インセンティブの設計が会社を変える!メリットや設計方法を解説

近年多くの会社が関心を持ち、注力しているものがインセンティブの設計です。

インセンティブは社員のモチベーションを高めて組織を成長させ、会社と社員のつながりを強める方法として注目されています。

本記事では、インセンティブの意味や設計方法について紹介します。

1.インセンティブとは?

インセンティブとは、仕事の成果に対する報酬のことです。

英語の「incentive(刺激、動機)」に由来し、「やる気を起こさせるための外的な刺激」という意味があります。

ビジネスシーンでは主に、目標達成など成果を上げた社員に支給される報奨金を指しますが、インセンティブは金銭的なものだけに限りません。

ここでは、インセンティブの意味について紹介します。

ボーナスや歩合制との違い

インセンティブと似ているものに、ボーナスや歩合制があります。

ボーナスは会社の業績に応じて定期、または臨時に支給されるものです。個人の成果に応じて支給するインセンティブとは異なります。

歩合制は成果や出来高に応じて支給されるもので、基本給に上乗せして支給される場合や基本給を想定されていない完全歩合制があります。

個人の成果によって支給するという点においてはインセンティブと同じですが、歩合制はあくまで金銭の支給であることに対し、インセンティブはそれにとどまりません。

物質的なものに限らない

成果に対する報酬は、物質的なものとは限りません。

社員のやる気を起こさせる刺激となるものは金銭以外にもたくさんあり、そのすべてがインセンティブになります。

企業理念への共感や、仕事を通して夢や希望を与えることもインセンティブです。

社員同士がコミュニケーションを図るシステムを導入するなど人間関係の構築がインセンティブにつながる場合もあり、インセンティブは多種多様な形で設計できます。

2.インセンティブの種類

社員の意欲を向上させるためのインセンティブには、さまざまな種類があります。

金銭やモノだけでなく、社員を評価する、社内コミュニケーションで職場環境を良くするなどもインセンティブの一種です。

企業理念への共感も仕事へのやりがいを生むもので、インセンティブになります。

ここでは、インセンティブの種類を5つ紹介します。

(1)金銭やモノを支給する

インセンティブの代表するものが金銭やモノです。

多くの企業でも、インセンティブといえば報奨金とされています。

商品券やプリペイドカード、旅行など、金銭に代わるものが支給されることもあります。

物質的なインセンティブは社員の意欲を高めるものですが、社員のモチベーションを維持させるには、物理的欲求を満たすだけでは限界もあるでしょう。

(2)社員を評価する

社員の働きを評価するのもインセンティブのひとつです。

成果をあげた社員を評価して褒めることで、承認欲求を満たし働く意欲を高められます。

さらに、昇格させる、なんらかのポジションを与えるといった地位的な評価によるインセンティブは社員にとって強い刺激になるでしょう。

自分を評価してくれる会社への愛着心が増し、高いモチベーションを感じるはずです。

(3)人間関係に働きかける

上司や先輩などの人間性によりモチベーションを上げる人的なインセンティブもあります。

人間関係は仕事を円滑に進めるために重要な要素で、誰かのために働きたいと思うことが人的インセンティブの効果です。

集団に属することで心地よさを感じることもインセンティブとなり、働く意欲に関わるでしょう。

具体的には、社内コミュニケーションの場を設けるなどの方法で実現されます。

(4)企業理念や価値観に共感を促す

企業理念や価値観への共感もインセンティブになります。

会社の目指すものを理解して目標とすることにより、使命感が生まれて仕事への意欲が高まるからです。

企業理念に共感することで、責任感も生まれます。

会社や社会に貢献しているという満足感があり、金銭など物質的なインセンティブでは得られない動機付けとなるでしょう。

特に企業理念の浸透に役立つのが、インセンティブのひとつであるピアボーナスです。

社員同士で報酬を贈りあうことができる仕組みで、企業理念を体現する行動に対し称賛を与えます。

他の社員が理念に基づく貢献を目にする機会が増えることで、組織全体に企業理念が浸透しやすくなるでしょう。

(5)仕事への満足感を与える

仕事を通して夢や希望を実現し、意欲を高めることもインセンティブです。

やりがいのある仕事を与える、仕事の決定権を大きくする、職場環境を良くして働きやすくするなどの施策により叶えられます。

特に、社会貢献に価値を見出す社員に効果的なインセンティブです。

人間の欲求のなかで最も高いとされる、自己実現の欲求も満たせることでしょう。

3.インセンティブのメリット

インセンティブ設計により、会社は多くのメリットを得られます。

まず社員のモチベーションが高まり、コストをかけずに手早く効果が得られるでしょう。

また、企業理念が浸透し、会社と社員に一体感も生まれます。

社員の仕事への満足度が高まることで、離職率を減らす効果も期待できるでしょう。

ここでは、インセンティブにより得られるメリットを4つ紹介します。

社員のモチベーション向上

成果に応じて報酬が得られるインセンティブは、社員の仕事へのモチベーションを向上させます。

目標達成に向けて、さらに仕事を頑張るという動機付けになるでしょう。

意欲的に仕事に取り組む社員の姿は他の社員の刺激にもなり、良い競争が生まれて職場全体が活性化します。

業務の生産性も高まり、会社の業績アップにつながるでしょう。

コストがかからず即効性が高い

インセンティブの導入は社員への刺激となり、短期間で高い効果が期待できます。

例えば、毎月高い数値を出した社員を表彰する、一定の業務量を達成した者に、量に応じてインセンティブを与えるといった制度を設ければ、強い刺激となって即効性が高まるでしょう。

また、インセンティブは一時的で可変的でもあるため、固定給を増やすよりもコストがかかりません。

コストをかけずに業績を伸ばす効果が期待できるのが大きなメリットです。

企業理念が浸透しやすい

企業理念への共感や人間関係の強化などさまざまな種類のインセンティブを取り入れることで、企業理念の浸透が促されます。

会社と社員のつながりが強化され、会社が求める人材や働き方も明確になるでしょう。

例えば、ピアボーナスを実現するサービス「Unipos(ユニポス)」では、Web上で企業理念を体現する貢献をした社員に感謝や称賛のメッセージとともにポイントを送ります。

社員の見えない行動を可視化し、企業理念を浸透させるとともにお互いを称え合う習慣も定着するでしょう。

社員の定着率が高まる

仕事への意欲が湧いてモチベーションが高まれば、離職率も低下していきます。

優秀な人材の流出を防ぐことができるでしょう。

例えば、当初は40%だった離職率が、インセンティブの導入で10%以下に減ったという事例もあります。

離職の原因の多くは「給与が低い」「仕事に興味がもてない」「人間関係が悪い」といった点が挙げられますが、インセンティブの導入により、これらの内容も解消できるでしょう。

頑張れば正当に評価されることで、不公平感もなくなります。

いくら頑張っても、そうでない人と評価が変わらず報酬も同じであれば、やる気をなくしてしまうかもしれません。

インセンティブがあることで、より頑張ろうという気持ちになります。

また、定着率の高さは人材獲得のアピールにもなるでしょう。

インセンティブ制度があることで、他社との違いや自社で働くことのメリットも提示できます。

人材採用の際に高いアピール効果を発揮し、意欲のある優秀な人材を獲得するきっかけにもなります。

4.インセンティブの設計方法

インセンティブの設計では、事前に目的を明確にしなければなりません。

会社の課題を見極め、それを解決するためのインセンティブを考えることで、適切な設計ができます。

また、会社目線ではなく社員の目線で作ることが大切です。事前にヒアリングなどを行い、運用のリスクとなるものを洗い出しておきましょう。

そのうえで、次の4点を決める必要があります。

 (1)対象者を決める

 (2)インセンティブを与える条件を設定する

 (3)インセンティブの内容を決定する

 (4)どのように付与するかを決める

それぞれのポイントについて説明していきましょう。

(1)対象を決める

まず、インセンティブの対象を決めます。

単位を部署ごとにするのか、個人ごとにするのか、役職も支給対象になるか設定します。

注意したいポイントは、優秀な一部の者だけが報酬を得る制度にしないことです。

例えば、「2:6:2の法則」という考え方があります。

組織では優秀な人材が2割、平均的に働く者が6割、下位のグループが2割を構成する傾向があるというものです。

上位の2割はインセンティブがなくてもよく働くため、インセンティブは残りの8割を意欲的に働かせるように設計しなければなりません。

(2)条件を設定する

次に、インセンティブを付与する条件を設定しましょう。

条件の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 目標を達成した場合


  • 契約を多く獲得した場合


  • 会社のビジョンに合う行動をした場合

インセンティブの目的に適合し、会社の課題を解決できる条件を決めましょう。

一部の社員のみに支給されることのないよう、すべての社員が努力して達成できる条件を設定することが大切です。

(3)内容を決める

インセンティブとして、何をどの程度与えるかを決定します。

与えるものは金銭のほかにストックオプション(新株予約権)、旅行などがあり、感謝や称賛のメッセージを社員間で送り合うといったインセンティブもあります。

与える量も決めなければなりません。

金銭であれば、目標達成時に一律、成果に応じて一定割合、貢献度に応じて渡すといった方法があります。

(4)付与する方法を決定する

付与する方法はさまざまで、具体的な方法としては次のようなものがあります。

  • ボーナスとあわせて支給する


  • 成果に応じてすぐに支払う


  • 社内表彰制度を設けて表彰する


  • 特別休暇を与える


  • ポイントを付与し、たまったらギフトや金銭を贈る

会社が行いやすい方法、より高い効果が得られる方法を決めましょう。

社員へのヒアリングを参考にすることもおすすめです。

5.インセンティブ導入時の注意点

インセンティブを導入する際は、公平に適用するなど注意したい点があります。

成果を出した者に報酬を与えるという趣旨をそのまま適用すれば、優秀な者だけが受け取れることにもなりかねません。

また、評価が偏らないよう基準を多様に設けることも大切です。

ここでは、インセンティブ導入の際に注意したい点を見ていきましょう。

公平に適用する

インセンティブは全社員を対象にし、公平に適用することが大切です。

一部の社員や職種に限定して適用すると、他の社員のモチベーションが下がり、社員間の関係悪化につながる可能性もあるでしょう。

こうなると、インセンティブ活用によって達成したいものとは、反対の結果になってしまいます。

一定の社員ばかりが恩恵を受けるといったことのない公正な評価基準を設け、すべての社員が平等に受け取る機会が与えられるようにしてください。

評価基準は多様に設定する

評価基準を個人の最終的な成果だけに設定すると、公平を欠く結果になる可能性があります。

また、社員同士が競争意識を持ち、必要な情報が共有されないことにもなるでしょう。

最終結果だけでなく、達成までのプロセスやチーム・会社への貢献など、成果以外の基準を評価に入れることが必要です。

また、インセンティブの対象も、金銭に偏らないことをおすすめします。

物質面だけで社員のモチベーションを維持するのは限界があるからです。

収入ばかりよくても職場環境が悪い、仕事にやりがいがないというのでは働く意欲がなくなるでしょう。

物質的なものは人間の根本にある生理的、安全的な欲求ですが、その上位に「他者と関わり承認される」「自分の能力を発揮して業務に貢献する」といったことへの欲求があります。

それらを満たすインセンティブが、真に社員の意欲を高め、会社の成長につながるものといえるでしょう。

6.インセンティブ導入の具体例

今日、社内の課題を解決するためにインセンティブを導入する会社が増えています。

「社員に働く意欲が感じられない」「若い人材が育たない」「離職率が高い」といった課題は、インセンティブの導入で解決することが可能です。

従来から、営業のノルマを達成したときなどに支給される報奨金の制度はありますが、近年は金銭以外のインセンティブも増えています。

社内コミュニケーションを活性化して社員のやる気を高めるインセンティブが活用され、成功を収めている会社も少なくありません。

ここでは、インセンティブを導入して成功した事例を2社紹介します。

損保ジャパンパートナーズ株式会社

保険の総合サービスを提供する損保ジャパンパートナーズ株式会社では、専用サイトでポイントを付与するインセンティブ制度を設けています。

それまでもインセンティブとして社内表彰制度を設けていましたが、限られた上位層にしかスポットが当たらない制度でした。

組織全体の士気を高めるには、 上位層以外の全社員の頑張りに幅広く還元できる仕組みが必要と考え、ポイント制度が導入されたそうです。

ポイントの付与基準は成約件数や良い取り組みなど、達成したい目標に照準を合わせて設定します。

導入により営業の稼働率が前年対比約2倍にアップして目標を達成し、高い効果を発揮しました。

ポイントがたまると好きな商品に交換ができ、社員からは「ポイントを息子へのプレゼントと交換し、自分の成果を還元できて嬉しい」といった声が上がるなど、社員の満足度を高める効果も出ています。

高砂熱学工業株式会社

高砂熱学工業株式会社は、空調設備の設計・施工やメンテナンスを手がける会社です。

全国に多数の支店を持ち、東京本店などでインセンティブの導入を開始しました。

従業員同士が感謝や称賛のメッセージを送り合うUnipos(ユニポス)のサービスを始め、離れた営業所の社員同士が交流したり、上司と部下のコミュニケーションを活性化したりすることに成功しています。

サービスでは、メッセージとともにポイントを贈ることも可能です。

2020年には、ためたポイントを、企業が達成したいSDGs(持続可能な開発目標)に合致する団体に寄付できるプランも採用されています。

SDGsに対する社員の意識が高まるとともに、褒め合う文化が定着したことで支店の団結力も増し、組織の活性化へとつながっています。

社員のSDGsへの意識が高まり、組織活性も実現 – 高砂熱学工業関信越支店のUnipos活用法とは?

7.まとめ

インセンティブの設計は社員のモチベーションを高め、会社を成長させるきっかけになります。

本記事では、次の内容を紹介してきました。

  • インセンティブは金銭だけでなく、社員を評価する、人間関係を強化する、企業理念を浸透させるなどの種類がある

  • インセンティブのメリットは、生産性の向上や社員の定着率が高まるなど数多い

  • 設計には対象や条件、内容を決めるなどの手順が必要

  • 全社員に公平で、評価基準も多様に設定することが大切

これらの点を押さえ、自社の課題解決のためにインセンティブの設計を計画してみてください。

記事の中でも紹介したUnipos(ユニポス)は手軽に導入でき、全社員が参加して交流を深めることもできるインセンティブサービスです。

職場の風通しを良くして組織を活性化させたいと考える会社の方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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