさも当然加わります。穴があったら入りたいとでもいいましょうか。

みんなの前で叱るということの行動の意味を考えると、組織の規律を守る、ミスが減る、というメリット?を狙っているというところでしょうか。

ところがこういった行為は、心理的安全性を下げる要因となります。なぜなら、ミスやまずいことをしたときに、全員の前でさらされるよりは、「沈黙」を選んだ方が得となるからです。

つまり隠蔽の温床になりやすいのです。

個別に叱るのも、やり方によっては沈黙を増加させてしまいますが、みんなの前で叱ると、多くの組織に属する人が、実例を以て「沈黙」を選んだ方が得だな、と判断しやすくなりますよね。

では、みんなの前で褒めることは、良いか悪いか?

では、今度はその逆に、みんなの前で褒めることは、良いか悪いか?ということですが、アカデミックな研究があるわけではないので何が絶対的に正しいと言うのは難しいと思います。

「みんなの前で称賛する」ことが組織風土に影響を与える

そんな中、実はUniposでは、「みんなの前で称賛する」事が良いのではないか、という仮説の下設計をしています。

Unipos営業資料より抜粋

上記のように、1対1であると、組織に良い行動が伝播しません。そこで、誰の投稿も同じフォーマットとしました。

社長でも、一般社員でも全て同じです。

Uniposは、「心理的安全性を高め、挑戦できる風土をつくる」ウェブサービスです。

Uniposでは、すべての人が見れる状態で「称賛する」ことでいわゆる「みんなの前でほめる」状態を作り出し、
組織内で「こういう行動をしても大丈夫なんだな」と伝播させることを狙っています。

それにより心理的安全性が高まり、会社自体の組織風土へ影響を与えることのできるサービス設計になっています。

「先生、どうか皆の前で褒めないで下さい」

ところがある日、アマゾンのランキングでこの本を見つけました。「先生、どうか皆の前で褒めないで下さい」という題名です。

見つけた時、衝撃が走りました

読んでみると、著者の金田さんの軽妙な語り口と、数々の現代の若者を象徴するデータを用いていてとても興味深い内容でした。

金田さんの普段触れていらっしゃる大学生は、授業で当てられる、目をつけられる、目立つことが嫌であるということ。
なぜならヨコの繋がりを大切にするからである、という箇所からは、

「そういえば自分もそんな大学生だったな、、、」と思うことしきりでした。

自分も、今の大学生と同じく、目立つことが嫌いでした。

しかし、「みんなの前で褒める」事をやろうとしているUnipos社としては、この本からの学びから答えを出さなければいけません(笑)

金田さん曰く、

大学生が社会に出る、ということはヨコ(同期)中心の社会からタテ(上司や組織)中心の社会へ強制転換させられるのが「就職」である、と論じておられます。

それを考えてみると、大学時代は、ヨコ中心の社会であるので、「目立たないこと」が生存に繋がる。
(あいつ和を乱すやつだなと思われないためにも。リクルートスーツは年々地味になっているそうです。)

ところが、社会に出たとたんに、同期などのヨコはいるものの、タテの関係が強くなる。
タテの関係が強くなる組織では、心理的安全性が無いと発言もできなくなってしまう、ということでしょうか。

ヨコが強い社会では、みんなの前で褒められるのは、良くないのでしょう。ではタテの関係が強い会社では??と考える必要がありますね。

まとめ

人材を活かし切るには、心理的安全性が必要なことは理解している。なんとか良い行動を増やしたい。

これはなかなか難問です。

私の中で、これが良い、これはダメ、という結論はまだ模索中ですが、UniposのUI設計や体験設計に工夫を重ねて、

  • 使えば使うほど「目立つ」のではなく「安心」できるような体験にすること
  • 今まで組織の壁があり、知ることができなかった良いニュースや行動を簡単にシェアできるようにすること

をサービスとして考えていく必要があるな、と強く思いました。

随時更新予定ですのでまた次の機会に。

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 代表取締役社長CEO 田中 弦
1999年にソフトバンク株式会社のインターネット部門採用第一期生としてインターネット産業に関わる。ブロードキャスト・コム(現 Yahoo!動画)の立ち上げに参加。その後ネットイヤーグループ創業に参画。 2001年経営コンサルティング会社コーポレイトディレクションに入社。 2005年ネットエイジグループ(現UNITED)執行役員。モバイル広告代理店事業の立ち上げにかかわる。2005年Fringe81株式会社を創業、代表取締役に就任。2013年3月マネジメントバイアウトにより独立。2017年8月に東証マザーズへ上場。2017年に発⾒⼤賞という社内⼈事制度から着想を得たUniposのサービスを開始。2021年10月に社名変更をし、Unipos株式会社 代表取締役社長として感情報酬の社会実装に取り組む。2022年10月に著書「心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100(ダイヤモンド社刊)」を刊行。