1on1とは?意味や目的、進め方のルールを解説

日本でも、多くの有名企業が導入している「1on1」。

しかし、本当にうまくいくだろうかと導入に踏み切れないケースもあるでしょう。また、テレワークなど環境が変わりつつある昨今、1on1の運用を見直している方もいるかもしれません。

この記事では、1on1・1on1ミーティングの意味や進め方など、基礎知識を中心に解説します。1on1を学ぶための本やセミナー、企業事例もご紹介するので、併せて参考にしてください。

1.1on1とは?

「1on1」とは、日本語で「1対1」という意味を持つ言葉です。

例えば、バスケットボールやサッカーなどスポーツの場面における「1on1」は、1対1での試合形式(または練習形式)のことを指し、対戦ゲームにおける「1on1」は、1対1での対戦のことを指します。

そして、ビジネスの場面における「1on1」の意味は、1on1ミーティング、すなわち上司と部下が1対1で対話することです。

週1回から月1回ほどのペースで定期的に行われる1on1は、日本ではヤフー株式会社が取り入れたことから広まり、現在では数多くの企業が導入しています。

今回は、ビジネスシーンにおける1on1・1on1ミーティングについて、詳しく見ていきましょう。

2.1on1の目的や内容、求められるようになった背景

まずは、1on1ミーティングの目的や内容、評価面談との違い、1on1が求められるようになった背景についてご説明します。

2−1.1on1ミーティングの目的と内容

上司と部下の1対1のコミュニケーションというと、ネガティブなイメージを抱く方もいるかもしれません。しかし、1on1ミーティングの最大の目的は「部下の成長をサポートすること」です。

そのため、1on1ミーティングにおける話題は、プライベートからキャリアのことまで幅広いものとなります。

1回あたり30分程度で、週1回から月1回ほどのペースで実施するケースが多いでしょう。ペースは組織やチームによっても異なりますが、定期的な実施が重要です。

2−2.評価面談との違い

1on1ミーティングと評価面談は、目的や内容において違いがあります。

前述したとおり、1on1ミーティングの目的は、部下の成長をサポートする点にあり、プライベートの悩みや今後のキャリアについてなど、幅広い話題が想定されます。

一方、評価面談の目的は、部下を指導・評価する点にあり、結果的に部下の成長のサポートにはつながるものの、あくまで上司が管理している状態です。

そのため話題も、部下に対する評価や今後の目標、課題についてとなるでしょう。また、1on1ミーティングは、週1回から月1回ほどのペースが理想ですが、評価面談は、通常年1〜4回程度のペースにとどまると考えられます。

なお、1on1ミーティングでは「コーチング」という手法を用います。

コーチングとは、部下が自分で答えを見つけられるように、対話を通してサポートすることです。上司が答えを一方的に与えるのではなく、「今回はどうして成功したと思うか」と部下に考えさせることで成長をサポートします。

2−3.1on1が求められるようになった背景

1on1が求められるようになった背景には、「VUCA」の時代の影響があります。

「VUCA」とは、以下の4つの言葉の頭文字をとったものです。

・Volatility(不安定性)

・Uncertainty(不確実性)

・Complexity(複雑性)

・Ambiguity(曖昧性)

それぞれの言葉からわかるように、VUCAは変化の激しい時代を表しています。

不確実で複雑な変化が続く現代では、これまでの常識や経験が通用しない場面も増えつつあるでしょう。

このような時代において、上司が部下に「絶対の正解」として教えられることは減ってきています。そのため、上司から部下への一方的なコミュニケーションではなく、対話による双方向のコミュニケーションが組織やチームには重要だといえるのです。

3.1on1ミーティングの効果とメリット

1on1ミーティングにより得られる効果は、組織やチームにとって大きなメリットをもたらすでしょう。ここでは、大きな3つの効果についてご説明します。

3−1.部下のモチベーションの向上

1on1ミーティングは、部下にとって自分の成功・失敗経験を振り返るきっかけになります。最低でも月に1回程度実施することにより、内省が習慣化するでしょう。

日々の業務をこなすだけではなく、内省によって気づいた課題をどのように克服し、適性をどのように伸ばすのかを考えながら、モチベーションの高い状態で業務に取り組めるようになります。

3−2.部下に対する理解の深まり

1on1ミーティングを繰り返していくことで、業務中はわからない、部下の性格や考え方、悩みなどを直接部下の言葉で把握し、上司は部下への理解を深めることができます。

また、定期的なペースで実施される1on1ミーティングによって、「今」どのような課題があるかといった、比較的早い状況把握が可能です。

部下のプライベートからキャリアに至るまで理解を深めることは、結果として、部下の成長をサポートしやすくなるでしょう。

3−3.上司と部下の信頼関係の構築

上司と部下は、1on1ミーティングで定期的に対話することで、徐々に距離感が縮まります。

普段、部下から上司に対して気軽にコミュニケーションを取りにくい分、対話の機会を設けることで、部下は心を開きやすくなるでしょう。

また、上司が部下の意見を踏まえて対応できれば、「自分のことを真剣に考えてくれている」と信頼度を深めることができます。

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4.無駄?意味がない?1on1ミーティングのデメリット

さまざまな効果がある1on1ミーティングですが、適切に進めないと、デメリットも生まれます。ここでは、1on1ミーティングのデメリットについて見ていきましょう。

4−1.実施にばらつきが生まれる

そもそも、1on1ミーティングをきちんと制度化していない場合、実施しない人が出てきてしまいます。

上司が忙しく、一人ひとりに定期的な時間を割けないケースや、部下に成長意欲がないケースなどもあるでしょう。

また、実施できたとしても、上司のスキルによって、実施内容や効果にばらつきが生じることも考えられます。

本来、部下が自分で答えを見つけられるようサポートすべきところ、スキルが足りていないと、一方的に指導したり、答えを誘導したりしてしまうかもしれません。

4−2.心理的な負担になってしまう

お互い日々の業務があるなかで、1on1ミーティングに一定の時間を割かなければならず、心理的な負担になってしまう可能性があります。

特に部下は、上司の期待に応えなければという点もプレッシャーに感じてしまうでしょう。

心理的な負担を軽減するためには、1on1ミーティングの目的を十分に理解する必要があります。

4−3.上司と部下の認識が異なる場合も

上司は、部下の話に傾聴し応えているつもりでも、部下にとってはそう感じられていない可能性があります。

信頼関係が構築されていない段階では、部下は上司に対する遠慮から本音で話せていないケースもあり得るのです。

すべてをオープンに、お互い本音で対話できる関係性を築くことは時間がかかるでしょう。

5.1on1ミーティングの進め方

1on1ミーティングは、部下が成長するための時間であることが前提となります。その前提を踏まえ、1on1ミーティングの進め方や話題、コツなどについて理解していきましょう。

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