
1on1ミーティングの悩みの一つ、それは話が盛り上がらないこと。
1on1ミーティングを導入してみたけれど、せっかくのミーティングの時間が苦痛になっている。重要性はわかっていても、何を話したら良いのか分からない、話すことが特にない。
そんな風に思っていませんか?
今回は、1on1ミーティングでの会話が上手くいくテーマ設定や質問のヒントなどをご紹介します。
今日をもって「話すことがない」残念な1on1ミーティングから脱却しましょう!
1.1on1で「話すことがない」のはなぜなのか?
そもそも、1on1ミーティングにおいて「話すことがない」と感じてしまう理由は何でしょうか?
上司・部下それぞれの視点で考えてみましょう。
上司
- 1on1ミーティングのスキルが低く、相手の話を上手く引き出せない。
- 1on1ミーティングの意義が分からず、時間の無駄に感じている。
- 部下との関係があまり良くない。
- いわゆる「雑談」のようなカジュアルな会話を部下とするのに抵抗がある。
- 部下の人材育成に関心がない。
上司の視点では、相手の話を引き出せない・話題が思いつかないといった会話のスキル不足のほか、1on1ミーティングやマネジメントに対するモチベーションの低さが想定できるでしょう。対策するには、それぞれ異なるアプローチが必要になるので工夫が必要です。
部下
- 1on1ミーティングの意義が分からず、時間の無駄に感じている。
- 上司に心を開いていない、信頼していない。
- 回数を重ねていくと純粋にネタ切れしてしまう。
- そもそも自分の話を誰かに聞いてもらうこと自体が苦手。
部下の視点では、上司と同様に1on1ミーティングに対するモチベーションの低さや、自分のことを洗いざらい話さないといけないことへの苦痛、特に上司を信頼していないがために話したくないと心を閉ざしているケースが想定できます。
業務以外の話もテーマにして良い1on1ミーティングだからこそ、上司部下の関係構築が成功の鍵であることが分かります。
2.改めて確認したい1on1の目的、効果
1on1ミーティングの目的や効果は、既に色々なところで解説されている内容ではありますが、正直なところ“話すことがないと悩んでまで、1on1ミーティングは本当に必要なのだろうか?”と感じる方もいるのではないでしょうか。
改めて、1on1本来の目的や効果を再確認しておきましょう。
1on1の目的
目的①:一人ひとりに合ったマネジメントを行うため
チームに属する部下たちは、それぞれ仕事の考え方や経験値、性格などさまざまな特性を持っています。個別にミーティングを繰り返すことで、画一的なマネジメントではなく、一人ひとりに合わせた育成を行い、成長スピードを向上させることを目指します。
個人のレベルが向上すれば、チームとしてのアウトプットも向上します。チームで仕事をする以上、個人のレベルアップは欠かせないものであり、それを後押しする体制として、1on1ミーティングのような場は重要なのです。
目的②:職場の活性化につなげるため
皆さんは、どんな職場で働きたいと感じますか?理想の職場とはどんな風でしょうか。
「働きやすい」と感じられる職場の一つとして挙げられるのが、コミュニケーションが活発な職場です。
最近では、リモートワークも主流になりつつある中、直接生まれるコミュニケーションの量は以前よりも減っているかもしれません。しかし、量は減っても質の良いコミュニケーションが取れているのなら問題はありません。
上司・部下のコミュニケーションは、どうしても業務的な内容に留まりがちです。それは決して悪いことではありませんが、信頼関係を築き、何でも話せる間柄になれれば、良質なコミュニケーションが取りやすくなります。
1on1の効果
効果①:モチベーションやエンゲージメントの向上
1on1ミーティングでは、仕事で行き詰まっているポイントや、スキルアップするために必要なことを上司からアドバイスしてもらうことができます。
定期的に目標を立て、そのために何をすべきなのかを考え、結果を振り返る。いわゆるPDCAサイクルを上司の力を借りながら回していくことができるようになるため、やるべきことが明確になり仕事に対するモチベーションの向上が期待できるでしょう。
また、成長実感がきちんと得られることや、困った時に手助けしてくれる上司の存在は、組織に対するエンゲージメント向上にもつながります。
効果②:離職率の抑制/定着率の向上
これから労働人口がますます減っていく世の中、若手社員の離職を防ぎ、能力を発揮して長く活躍してもらうことは、組織を存続させるためにも非常に重要です。
特に近年は、人材が流動的であり、少しの違和感や不満が発端でも簡単に転職してしまうということも避けられません。
1on1ミーティングを定期的に行うことで、部下のちょっとした変化に気づくことができたり、ちょっとした悩みに対して、早めに対処したりすることができます。