サンクスカードとは?導入の目的・失敗しない制度の作り方・企業事例を解説

サンクスカード(ありがとうカード)は、職場の仲間同士で感謝や称賛を伝え合う仕組みです。この記事では、導入の目的とメリット、制度の作り方、運用で気をつけたい点、実際の企業の取り組みを整理しています。

「送り合うサンクスカード」+「少額インセンティブ」

目次

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  1. サンクスカード(ありがとうカード)とは
  2. サンクスカードとありがとうカードの違い
  3. サンクスカードを導入する目的
  4. サンクスカードのメリット
    1. 普段は見えにくい貢献が周囲に伝わる
    2. 感謝や称賛を言葉にするきっかけになる
    3. 部署や役職を越えたやりとりが生まれやすい
    4. 組織が大切にしたい行動を共有しやすい
  5. サンクスカードのデメリット・失敗しやすい理由
  6. サンクスカード制度の作り方
    1. STEP1 導入目的を決める
    2. STEP2 何を称賛するかを決める
    3. STEP3 運用ルールを決める
    4. STEP4 紙かデジタルかを選ぶ
    5. STEP5 目的と使い方を社内に伝える
    6. STEP6 利用状況を確認して改善する
  7. サンクスカードを形骸化させないためのポイント
    1. 枚数をノルマにしない
    2. 経営層・管理職も自然なかたちで参加する
    3. 感謝の理由を具体的に書ける設計にする
    4. 送受信が一部の社員に偏っていないか確認する
    5. 運用方法を定期的に見直す
  8. サンクスカードの例文
  9. 紙・デジタル・ピアボーナスの違い
  10. サンクスカードの企業事例
    1. コトヒラ工業:製造現場でも閲覧率8割超、部門間の相互理解が進んだと紹介
    2. 税理士法人ASC:専門職の「個人商店化」への対応として、感謝とナレッジ共有を全社に公開
    3. 環協:部署や拠点を越えたコミュニケーションの活性化が紹介された事例
  11. サンクスカードとUnipos
  12. サンクスカードに関するよくある質問
    1. サンクスカードとありがとうカードの違いは?
    2. サンクスカードには何を書けばいい?
    3. サンクスカードを強制すると逆効果になる?
    4. 紙とデジタルはどちらがいい?
    5. サンクスカードの効果はどう測ればいい?
  13. まとめ

サンクスカード(ありがとうカード)とは

サンクスカードとは、従業員同士が日々の仕事で受けた助けや、良いと感じた行動に対して、感謝や称賛のメッセージを送り合う仕組みです。企業によっては「ありがとうカード」「サンキューカード」などと呼ばれます。

形式は大きく分けて2つあります。名刺サイズほどのカードに手書きして手渡す紙の方式と、Webツールやアプリ上でメッセージを送受信するデジタルの方式です。

個人的なお礼状と違うのは、会社が制度として設けている点です。「何を称賛の対象にするか」「メッセージを誰が見られるか」といったルールを決めたうえで、組織の施策として運用されるケースが多く見られます。

サンクスカードとありがとうカードの違い

サンクスカードとありがとうカードは、基本的に同じ種類の仕組みです。違いは呼び方で、どちらを使うかは企業や導入しているサービスによって異なります。

ほかにも「グッジョブカード」「称賛カード」など、社内で独自の名前をつけている例があります。感謝を中心にするか、良い行動への称賛を中心にするかは会社ごとに設計が異なりますが、名称によって定義が決まっているわけではありません。

なお、「ありがとうカード」という言葉は、イベントや学校などで使うメッセージカードを指すこともあります。この記事では、職場で従業員同士が感謝や称賛を伝え合う制度として扱います。

サンクスカードを導入する目的

サンクスカードを導入する主な目的は、感謝や称賛を伝える機会を増やし、日常の貢献を周囲から見えるようにすることです。企業によって重点は異なりますが、代表的なものは次の4つです。

  • 感謝や称賛を伝える機会を増やす:忙しい職場では、助けてもらっても「ありがとう」を言いそびれることがあります。伝える場を用意しておくことで、感謝を言葉にするハードルを下げます。
  • 日常の貢献を可視化する:成果として数字に表れにくいサポートや気配りを、周囲が知るきっかけをつくります。
  • 部署や役職を越えたコミュニケーションを促す:普段は接点の少ない相手にも、感謝をきっかけに声をかけやすくします。
  • 行動指針・バリューと日々の行動を結びつける:称賛の対象を行動指針と紐づけることで、「この行動がバリューの体現にあたる」という具体例を社内に蓄積します。

行動指針の設計や浸透の考え方は「行動指針とは?企業理念・MVV・クレドとの違い、作り方・企業事例を解説」で解説しています。

サンクスカードのメリット

サンクスカードのメリットは、見えにくい貢献が周囲に伝わり、感謝や称賛を言葉にするきっかけが生まれる点にあります。ただし、どの程度の変化が起きるかは制度の設計と運用によって変わります。

普段は見えにくい貢献が周囲に伝わる

資料の下準備、トラブル時のフォロー、新人への声かけなどは、評価面談の場では話題にのぼりにくい行動です。カードに書かれることで、本人の上司や他のメンバーがその行動を知る機会になります。

感謝や称賛を言葉にするきっかけになる

カードやメッセージという手段を用意することで、口頭以外の方法でも感謝を伝えられます。「伝える場がある」こと自体が、感謝を口にする後押しになります。

部署や役職を越えたやりとりが生まれやすい

他部署の人や役職の離れた相手に、業務連絡以外で話しかける機会は限られます。サンクスカードは、そうした相手に感謝を伝える理由をつくります。

組織が大切にしたい行動を共有しやすい

どんな行動に感謝が集まっているかを見ると、組織の中で評価されている行動が具体的に見えてきます。行動指針と紐づけて運用すれば、抽象的な言葉を日々の行動に置き換えて共有する材料にもなります。

一方で、サンクスカードを導入しただけで、チームの誰もが率直に意見を言える状態になるわけではありません。職場の関係性や発言のしやすさについては「心理的安全性」の記事で詳しく扱っています。

サンクスカードのデメリット・失敗しやすい理由

サンクスカードは運用の仕方によって、従業員の負担になったり、形だけの制度になったりすることがあります。よく見られる理由は次のとおりです。

  • 送付を義務化すると、書くこと自体が負担になりやすい
  • 内容が「ありがとうございます」だけの定型文になり、形骸化する
  • 送る人・受け取る人が一部の社員に偏る
  • 紙の回収や集計、表彰の準備など、運用担当者の手間が増える
  • 効果が見えないまま時間が経ち、施策として続かなくなる

「サンクスカードは気持ち悪い」「苦痛」と感じる人がいるのは、本来は自発的なはずの感謝を会社から求められることへの違和感が大きいようです。公開の場で褒め合う様子が演出のように見えたり、人間関係の距離感に合わないと感じたりするケースもあります。

こうした拒否感の正体や、定着させた企業の対応策は「サンクスカードのデメリットとは?拒否感の正体と、定着させた企業の対応策」で詳しく解説しています。

サンクスカード制度の作り方

サンクスカード制度は、目的を決め、称賛の対象と運用ルールを設計してから始めるのが基本です。ここでは6つのステップに分けて進め方を紹介します。

STEP1 導入目的を決める

最初に「なぜ導入するのか」を言葉にします。目的によって、後のルール設計や確認すべき指標が変わるためです。

目的の例:

  • 感謝を伝える機会を増やしたい
  • 部署間の交流を促したい
  • 行動指針を浸透させたい
  • 日常の貢献を可視化したい

目的は1つに絞る必要はありませんが、優先順位はつけておくと判断がぶれにくくなります。たとえば「部署間の交流」を優先するなら、他部署宛てのメッセージが送りやすい設計を重視する、といった具合です。

STEP2 何を称賛するかを決める

次に、どのような行動を感謝・称賛の対象にするかを決めます。「何でも送ってよい」とすると気軽さは増しますが、何を書けばよいか迷う人も出てきます。

称賛の対象の例:

  • 行動指針の体現
  • 他者への支援
  • 顧客への貢献
  • 業務改善
  • チームへの貢献

行動指針を軸にする場合は、送る際に該当する項目を選べるようにしておくと、後から傾向を振り返りやすくなります。

STEP3 運用ルールを決める

運用ルールは、細かく決めすぎると使いにくくなり、曖昧すぎると現場が迷います。最低限、次の項目は導入前に決めておきましょう。

項目 決めること 検討のポイント
送信の範囲 誰から誰へ送れるか 雇用形態や役職で制限するか、全従業員を対象にするか
公開範囲 当人同士のみか、部署内か、全社か 公開すると貢献が周囲に伝わる一方、見られることに抵抗を感じる人もいる
形式 紙かデジタルか STEP4で検討
投稿内容の扱い 評価や表彰に使うか 使う場合は事前に明示する。使わない場合もその旨を伝える
管理担当者 誰が運用・集計を担うか 担当者1人に負担が集中しない体制にする

STEP4 紙かデジタルかを選ぶ

紙とデジタルのどちらが優れているとは一概に言えません。組織の規模、働き方、拠点の数、従業員が普段使っている端末などによって向き不向きがあります。

対面で働く人が多く拠点も少ない組織なら、手書きのカードを手渡す方式でも無理なく回ります。拠点が分散している、リモート勤務が多い、シフトで顔を合わせにくいといった組織では、デジタルの方が届けやすい場合があります。スマートフォンの利用が制限される製造現場で、休憩時間などに投稿を閲覧する形で運用している例もあります(後述)。

方式ごとの特徴は「紙・デジタル・ピアボーナスの違い」で比較しています。

STEP5 目的と使い方を社内に伝える

制度を用意しても、「なぜやるのか」「何を称賛するのか」が伝わっていないと、現場では「また新しい施策が増えた」と受け止められることがあります。

導入時には、次のような点を説明しておくと、従業員が使い始めやすくなります。

  • 導入の目的と、会社として期待していること
  • 称賛の対象になる行動の例
  • 送り方と公開範囲
  • 評価との関係の有無
  • 送らなくても不利益はないこと(任意参加の場合)

STEP6 利用状況を確認して改善する

運用が始まったら、定期的に利用状況を振り返ります。このとき、送られた枚数だけを成功の指標にしないことがポイントです。枚数を追うと、数を稼ぐための形式的なメッセージが増えやすくなります。

確認する項目の例:

  • 参加率(送った人・受け取った人の割合)
  • 送信者・受信者の偏り
  • 部署をまたいだやりとりの割合
  • 投稿内容(具体的な行動が書かれているか)
  • 行動指針との紐づき
  • 運用担当者や従業員の負担感

数字とあわせて、従業員に使いにくい点を聞く機会を設けると、改善の手がかりが見つかりやすくなります。

サンクスカードを形骸化させないためのポイント

制度を長く続けるには、従業員が「送りたいときに送れる」状態を保ちつつ、偏りや使いにくさを早めに見つけて手を打つことがポイントです。

枚数をノルマにしない

「毎月◯枚」といった枚数目標は、利用を増やす手段として検討されがちですが、形式的なメッセージが増える原因にもなります。利用を促したいときは、枚数を課すよりも、送るきっかけを増やす工夫を優先しましょう。たとえば、プロジェクトの区切りや繁忙期明けに振り返りの場を設ける方法があります。

経営層・管理職も自然なかたちで参加する

現場だけが使い、経営層や管理職がまったく送っていない状態では、制度の本気度が疑われやすくなります。とはいえ、「役員は必ず送る」と義務づけると、今度は上からの形式的なメッセージが並ぶことになりかねません。

管理職自身が、日々の業務で見かけた良い行動を自分の言葉で伝えることから始めるのが自然です。

感謝の理由を具体的に書ける設計にする

「ありがとう!」だけのメッセージでも気持ちは伝わりますが、周囲から見ると何への感謝なのかが分かりません。「何をしてくれて、どう助かったのか」が書けるよう、入力欄やカードの記入項目を工夫すると内容が具体的になりやすくなります。

送受信が一部の社員に偏っていないか確認する

目立つ仕事をしている人や、交流の多い部署にメッセージが集中する可能性があります。裏方の業務やシフト勤務の人、在宅勤務が中心の人に届いているかを確認し、偏りがあれば送りやすい環境づくりを見直しましょう。

運用方法を定期的に見直す

導入時に決めたルールが、組織の変化に合わなくなることもあります。部署の再編や働き方の変化に合わせて、公開範囲や称賛の対象を見直す機会をつくっておくと、制度が古びにくくなります。

サンクスカードの例文

サンクスカードは、「相手の行動」「感謝」「それによってどう助かったか」の3点を入れると、短い文章でも伝わりやすくなります。

同僚へ送る場合

急ぎの見積もり作成を一緒に確認してくれてありがとうございました。数字のずれに気づいてもらえたおかげで、先方に正しい資料を期限内に出せました。

上司へ送る場合

商談前に想定問答の練習につき合っていただき、ありがとうございました。当日は質問に落ち着いて答えられ、次回の提案につながりました。

部下・後輩へ送る場合

新しいメンバーの受け入れ準備を率先して進めてくれてありがとう。マニュアルが整理されていたので、初日からスムーズに業務を説明できました。

他部署へ送る場合

システム障害の際、夜遅くまで復旧対応をしていただきありがとうございました。翌朝には通常どおりお客様対応ができ、問い合わせの増加も抑えられました。

相手別・シーン別の例文は「ありがとうカードとは?メッセージ例文や導入効果、無料のテンプレートを紹介」でまとめて紹介しています。

紙・デジタル・ピアボーナスの違い

紙・デジタル・ピアボーナスは、感謝や称賛を伝え合うという点は共通しており、主に伝え方と付加する仕組みが異なります。自社の働き方や目的に合うものを選ぶのが基本です。

方式 特徴 向いているケース 注意点
紙のサンクスカード 手書きで感謝を伝え、手渡しや回収箱で届ける 対面中心の職場、拠点の少ない組織など 回収・集計に工数がかかる場合がある
デジタルサンクスカード Webツールやアプリ上で送受信する 拠点が分散している、リモート勤務が多い組織など 使い方の周知や、利用定着の設計が必要
ピアボーナス 感謝のメッセージにポイントなどを添えて送り合う 貢献の可視化を仕組みとして運用したい場合 ポイントの原資、付与ルール、交換方法などの制度設計が必要

紙は手書きならではの温かみが伝わりやすい一方、枚数が増えると管理の負担が大きくなりがちです。デジタルは離れた相手にも送りやすく、利用状況を集計しやすい反面、ツールに慣れていない人への配慮が求められます。ピアボーナスはポイントの設計や運用ルールが加わるぶん、導入前に検討する項目が増えます。

ピアボーナスの仕組みや導入時の検討点は「ピアボーナスとは」の記事で詳しく解説しています。

サンクスカードの企業事例

ここでは、感謝・称賛を仕組みとして運用している企業の例を紹介します。3社はいずれも、本メディアを運営するUnipos社が提供するピアボーナス「Unipos」の導入企業です。内容はUnipos社が公開しているプレスリリースと支援事例、各社の公式サイトで確認できる範囲に限って記載しています。

コトヒラ工業:製造現場でも閲覧率8割超、部門間の相互理解が進んだと紹介

課題・背景

コトヒラ工業は長野県に本社を置き、ユニットバスルームパネルなどを手がける製造業で、2025年に設立80周年を迎えました。Unipos社の発表によると、同社には、トップの指示を待つだけの組織では変化に対応できないという危機感がありました。2020年の社長交代を機に「全員で会社を良くしていく経営」への転換を掲げたものの、挑戦文化の醸成に向けて掲げた行動基準が現場に浸透しない、部門間の縦割り化が進み互いの業務を知らない、といった課題を抱えていたとされています。

取り組み内容

人事制度などの「ハード」面の整備に加え、マインドや風土といった「ソフト」面への取り組みとして、感謝・称賛を可視化するUniposを導入しました。行動指針を体現した行動に対して、該当する指針のラベルと称賛メッセージをあわせて送る運用をとっていると紹介されています。

運用方法

製造現場では勤務中のスマートフォン利用が禁止されており、休憩時間や隙間時間に閲覧する習慣が定着したとされています。管理職が部下への指導後のフォローに活用している例も紹介されています。

公式情報で確認できる変化・結果

Unipos社の発表では、導入から1年を経て、毎月8割の閲覧水準を維持しているとしています。このほか、接点の少なかった他部署の動きが見えるようになり、自組織以外の貢献を知る機会が生まれたこと、策定から3年間浸透が進まなかった行動指針が社員にとって身近なものに変化したことが紹介されています。生産性の向上や新商品のアイデア創出は、今後目指すものとして挙げられています。

スマートフォンを勤務中に使えない職場で、閲覧のタイミングを休憩時間などに置いて運用している例です。

(出典:Unipos株式会社 プレスリリース(2026年2月26日)、コトヒラ工業 支援事例)

税理士法人ASC:専門職の「個人商店化」への対応として、感謝とナレッジ共有を全社に公開

課題・背景

税理士法人ASCは、税務・会計の専門家集団です。Unipos社の発表では、士業などの専門職組織は案件ごとに完結しやすく、ノウハウが個人の暗黙知として埋もれる「個人商店化」が課題になりやすいとしています。同法人でも、多忙な業務の中で「自分の仕事さえ終わればいい」という閉鎖的な空気への懸念があったと紹介されています。また、そうした環境が求職者にとって「相談しづらい雰囲気なのではないか」という不安要素になることも懸念されていたとされています。

取り組み内容

2020年9月、パートスタッフを含む全社を対象にUniposを導入しました。一対一のチャットで完結しがちな感謝やナレッジの共有を、全社員が見られるタイムライン上で行う形にしたと紹介されています。

運用方法

支店長などの管理職層が率先して活用しています。受け取った側が返信する仕組みがないため、確定申告などの繁忙期でも返信の負担が生じない点が、運用上の特徴として挙げられています。

公式情報で確認できる変化・結果

Unipos社の発表では、「誰がどの案件に詳しいか」がタイムライン上で可視化され、相談やノウハウ共有が生まれる土壌が整ったとしています。採用面では、面接で求職者から「Uniposとはどのような制度か」という質問が寄せられること、新入社員から「気軽に相談できる雰囲気」を入社動機に挙げる声があることが紹介されています。発表では若手の定着率向上にも触れていますが、定着率の具体的な数値は公式情報では確認できません。

横浜支店長の鵜之沢巧氏は、Uniposを「ゆとり」を維持するための精神的なインフラと位置づけていると述べています。

専門職の組織で、感謝の共有と、誰が何に詳しいかという情報の共有を、同じ公開の場で行っている例です。

(出典:Unipos株式会社 プレスリリース(2026年4月14日)、税理士法人ASC 支援事例)

環協:部署や拠点を越えたコミュニケーションの活性化が紹介された事例

課題・背景

環協は京都に本社を置き、ビル・マンションの保守管理や改修工事を手がける企業です。公式事例によると、グループ会社5社を統合する組織再編の後、コロナ禍も重なり、社内コミュニケーションの希薄化が課題になっていました。他部署に入社した社員の顔や名前が一致しない状況もあり、特に新入社員の成長や定着に課題を感じていたと紹介されています。

取り組み内容

同社は2022年7月にUniposを導入しました。導入準備を進める中で、ツールの利用自体を目的にするのではなく、「どのような組織を目指すのか」を社内で議論し、理想の組織像として「人が成長し続ける会社」を掲げています。

また、2024年4月に新たな行動指針を策定し、行動指針に沿った投稿にハッシュタグを付けるなど、日々の称賛と行動指針を結びつける運用も行っています。

運用方法

各課に1名ずつアンバサダーを置き、社内報や表彰制度も組み合わせて活用を促しています。投稿を増やすことだけを目的にするのではなく、組織について話し合うきっかけとして運用している点も紹介されています。

公式情報で確認できる変化・結果

公式事例では、部署や拠点を越えたコミュニケーションが活性化したことや、導入をきっかけに人や組織について議論する機会が増えたことが紹介されています。

社員へのインタビューでは、他拠点のメンバーと話しやすくなったことや、部署をまたいだ協働・意見交換がしやすくなったといった変化も語られています。

また、同社の担当者は、仕事を一人で抱えずチームで分担する動きが増え、「生産性向上や残業時間の平準化にもつながっている」と述べています。ただし、これらを示す具体的な数値は公式事例では公表されていません。

(出典:環協 支援事例)

サンクスカードとUnipos

Unipos(ユニポス)は、本メディアの運営会社であるUnipos社が提供するピアボーナスのサービスです。従業員同士が感謝や称賛のメッセージを送り合い、日常の貢献や行動を可視化する仕組みの一つにあたります。

紙やほかのデジタルツールと同様に、導入の目的や運用ルールの設計、運用後の見直しは導入企業側で行う必要があります。サービスの詳細はUnipos公式サイトで確認できます。

サンクスカードに関するよくある質問

サンクスカードとありがとうカードの違いは?

呼び方の違いで、仕組みは基本的に同じです。どちらも従業員同士で感謝や称賛を伝え合う制度を指し、社内でどの名称を使うかは企業ごとに決めています。

サンクスカードには何を書けばいい?

相手の具体的な行動と、それによって自分やチームがどう助かったかを書くと伝わりやすくなります。長い文章である必要はなく、何に対する感謝かが分かれば十分です。

サンクスカードを強制すると逆効果になる?

枚数のノルマや送信の義務づけは、形式的なメッセージが増えたり、負担感から反発が生まれたりする原因になりやすいです。参加を促したい場合は、目的の説明や書きやすい仕組みづくりなど、送りたくなる環境を整える方向で考えましょう。

紙とデジタルはどちらがいい?

どちらが優れているとは一概に言えません。対面中心で拠点の少ない組織は紙でも運用しやすく、拠点が分かれている組織やリモート勤務が多い組織はデジタルのほうが届けやすい傾向があります。費用や集計の手間、従業員の端末環境も含めて判断します。

サンクスカードの効果はどう測ればいい?

枚数だけで判断せず、参加率、送受信の偏り、部署をまたいだやりとりの割合、投稿内容と行動指針の結びつきなどを組み合わせて見ます。エンゲージメント調査を行っている場合は導入前後の変化も参考になりますが、スコアの変化をサンクスカードだけの成果と結論づけないよう注意しましょう。

まとめ

  • サンクスカードは「ありがとうカード」とも呼ばれ、呼び方が違っても基本的には同じ仕組みです。
  • 従業員同士で感謝や称賛を伝え合い、日常の貢献を周囲に見えるようにする制度です。
  • 導入前に目的を決め、何を称賛するか、どう運用するかを設計してから始めます。
  • 枚数のノルマや送信の強制は避け、送りたいときに送れる状態を保ちます。
  • 運用を始めたあとも、参加の偏りや利用状況を確認し、ルールを見直していきます。