
近年、テレワークなどの多様な働き方が推進される一方で、社員のコミュニケーションやエンゲージメントの低下に悩んでいませんか?
世の中には数多くの人事施策がありますが、比較的以前から存在していた「ありがとうカード」。しかし、最近ではアプリなどのデジタルツールを用いて運用するケースも増え、改めてその効果に注目が集まっています。
職場のメンバーに対して感謝の気持ちを伝えるという、簡単なようで日頃なかなかできていない習慣。「ありがとうカード」を活用し、互いを認め合う文化を醸成しながら社員どうしの新たな交流を生んでみませんか?
本記事では、「ありがとうカード」をテーマに、目的や具体的な方法などを詳しくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください!
「ありがとうカード」とは?
ありがとうカードとは、相手に感じた感謝の気持ちをメッセージに起こし、組織内で共有する仕組みです。
自分の行動や成果を認めてもらえることは、誰しも大きな喜びを感じるもの。どんなに小さな内容でも、それに気づいて称賛されれば大きなやりがいにつながるでしょう。
ありがとうカードは、そんな喜びを互いに与え合うツールとして支持されています。
ありがとうカードの方法
ありがとうカードと言うと、名刺サイズのカードに手書きでメッセージを記載するイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ありがとうカードは企業だけではなく、学校などでも導入されているという背景からも分かるように、特別なツールを使わずとも運用は可能です。
しかし、最近は実物のカードを手作りしたり、デザインテンプレートを購入したりする方法に加え、専用のアプリを利用する選択肢も増えています。
詳しいアプリの種類は後ほどご紹介させていただきますが、デジタルツールを使うことで、簡単に、そして気軽にメッセージを交換できる仕組みを作ることができます。
ありがとうカードとサンクスカードの違い
「サンクスカード」の名称に聞き馴染みがある場合もあるかもしれませんが、「ありがとうカード」も「サンクスカード」も指している内容は同じです。
ただ、組織開発の文脈では「サンクスカード」と呼ばれることが多いため、本記事では会社の組織開発文脈で使われる「ありがとうカード」について、解説していきます。
ありがとうカード(サンクスカード)の目的
本記事をご覧いただいている皆さんは、既に何かしらの組織課題を感じているからこそ、ありがとうカード(サンクスカード)の導入を検討されているのではないでしょうか。
その場合、ありがとうカード(サンクスカード)の目的と、今ある組織課題の解決手段が一致しているかどうかを確認しておくことをオススメします。
なぜなら目的がズレた状態や不明確なまま新たな施策を導入してしまうと、失敗する可能性が高くなってしまうからです。これは、ありがとうカード(サンクスカード)に限らず全ての人事施策に言えることです。
では、ありがとうカード(サンクスカード)の主な目的を3つご紹介しましょう。
目的①:社内のコミュニケーションを活性化するため
社内のコミュニケーションを活性化させることは、生産性の効率やモチベーション・エンゲージメントの向上など、多くの副次的な効果を生みます。
しかし、最近ではテレワークが浸透し、社員どうしの直接的な交流が減った環境変化も相まって、コミュニケーションに対して課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。
ありがとうカード(サンクスカード)を使うと、感謝の気持ちを目に見える形で届けることができるほか、ありがとうカード(サンクスカード)をきっかけに会話が生まれ、社内のコミュニケーションが活性化します。
目的②:企業理念や行動指針の浸透を図るため
社内で企業理念や行動指針の認知度が低くて知られていない、もしくは、認知されていても具体的な行動に落とし込めずに形骸化してしまっている…ということはありませんか?
こうした企業理念や行動指針の浸透は、一朝一夕でできることではなく、達成するための難易度は高いもの。一般的に、イベントや社内報などを通じてメッセージを繰り返し伝えることで浸透を図ろうとする企業が多いですが、実はありがとうカードも一つの手段として活用できます。
例えば、「企業理念や行動指針の内容に沿った行動ができていた人にありがとうカード(サンクスカード)を送る」という運用にすれば、企業理念や行動指針の認知向上と具体的な行動につなげることができるでしょう。
目的③:組織の一体感を醸成するため
特に社員数が多い大企業や、拠点が複数あったり、正社員・アルバイト・派遣社員などさまざまな形態で働く社員が多かったりする場合、組織の一体感を感じられる場面はなかなか少ないのではないでしょうか。
ありがとうカード(サンクスカード)の良さは、役職や立場、物理的な距離に囚われず、どんな相手に対しても素直に感謝の気持ちを伝えられることです。
ありがとうカード(サンクスカード)を受け取ることで、自分の仕事や行動が役立っているという組織への貢献感や帰属意識が高まります。
ありがとうカード(サンクスカード)の効果
ありがとうカード(サンクスカード)の目的とリンクする部分もありますが、期待できる効果にはどんなものが挙げられるでしょうか?
ありがとうカード(サンクスカード)は導入して終わりではなく、効果検証をしながら改善を加えていく“PDCAサイクル”を回して運用していくことが大切です。
そのためには、まずどんな効果が出れば成功といえるのかを理解しておく必要があります。
ありがとうカード(サンクスカード)の主な効果を3つご紹介しましょう。
効果①:離職率低下につながる
社員の定着率が悪いことに課題を感じている企業は多いでしょう。
せっかくお金や労力をかけて採用をした社員が短期で離職してしまったり、社内で活躍していた社員が流出してしまったりすることは、人手不足や組織の競争力低下を招きます。
こうした離職の原因には、人間関係や組織風土が関わってることが多く、表面的な施策を打っても根本的な改善につながらないケースもあります。
ありがとうカード(サンクスカード)は、接点を持ちづらい社員どうしの関係を築いたり、互いを認め合う雰囲気を醸成したりと、風通しの良い風土を作ることができます。
人間関係が良好になり、これからもこの職場で働きたいと思える社員を増やすことができれば、離職率低下への効果が期待できるでしょう。
効果②:モチベーションが向上する
感謝されたり、褒められたりして気を悪くする人はいないでしょう。「感謝する」「褒める」という行為は、一見短絡的なように見えて、実は人のモチベーションを上げる最短ルートなのかもしれません。
特に、日頃なかなかスポットの当たりづらい業務に携わっている社員は、自分の仕事の意義や組織への貢献感が薄れやすく、モチベーションが低下しやすいもの。
ありがとうカード(サンクスカード)で感謝を伝える内容に、大小は問いません。どんなに小さい事象であっても積極的に伝えていくことで、さまざまな立場で働く社員のモチベーションの向上が期待できます。
効果③:企業ブランディングにつながる
最近では「インナーブランディング」と呼ばれることもありますが、社員が「魅力のある企業で働くことができている」という自意識を持つことは、エンゲージメントの向上につながります。
当然、社内だけではなく社外に対しても、“上手な組織作りができている企業”としてのブランディングが成功すると、企業価値が向上していきます。
企業価値の向上は、あらゆるステークホルダーからの評価につながり、全ての企業活動において好循環を生むことができるのです。
ありがとうカード(サンクスカード)はアナログ、デジタルどちらでも送れる
では、実際に社内での導入が決まった際、ありがとうカード(サンクスカード)はどのように作成すれば良いでしょうか?
既にご紹介の通り、ありがとうカード(サンクスカード)は手書きで作成することもできれば、最近だとアプリなどを活用することもできます。
それぞれの特徴を押さえながら、最も効果的な方法で作成してみましょう。
【アナログ】紙のカードで送る
手作り
パワーポイントなどを使って自分でデザインすることもできますが、最近は無料のツールを使って手軽におしゃれなデザインでカードを作ることができます。
オススメは「canva」や「GIMP」といった無料ツールです。
両者ともPhotoshopやillustratorのように写真を加工したり、イラストを挿入したりすることができ、オリジナルのカードを作成することができます。
▽canva
▽GIMP
購入する
デザイン重視で作成したいのであれば、テンプレートを利用するのも有効です。
温かいメッセージとともに素敵なデザインのカードがもらえたら、とても嬉しいですよね。
無料のものから有料のものまで、さまざまなデザインが用意されているため、楽しみながら選ぶことができます。
Amazonや楽天などでのネット通販も充実しています。
ここでは、無料のテンプレートを探すことのできる便利なサイトをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
テンプレートBANK
大きさは名刺サイズとはがきサイズの2種類が用意されています。
会員登録をすることで、全てのテンプレートを無料でダウンロードできます。
▽サイトはこちら
https://www.templatebank.com/gc/7/1/
Excelフリーソフト館
はがきサイズのテンプレートをExcel形式でダウンロードできます。
▽サイトはこちら
https://templateexcel.com/blog-entry-807.html
ラベル印刷net
大きさは名刺サイズです。
温かさの伝わる手書き風フォントも選べます。
▽サイトはこちら
https://label-print.net/topic/thankyoucard.php?top_info
【デジタル】アプリで送る
手書きでもらったメッセージは、ありがたさを強く実感できる反面、社内で運用していく上で、書き手・もらい手双方に負担がかかります。
より手軽にメッセージを送り合える手段として、アプリを使ったありがとうカード(サンクスカード)が登場してきています。
おすすめのありがとうカード(サンクスカード)アプリ3つ
使いやすい機能やUI/UXが装備されており、豊富な導入実績を誇るオススメのアプリを3つご紹介します。
Unipos
Uniposは、貢献の見える化や称賛文化の醸成、組織風土の改善を目指すクラウド型のサンクスカードです。
500社以上の導入実績を誇り、メルカリやグリコといった大手企業も利用しています。
Uniposの特徴は、互いに感謝を送り合えるという、ありがとうカード(サンクスカード)の基本機能の他に、「少額のインセンティブを添えられる」「クローズドではなく、全社員が見られるタイムラインで感謝のメッセージの送り合いが共有される」という点にあります。
これらの機能があることで、個人間のやり取りに留まらず、組織全体にポジティブな影響を与えることができるのです。
▽詳細はこちら
https://unipos.me/ja/lp/lis/20221006/01
ThanksCard
サンクスカードは、アプリなのに手書きでメッセージが送れる独自のサービスです。
複雑な機能はなく、スマートフォンで簡単に使うことができます。
有料オプションで、さらにインナーコミュニケーションに活用することができるデータ分析機能などもあるので、拡張性もばっちり。
アナログとデジタルの良いとこどりがしたいなら、オススメのアプリです。
▽詳細はこちら
サイボウズ Office「サンクスカード」
社内の情報共有やコミュニケーションを円滑にする機能をワンパッケージ化した「サイボウズ Office」の中のカスタムアプリとして、サンクスカードのアプリがあります。
このアプリの良いところは、パッケージで導入できるため、サンクスカード以外にも使える機能が豊富であることです。サンクスカードだけを導入するほどではないけれど、試してみたいという場合に、検討してみてはいかがでしょうか。
▽詳細はこちら
https://office.cybozu.co.jp/function/customapp/sample/thanks-card/index.html
ありがとうカード(サンクスカード)のメッセージ内容例文
「実際にありがとうカード(サンクスカード)を導入してみたものの、どんなことを書いたら良いのか分からない」という社員も多いかもしれません。
そんな時に参考にしたいメッセージの例文をご紹介します。
例①:職場の同僚宛
「いつもありがとう。チームへの気遣いや丁寧な仕事ぶりに支えられています。これからもよろしくね。」
▶︎面と向かってはなかなか言いづらい素直な気持ちを伝える例です。
例②:他部署の社員宛
「先日ご依頼した仕事、迅速に対応いただきありがとうございました。おかげさまで、無事に納期に間に合わせることができました。私が力になれることがあれば、いつでもお声がけください!」
▶︎忙しい中依頼ごとに対応してくれた際の感謝の気持ちを伝える例です。
例③:上司から部下宛
「この度は資料をまとめてくれてありがとう。最近着実に成長している様子が見て取れて、とても嬉しいです。これからも頼りにしています。」
▶︎部下の働きぶりを褒める際の例です。
まとめ
今回は、「ありがとうカード(サンクスカード)」をテーマに、その目的や効果、作成方法、具体的なオススメサービスなどについてご紹介しました。
ここまでの内容をおさらいしましょう。
・ありがとうカード(サンクスカード)とは、社員どうしが日頃の感謝を伝えあい、メッセージを送る仕組みのこと。
・ありがとうカード(サンクスカード)の目的は、社内のコミュニケーション活性化や企業理念・行動指針の浸透、組織の一体感の醸成などが挙げられる。
・ありがとうカード(サンクスカード)を導入することで、離職率の低下や社員のモチベーション向上、企業ブランディングの効果が期待できる。
・ありがとうカード(サンクスカード)を作成するには、手作り・テンプレートを購入・アプリを利用するという3つの方法がある。それぞれの特徴を踏まえながら、社員にとって継続的に利用しやすい方法を選ぶことが大切である。
いかがでしたか?
ありがとうカード(サンクスカード)を活用し、互いを認め合い、称賛し合える風通しの良い組織作りを目指しましょう。