人材育成研修の内容・効果・費用目安を解説!自社に合った研修がわかる

人材育成の重要性は理解しつつも、なかなか取り組めない企業が多くいます。

これまで具体的な施策に取り組んでいなかった企業ではノウハウが積み上がっていないため、いざ人材育成に取り組もうとしても、何から手をつければ良いのかが分かりません。

しかしそれは、今からでも十分カバーできる領域です。情報を得て知識を付ければ、「自社に合った人材育成や研修の方法とは何か?」が把握できます。

人材育成が市場における高い競争力を生み出すことは間違いありません。この記事ではその源泉となる、人材育成研修の内容や効果、費用目安などを細かく解説します。

人材育成研修の一歩をなかなか踏み出せなかった企業は、ここで自社にあった研修方法を知りましょう。

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1.企業が人材育成研修を実施する目的

最初に、人材育成研修を実施する目的について再認識しておきましょう。

色々ある人材育成研修の中で総じて言えることは「人材育成を通じて企業としての競争力と魅力を高め、市場での存在感を大きくするのが目的」ということです。

とてもシンプルな話で「人材の成長=ビジネスの成長」と両者をイコールで繋げられます。ただし、どういう人材育成研修か?によって目的が微妙に異なる点に着目することが大切。

全ての人材育成研修を一括りに考えてしまうと、その効果を半減させる可能性があるからです。

例えば、入社3年目~の社員を対象にした人材育成研修を新入社員に実施しても期待する効果は見込めません。ビジネスの「ビ」の字もまだ分からない新入社員に実務的な研修を行っても、基礎がない上には知識・スキルは積み上げられません。

だからこそ人材育成研修ごとの目的を明確にした上で、正しい目的やゴールを定めながら研修を進めていく必要があるのです。

それでは、対象となる人材ごとの目的を整理します。

1.1.新入社員

新入社員はほとんどの場合が「ポテンシャル採用」なので、人材育成研修の目的は各人のポテンシャルを把握すること、引き出すこと、そして社会人としての教養やビジネスマナーを身に付けさせることに焦点が当てられます。

ただし、人材採用市場は売り手有利が続いているため採用基準以下の新卒者を採用しなければならないケースも増えています。

すると新入社員のポテンシャルは個人によってバラバラなので、旧来のような均一化された研修ではなく、個別最適化され個人に寄り添った研修内容が求められています。

1.2.入社3年目~7年目

入社3年目~7年目、年齢でいう24~30歳前後の人材はとりわけ質の高い人材育成研修が欠かせません。

社会人として成熟していくこの過程は、人生の中で例えると幼少期~12歳前後にかけて人格が形成される時期です。著名な経営者の多くは「20代のうちに色々と学んでおくべき」といった言葉を残しています。

それは20代に学んだことが今後の人生を大きく左右する基盤作りにあたるためです。

企業が、自社にとって大切な一人の人材を育成するにあたり、これほど重要な期間はないと言えます。一方で新入社員研修を経て2~3年の社会人経験を積めば、立派なビジネスパーソンに成長するものと考え、積極的な教育を実施しない企業が多いのも事実。

しかし入社3年目~7年目が人生において幼少期~12歳前後に当たると考えれば、まだまだ親元から離れるような歳でないことは明白です。

1.3.中間管理職

中間管理職にはリーダーとしての資質と高いマネジメント能力が求められます。そのため、人材育成教育の中心になるのが「体系的な知識の吸収と、それを活用した実務経験」です。

例えばプロジェクトマネジメントの現場では「PMBOK(ビンボック)」と呼ばれる、世界基準のマネジメント知識体系を用いることがよくあります。

では、PMBOK向けの研修を受講して知識を吸収すればそれでOKか?と言えば、もちろん違います。大切なのは吸収した知識をどうやって実務に活かすかを、経験から学ぶことです。

したがって、中間管理職の人材育成研修では「座学→実務→評価→改善」というサイクルをひとしきり続けながら、知識と経験を積み上げていくことが主な目的になります。

1.4.グローバル人材

グローバル人材育成において、「多様性を受け入れる柔軟な価値観を育てることが重要」とするケースが多々あります。しかし柔軟な価値観という点において、日本人は世界的に見ても優れている人種です。

言葉だけ見ても、日本語だけでなく英語にオランダ語、ポルトガル語など多様な言語が入り混じった言葉を使いこなす人種は、世界中のどこにもいません。あらゆる文化において、今の日本が形成されているのは柔軟な価値観あってこそです。

海外ビジネスでは日本よりも「横の繋がり」を大切にしています。リファラル(社員紹介)採用が多いのはそのためです。

従って、グローバル人材の研修目的として据えるべきは「外国人相手にも物怖じしないコミュニケーション能力」と「グローバル市場開拓に向けた高い使命感を植え付けること」です。

語学力に関してはネイティブレベルに達する必要はありません。孫正義の英語力は中学校レベルですが、それでも世界の企業トップと対等に交渉しています。

2.人材育成研修の効果

では、人材育成研修の効果を具体的に知るために、実際の事例を参考にしていきます。

2.1.豊田合成株式会社/人材育成3つの柱

世界18の国と地域に66のグループ会社を有する豊田合成では、以下の3つを「人材育成の柱」として掲げています。

  • 高い専門性と広い視野を併せ持ったプロ人材の育成
  • グローバルに多様な人材を登用して地域課題への対応の強化
  • 地域・事業を超えた人的資源の相互補完とチームワークの発揮

具体的な取り組みとしては「階層別教育制度の充実」や「育成出向制度の導入」などを実施しています。後者の取り組みは入社5年~9年目(大卒の場合)までの若手社員を対象に、海外拠点にて現地スタッフとともに1年間の実務研修を実施し、早期段階でグローバル人材として基礎を築くための人材育成研修に取り組んでいます。

他複数の施策の効果として、「中長期での自らのキャリアを考える機会の提供による意識の向上」が現れていると考えています。

社員自身が自身のキャリアについて考える仕組みと機械を与えることで、個々人が目標を持って仕事にあたれるためモチベーション向上につながります。また、女性管理職の人数も増えダイバーシティの実現に繋がっています。

参考:人材育成事例233 厚生労働省

2.2.キヤノン株式会社/社内講師養成の仕組み

あまり知られていないかもしれませんが、キャノンは売上全体の8割を海外事業が占めるグローバル企業です。

そんなキャノンでは創業以来、自発・自治・自覚から成る「三自の精神」を社員の行動方針として掲げています。これが人材教育にも取り入れられており、「研修といえば社内講師が教えるもの」という文化が根付いている先進的な研修内製化企業です。

社内講師として活躍するのは人事部門の社員だけでなく、広く候補者を募り必要な研修を受けて、基準を満たした人が講師として認定される仕組みをとっています。

全ての研修にはマスター講師と呼ばれるプロフェッショナルが存在し、社内講師育成の責任者として活躍しています。

自然とインプット・アウトプットの両方を同時に行えるため、個々人のスキルアップに繋がることから社内講師になりたいと研修を申し出る社員は後を絶たないと言います。

コーチングやファシリテーションなどはマネジメント人材に求められるスキルでもあるので、社内制度を最大限活用して重要なスキルが身に付けられるとあれば、組織全体が人材育成教育に対して積極的になれそうです。

参考:【事例 No.215】キヤノン 産労総合研究所

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3.人材育成研修を選ぶポイント

多様な人材育成研修の中から、自社に合った研修方法を選ぶのはそう簡単ではありません。ただ、いくつかのポイントを押さえることでより正確な研修方法選定ができるようになります。ここではそのポイントをご紹介します。

ポイント①人材育成の現状課題を把握する

人材育成研修を選ぶ前にすべきことは「現状課題の把握」です。

人材育成に対して課題を感じている企業は多いものの、「何がどう問題で、なぜ人材育成の強化が必要なのか?」まで把握しているケースは多くありません。また、「ビジネスの成長には人材育成の強化が必要」と漠然としたビジョンしか持たないケースも。

現状課題の把握には「定量分析」と「定性分析」の両方を必要とします。

「定量分析」とは売上高や営業利益、部門別コストなど数値データを基にした分析です。単純に売上高が拡大しているからといって油断はできないので、営業利益との対比や部門別コストの増減なども含めて分析し、人材育成の必要性を明確にします。

「定性分析」では現場のヒアリングや社員エンゲージメント調査などを実施して、社員が部門や組織全体に対してどのような本音を抱いているかを把握します。人材育成研修はビジネスのためでもあり、社員のためでもあるので「定性分析」は外せない項目です。

2つの分析を通じて人材育成に関する現状課題を把握することが、正しい研修選びのスタートラインです。

ポイント②誰に向けての研修か?を明確にする

前述のように、人材育成研修の目的は「誰を対象にするか?」で違います。「人材育成を通じて企業としての競争力と魅力を高め、市場での存在感を大きくする」という目的が根底にあったとしても、人材ごとに異なる研修を実施して効果の最大化を図るべきです。

例えば、次のように研修対象を分けてみます。

  • 新入社員(入社1年未満)
  • 準若手社員(入社1年以上~3年未満)
  • 若手社員(入社3年以上~7年未満)
  • 中堅社員(入社7年以上)
  • ロワー・マネジメント(チームリーダーなど)
  • ミドル・マネジメント(係長・課長クラス)
  • マネジメント(部長クラス)
  • トップマネジメント(役員クラス)
  • グローバル人材
  • 各部門
  • 全社員

研修対象の分け方はこの限りではないので、企業ごとのビジネス特性や組織構成、新卒採用が多いか中途採用が多いか、社員の平均年齢などを考慮しながら対象分けを行ってみましょう。

上記のように研修対象を分けた上で、率先して人材育成研修を行うべきグループはどれか?を、現状課題をもとに決定します。優先順位を明確にしてから研修方法を選ばないと、効率的な教育には繋がりません。

人材教育研修に積極的な企業では、「One on Oneミーティング(1対1の対話)」を実施し、個々人の現状をヒアリングした上で上司と部下が一緒になって研修プログラムを考えています。

ポイント③人材育成研修の目標を定める

人材育成研修をただ実施するのではなく、常にハッキリとした目標を持って取り組みましょう。

具体例として「定量目標」と「定性目標」の2つを掲げ、それぞれの達成に向けたKPI(重要業績評価指標)を設定します。

「定量目標」は研修を通じて、どれくらいの知識を吸収できているか?現場で知識を実践できているか?を客観的に把握するための指標です。

定量目標では研修プログラムごとに卒業検定などを実施して習熟度を把握したり、上司の視点から研修プログラムを実践できているかを把握したりします。

「定性目標」では研修プログラムに対して、社員各人が満足しているか?自身のキャリア形成に役立っているか?などを、アンケート調査を通じて把握する指標です。

「定性目標」を通じて得られた情報は研修プログラムの改善などに役立てられます。

人材研修育成では企業のゴールと個人のゴールが合致してこそ最大限の効果を発揮するため、「定量目標」と「定性目標」はどちらも欠かせない目標です。

ポイント④社員各人のスキルマップを作成する

人材育成研修に積極的な企業はほとんどの場合、「スキルマップ」を導入しています。

「スキルマップ」とは社員各人のスキル・知識・経験を表式化したもので、社員ごとに各項目におけるレベルと総合的なレベルを数値として明示できます。

人事考課のために取り入れる企業が多いですが、人材育成研修のプログラムを組む場合にも有効です。

▼スキルマップの一例

No.

業務工程

作業

作業詳細

Aさん

Bさん

Cさん

Dさん

1

リード獲得

アポイントリストアップ

営業事業所ごとの商圏範囲から、自社ビジネスのリードになり得る企業のアポイントリストを作れる

2

3

4

3

2

訪問アポイント

アポイントリストから荷電もしくは訪問により有効なアポイントを取得できる

1

3

4

2

3

訪問案件リスト化

荷電・訪問したリード情報を、営業部フォーマットを利用して適切にリスト化できる

3

3

4

4

4

システムへの情報入力

案件情報の詳細を営業システムへ問題なく入力できる

2

4

4

4

5

案件化

相手先担当者とのコンタクト

アポイントを獲得したリードにおいて、相手先担当者とのコンタクトを適切に取れる

4

2

3

1

6

決裁者と決裁プロセスの把握

相手先担当者との会話を通じて、相手先企業の決裁者と決裁プロセスを把握できる

3

3

2

1

7

課題ヒアリング

相手先企業のビジネス課題をヒアリングし、それを自分ごとと考えて自社製品・サービスを提案できる

4

3

2

1

8

見積書作成

課題ヒアリングを基に自社製品・サービスの見積もりを、正しく素早く作成できる

4

1

4

2

上記は営業部門におけるスキルマップの一例であり、評価欄の数値は次のような基準で決定されます。

  • 「1」ビギナー…知識やスキルがない
  • 「2」インター…サポートがあれば実施可能
  • 「3」アドバンス…一人で実施できる
  • 「4」プロフェッショナル…人に指導できる

こうした「スキルマップ」を作成すると、誰にどのような研修プログラムを実施すればよいか?が把握でき、より効率的な人材育成研修が可能となります。

ポイント⑤スキルマップから逆算して考える

スキルマップを作成すると、社員各人がどんな知識・経験・スキルを備えているかだけでなく、何が足りないのか?まで把握できます。つまり、「スキルマップから逆算して考える」ことで社員ごとに最適な研修プログラムが決められるというわけです。

上記の表を例に挙げると、スキルスコアが「1」の場合は基礎知識の吸収から促す必要があるので、OJT(現場研修)を通じて知識を身に付けさせるか座学によって体系的に知識を吸収できるようサポートします。

スキルスコアが「3」なら、より高度な実践スキルが身に付くための研修プログラム(講師を招いての講義と実践)を組み、プロフェッショナルレベルへ押し上げるためのサポートを行います。

スキルマップが一つあるだけで研修プログラムはより実践的なものになり、人材育成研修の効果を最大限に引き出すことが可能です。

4.人材育成研修の種類と内容、費用目安を解説

人材育成研修の方法にはいくつか確立された種類があります。その通りに実施する必要はありませんし、独自の人材育成研修を確立する企業もあります。ただし、スタンダードな種類と内容、そして費用目安を把握しておくことは大切です。

4.1.集合研修(内部講師or外部講師)

<内容>

研修対象ごと、もしくは全社員を対象にして行われる研修です。内部講師を起用するか、外部講師を招いて実施します。

内部講師の場合は実務に特化した知識やスキルを体系的に学べ、個々人が実践で得た経験を基にしたノウハウを習得できます。外部講師からは「業界、世界のスタンダード」や、数々の企業研修経験を通じて獲得したベストプラクティスを学べます。

<費用目安>

内部講師の場合、費用はかかりませんが可視化したい場合は「時間当たりの人件費」と「菓子や飲料などの会議費」が費用として計上できます。

フリーランスコンサルタントを招くか、人材教育会社の講師を招くかによって違います。前者は5~10万円/半日、後者は10~15万円/半日が大まかな相場になります。

4.2.OJT(現場研修)

<内容>

OJTとは実務のプロフェッショナルが研修対象となる社員に付き、現場経験を獲得しながら行われる研修のことです。

最近では「教育コストを削減しながら人材教育研修が行える」として、新入社員研修に取り入れる企業も増えています。

OJTは新入社員だけでなく中途採用社員や、入社3~7年目の若手社員にも有効です。実務経験が一定以上ある場合、違った視点からプロフェッショナルの考え方やスキルを分析でき、より効率的なスキルアップに繋がります。

<費用目安>

特別な教材や研修者に支給するものがなければ、基本的に費用はかかりません。ただし、実務のプロフェッショナルが本業に集中できなくなるため、生産性に影響する可能性があります。

4.3.Off-JT(実務外研修)

<内容>

実務外での人材育成研修をOff-JTと呼びます。主に就業後や休日のセミナー・勉強会などが該当します。

OJTとは違い、落ち着いた雰囲気の中で実務に関する知識やスキルを体系的に学べるため、OJTと合わせて実施する企業が多いです。

また、集団実施によってグループディスカッションが促進され、自社ビジネスに新しい知見を生んだりイノベーションのきっかけになったりします。

<費用目安>

セミナー・勉強会に必要な資料をまとめたり、それらを配布したりする必要があるため人件費や印刷費用、菓子や飲料などの費用が計上されます。

4.4.オンライン研修

<内容>

Zoomなどのウェブ会議システムや、人材育成プラットフォームを活用した研修方法です。場所を選ばず、全社員に対して同じように教育機会が与えられるため、教育格差を埋める手法としても注目されています。

ただし、オフラインでの研修のようなスムーズな進行は難しいため、明確な研修ルールを設ける必要があります。

<費用目安>

すでにウェブ会議システムを導入している場合は追加コストは発生しません。ただし、無料ツールを使用している場合はセキュリティを考慮してビジネス向けのウェブ会議システムを検討する必要があります。

4.5.eラーニング

<内容>

講義内容を動画コンテンツにまとめて、専用プラットフォームを通じて配信する研修方法です。

社員ごとに受講する研修プログラムと受講時間を選択できるので、多様な働き方が重視されている現代ビジネスに特化した研修方法と言えます。

作成した動画コンテンツは永続的な情報資産になり、蓄積されるほど学習の場を広げることができます。

<費用目安>

独自システムを開発する場合は数百万円~、既存プラットフォームを利用する場合は数十万円~の費用が社員数などに応じてかかります。

4.6.自己啓発

<内容>

社員個人の学習を企業がサポートする人材育成研修です。社員は自分自身が目指すキャリアに合った研修プログラムを組むことができるので、モチベーション維持と効率的なスキルアップに繋がります。

ただし、学習意欲というものは個人差が大きいため学習格差が広がる可能性もあるので注意が必要です。

<費用目安>

自己啓発費用として、社員ごとに月1~3万円を支給するのが一般的です。明確な支給プロセスがないと不正受給に繋がる恐れがあるため、申請ツールを設けましょう。

5.成果を出す人材育成研修の受け方

人材教育研修の成果は「受講者次第」という面もありますが、会社がそれを促すこともできます。より高い成果を上げるには、4つの視点から研修の仕組みを作ります。

①事前準備

必要とあればテキスト等を用意して、研修対象者に事前配布します。学習では「予習しているか否か」が習熟スピードに大きく影響するため、単にテキストを配布するのではなく課題提出を求めるのが効果的です。

②受講中

受講中は、受講者が研修プログラムに集中できるよう様々な工夫を凝らしましょう。座学の場合はグループディスカッションなどを取り入れ、単純な「お勉強」にせず、自社ビジネスの課題を自分ごととして考えられるような仕組みを取り入れます。

③振り返り

予習以上に大切なのが「復習」です。記憶の定着サイクルを考えると、受講当日と受講から一週間が経過した時点での復習を研修プログラムに組み込んでください。OJTなどの現場研修の場合は、当日の研修内容をレポートとしてまとめてもらい、後日グループディスカッションを通じて社員各人の意見などを聴衆すると効果的です。

④実務

人材育成研修を経て獲得した知識は、実務に活かさなければ意味がありません。社員個人でこれを実践するのは難しいため、会社がサポートするのが最適です。講師の監督下で研修内容を実務に活かせているか?などを評価しましょう。

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6.まとめ

最後に、この記事の要点をまとめておきます。

  • 人材育成研修は社員ごとに目的が異なることを理解する
  • 人材育成の現状課題を把握する(定量分析と定性分析)
  • 誰に向けての研修か?を明確にする(社員のグループ分け)
  • 人材育成研修の目標を定める(定量目標と定性目標)
  • 社員各人のスキルマップを作成する(研修プログラムの最適化)
  • スキルマップから逆算して考える(最適な研修方法の選定)
  • 成果の出る人材育成研修の受け方を会社が促す

人材とはまさに、ビジネスにおける「源泉」です。アイディア、製品・サービス、収益、それらは元を辿れば企業ではなく「人」が作り出しています。

人材育成教育へ積極的に取り組むことは源泉を広げ、ビジネスの成長性を大きくするだけでなく、社員にとって幸せな未来を作ることにも繋がります。

これを機に、人材育成教育の具体的な検討を進め、自社に合った研修方法を選定・実施していただければと思います。

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