
1on1を実施してはいるものの、思うような効果を実感できていない方や、自分の1on1スキルが足りないと感じ悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
単に1on1をこなすだけでは本来の効果を得ることができず、管理職側は1on1への苦手意識が高まり、部下側は1on1への期待度が下がってしまいます。
そこで本記事では、1on1の課題をあらためて理解するとともに、1on1で求められるスキルやそれらのスキルの磨き方などを解説します。対話の質を高めてより良い1on1を行いたいとお考えの管理職の方々は、ぜひ参考にしてください。
1.1on1とは
「1on1」とは、直訳すると「1対1」という意味を持つ言葉です。
ビジネスの場面における1on1の具体的な意味は、おもに上司と部下が1対1で行うミーティングのことを指します。
Unipos株式会社が2021年5月に実施した「1on1ミーティングに関する実態調査」では、全国の上場企業に勤務する20代〜60代の管理職325人と、部下である一般社員324人を対象に調査を行った結果、1on1を実施している人のうち75%が週1回から月1回ほどのペースで1on1を行っていることがわかりました。
1on1は、日本ではヤフー株式会社が取り入れたことから広まったといわれており、部下の成長をサポートすることを最大の目的としています。そのため、1on1で取り上げられる話題は、プライベートのことから今後のキャリアまで幅広いものとなります。
また、部下の成長以外にも、1on1のメリットとして以下の点が挙げられるでしょう。
・離職率の低下
・モチベーションやエンゲージメントの向上
・コミュニケーションの活性化
・問題の早期発見と解決
・信頼関係の構築
・心理的安全性の確立
・組織全体のパフォーマンスの向上
このように1on1は、部下にとってはもちろん、上司、チーム、組織にもさまざまなメリットがあります。
参考:プレスリリース 1on1に期待する要素全てにおいて上司より部下の期待値が低いことが発覚(1on1ミーティングに関する実態調査)
2.1on1の課題
1on1は、本来さまざまな効果やメリットが得られるものですが、現状「1on1が部下の成長支援の場として十分に機能していない」という傾向が見られます。
第1章でご紹介した「1on1ミーティングに関する実態調査」では、以下のような実態が浮き彫りになっています。
・すべての業務の中で、1on1の優先順位が「高い」もしくは「やや高い」と考えている一般社員は、46.9%にとどまる(※管理職は65%)
→管理職と比較すると、部下は1on1を仕事上重要なものと捉えていない傾向がある
・1on1において「期待していること」の全12項目すべてにおいて、管理職より一般社員の期待値が低い
→部下の1on1への期待値は、管理職とのギャップがある
・一般社員は「業務の進捗管理の場」としては1on1に満足しているが、「成長支援の場」としては1on1に満足していない
→1on1が、自分自身の挑戦やキャリアなど、部下の未来を後押しするような場になっていない
このような調査結果を踏まえ、1on1の真の効果を発揮するにためにはどのようなスキルが必要なのか、それらスキルはどのように磨けば良いのかを次の章から理解していきましょう。
参考:プレスリリース 1on1に期待する要素全てにおいて上司より部下の期待値が低いことが発覚(1on1ミーティングに関する実態調査)