
皆さんの会社では、1on1ミーティングを導入していますか?
既に導入されている場合は、その効果を実感できているでしょうか。
近年、マネジメント手法の1つとして注目されている1on1ミーティング。
しかし、なんとなく流行りもあって導入してみたものの、いまいち上手に運用ができていない、といった悩みを抱えている担当者も多いかもしれませんね。
今回は、1on1ミーティングの効果を最大限に発揮するための「研修」をテーマに取り上げます。
おすすめの研修もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.1on1とは
本題に入る前に、まず前提知識として1on1ミーティングについておさらいしてみましょう。
1on1ミーティングとは、上司と部下が定期的に実施する面談のことです。
元々は海外で定着していたマネジメント手法ですが、日本ではヤフーが1on1ミーティングを本格的に導入したことから、注目されるようになりました。
従来多くの企業で実施されてきた「目標管理面談」とは異なり、面談内容が直接人事評価に影響することはありません。
1on1ミーティングの目的は、部下の成長を促すことであり、人材育成の一環で実施されるという点が特徴的と言えるでしょう。
よって、必ずしも仕事の話題でなくても問題なく、部下のモチベーションを向上させたり、上司と部下の信頼関係の構築につなげたりすることも重要な観点なのです。
2.1on1の課題
全国の上場企業に勤務する20代~60代の管理職325人と、一般社員324人を対象に行われた「1on1ミーティングに関する実態調査」によると、1on1ミーティングに対する一般社員の捉え方は、「業務の進捗管理の場」として満足できている一方、「成長支援の場」として満足できていないことが分かりました。
1on1ミーティングの課題は、「成長支援の場として十分に機能していない」ということであり、管理職がこの点をいかに強化できるかが、一般社員の満足度向上の観点で非常に重要だと言えるでしょう。
しかし、「部下の成長支援をしてほしい」と依頼したところで、必ずしも全ての管理職が的確に実施できるとは限りません。管理職社員の1on1に対するスキルや意識を高めることが求められているのです。
こうした背景から、1on1ミーティングの手法だけではなく、より効果的な内容にしていくための「研修」についても、検討していく必要があります。
出典:「1on1に期待する要素全てにおいて 上司より部下の期待値が低いことが発覚 ~1on1充実の鍵は“部下の成長支援”~」
https://pr.unipos.co.jp/2021/07/21/1on1/
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3.1on1研修の種類
1on1研修は、主に受講者のターゲットは誰か、どこで開催するか、期間はどのくらいかといった軸で区分することができます。
具体的には、以下の4つの分類を参考にしてみてください。
- 無料セミナー
- 外部研修
- 社内研修
- コーチング研修
種類①:無料セミナー
最近ではセミナーと言えばオンラインで実施するのが定着してきているのもあり、会場費がかからないために無料で受講できるセミナーもたくさんあります。
こうしたセミナーは、研修会社だけではなく、人事領域のテックサービスやコンサルティングを提供している企業が主催し、人事担当者や経営者向けに行われているものも多いです。
また、1on1ミーティングは近年注目されているテーマであり、セミナーの数も豊富なため、基礎から応用まで現状のレベルに合わせた内容を選ぶことができます。
「1on1ミーティングの導入を検討しているけれど、何から始めたら良いのか分からない」「他社の好事例が知りたい」という場合には、コストをかけずに情報収集できるので、特に有効な手段と言えるでしょう。
種類②:外部研修
人事担当者や経営者を対象にした、オフラインの研修です。外部のセミナー会場に出向き、半日〜1日単位での研修を受講します。
オンラインセミナーは情報収集には非常に有効ですが、どうしても受け身な内容になってしまうデメリットがあります。こうしたオフラインの研修は、講師や他の参加者とのリアルな交流ができる点がメリットです。
また、無料でないとしても、社内研修よりは費用もかなり抑えられるでしょう。まずは人事担当者がこうした外部研修で学び、それを社内に展開するという形もオススメです。
種類③:社内研修
管理職などの社員を対象に、外部から講師を招いて実施する研修です。研修と言えば社内研修をイメージする方も多いのではないでしょうか。
社内研修は、会社の状況に応じて内容をカスタマイズできる点にメリットがあり、自社を取り巻く環境に応じた内容で、集中的にレベルアップを図れます。
ただし、他の種類の研修に比べると費用が高く、参加する社員の拘束時間も長くなるため、特に多忙な管理職を対象にする際は、参加ハードルがやや高くなってしまう可能性があります。
種類④:コーチング研修
主に管理職を対象に、1on1に欠かせないコーチングスキルを数ヶ月〜半年かけて学んでいきます。他の研修と異なり、単発ではなく研修と実践を繰り返しながら時間をかけて育成をしていくのが特徴です。
コーチングスキルを1on1ミーティングに活かしてもらうために、社内で1on1の社内コーチ認定資格などを設けている会社もあります。
コーチングは1on1ミーティングに限らず、さまざまな分野で役に立つビジネススキルです。単なる1on1ミーティング対策に留まらず、社員のスキルアップにつながるというのはとても魅力的ではないでしょうか。
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4.1on1研修の効果、メリット
研修に参加したり、導入したりすることは、それなりに費用も負荷もかかるもの。
せっかく研修の機会を作るのであれば、その効果やメリットをきちんと把握しておきたいと考える担当者も多いことでしょう。
1on1研修の効果・メリットとしては、以下の3点が挙げられます。
やはりポイントになるのは、管理職の意識や行動の変化です。
- セルフマネジメント力の向上
- 退職率の低減
- 職場の活性化
効果①:セルフマネジメント力の向上
1on1ミーティングでは、上司に悩みを聞いてもらったり、アドバイスをしてもらったりすることがあっても、最終的に判断して行動に移すかどうかは部下次第です。
また一方で、上司も部下をどのように育成していくのか、どんな組織を目指してマネジメントしていくのかを、自分なりに考えながら行動に移していく必要があります。
つまり、1on1ミーティングを通じて、どんな社員もセルフマネジメント力が鍛えられるメリットがあると言えるのです。
効果②:退職率の低減
一般的に社員が退職を考える時、最初はほんの小さな違和感や悩みであるケースが多くあります。
1on1研修を受講することで、上司の傾聴力やコーチング力を養い、上司と部下の信頼関係がきちんと構築できれば、部下の小さな違和感や悩みに初期の段階で対処することができるのです。
本人が退職を決意してしまう前に、そうした不安要素の芽を摘む意味で、退職率の低減に効果があります。
効果③:職場の活性化
1on1ミーティングが根付くと、上司と部下のコミュニケーション量が大幅に増えるため、ミーティング以外の場であっても、会話がしやすくなるなどの効果があります。
また、研修を通じて、上司が組織マネジメントの重要性を理解し、部下への接し方を工夫したり、社員同士の交流を促したりすることで、職場の活性化が期待できます。
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