エンゲージメントスコアとは?意味や実例、高める方法まで解説

エンゲージメントスコアとは?をひと言でまとめると、

社員と企業の愛着心や信頼関係を数値化したスコアのこと。

 

企業を取り巻く環境はここ数年で大きく変わり、福利厚生や給与だけを一方的に与える経営では社員のやりがいや意欲を保てなくなりました。

そこで、目に見えない社員と企業の絆が重要視されるようになったのです。

実際にエンゲージメントスコアが高い企業では、生産性の向上や離職率低下などさまざまなメリットが報告されています。

「エンゲージメントスコアを高めたい」

「社員がやりがいを持って仕事ができる環境を実現したい」

という気持ちを叶えるには、エンゲージメントスコアとはどのようなものなのか理解し、エンゲージメントスコアを高めるために知っておくべきことを抑えておく必要があります。

 

そこで、この記事では

エンゲージメントスコアの意味

エンゲージメントスコアが注目される背景

エンゲージメントスコアが高いメリット

エンゲージメントスコアを高めるための対策方法

エンゲージメントスコアが高い企業の事例

エンゲージメントスコアの測定方法

などエンゲージメントスコアに関わる疑問を全解説していきます。

これを読めばエンゲージメントスコアとはどのような指標なのか理解でき、自社でも活用するかどうかのジャッジができるはずです。

ぜひ、最後まで読みエンゲージメントスコアを有効活用し社員と企業の双方が絆で結ばれるような企業を目指しましょう。

 

1.エンゲージメントスコアとは?

エンゲージメントスコアを正しく理解するには、言葉の意味や類義語との違いを知る必要があります。まずは、エンゲージメントの意味や社員満足度との違いを分かりやすくご紹介します。

1-1.エンゲージメントとは自社に愛着心を持つ前向きな姿勢

エンゲージメントとは「社員が所属する組織と自分の仕事に熱意を持って、自発的に貢献しようとする意欲」のことです。

簡単にいうと、「自社に愛着心や思い入れを持つ前向きな姿勢」を指します。

 

エンゲージメントを直訳すると「約束」「契約」という意味があります。婚約指輪を「エンゲージリング」と呼びますが、幸せな結婚であるかどうかは双方の気持ちや信頼関係が大切です。

同じように、企業と社員双方の信頼関係や絆を重要視する考え方がエンゲージメントのベースとなります。

エンゲージメントは社員と企業の関係性を示すときだけでなく消費者と企業、SNSの利用者同士などさまざまな関係性の中で使われる言葉なのでビジネス用語として区別するために「従業員エンゲージメント」「社員エンゲージメント」と呼ぶことも多いです。

1-2.エンゲージメントスコアとは社員の愛着心を数値化すること

エンゲージメントは信頼関係や愛着心といった目に見えない絆なので、社員のエンゲージメントが高いかどうかを知るには数値化する必要があります。

そこで、導入されるようになったのがエンゲージメントスコアです。

6章の「エンゲージメントスコアの測定方法」で詳しく説明しますがオーソドックスな測定方法としては、エンゲージメントを左右する10~12項目の項目を使い「社員がどの程度愛着心や思い入れを持ち前向きに仕事ができているのか」をチェックします。

 

エンゲージメントスコアは海外の先進企業で導入されたことがきっかけとなり、ここ数年で日本企業でも少しずつ導入されるようになりました。

まだまだ手探り状態なところが多い指標ですが、社員の気持ちや課題を明確化しリアルタイムで対策ができる指標として注目を集めています。

1-3.従業員満足度とは180度異なる指標

エンゲージメントスコアが注目されるまで、多くの企業で導入されていたのが「従業員満足度(ES)」と呼ばれる指標です。

従業員満足度もエンゲージメントスコアと同じように社員に質問をすることで「社員が満足をしているか」を数値化できますが、根本的な考え方が大きく異なります。

上記の図のように、従業員満足度は待遇や給与などハード面をベースにした指標なので「思った給与ではない」「待遇が悪くなった」と感じたときに、一気に関係性が崩れる可能性があります。

一方で、エンゲージメントスコアは絆や信頼関係をベースとした指標なので、互いに安心できる関係性が構築できればなかなか崩れることがありません。

終身雇用や閉鎖的な社会制度が少しずつ壊され多様な働き方や考え方を受け入れる必要となった今、社員の心に寄り添うことが生産性向上や離職率低下の糸口となっています。

だからこそ従業員満足度ではなくエンゲージメントスコアをベースに、社員がやりがいや働きがいを感じられる環境を作ることが重要視されているのです。

2.エンゲージスコアが注目される背景

エンゲージメントスコアが注目されるようになったのには、次の3つの背景があります。

2-1.課題を明確化できる

今まで日本企業は社員のやりがいや満足度を重要視せず、閉鎖的で型にはまった画一的な経営をしてきました。しかし、情報化社会が進み労働市場がオープンとなった今、今までの働き方や雇用制度が通用しなくなってきているのが事実です。

例えば、数十年前までは当たり前だった終身雇用を念頭に置いている社員は減少し、転職やキャリアアップのチャンスを見計らっている2030代が増えているそうです。

一方で、書籍「エンゲージメント経営」によると会社は辞めるまで行かなくても働く意欲にかけている社員も増えており、企業と社員との間の気持ちのズレを指摘しています。

働き方の選択肢が増えた分、企業も今までの経営方法では社員と良好な関係性が築きにくくなっているのは確かです。

そこで、エンゲージメントスコアを測定、問題点を明確化し迅速な対応を取ることで、企業側から社員に寄り添う姿勢をアピールできます。

時代に合う社員と企業の良好な関係性を築く指標として、エンゲージメントスコアが注目され始めているのです。

2-2.日本企業におけるエンゲージメントスコアの低さ

2017年にコーン・フェリー社が世界の企業を対象に実施した「社員エンゲージメント調査」では、日本企業のエンゲージメントスコアが極めて低いことが分かりました。

中でも「仕事に熱意が持てない」社員比率を見てみると、下記の表のような結果となり近隣国との差は一目瞭然です。

仕事に熱意が持てていない社員比率

 

2015

2016

2017

日本

44

47

48

北米

25

25

26

欧州

30

31

33

中南米

24

22

22

中東・アフリカ

26

26

27

出典:書籍「エンゲージメント経営」(コーン・フェリー社員エンゲージメント調査結果)

 

「勤勉」「真面目」というイメージを持たれやすい日本の会社員ですが、エンゲージメントスコアを測定したことで実際にはそうでないことが浮き彫りに。

また、アメリカの人事コンサルティング会社「KeneXa High Performance Institute」が世界28ヵ国社員数100名以上の会社を対象に「従業員のエンゲージメントスコア」を調査したところ、日本は最下位だったとのことも明らかになりました。

世界各国のエンゲージメントスコア

インド

77

デンマーク

67

アメリカ

59

中国

57

韓国

40

日本

31

参考:世界でダントツ最下位!日本企業の社員のやる気はなぜこんなに低いのか?

 

他国と比較したときに企業と社員との関係性が良好とは言えない状況となっていることも、エンゲージメントスコアに注目が集まっている理由の一つです。

2-3.客観的な視点で他社と比較できるようになる

エンゲージメントスコアという考え方ができるまでは社員の満足度やモチベーションは数値化しにくく、「自社は他社より劣っているのか」「他社よりのびのびと仕事ができる環境なのか」客観的に判断することが困難でした。

しかし、しエンゲージメントスコア測定を開始すれば、他社とのエンゲージメント比較が容易にできるようになります。

上記の表のように、同業種3社のエンゲージメントスコアが分かったとしましょう。C社はB社より明らかにエンゲージメントスコアが低いため、高める対策を取り入れる必要があります。

また、エンゲージメントスコア測定は他社と比較したときに自社の強みと改善すべき項目も分かります。例えば、A社の場合は他社より社内コミュニケーションが活性であることが強みであり、人事活動などでアピールできるポイントとなります。

一方で、他社よりスキルアップできる取り組みを行っていないので、今後の課題として力を入れたいポイントです。

このように、エンゲージメントスコアを使い他社と比較をすることで自社の課題や強みが簡単に明確化できるところも注目を集める理由となっています。

毎日1分のマネジメント習慣でエンゲージメントを改善する「Unipos(ユニポス)」詳細はこちら

3.エンゲージメントスコアが高いと期待できる3つのメリット

さまざまな企業がエンゲージメントスコアを高めようと施策をしていますが、エンゲージメントスコアが高いとどのようなことが起こるのでしょうか?

ここでは、エンゲージメントスコアが高いと期待できる3つのメリットをご紹介します。

3-1.労働生産性にプラスの影響を与える

限られた人員で最大限の利益を生み出すにはどうしたらいいのか、というのはどの企業でも常に考えている課題の一つです。

モチベーションエンジニアリング研究所と慶應義塾大学大学院経営管理研究科が共同で行った「エンゲージメントと企業業績の研究結果」によると、エンゲージメントスコアの向上が労働生産性と営業利益率アップに繋がっていることが分かりました。

とくに、上場企業66社のエンゲージメントスコアを調べた実験では、エンゲージメントスコアが1ポイント上がるだけでも当期の営業利益率が0.38%アップすることが判明。

社員が企業を信頼し前向きに仕事をするだけでも、生産性の低下を防ぐことができるようになります。

参考:「エンゲージメントと企業業績」に関する研究結果を公開

 

3-2.離職率を低下させ優秀な人材を確保できる

書籍「エンゲージメント経営」によると、2016年の時点で2年以内に今の企業を離れたいと考えている20代も比率は、アメリカや中国を差し置いて最も高くなっているそうです。

今や離職率低下や優秀な人材確保は、深刻な問題となってきています。

2019年にモチベーションエンジニアリング研究所が実施した「エンゲージメントと退職率の関係」に関する研究結果では、エンゲージメントスコアが高い企業ほど離職率が低下することが分かりました。

とくに、管理職を担うミドル層に対して結果が顕著で、エンゲージメントスコアを高めれば優秀な人材を流出しない手段にもなるでしょう。

【エンゲージメントスコア向上で離職率が低下した事例】

サイボウズ株式会社では2005年に離職率が28%までのぼり、エンゲージメントを向上させるよう社内コミュニケーションの活性化やワークバランスの見直しを行ったそうです。

その結果、2012年には45%台まで離職率が低下。「100人いたら100通りの働き方があっていい」を体現したことで社員と企業との間に信頼関係が生まれた実例です。

参考:「エンゲージメントと退職率の関係」に関する研究結果を公開

   多様な働き方へのチャレンジ

3-3.よりいいサービスや商品が提供できるようになる

エンゲージメントスコアが高い場合、仕事にやりがいや誇りを感じている社員が多いことになります。

コーン・フェリー社が日本企業においてエンゲージメントの高低を左右する質問項目を調査したところ、下記のようになりました。

エンゲージメントの高低と相関が高い項目

1

顧客に提供する価値への自信

2

成果に向けた効果的な組織の体制

3

キャリア目標が達成できる見込み

3

生産性を高める環境の整備

5

やりがいのある仕事ができる機会

出典:書籍「エンゲージメント経営」(コーン・フェリー社員エンゲージメント調査結果)

 

1位の「顧客に提供する価値への自信」とは、顧客に対しいい商品やサービスを提供しているという自信を指します。つまり、エンゲージメントスコアが高い企業は、社員が自社のサービスや商品に自信を持って業務に励んでいるということになるでしょう。

そうなると、社員のやりがいと企業の商品価値のどちらも向上させることができ、エンゲージメントスコアが低い企業よりいいサービスや商品が提供できるようになります。

1位以下の項目を見てみても仕事へのやりがいやキャリアアップ、生産性や成果を視野に入れた環境への満足度が高く、企業への帰属意識や愛着心が読み取れます。

このように、エンゲージメントスコアが高い環境では社員と企業が好循環を果たし、自然に質が高いサービスや商品が提供できるようになります。

毎日1分のマネジメント習慣でエンゲージメントを改善する「Unipos(ユニポス)」詳細はこちら

4.エンゲージメントスコアを高めるための対策

エンゲージメントスコアが高いほうが企業と社員の双方にメリットがあることが分かったところで、実際にエンゲージメントスコアを高めるための対策をいくつかご紹介します。

エンゲージメントを高めるには、下記のような流れで実績するといいでしょう。具体的にどのようなことをすればいいのか、参考にしてみてください。

4-1.エンゲージメントスコアを左右する要素を理解する

 エンゲージメントスコアを高めるには、エンゲージメントスコアがどのような評価項目で成り立っているのか理解する必要があります。

エンゲージメントスコアを測定するための質問内容や測定方法は多種多様で必ずこうでなければならないというものはありませんが、いち早くエンゲージメントスコアを導入したコーン・フェリー社がエンゲージメントを左右する要素として掲げているのは次の12項目です。

1

戦略・方向性

企業理念や目標が社員に浸透しており、支持、共感されているか

2

リーダーシップ

管理職の運営に信頼を寄せているか

3

個人の尊重

個人の立場が尊重されているか

生活と仕事の両立ができているか

4

品質・顧客志向

質の高いサービスや商品が提供できているか

5

成長の機会

スキルアップする機会やサポートがされているか

6

報酬・福利厚生

報酬や福利厚生に不満はないか

7

業績管理

社員が自分の課題や業績を理解し、妥当な報酬を貰っているか

8

権限・裁量

効果的に仕事をするための発言や提案に耳を傾けて貰えているか

9

リソース

仕事をする環境が整っているか

10

教育・研修

充分な学びの場が用意されているか

11

協力体制

アイデアや相談などができるコミュニケーション環境となっているか

12

業務プロセス・組織体制

業務が理解できるマニュアル作成や効果的に業務ができる機材導入がされているか

このような基本的な要素を知らないと、エンゲージメントスコアを高めるように施策を立てたり指導を行ったりすることができません。

また、上記の項目を知っているだけでなくエンゲージメントスコアを高めるための行動に移すことが大切です。どのような行動と結びつけていくのか、1項目ごとに考えてみるのがおすすめです。

上記は一例ですがそれぞれの項目に対してどのようなアクションを取るべきか分類すると、限られた時間内で効率よくエンゲージメントスコアを高める対策を取り入れることができます。

漠然と「エンゲージメントメントスコアを高めたい」と思うのではなくエンゲージメントスコアを左右する項目を知り、それに対して対策を考えるところから始めましょう。

4-2.管理職のマネジメント力をアップさせる

エンゲージメントスコアを高めるには、管理職の協力やマネジメント力が欠かせません。

管理職は企業のビジョンや理念をしっかり把握し、部下へと繋いでいく役割を果たしています企業によっては部下と円滑なコミュニケーションを図りモチベーションアップや目標管理などのマネジメントも担っているため、管理職がエンゲージメントスコアを意識していなければ当然部下にも悪影響を及ぼすでしょう。

実際に、管理職の意識によりエンゲージメントスコアが左右された実例があります。

エンゲージメント調査を実施した大手電機メーカーE社では、部署間でエンゲージメントスコアに大きな差が出たそうです。この課題を解決しようとしたところ、部下を指導する管理職のマネジメント力の差であることに気がつきました。

ある部署では上司が部下とミーティングをする時間を設けていたのに対し、エンゲージメントスコアが低い部署では上司が部下に無関心だったそうです。

このように、管理職の意識一つでエンゲージメントスコアは大きく左右されます。エンゲージメンスコアを高めるにはあらかじめ管理職のマネジメント力や意識も高めておく必要があるでしょう。

4-3.継続して測定をする

エンゲージメントスコアは、一度測定をしたら終わりというものではありません。

スコアを測定したら結果から課題を見出して改善策を実施、そしてまたエンゲージメントスコアを測定するという流れを繰り返します。

定期的にエンゲージメントスコアを測定することで社員の心情の変化やエンゲージメントスコアの変化を逃さず、スピード感を持ってエンゲージメントを高めていけます。

6章で詳しく説明しますがエンゲージメントスコアの測定方法にはさまざまな方法があるので、実施しやすい方法で継続することを視野に入れた計画を立てましょう。

 

5.エンゲージメントスコアが高いトップ5企業の事例

エンゲージメンスコアが高い企業では、どのような施策を行っているのでしょうか?

ここでは20171月から12月の間に株式会社リングアンドモチベーションが実施した「従業員エンゲージメント調査」の結果をもとに、607社の中から選出された「ベストモチベーションチームアワード2018」トップ5企業の事例を紹介します。

エンゲージメントスコアアップのための取り組み内容一覧

会社名

主な取り組み内容

見込める効果

佐竹食品株式会社

2年に1度全店舗を休業にして実施「ありがとう総会」

・「売上争奪戦手当」

・「レジチェッカーコンクール」

・会社のビジョン共有

・社員のモチベーションアップ

イングホールディングス

・社員旅行を重視

・福利厚生の充実

・コミュニケーション活性化

・モチベーションアップ

PLAN-B

・文化を浸透させる有志団体「プラカル団」の発足

・会社のビジョン共有

・モチベーションアップ

株式会社ライフル

・ビジョンカードの配布

・「新規事業提案制度SWITCH

・「クリエイターの日」

・会社のビジョン共有

・スキルアップ

・コミュニケーション活性化

株式会社データベース

7つのルール制定

・「資格取得奨学金制度」

・「リモートワーク制度」

・会社のビジョン共有

・モチベーションアップ

・ワーク・ライフ・バランス

参考:ベストモチベーションカンパニーアワード2018、ベストモチベーションチームアワード2018を開催 従業員エンゲージメントの高い企業・部署を発表

5-1.佐竹食品株式会社

「日本一楽しいスーパー」をビジョンに掲げている「佐竹食品グループ」。2008年より組織サーベイを導入し、社員との価値観共有やワーク・ライフ・バランスの強化などエンゲージメントを高める取り組みを率先して行っているそうです。

2年に1度全店舗を休業にして行う「ありがとう総会」ではパートやアルバイトも参加し、社長からのメッセージや理念共有を実施。

売上が上位店舗には一人一人賞与が与えられる「売上争奪戦手当」や「レジチェッカーコンクール」など社員のモチベーションアップに繋がる独自の施策を数多く取り入れています。

参考:佐竹食品株式会社リクルートサイト

5-2.イングホールディングス

広告代理店の「イングホールディングス」は「社員を疲弊させないことが重要」だと考え、社員旅行に重きを置いているそうです。ただ旅行に行くことで終わらせるのではなく旅行中のイベントを大切にし、社員が手作りでイベントを作り上げていくことを重視。

業績が悪いときでも敢え実行することで、「社員が会社を自分の居場所だと感じることでエンゲージメントは向上する」ことを体現したと語っています。

参考:イングホールディングス公式サイト

   エンゲージメント向上に正解なし

5-3.PLAN-B

デジタルマーケティング事業を展開する「PLAN-B」は、採用ページで「朝起きたら行きたくなる会社」と語っているように、企業と社員との理念共有や信頼関係構築が成り立っている企業の一つ。

社内にはPLAN-Bの文化を浸透させる有志団体「プラカル団」が存在し、ハッピーニュースがあったときにはお祝いをしたり月末の締め会を盛り上げたりと社内の雰囲気をよくしています。

成果を共有する褒め文化を浸透させることに一役買っているとのことです。

参考:PLAN-B公式サイト

5-4.株式会社ライフル

「株式会社ライフル」は「日本一働きたい会社」をテーマに掲げて、想いと価値観の共有を大切にしています。経営理念やガイドラインを1枚にまとめた「ビジョンカード」を配布し、社員に企業理念が浸透するよう取り組んでいるそうです。

 

また、新たなことに挑戦する機会の提供にも力を入れており、社員が新規事業を提案できる「新規事業提案制度SWITCH」の実施や、承認されたプロジェクトについて勤務時間の10%が当てられる「クリエイターの日」など、社員の目標やスキルアップを視野に入れています。

参考:株式会社ライフル公式サイト

5-5.株式会社ユーザベース

数々のプラットフォームを運営する「株式会社ユーザベース」は、社員が30名を超えたころに内部崩壊の危機にあったそうです。

このままではいけないと共有の価値観「7つのルール」を設定し、社員がのびのびと働ける環境を実現しました。

また、社員のスキルアップや自由な働き方を支援する制度も充実しており「資格取得奨学金制度」や「リモートワーク制度」など、一人一人の自主性も大切にしているとのことです。

参考:株式会社データベース公式サイト

 

6.エンゲージメントスコアの測定方法

続いて、エンゲージメントスコアの測定方法についてもご紹介します。エンゲージメントスコアという指標はまだまだ新しく、どの企業も手探り状態で導入しているのが現状です。

こうしなければならないという絶対的な方法はないので、オーソドックスな2つの方法を一例として参考にしてみてください。

 

エンゲージメントサーベイ

パルスサーベイ

実施頻度

1年~半年に1

週次、日次、月次

実施時間

20~40分程度

1~10分程度

特徴

社員のエンゲージメントを高める要素を包括的に問う

現状の心理や限定された環境での状態を問う

実施方法

アンケートが中心

アンケートやITツールを使った調査

留意点

継続して測定し続ける必要がある

短時間で集計をする必要がある

6-1.エンゲージメントサーベイ

1年や半年に1回エンゲージメントを測定できるような項目を作り、社員にアンケートを取る方法です。

エンゲージメントスコアを左右する要素を盛り込んだ包括的なアンケートとなっており、社員の意欲や心理的な充実度が細かくチェックできます。

社員には上記のような5段階で回答してもらいどのような意見が多いのか分析をすることで、エンゲージメントスコアの高低が分かるようになります。

詳しい質問内容や導入方法が知りたい場合は、ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。

エンゲージメントサーベイとは?効果や具体的な実施ステップを解説! 

6-2.パルスサーベイ

パルスサーベイは、エンゲージメントサーベイに対し日常的に実施できる簡単な調査を指します。

パルスサーベイには「意識調査」という意味があり、現在の心理状況や限定された環境での満足度をチェックしたいときに便利です。

例えば、

・新しいシステムを導入したとき

・新入社員や中途社員が入社したとき

・日常的なメンタルヘルスチェック

・社内環境の満足度チェック

など、エンゲージメントスコアを高めるために課題となる要因はないか、手軽にチェックできます。

上記のようにパルスサーベイの実施方法にはさまざまなものがあります。予算や実施のしやすさを考慮しながら、導入を検討してみるといいでしょう。

参考:「 平成30年度産業経済研究委託事業(企業の戦略的人事機能の強化に関する調査)」

 

7.エンゲージメントスコア測定に使えるITツール3

最後に、エンゲージメントスコアを測定するときに役立つITツールをご紹介します。できるだけ頻繁にエンゲージメントスコアを測定したいけれど、手間を考えるとなかなか踏み出せないケースも多いでしょう。

ITツールを導入することで業務効率化ができ、分析から結果までいち早く分かるのですぐに現状の改善へと活用できます。どのようなITツールがあるのか、ぜひ参考にしてみてください。

7-1.wevox

wevox」はエンゲージメントスコアの測定時期に合わせて自動で質問を作成、配信、集計まで一環して行ってくれるツールです。

ただ回答結果をまとめるだけでなく問題をピックアップしてくれるため、すぐに改善に向けて動けるようになっています。

また、パソコンからだけでなくスマートフォンやタブレットからもアンケートび回答できるため、社員の手間を省けるところも嬉しいポイントです。

 

・wevox公式サイト

https://wevox.io/products/teams?utm_expid=.w7Mdes9BS76-AHf54MjTag.1&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwevox.io%2Ffunction

ベーシックプラン

初期費用

無料

月額費用

1人300

主なサービス

・自動配信

・自動集計

・スコアの管理

・課題提案機能

・リマインド機能

・カスタムサーベイ機能

・権限設定

 

7-2.Geppo

 

パルスサーベイ用のITツールとしておすすめなのが「Geppo」です。

全国就業実態調査や社員の声などから人事課題を網羅した3つの質問に答えることで、コンディションの変化を指摘

リアルタイムな集計ができ、部署ごとなどカテゴリーごとに社員の状態が把握できるようになっています。1分以内で答えられる質問となっているため社員の負担が少なく、継続しやすくなっているところも大きな魅力です。

 

・Geppo公式サイト

https://www.geppo.jp/

プラン

初期費用

月額費用

社員50名まで:39,800

主なサービス

・自動配信

・自動集計

・スコアの管理

・課題提案機能

・リマインド機能

・ダッシュボード機能

・権限設定

7-3.モチベーションクラウド

「モチベーションクラウド」は、エンゲージメントスコアを測定するだけでなくPDCAサイクルを循環させ、エンゲージメントスコアが向上させるところまで視野にいれているところが特徴です。

独自に開発したエンゲージメントサーベイに回答してもらい集計をしたら、実効性の高い項目、改善な必要な部署を提示し、すぐに対策を実行できる状態まで持っていってくれます。

また、改善している項目に特化したパルスサーベイの設定もでき、リアルタイムで組織の状態を把握するころも可能。エンゲージメントスコア向上に本腰を入れたい企業におすすめのITツールです。

・モチベーションクラウド公式サイト

https://www.motivation-cloud.com/

プラン

初期費用

月額費用

要見積もり

主なサービス

・自動配信

・自動集計

・スコアの管理

・課題提案機能

・リマインド機能

・パルスサーベイの設定

・権限設定

 

まとめ

いかがでしたか?

エンゲージメントスコアとはどのような指標か理解でき、スコアが高い場合のメリットや自社への導入方法が検討できたのではないか思います。

それでは、最後にこの記事の内容をまとめてみると

 

エンゲージメントとは「自社に愛着心や思い入れを持つ前向きな姿勢」

エンゲージメントスコアとは「員の愛着心を数値化すること」

 

エンゲージメントスコアが注目される主な理由は次の3

1)時代に合う社員と企業の良好な関係性を築く指標とし、課題が明確化する

2)他国に比べて日本企業のエンゲージメントスコアは低いため、対策が必要

3)他社と比較し、客観的な視点で自社を評価できる

 

エンゲージメントスコアが高いと起こるメリットは次の3

1)社員がやりがいを持ち働けているため、生産性が向上する

2)社員と企業の間で信頼関係が築けているので、離職率が低下する

3)自社の製品やサービスに誇りを持ち、いい商品を作ろうと前向きな姿勢になれる

 

エンゲージメントスコアを高めるための対策は次の3

1)エンゲージメントスコアを測定するための要素を理解しておく

2)管理職のマネジメント力を養う

3)継続的に測定しエンゲージメントスコアの高低を把握する

 

これを踏まえ、エンゲージメントスコアを測定する主な方法は次の2

1)エンゲージメントサーベイ:半年~1年に一度実施し、社員のエンゲージメントを高める要素を包括的に問う

2)パルスサーベイ:日次~月次で実施し、社員の現状を把握する

 

エンゲージメントスコアを測定できるよう社内の仕組みを整えて、社員と企業との絆がより強くなる施策ができることを願っています。