人材育成で重要な目標設定 具体例と目標設定の方法、運用のコツを紹介!

目標設定とその管理について、難しく感じたり、本当にそれが正しいのか迷いを感じている管理職の方は多いのではないでしょうか。

また、目標の重要性は認識しつつも、メンバー1人1人に短いサイクルで設定・フィードバックをしなければならない状況では、工数の多さに苦労してしまう場合もあるでしょう。

今回の記事では、そんな目標設定と管理・運用の方法について詳しくご紹介します。

そもそもなぜ目標設定が重要なのかを再確認し、目標設定の方法、管理方法を具体例を交えて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

きっとより効率的で効果的なマネジメント実践のヒントを発見できるはずです。

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1.人材育成に目標設定が重要な理由

ここではまず、目標設定が重要な理由について解説していきますが、その前に“そもそも人材育成とはどういうものなのか”を、改めて確認していきましょう。

1-1.企業における人材育成とは?

企業における人材育成とは、その企業を成長させ、競争に生き残り、企業が掲げるヴィジョンやゴールを達成するために行われるものです。

人材育成は、上司が部下に「教える」という手段のみに限らず、育成対象者に実際に課題や環境を与え、試行錯誤しながら実践していってもらうことで成長を促します。

そして企業の目的を実現するには、ただ単に個々がスキルアップをするだけでは足りません。

会社の課題を自身の課題として考えられるような主体性、企業内で自身の役割を積極的に果たす自立性など、会社への貢献とセルフマネジメント力も同時に育てていく必要があります。

セルフマネジメント力は、身に付けておくとチームや部門などをマネジメントする立場になった時にも応用できるので、管理職としての能力にもプラスに働くことでしょう。

このように企業における人材育成とは、企業の目的を果たすため、1人ひとりが成長できる環境を用意し、企業の求めるスキルと同時にメンタルやマネジメント力を鍛える、というものになります。

また、今のような変化の激しい時代に求められる自ビジネス人材について、済産業省がレポートをまとめています。

そこでは、

  • 経営人材
  • グローバル人材
  • イノベーター

などが挙げられ、それらの人材が活躍するための組織体制の在り方として

  • 適材適所(再配置・再教育)
  • 多様化への対応
  • 自立、主体性

多様な人材がそれぞれの特徴に見合った環境で、自分らしく活躍できる場を用意することが大切であると書かれています。

参考:「経済産業省 変革の時代における人材競争力強化のための9つの提言」(https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/jinzai_management/pdf/20190326_01.pdf

1-2.人材育成には正しい目標設定が必須

人材育成には、個々が成長できる環境を用意する必要があると書きましたが、その際最も重要と言っても過言ではないのが、目標設定です。

目標設定の効果は、あらゆる研究の中で実証されています。

有名な例を挙げると、ハーバード大学のMBA取得者の内、目標を持っていた13%の人は、全く目標を持っていなかった84%と比較して10年後に2倍の収入を得ていたことが分かっています。

また、Googleの「効果的なチームを可能とする条件は何か」ということを検証するためのプロジェクトチームの研究によると、効果的なチームには明確な役割、計画、目標が必要だということも明らかになっています。

目標設定がなぜ効果的かというと、2つか理由があり、1つはゴールが明確になるということです。

目的地があるからこそどこかに出かけたり旅をしたりと行動を起こすことができます。

ゴールがあることで、単純ではありますが、そこを目指すことができ、目指すための行動をとるエネルギーの源にもなります。

目標設定が効果的な2つ目の理由は、目標と現状のギャップを作ることができるという点です。

ギャップができることのメリットは、目標に到達すために何が必要になるかが明確になるという点です。

それらが見えることで、目標に到達するための道のりが逆算的にわかるようになり、階段を登るように目標に到達しやすくなります。

これらの効果がより得られるような、正しい目標設定の必須要素も2つあります。

1つは、明確な目標設定をするという点です。明確とは、定量的もしくは状態を表すものです。

例えば、「100万円の売上を達成する」が明確な定量的な目標例になり、状態を表す目標は、「〇〇システムを導入して稼働する」というようなものになります。

いずれも達成されたかどうかがはっきりします。

ただ、これだけでは不十分で、目標設定に必要なもう1つの要素である、期間の設定が必要です。

先ほどの例に期間を付け足すと、「月内に100万円の売上を達成する」「年内に〇〇システムを導入して稼働する」という形になり、この2つの要素を満たすものが正しい目標設定であり、目標設定の効果を最大限に享受することができます。

参考:「Sid Savara Why 3% of Harvard MBAs Make Ten Times as Much as the Other 97% Combined」(https://sidsavara.com/why-3-of-harvard-mbas-make-ten-times-as-much-as-the-other-97-combined/

参考:「Google 「効果的なチームとは何か」を知る」(https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction/

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2.人材育成を成功させる目標設定方法と注意点

では、具体的にどのように目標設定をすればいいのでしょうか?

具体的な方法と注意点を見ていきましょう。

2-1.上位目標を確認する

企業の目標設定であれば、それは組織の目指す最終ゴールにに沿ったものでなければなりません。

例えば、部門の目標であれば、企業として掲げるゴールを実現するために部門として何ができるかということから考え、チームであれば部門や事業部の目標から、個人であればチームの目標から、というように、上位目標からそれぞれの具体的な目標に落とし込むようにしましょう。

このステップから行わなければ、組織全体がバラバラの方向を向いてしまう可能性があり、組織全体の推進力を失ってしまいます。

また、個人として成長したとしても、企業が望んでいない、役割にそぐわないスキルや能力が伸びたりする可能性もあり、個人と企業の間にミスマッチが起きる原因にもなります。

まず、ベクトルを合わせることからやっていきましょう。

2-2.自己分析を行う

企業における人材育成とは?のところで解説したように、能力やスキルをあげるだけではなく、主体性や自立性、マネジメント能力も同時に成長させる必要があります。

そう考えると、ただ企業や上司から与えられた目標を目指すのでは意味がなく、自分自身で進みたい方向性を設定し、それを企業とすり合わせることが重要になってきます。

そのような個々の目標設定を考えるためには、自分自身がどういう特徴があるのかを明確にしておくことが必要です。

例えば、「やりたいこと」「できること」「求められていること」を洗い出すというのはおススメの方法の1つです。

それらを整理し自己分析することで、自分自身の目指したい目標がより明確になりますし、企業や上司もそれらが整理された状態であれば目標のすり合わせが行いやすくなります。

2-3.長期的な目標を設定する

最低でも1年後のあるべき姿や、1年間の定量目標のような、長期的な目標から設定しましょう。

短い期間の目標から設定すると、思考が近視眼的になり、その短い期間が終わるたびにまた0から目標を考えるということになってしまいます。

これでは目標設定の負担も増え、目標が単なるノルマと化す可能性が高まり、目標達成を目指すストレスも増大してしまいます。

2-4.長期目標からスモールゴールを設定する

逆に長期的な目標だけでは不十分で、長期的な目標を細分化したスモールゴールを設定します。

スモールゴールの効果は、長期的な目標の達成状況を途中で確認できるところにあります。

パーキンソンの法則をご存じでしょうか?

人は、期日いっぱいを使って仕事を完成させるという法則ですが、長期的な目標だけでは「まだ目標の期限まで余裕があるな」となって、結果推進力が発揮されず、期日ギリギリの行動になってしまう傾向があります。

つまり、長期的な目標だけではその期間の長さが仇となり、目標の進捗が遅れ気味になってしまう傾向があり、結果的に達成できない可能性も高くなってしまいます。

そのような状況を回避するために、短いサイクルでの目標を設定することで、長期目標の達成確率があがります。

また、途中経過を確認することで、以後のスモールゴールの調整も行うことができるというメリットもあります。

そしてスモールゴールのもう1つのメリットは、成功体験を積み重ねやすくなるという点です。

成功体験は、次の目標への意欲や行動を加速させることに役立つため、管理できる範囲でできるだけ細かく目標設定をするようにしましょう。

参考:「グロービズ経営大学院 パーキンソンの法則とは・意味」(https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-19697.html

2-5.計画に落とし込む

スモールゴールまで設定したら、それをどのように達成するのかという計画を立てます。

例えば、売上目標を設定したのであれば、どの顧客からいくら売上を上げるのか、商談を何件行うのか、どの商品を重点的に売っていくのかなどのような形で、達成までの道筋を描き、そのために必要な行動や要素、指標を明確にしていきます。

計画を立てる上で重要なことは、具体的なアクション(行動)に落とし込むということです。

何をするのかがはっきりすることで、行動に落とし込みやすくなり、行動をすれば目標達成という結果を得られる可能性が高まります。

もし目標達成できなくても、計画通り行動して結果がでなかったのか、計画自体を遂行できなかったのかが明確になり、それらがわかることで、計画の微調整が可能になります。

前者の場合は計画自体を見直し、後者の場合は実行可能な計画に修正するという、違ったアプローチをとることができます。

2-6.目標設定を行う際の注意点

上から与えられただけの目標になっていないか

目標設定の方法でも触れましたが、与えられた目標を目指すだけでは、人材育成という面では不十分であり、自分自身で主体的に考えられたものや、自身の特性にあったものである必要があります。

もちろん、企業の目的や目標と関係のない、好きな目標設定をしていいというわけではなく、会社の方向性と個人の方向性の一致した目標設定をすることが大切です。

SMARTな目標になっているか

目標設定が適切であるかどうかを判断する上で、SMARTというフレームワークが非常に有効です。

SMARTゴールとは、1981年にジョージ・T・ドランが目標設定の重要性などについてまとまた論文が基になっており、SMARTの頭文字からなるゴールに必要な以下の5つの要素から成り立っています。

・Specific(具体的)

定量的もしくは状態を表す目標であれば具体的であると言えますが、それだけではなく、計画と紐づいて達成までの道筋が描けているかどうか、ということもこの具体性に含まれます。

計画まで落とし込めていなければ、目標が絵に描いた餅になる可能性が高くなってしまいます。

・Measurable(測定可能)

定量的か、もしくは状態を表す目標であれば、それが達成できたのかどうかがはっきりします

また、定量的な目標であれば達成率まで把握できますが、状態を表す目標であれば、達成率までわかるようにしておく必要があります。

「〇〇システムを導入し稼働する」という目標であれば、その導入・稼働のプロセスを可視化しておきましょう。

例えば、導入ができたのか、導入まではできたけど稼働はしなかったのか、稼働はしたけど半分の部署でしかできなかったのか、というようなことがわかるようにすれば、プロセスを可視化して達成率を測ることができます。

・Assignable(達成可能)

当月売上が月100万円の営業職が、来月の売上目標を1兆円としても、それは目標を立てる意味がありません。

計画に落とし込めて、達成までの道のりがイメージできる目標を設定しましょう。ただし、容易に達成できる目標を設定することもNGです

人材育成の観点から見ると、そのような目標は「現状のままでいい」というマインドを生んでしまい、個人の成長の妨げになります。

ハードルとして成り立つような目標設定にしましょう。

・Relevant((経営に)関連)

目標設定方法の解説で最初書いた、上位目標を確認するということでこの項目をカバーすることができます。

上位のゴールに沿った目標を設定することで、企業から個人まで一気通貫した目標設定が可能になります。

・Times(時間的制約)

パーキンソンの法則を先ほど紹介しましたが、この法則を別の視点から捉えると、期日があるからそのことを完了させられるとも言えます。

なので、いつまでに何を達成するのかが明確であるからこそ、目標達成につながる行動ができるようになります。

これらSMARTを網羅した目標を設定することで、達成確率の高い目標になり、逆にこれらの要素が1つでも欠ければ、達成確率は下がってしまうため、目標設定の際にはチェック項目として1つ1つ確認するようにしましょう。

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