
上司と部下の定期的なコミュニケーションを通じて、人材育成やモチベーション・エンゲージメント向上への効果が期待できる1on1ミーティング。
日本では、いち早く1on1ミーティングを体系化したヤフーの事例が有名ですが、その他にもパナソニック、日清食品、ソニー、楽天など、名だたる大企業で次々に導入されています。
しかし、1on1ミーティングに魅力は感じていても、いざ自社で導入しようとすると上手く機能するか不安に感じている企業の担当者も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、1on1ミーティングを円滑に運用し、最大限の効果を発揮するための質問項目や内容設計の考え方について解説します。
実際のミーティングに使用できるテンプレートもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1on1ミーティングシートとはどんなものなのか?
1on1ミーティングシートは、その名の通り1on1ミーティングを実施するときに使用するフォーマットのことです。
具体的なメリットは後述しますが、1on1ミーティングシートを使うことで対話をスムーズに進めることができるため、1on1ミーティングを実施する際はミーティングシートを活用することがオススメです。
実際の活用方法は企業によって異なりますが、一例を挙げてみましょう。
①全社共通のフォーマットを作成し、面談前に部下が内容を記入し事前に上司に送付
②上司は面談前までに内容に目を通し、面談の準備をして当日を迎える
③面談中は記載の内容を参考に対話を重ねる
④面談終了後は後日内容を振り返ることができるよう、適切に保管をしておく
上記はあくまでも一例ですが、ここで登場するミーティングシートの内容には、特に決まりがありません。
質問項目は面談の実施目的や、使いやすさを踏まえて個別に検討する必要がありますし、様式もExcelやGoogleスプレッドシートなどを用いる場合もあれば、専用のツール上で管理する場合もあります。
よって、1on1ミーティングの導入をする際にはミーティングシートの必要可否、そして導入する場合はフォーマットの内容を合わせて検討する必要があるでしょう。
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1on1ミーティングシートを活用すべき理由
1on1ミーティングシート活用すると、面談をより効果的なものにすることができます。
代表的な理由としては、以下の4点が挙げられます。
①ミーティング中の対話の質を上げる
②ミーティングにふさわしい雰囲気を作る
③内容のクオリティを一定にする
④議事録として記録しておくことができる
それぞれ詳しく解説します。
理由①:ミーティング中の対話の質を上げる
1on1ミーティングはお互いの業務時間を割いて行うものであるため、短時間でも有意義なミーティングすることを意識が必要です。
ミーティングシートを利用し、面談前にその内容を上司と部下で共有しておけば、内容のポイントを整理することができます。仮に1on1ミーティングを導入したばかりで、まだ慣れていないケースであっても、要点を押さえた質の高いミーティングができます。
また、上司が事前に面談の準備を行うことができるのも大きなメリットであり、対話の質の向上につながります。
理由②:ミーティングらしい雰囲気を作る
1on1ミーティングは、部下の人材育成やモチベーション向上を図るための面談であり、通常の人事評価面談とは異なります。よって、お互いに気負うことなく、フランクに話せる雰囲気を作ることは重要です。
とは言え、ダラダラと雑談をしてミーティングの時間が終わってしまっては意味がないですし、業務に関する話題を扱う以上は、ある程度の緊張感も保ちたいもの。
そんな時にミーティングシートがあれば、良い意味でお互いの気が引き締まり、良い雰囲気を作ることができるのです。
理由③:内容のクオリティを一定にする
上司は日頃からチームマネジメントや人材育成について考える機会が多い立場であることは間違いありませんが、経験値やパーソナリティによってレベルはさまざまです。
上司によってミーティングの内容が充実していたり、そうでなかったりとクオリティにばらつきが出てしまうと、全社的な観点で効果的な人材育成ができなくなってしまいます。
ミーティングシートを導入すると一定の枠組みを作れるので、「ミーティング中に何を話したら良いか分からない」「自分の対話力に自身がない」と悩みがちな上司にとっても心強いでしょう。
理由④:議事録として記録しておくことができる
1on1ミーティングは継続的に行なうため、前回話した内容を踏まえて対話することも多いでしょう。
しかし、上司は1人で複数名の部下とミーティングを行なっているため、話が混同してしまうこともあります。前回話した内容を再度尋ねられることは、部下にとっても良い気はしませんし、時間の無駄になってしまいます。
そういったリスクを避けるために、ミーティングシートにその日話した内容を毎回記録しておき、議事録として残しておくのが良いでしょう。
また、1on1ミーティングは実施することが目的ではなく、部下にとって新しい学びや気づきが得られる機会を作り、その後のアクションにつなげることが大切です。自身の行動を振り返るためのツールとしても役立ちます。