
2 効果が上がる1on1ミーティングの進め方
では、その前提に立った上で、1on1ミーティングの効果的な進め方について解説していきましょう。
1)事前準備
2)実際のミーティング
3)事後処理
という時系列に沿って、具体的に何をすればよいのかを挙げていきます。
2-1 事前準備
1on1ミーティングは、何の準備もなしにいきなり対話に望んでも意味がありません。
雑談で終わってしまったり、具体的なアクションプランというゴールにたどり着けないまま時間切れになってしまう恐れがあります。
そうならないよう、以下のような事前準備をしておきましょう。
2-1-1 目的意識を共有する
これは毎回のミーティングの準備というより、1on1に取り組み始める時点で行なって欲しいことですが、1on1に参加するすべての上司、部下、人事担当者の間で、目的意識を共有しておく必要があります。
前述したように、1on1の目的は部下の自発的・自立的な成長です。
この「自発的・自立的」という部分こそが、1on1というメソッドのもっとも重要なポイントだということを周知徹底してください。
ミーティングの主役は部下であって、部下が自分で考え、自分で答えを見つけ出すためのものです。
決して上司からの指導したり、評価を下したりする場ではありません。
このポイントを見失ってしまうと、1on1はスムーズに進められなくなってしまいます。
例えば全社で1on1の研修を行なったり、レジュメを作成・配布するなど、その意義を十分に浸透させておいてください。
2-1-2 テーマを用意する
ミーティングの日が近づいてきたら、当日話をするテーマ、トピックを用意します。
当日いきなり上司から部下に「最近何か問題はある?」などと質問しても、すぐに答えられないものです。
そこで事前に、いま抱えている問題、不満、悩みなどを洗い出しておくのです。
ここで重要なのは、「テーマは部下が考える」ということです。
1on1ミーティングの主役はあくまで部下ですから、部下自身が話したいこと、聞いてほしいことをトピックとすべきです。
ですからミーティングのフローの中に、「部下自身が事前に話すテーマ、トピックを考える」という項目を組み込んでおきましょう。
テーマとして取り上げるのは、
◾️目標について
◾️業務上の問題や課題について
◾️中長期的なキャリアについて
◾️プライベートな悩みについて
など、さまざまな事柄が考えられます。
これについては「3 1on1ミーティングのテーマと質問項目」で具体的に解説しますので、そちらも参照してください。
部下が考えたトピックは、ミーティング前に上司にも共有させるようにしましょう。
1on1ミーティングは30分程度と短い時間で完結させるものですから、上司も事前にトピックを知っておけば心構えができます。
2-1-3 進め方・質問内容を考えておく
テーマが共有されたら、上司は大まかな進め方や質問項目を考えておきましょう。
ただ、あくまで部下が中心となって話をするので、上司は臨機応変に対応する必要があります。
部下が抱えている問題を事前に知ると、「それはこう解決すればいいのではないか」「前回こう言っていたので今日はこれをアドバイスしよう」などとつい先読み、深読みしてしまうことがあります。
そうであっても、先入観は傍らに置き、その場で部下が話していることにしっかり耳を傾けることが大切です。話を最後まで遮らない、上司自身の話をしすぎない、といったことにも気を付けるとよいでしょう。
2-2 ミーティングの進め方
事前準備を十分にした上で、実際のミーティングを迎えたら、以下のような流れで対話を進めていきましょう。
【1on1ミーティングの進め方7ステップ】
1)部下の現在の気分や体調を確認する |
▽
2)前回の振り返りと今回のテーマを確認する |
▽
3)部下が話したいことを聞き出す |
▽
4)部下自身に内省・考察させる |
▽
5)上司からフィードバックする |
▽
6)今後のアクションプランを考える |
▽
7)今回のまとめと確認をする |
では、それぞれを具体的に説明していきましょう。
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