離職率28%から4%へ サイボウズはいかにして“共創する組織”をつくり上げたのか

・2020年11月26日開催

・タイトル:「ー離職率28%から4%へ。サイボウズ人事トップの中根氏が語るー 「バラバラ組織」から「共創する組織」への転換法」

・登壇:サイボウズ株式会社 執行役員 人事本部長兼法務統制本部長 中根 弓佳氏、Fringe81株式会社 執行役員 兼 Uniposカンパニー社長 斉藤知明

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「以前よりもコミュニケーションが取りにくくなった」

「出社が減って企業文化や理念を伝えることが難しくなった」

コロナ禍を経て、組織状態の悪化に危機感を募らせている経営者も多いのではないでしょうか。様々な変化が訪れるVUCAの時代において、組織の分断を放置しておくことは非常に大きなリスクになります。

バラバラな組織をチームワークにあふれる組織に変えていくためには、何をするべきなのでしょうか。

今回、11月26日にUniposウェビナー「ー離職率28%から4%へ。サイボウズ人事トップの中根氏が語るー 「バラバラ組織」から「共創する組織」への転換法」を開催。サイボウズ株式会社 執行役員 人事本部長兼法務統制本部長 中根 弓佳氏をゲストにお招きし、過去に様々な課題を抱えバラバラになりかけていたサイボウズが、チームワーク溢れる組織に変わるまでのリアルな変遷を紐解きました。

働き方を変えたのではなく、選択肢を増やした

サイボウズといえば従業員一人ひとりが自立し、互いの個性を尊重しながら高いチームワークを発揮して業績を高めている企業というイメージを持っている方が多いでしょう。

中根 弓佳氏は、そんなサイボウズならではの働き方を体現している人物といえます。サイボウズの執行役員 人事本部長兼法務統制本部長という立場にありながら、地域貢献活動に従事し、B.LEAGUEの理事も務めており、2人のお子さんを抱える親としての一面も持っています。

理想的にも思える働き方を実現しているサイボウズですが、中根氏は「働き方改革をした覚えはない」と言います。

やったことは、“選択肢を増やすこと”です。一人ひとりの要望に応えることで、結果として働き方の選択肢が増えていったのです」(中根氏)

意外に思えるかもしれませんが、かつてのサイボウズは今とはまったく異なる組織風土だったといいます。

サイボウズが創業したのは1997年。3名でのスタートでした。インターネットの発展と共に急成長を続けた同社ですが、2005年頃になって歪みが現れ始めます。事業は成長を続けていましたが、一方で離職率が28%に達しており、人材採用や定着に課題を抱えていたのです。

同社はまた、ちょうど同時期に事業の面でも転換期を迎えていました。積極的にM&Aを行い、企業規模を拡大していくなかで、あらためて「サイボウズとして本当にやりたいことは何なのか?」を考えたといいます。

社内で話し合いを続けた結果、「グループウェアでお客さまのチームワークに貢献できることこそが喜びである」というもともとの存在意義に立ち返った同社は、それまでの急拡大路線から一転、事業を整理して大きく方向を転換していきました。

「理想を大事にしようと決めた2007年。ここからサイボウズの挑戦が始まりました。働き方の選択肢を増やし、会社の風土づくりを行っていきました」(中根氏)

具体的に行った改革は次のようなものです。

まず、働く時間や場所について多様性を取り入れました。短時間勤務や週3勤務、リモートワークなど、従業員がそれぞれの都合に合わせて働き方を選べるウルトラワーク制度を導入しました。

さらに子供連れでの出勤を認める制度や、最大6年の育児休暇制度を導入。出産が働くことの妨げにならないよう仕組みを作っていったそうです。

多様性を尊重した結果、離職率も大幅に改善

今でこそ多くの企業が認めている副業ですが、サイボウズは早くから従業員に副業を認めていました。また、一度会社を辞めても再び入社することが可能な”育自分休暇”を導入するなど、斬新な取り組みを次々に実施していきました。

中根氏はさらに、社内においても新たな試みを取り入れていったといいます。たとえば社内勉強会を応援するプラットフォームとして自主参加が可能な勉強会ポータルを立ち上げたり、従業員が自由に作れる部活動に手当を出したり、仕事について語れる「仕事Bar」を社内に設けたりしています。

この他にも従業員が少しでも働きやすくなる制度をどんどん生み出していった結果、課題だった離職率は現在わずか4%程度にまで減少。業務改善も進み、売上高も年々上昇していったといいます。

働き方改革が業績に与える影響を気にする経営者は少なくありませんが、中根氏は「働き方を多様化することで売上が下がることはありません」と断言します。

「“100人いれば、100通りの働き方や制度があってよい”というのがサイボウズの人事制度の方針です。表面的な多様性ではなく、内面の多様性に目を向けることが重要です」(中根氏)

このように働き方の多様化が進むと、よく質問されるのが「それってチームの状態がカオスになりませんか?」ということなのだとか。たしかに人によって働き方がまったく異なると、チームとしてのまとまりがなくなるのではと心配する人は多そうです。

中根氏はこの問いに「カオスになります」と答えつつ、次のように続けます。

「ビジネスは個人戦ではなくチーム戦です。チームで一番大事なのは“共通の理想”を持つこと。その上で仲間との信頼関係を作り、情報をオープンにして議論し、実行していくことができれば、必ず結果は出ます」(中根氏)

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ハレーションが起きたときは“チームの理想”に立ち戻る

中根氏の話を受けて、斉藤は「チームワークの重要性」に深く同意しつつも、「チームワークを作るのは大変。経営として何を重視しているのか」という質問を投げかけました。

斉藤の問いに中根氏は「私が目指す組織に上司と部下といった上下関係はない」とした上で、「マネジメントとは役割に過ぎない。それぞれの役割をオープンにして議論していけばいい」と自らの考えを述べました。

また、「これから迎えるVUCAの時代では、一人にすべての情報を集めて意思決定できるものではない」と指摘し、「私は人事本部長として責任も権限も持っているが、とはいえ知り得る情報には限りがあり、すべての意思決定を一人ではできない。(だからこそ)私が考えていることを関係者にも知ってもらって、意見を聞かせてほしい。その中で私は自分で責任を取れる決定をしたい」と語りました。

中根氏の言葉に斉藤は強く同意を示し、「上司が部下を評価する以上、どうしても上下関係は生まれるが、(中根氏は)そのなかで対等であり続ける努力をされている」と称賛しました。

もっとも、中根氏もすべての施策を成功させてきたわけではないといいます。

「やってみて失敗することもあります。失敗に対しては“それは良くない”と率直に言ってほしいし、言ってもらえたら感謝の気持ちを伝えて改善していけばいいんです」(中根氏)

さらに、中根氏は「改革の中でハレーションも経験してきた」と語り、「そうしたときは常に、“私たちは何のためにあるのか”というチームの理想に立ち戻ることが重要」だとアドバイス。

加えて、ハレーションの発生を抑えてチーム内でのバランスを取るための手段の一つが「給与」だと説明します。

「たとえば副業をしたいからサイボウズへのコミットは半分に減らしたいという人がいたとします。それを無条件に良しとすると、あらゆる不都合がおきたりバランスが崩れたりします。そこは変化に合わせて業務や給与を調整します。サイボウズへのコミットが半分になるとチームへの貢献が変わるわけですが、バランスのよいマッチングを探れば、ハレーションは減らせます。」(中根氏)

* * *

サイボウズの働き方改革は、IT業界での代表的な成功事例としていろいろな場所で語られています。従業員の希望する働き方を最大限尊重し、それでいて組織のチームワークが壊れることもなく、売上も右肩上がりで伸びている同社の姿はVUCA時代の一つの理想形にも思えます。

しかし、サイボウズも最初からいきなり理想にたどり着いたわけではなく、改革の裏には様々な試行錯誤と挑戦がありました。

これからの組織と個人の関係性、働き方を模索している企業にとって、今回のウェビナーは大いに実りのある時間になったのではないでしょうか。

登壇者プロフィール

サイボウズ株式会社 執行役員 人事本部長兼法務統制本部長 中根 弓佳氏
1999年、慶応義塾大学(法学部法律学科)卒業後、関西の大手エネルギー会社に入社。2001年、サイボウズ株式会社に入社。知財法務部門にて著作権訴訟対応、契約、経営、M&A法務を行った後、人事においても制度策定や採用を中心とした業務に従事。
法務部長、事業支援本部副本部長を歴任し、財務経理などを含め、これら全般を担当する事業支援本部長に就任。2014年 8月より執行役員、2019年1月より人事本部長 兼 法務統制本部長(現任)。

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働く仲間同士、異なる部門同士、企業と個人が相互理解を深めたら、組織はもっと強くなる。「あなたの組織を一歩前へ進めるUniposウェビナー」は、変化に対応できる強くしなやかな組織をつくるためのウェビナー。コロナ危機をきっかけに2020年5月開始し、毎回数百名の方にご参加いただいています。

組織課題解決やSDGsのプロ、識者、実践者を毎回ゲストにお呼びし、予測不可能な時代を生き抜く組織のあり方を共に考え、実践のヒントをお伝えします。みなさまお誘い合わせの上、お気軽にご参加下さいませ。

 

▼過去ウェビナー参加者様の実際の声

「経営陣や上層部に対してのアプローチに悩みを持っておりましたが、今回の講演で素敵なヒントをいただくことができました。どうもありがとうございました。​」

「今まで何度か同テーマのセミナーに参加しましたが、​一番腑に落ちる内容が多いセミナーでした。 ​又、参加させて頂きたく思います。」​

「いまプロジェクトを担当していますので本当に助かりました。」​

「いくつものヒントをいただけて、同じように悩んでいる方が大勢いることもわかりました。今は、さぁどこから手をつけようか、と前向きに考えています。」​

「目から鱗で感動しました。」​

 

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