
人事考課におけるフィードバックの書き方と具体例
人事考課におけるフィードバックの書き方とポイントについて見ていきましょう。
人事考課におけるフィードバック
人事考課におけるフィードバックでは、上司と部下の話し合いによって課題や解決策を共有することを目的としています。
評価結果をもとに部下の能力を正確に把握し、成長を促すことで個々の成果を高めることができます。
人事考課は伝え方によって、お互いの理解度や納得度に差が生じてしまうことも少なくありません。
認識のずれが生じないよう、フィードバックの書き方は簡潔かつわかりやすくする必要があるでしょう。
具体例
フィードバックの書き方の具体例には、以下のようなものが挙げられます。
まず、営業職の場合は「営業成績が前年比○○%となったことや、チーム内でリーダーシップを発揮し結束を固めたことなどは大いに評価する。ただし、クレーム件数の増加がみられる。今後は顧客対応の見直しや改善が課題となるだろう」というようなものです。
事務職の場合は、「販促活動において根拠となるデータを多く集め、結果ユーザーが○○%増加した。情報収集や資料作りなどでプロジェクトを支えている」などが挙げられます。
書き方のポイント
人事考課におけるフィードバックでは、主観的な指摘を避けることが重要です。
評価には客観性が求められます。主観によるえこひいきなどがないよう、平等な基準のもとフィードバックを行うようにしましょう。
また、あいまいな内容ではなく、数字などを盛り込みなるべく具体性を持たせると良いでしょう。書き方を間違うと、評価そのものに不信感を与えてしまうおそれがあります。なるべく論理的かつ丁寧に、順を追って評価の理由を説明しましょう。
日報におけるフィードバックの書き方と具体例
日報におけるフィードバックの書き方や具体例について確認していきましょう。
日報におけるフィードバック
日報におけるフィードバックは、部下のモチベーションやスキルの向上を主な目的として行われます。
日報でのフィードバックは上司と部下の相互理解を深め、良好な関係を構築するうえでも欠かせないものです。
日報に一言フィードバックを書き込むだけでも、部下は自分をきちんと見てくれていると満足できます。
また、自分が会社の一員として貢献できていることを認識できるでしょう。
具体例
日報の具体例には、以下のようなものが挙げられます。
たとえば、サービス職の場合は「いつも笑顔で気持ちの良い対応をしてくれている○○さんは、お客様との関係づくりに大きく貢献しています」などがあります。
営業職の場合は「今月は初週から受注できて良いスタートを切れましたね。次回の○○社訪問に向けて下準備をきちんとしておきましょう」など、今後の予定に触れるのも良いでしょう。
書き方のポイント
日報へのフィードバックは、基本的にポジティブな内容にすることがポイントとなります。
前向きな内容は部下の承認欲求を満たし、モチベーションの向上につなげられます。また、否定よりも共感するような内容を意識すると良いでしょう。
ひんぱんなダメ出しは部下の意欲を低下させてしまいます。「この部分を直すとより良い」というように、ダメ出しではなく前向きなアドバイスを伝えましょう。
フィードバックに関する注意点
フィードバックを行う際は、いくつか注意点があります。具体的にどのようなところを意識すれば良いのか、ポイントをチェックしていきましょう。
フィードバックをする際の注意点
フィードバックをする際は「大勢の前で指摘しない」ことが大切です。
人がたくさんいるところでフィードバックを行うと、相手が必要以上に萎縮したり傷ついたりする可能性があります。
相手の立場をよく考え、フィードバックを行う環境にも配慮しましょう。加えて、「相手を追い詰めない」ようにすることもポイントとなります。
よかれと思ってフィードバックをしているつもりでも、伝え方によっては単なるダメ出しになっていることもあります。
そのようなフィードバックでは、相手に心理的な負担をかけてしまうおそれがあるため注意が必要です。
相手は必要以上に自責の念を抱えてしまい、最悪の場合精神的なバランスが崩れてしまう可能性もあります。フィードバックはあくまでも事実ベースで、なおかつ客観的な視点から行うことを心がけましょう。
避けるべきフィードバックの例文
フィードバックは内容によっては、かえって相手のやる気を削ぐなど逆効果になってしまう可能性があります。
特に、ほかの人と比べるような内容は避けることが大切です。
たとえば、「同期の○○さんはあなたの倍以上の契約をとっている」「○○さんと比べると仕事の進みが悪い」など、ほかの従業員を引き合いに出すようなフィードバックが挙げられます。
こうした他者と比較した指摘は、相手のモチベーションが大きく低下する原因になることが多いです。
フィードバックはより良い結果につながるよう、部下自身が考えて行動を明確にするプロセスが非常に重要なので、フィードバックを行う人の視点で比較や判断を行わないように気を付けましょう。
まとめ:ポイントを押さえて効果的なフィードバックを実現させよう
フィードバックは従業員自身の気付きを促し、より良い結果にするために必要なものです。
フィードバックを行う際は上司が「どうすればより成長できるのか」という視点を持つことが重要になります。
部下の努力を認め、客観的な事実から意見を述べることが求められます。相手の立場を考慮し、良き理解者として接することがフィードバックの効果を高めるための鍵となるでしょう。