サンクスカードとは?企業が導入する目的やメリット、事例を紹介

近年、組織の称賛文化の醸成やコミュニケーションの活性化を目的に、「サンクスカード」への注目が集まっています。

しかし、サンクスカードを導入し定着させるためには、デメリットや失敗しないコツについても理解しておく必要があるでしょう。

この記事では、サンクスカードの目的やメリット・デメリット、運用方法などについて解説します。紙とWeb・アプリそれぞれの運用について、サンクスカード導入事例とともに、ぜひ参考にしてください。

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1.サンクスカードとは?

ビジネス領域で導入されている「サンクスカード」とは、従業員同士が、お互いに感謝の気持ちを伝え合う際に用いられるカードです。

「昨日は、私の作業を手伝っていただきありがとうございました。」
「まとめてくれた資料のおかげで、お客様からお褒めの言葉をいただきました!」

などと、感謝の気持ちを伝えることで、伝える側の従業員も受け取る側の従業員も、ポジティブな気持ちになれます。

サンクスカードは「ありがとうカード」と呼ばれることもあり、組織内のコミュニケーションを活性化させる施策として、日本でも各業界の有名企業が導入し話題となっています。

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2.サンクスカードの目的や効果、導入するメリット

まずは、サンクスカードの目的や効果、導入するメリットについてご説明します。

2−1.企業がサンクスカードを導入する目的や効果

企業がサンクスカードを導入する目的・効果は、大きく分けて2つです。ここでは、それぞれの目的・効果についてご紹介します。

2−1−1.称賛文化の醸成

サンクスカードを導入することで、相手を褒めたり、ねぎらったりすることが「当たり前」になっていきます。すると、組織には称賛文化が醸成されていくでしょう。

称賛文化が醸成されることは、組織の「心理的安全性」の醸成にもつながります。

心理的安全性が醸成されれば、従業員一人ひとりが、拒絶される不安なく自分の意見を言えたり、自信を持って自分なりの行動がとれたりするでしょう。

2−1−2.部署や役職を超えたコミュニケーション

チーム内や部署内では、これまでも感謝を伝える場面はあったかもしれません。

しかし、サンクスカードを導入すれば、部署や役職に限定されず、サンクスカードを通じたコミュニケーションが生まれます。

横のつながりや縦のつながりが強化され、組織全体の雰囲気が良くなるでしょう。

2−2.企業がサンクスカードを導入するメリット

称賛文化の醸成や、部署や役職を超えたコミュニケーションの活性化といった目的で導入されるサンクスカードですが、実際に導入するとさまざまなメリットが得られます。

ここでは、3つのメリットについてそれぞれ見ていきましょう。

2−2−1.従業員間のコミュニケーションが活性化する

サンクスカード導入の最大のメリットともいえるのが、従業員間のコミュニケーションの活性化です。

部署や役職にとらわれず、「感謝」をお互いに認識し合うという、ポジティブなコミュニケーションが生まれるでしょう。

また、組織内でそれぞれのサンクスカードの内容を共有すれば、まだ直接コミュニケーションをとったことがないメンバーへの理解も深められ、次の会話のきっかけにもなります。

垣根を超えた従業員間のコミュニケーションが活性化することで、チームワークも強化されていくでしょう。

2−2−2.従業員のモチベーションが向上する

たとえ普段から行っている小さな行動・発言でも、相手にとっては大きなサポートになっている場合もあります。

そのような行動や発言に対して、サンクスカードという目に見える形で感謝やねぎらいを受けることで、従業員のモチベーションは向上するでしょう。

また、サンクスカードがあれば、自分の頑張りを認めてもらえる機会が増えるため、自己肯定感も高められると考えられます。

2−2−3.人材定着を促進できる

サンクスカードによって組織全体のコミュニケーションが活性化し、従業員一人ひとりのモチベーションが向上すれば、自ずと組織の雰囲気は良くなっているはずです。

組織の雰囲気が良くなれば、従業員の離職を防止することにもつながるでしょう。

日々の業務が忙しいなか、サンクスカードの導入は多少なりとも負担になるかもしれませんが、結果的に人材定着の促進という大きなメリットが期待できるのです。

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3.サンクスカードのデメリット

組織にとっても、従業員一人ひとりにとってもメリットがあるサンクスカードですが、「苦痛」「気持ち悪い」という声が一定数あるのも事実です。

特に、もともとコミュニケーションが苦手な方にとっては、サンクスカードを贈ること自体がノルマのように感じてしまいます。

サンクスカードを贈る相手を決めなければならない、今週は何枚書かなければならない、サンクスカードに書く内容を決めなければならないなどと、苦痛に感じてしまうかもしれません。

それ以外にも、「どのような内容を書けばいいのか考えるのに時間がかかる」「感謝の気持ちを伝えるのも伝えられるのも、慣れていないので気持ち悪い」など、サンクスカードを苦痛・気持ち悪いと感じるさまざまな意見が存在するようです。

サンクスカードのデメリットについてのさらに詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください。

サンクスカード4つのデメリット|導入時のポイントと注意点を紹介

4.サンクスカードの運用方法と定着させるコツ

サンクスカードを導入しても、定着しなければ意味がありません。ここでは、紙でやり取りするサンクスカードの運用方法と、定着させるコツについて詳しくご説明します。

4−1.サンクスカードの運用方法・ルール

まずは、紙でやり取りするサンクスカードの運用方法やルールについて、4つのステップを押さえましょう。

​​4−1−1. 集計日の設定

従業員一人ひとりが作成したサンクスカードを集計するため、毎月の集計日を設定しましょう。一般的なケースでは、毎月月末を集計日とし、その月の1日から末日までに作成されたサンクスカードを集計することが多いようです。

4−1−2. 目標枚数の設定

もちろん、自発的に何枚もサンクスカードを作成できれば望ましいですが、全員がそのようにはいきません。制度として定着させるためには、目標枚数の設定が必要でしょう。

とはいえ、従業員のノルマになってしまっては、組織内の雰囲気は良くなるどころか悪化してしまいます。

例えば、週2枚換算で月8枚など、それぞれの組織にあわせ、負担のない範囲内で目標枚数を設定してください。

4−1−3. 組織内での共有

サンクスカードは1対1のコミュニケーションではありますが、当事者間だけでなく、ほかのメンバーとも共有することが大切です。

サンクスカードを導入するメリットでもお伝えしたように、サンクスカードの内容を組織内で共有することで、直接関わりのなかったメンバーへの理解も深められ、次に会話が生まれるきっかけにもなります。

また、あらかじめ従業員に周知のうえ、誰でも見ることができる場所にサンクスカードを掲示すれば、モチベーションアップにもつながるでしょう。

4−1−4. 制度の見直し

サンクスカードを導入したら、定着するよう定期的な制度の見直しが必要です。サンクスカードの利用状況を確認し、従業員の負担は大きくなっていないか、期待する効果を得られているかをモニタリングしていきましょう。

4−2.サンクスカードの例文

「サンクスカードに、どのようなことを書けば良いのかわからない」という方は多くいるようです

ここでは、サンクスカードの例文を簡単にご紹介しますので、参考にしてみてください。

・「昨日は、私の作業を手伝っていただきありがとうございました。とても助かりました。」

・「まとめてくれた資料のおかげで、お客様からお褒めの言葉をいただきました!」

・「◯◯さんが教えてくれた方法で試してみたら、不具合を解消できました。感謝しています。」

・「先日は丁寧に教えてくださりありがとうございました。おかげで◯◯が達成できました!」

・「遅くまでサポートしていただきありがとうございます。自分で少しずつできるようになりました。」

・「何気なく言ってくれた意見が、自分では思いつかない観点で、とても参考になりました。」

4−3.サンクスカードを定着させるコツ

サンクスカードを定着させるためには、大きく分けて2つのコツがあります。それぞれのコツについて理解しておきましょう。

4−3−1.経営層やリーダー層から積極的に活用する

サンクスカードの導入当初は、従業員にとってイメージが湧きにくく、気恥ずかしさもあるでしょう。

そのため、サンクスカードの活用を従業員に丸投げしただけでは、定着させるのは難しいといえます。

まずは、経営層やリーダー層、もしくはサンクスカードの導入推進者が、実際に活用している場面を見せることが大切です。そうすることで、従業員も活用イメージが湧き、徐々に活用するようになるでしょう。

4−3−2.従業員の負担を減らす工夫をする

サンクスカードの導入での課題は、従業員の負担をいかに減らすかということです。

導入したばかりの段階では、何か凝った内容を書かなければいけないのでは?と感じてしまう方も多いでしょう。

サンクスカードを定着させるためには、どのような内容でも、どんなに些細なことでも、内容にこだわらず贈り合うことが大切です。その点を周知したうえで、見本となる経営層やリーダー層がサンクスカードを活用する際にも、些細な内容を心掛けるとよいでしょう。

サンクスカードを書くこと自体に慣れるまでは、ハードルを下げて利用率を高められるようにしてください。

また、負担を減らすという点では、手書きや手渡しという方法ではなく、サンクスカードをWebやアプリで運用する方法もあります。

パソコンやスマートフォンからであれば、いつでも簡単に・気軽に作成して贈ることができるだけでなく、他のメンバーとの共有もしやすいでしょう。

Webやアプリでの運用方法は、次の見出しで詳しくご説明します。

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5.Webやアプリでもサンクスカードは運用できる

紙で運用する負担を減らすため、Webやアプリでサンクスカードを導入する企業が増えてきています。

ここまでご説明してきたように、サンクスカードを紙で運用する方法は、導入自体は手軽ではあるものの、サンクスカードを書くこと・集計すること・共有することなどの観点から利便性が低く、定着しにくいと考えられるからです。

Webやアプリであれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、いつでもどこからでも利用できるため、サンクスカードに対するハードルをさらに低くできるでしょう。

Webやアプリでの運用に興味がある方には、「Unipos(ユニポス)」というサービスがおすすめです。

Unipos(ユニポス)では、インターネット上で従業員が感謝のメッセージを送りあえるだけでなく、ポイントを贈りあえたり、他のメンバー同士のメッセージに共感する「拍手ボタン」を押せたりと、利用を促進・定着させるための仕掛けが盛り込まれています。

また、投稿されるデータをもとに組織の現状をレポート化してくれるため、組織改善にも大いに役立つでしょう。

Unipos(ユニポス)についてのさらに詳しい説明は、こちらの記事をぜひご覧ください。

参考:サンクスカードアプリで社内の活性化を!導入ステップ、事例を紹介

6.サンクスカード導入事例

ここから、実際にサンクスカードを導入し、良い効果やメリットを組織にもたらすことができた3社の事例をご紹介します。

6−1.株式会社メルカリ

メルカリでは、前述したUnipos(ユニポス)のサービスを利用し、「mertip (メルチップ)」を運営しています。

メルチップとは、日常的に発生しているものの、見落とされやすい出来事に対して、気軽に感謝の気持ちを表せる仕組みです。

従業員同士でリアルタイムに感謝しあいながら、インセンティブとして一定の金額を贈り合うことができます。

メルカリでは、元々四半期ごとにサンクスカードを贈り合う文化がありましたが、より気軽に、リアルタイムで賞賛し合うためにメルチップを導入したそうです。

従業員の満足度が高いだけでなく、今まで見えにくかったメンバーの仕事ぶりにも目が届くようになり、組織にもプラスの効果がありました。

参考:贈りあえるピアボーナス(成果給)制度『mertip(メルチップ)』を導入しました。 | mercan (メルカン)(https://mercan.mercari.com/articles/2017-10-24-151523/)

6−2.ザ・リッツ・カールトン東京

ザ・リッツ・カールトン東京では、「ファーストクラス・カード」として、サンクスカードを導入しています。

繁忙期には、自分の業務だけではなく、例えばドアマンがベルボーイを手伝うなど、協力して業務をこなします。

リッツ・カールトンでは、そのような場面で、手伝ってもらった従業員から手伝ってくれた従業員に対してファーストクラス・カードを渡します。ファーストクラス・カードには「あなたはファーストクラス(最高)だ」という意味が込められており、モチベーションの向上につながっています。

そして、何より特徴的なのが、このファーストクラス・カードは人事考査でも参考資料になるという点です。

手伝ったことも、感謝したことも、人事考査にプラスとなるため、称賛文化の醸成がなされやすいといえるでしょう。

参考:社員同士で感謝を伝え合うザ・リッツ・カールトンのファーストクラスカード 離職率を減らす・改善する!社員のやる気を引き出す社内制度(https://www.president-school.com/ritzcarlton-appreciation/)

参考:褒める、励ますはリーダーだけの仕事か?――モチベーション向上の秘策(https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0710/11/news088_2.html)

6−3.日本航空株式会社(JAL)

日本航空では、称賛文化を醸成する目的で「Thanks card」を導入しています。

2006年4月に導入されたThanks cardは、定着に伴い従業員の喜びの声が至る所で聞こえるようになったといいます。日本航空の特徴は、「やらされ感」をなくすために業務命令はせず、あくまで趣旨に賛同してくれた部署に口コミで広げていったそうです。

カードを贈りあう条件もルール化せずに、一人ひとりが自由に仲間の行動に対して感謝の気持ちを伝えることで、組織の活性化が図られました。

従業員間の連帯感の醸成と良好なコミュニケーションを確保した事例といえます。

参考:褒める企業文化の醸成 | CSR情報 | JAL企業サイト(https://www.jal.com/ja/csr/iso/corporate_culture.html)

参考:手書きカードで現場が讃え合う、風土醸成の鍵は照れや押しつけ感の払拭(https://xtech.nikkei.com/it/article/JIREI/20080130/292399/)

7.サンクスカード導入で失敗しないコツ

最後に、サンクスカードの導入にあたり、失敗しないためのコツについてご説明します。

7−1.紙、Web両者に共通して言えるコツ

紙とWeb、どちらの運用であっても大切なのが、「気づいたらすぐに書く」ことです。

感謝する出来事が生じて長期間経ってからサンクスカードを書くのでは、サンクスカードを書く側も受け取る側も記憶が薄れ、せっかくの感謝の言葉に対する熱量は下がってしまうでしょう。

また、気づいたらすぐに書くという習慣がつかなければ、サンクスカード自体が定着しにくくなってしまいます。

サンクスカードを贈り合う従業員本人のためにも、組織のためにも、サンクスカードの「即時性」を意識することが欠かせません。

7−2.紙、Web個別で気をつけるべきこと

前述したとおり、紙で運用した場合、サンクスカードを書くこと・集計すること・共有することなどの観点から利便性が低く、途中で行き詰まる可能性があります。

特に、従業員数の多い企業は、必然的にサンクスカードの数が増えるため、集計に時間がかかり、運用側の負担も増えるでしょう。

そのような負担をできるだけ減らすために、サンクスカードの運用上の取り扱いを明確にしておくなど、混乱を生じさせない工夫が求められます。

一方、Webやアプリでサンクスカードを運用する場合には、そもそもどのようなサービスを利用するか、慎重に判断する必要があります。

単に便利だからというだけではなく、自社に適したサービスはどれか、費用対効果は問題ないかを考えてから導入しましょう。

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8.まとめ

今回の記事では、「サンクスカード」について、企業が導入する目的やメリット、導入事例などを中心にを解説しました。

改めて、記事の内容について振り返ってみましょう。

・サンクスカードとは、お互いに感謝の気持ちを伝え合う際に用いられるカード

・企業がサンクスカードを導入する目的や効果は、以下の2つ

 ・称賛文化の醸成

 ・部署や役職を超えたコミュニケーション

・企業がサンクスカードを導入するメリットは、以下の3つ

 ・従業員間のコミュニケーションが活性化する

 ・従業員のモチベーションが向上する

 ・人材定着を促進できる

・サンクスカードには、「苦手」「気持ち悪い」という声も一定数ある

・サンクスカードを運用する4つのステップは、以下のとおり

 ・集計日の設定

 ・目標枚数の設定

 ・組織内での共有

 ・制度の見直し

・サンクスカードを定着させるコツは、以下の2つ

 ・経営層やリーダー層から積極的に活用する

 ・従業員の負担を減らす工夫をする

・Webやアプリでもサンクスカードは運用可能

 ・クラウド型サンクスカード「Unipos(ユニポス)」

・サンクスカードの導入事例

 ・株式会社メルカリ

 ・ザ・リッツ・カールトン東京

 ・日本航空株式会社

・サンクスカード導入で失敗しないコツは、以下のとおり

 ・紙、Web両者に共通して言えるコツは、気づいたらすぐに書くこと

 ・紙の場合、負担を減らす・混乱を生じさせない工夫をすること

 ・Webやアプリの場合、導入するサービスを慎重に検討すること

この記事が、サンクスカード導入・定着の参考になれば幸いです。

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