KSFとは?KPI・KGIとの違い、分析・設定方法を解説!

KSFという言葉を聞いたことはありますか?

「何となく聞いたことはあるけれど、詳しい内容は知らない…」

「KPIやKGIとは何が違うの?」

そんな方も多いかもしれませんね。

KSFは組織の目標達成に欠かせない要素です。KPIやKGIと混同しがちですが、それぞれの定義をしっかり押さえておくことで、経営に活かすことができます。

本記事では、KSFの概念やKPI・KGIとの違いについて基礎から解説していきます。

また、実際にKSFの考え方を実践に落とし込むにはどうしたら良いのか、方法を詳しくご紹介します。

ぜひ最後までご覧ください!

1. KSFとは

KSFは、「Key Success Factor」の頭文字を取ったもので、日本語では「重要成功要因」と訳されています。経営戦略を考える上で、目標を達成するための最も重要な要因のことを指します。

KSFを特定するためのフローとしては、市場の動向や競争環境などの「外部環境」と、自社の強み・弱みなどの「内部環境」について分析を行い、自社の強みが活かせる適切な事業機会の検討につなげていくのが一般的です。

2. KSFが重要な理由 

KSFの重要性を理解するために、設定目的と得られる効果について解説します。

KSFを定める目的

KSFを定める目的は、市場の中での競争優位性を確立することです。

現代の日本では、旧来のような大量生産・大量消費のビジネスモデルは通用しなくなってきています。人々は、常にモノに溢れている環境の中で暮らしているため、自分にとって本当に必要なものや良いと感じるものにしか対価を払わなくなってきているのです。

こうした時代の変化によって、企業が勝ち残っていくために求められるのが、「競争優位性」です。他社にない自社の強みをいかに発揮できるかが、企業経営の成功の鍵を握ります。

KSFを明確にすることで得られる効果

先述の通り、KSFが定まると他社との競争優位性が生まれます。今後注力すべき部分が明確になるので、経営戦略が立てやすくなるのです。

また、経営者だけでなく一般社員にとっても、KSFを明確にするメリットがあります。

企業全体の方針がはっきりするため、社員一人ひとりが抱える業務においても、KSFを達成するためにどうするべきかを理解しやすくなります。

すると、KSFの達成に向かって、日常的にPDCAサイクルを回しやすくなり、業務推進力が向上するほか、仕事のアウトプットも向上もするでしょう。

3. KSF、KBF、KGI、KPI、の違いとその関係性は?

KSFと似ている言葉に「KBF」「KGI」「KPI」などが挙げられます。

何となく言葉を聞いたことがあっても、いざそれぞれの定義を説明しようとすると案外難しいかもしれませんね。

それぞれの言葉の意味を整理した上で、KSFとの関連性について解説します。

KBFとは

KBFとは、「Key Buying Factor」の略で「購買決定要因」と訳されます。

顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準のことです。

KBFは、代表的なデザインや機能、価格といった要因に加え、時代によって重要視される要因が変化します。

例えば近年では、物自体のスペックの他にも、口コミやレビューなどの第三者評価に注目することも多いでしょう。これらは購買判断において無くてはならないものです。

KBFとKSFは強い関連性があります。なぜなら、KBFはKSFを特定する際に参考にできるからです。例えば、「価格が安い」「見た目がかっこいい」「使いやすい」などの顧客のニーズをKBFとして明確にすることで、自社だけが提供できて顧客が購買に至るための価値(=KSF)を導き出すことができるのです。

KGIとは

KGIとは、「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」と訳されます。

組織における最終的な数値目標を具体的に数値化した値のことです。

具体的には、売上高や成約回数など、可能な限り明確な数字を設定することが望ましいです。後述するKPIよりも上位の目標として掲げられ、企業経営を行う上で重要な指標となります。

KGIはKSFを策定する際に役立ちます。KGIは最上位指針となるため、KGIが明確になればKSFに基づく具体的な施策を検討することができるでしょう。

KPIとは

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略で、 「重要業績評価指標」と訳されます。

業績目標を達成するにあたって達成度を測定するための中間的な指標のことです。

KGIと意味合いは似ていますが、KPIはKGIという最終目標を達成するために必要となる構成要素を抽出し、達成度を管理する指標です。よって、KGIよりも具体的に取るべき行動、そしてその行動に対してどのくらいの数字を達成すべきのかという観点で定められます。

同様に、KSFの達成に対しても、KPIは具体的な管理指標になります。KPIが具体的であればあるほど、目標に向けて行動がしやすくなるでしょう。

<参考>CSFとKSF

KGI・KPIの他に、KSFと混同しやすいCSFについてもご紹介します。

CSFとは「Critical Success Factor」の略で、KSFと同じく「重要成功要因」と訳されます。

両者の違いが気になるところですが、CSFとKSFは同義であり、ビジネスシーンにおいて同様の文脈で用いられています。特に意味上の違いはないと捉えておいて問題ないでしょう。

4.KSF設定におススメのフレームワーク4つ

ここまで、KSFの重要性など基礎的な概念についてご紹介してきました。

ここからはいよいよ、具体的にKSFを設定する際の手順について詳しく解説します。

KSFを策定する際には、既存のフレームワークを活用するのが効果的です。オススメのフレームワーク4つをご紹介します。

3C分析

3C分析とは、以下の3つの視点で分析を行う方法です。

それぞれの頭文字が「C」であることから、3C分析と呼ばれています。

①Customer(顧客・市場):顧客層や顧客ニーズなど

②Competitor(競合):競合他社の現状や市場シェアなど

③Company(自社):自社の強みや弱み、評価など

KSFは、自社を取り巻く「外部要因」と自社に関する「内部要因」の両方の側面から分析を行う必要がありますが、ここでは①と②が「外部要因」、③が「内部要因」にあたります。

手順としては、まず①のCustomer分析において、顧客ターゲットやニーズ、市場の動向などを分析し、KBF(購買決定要因)を抽出します。

続いて、②のCompetitor分析において、競合他社の強み・弱み、評価、市場の動向などを確認します。

最後に、③のCompany分析をにおいて、自社の強み・弱み、評価などを確認し、②の分析結果と照らし合わせながら、競合比較を行います。

①〜③を順に分析していくことで、競合他社との差別化のポイントや自社の強みを発揮できる分野が明らかになり、KSFを策定することができます。

SWOT分析

SWOT分析は、マーケティングなどでも使われる有名なフレームワークです。

4つの頭文字を取って、SWOT分析と呼ばれています。

①Strength:強み

②Weakness:弱み

③Opportunity:機会

④Threat:脅威

①・②が「内部要因」、③・④が「外部要因」にあたります。

①・②の内部要因の分析においては、自社の強み・弱み、そして他社の強み・弱みを徹底的に分析します。すると、他社になくて自社にあるもの、他社にあって自社にないものが浮き彫りになります。

③・④の外部要因の分析においては、自社にとってプラスになる機会や、マイナスになる脅威を分析します。

市場の動向、経済情勢、顧客ターゲットやニーズの変化などがキーワードになるでしょう。

①〜④までが出揃ったら、クロスSWOT分析を行い、①強み×③機会を掛け合わせてどのようなビジネスチャンスがあるのか、②弱み×④脅威を掛け合わせてどんな点を強化して行かなければならないのか、といった点を整理します。

これらを踏まえ、競合他社との差別化が図れるようなKSFを策定してみましょう。

PEST分析

PEST分析は「政治」「経済」「社会」「技術」という4つの観点で、外部環境の動向を分析する方法です。

それぞれの頭文字を取って、PEST分析と呼ばれています。

①Politics:政治的要因

②Economy:経済的要因

③Society:社会的要因

④Technology:技術的要因

これまでご紹介した3C分析やSWOT分析と異なり、①〜④全てが「外部要因」の分析にあたります。

他の分析方法だとなかなか気づきにくい、法律や条例、税制や政権交代などといった政治的な内容も踏まえて分析できる点が特徴です。

業種によっては、法の改正がビジネスに大きな影響を及ぼすこともあるので、KSFを策定する際に検討しておくのが良いでしょう。

5F分析

5F(Five Forces)分析は以下の5つの視点をもとに分析を行います。

①新規参入の脅威

②代替品の脅威

③売り手の交渉力

④買い手の交渉力

⑤競合他社との敵対関係

①・②は「外部要因」、③〜⑤は「内部要因」の分析にあたります。

外部要因については、先述のPEST分析と近しい部分もありますが、PEST分析の方がよりマクロな視点、5F分析の方がよりミクロな領域で分析ができます。

①の新規参入の脅威としては、法改正や規制整備、技術革新、経済成長率の低下など市場に新規参入する際の障壁となる内容が挙げられます。

②の代替品の脅威としては、代替品になり得る商品を特定し、その価格や価値を分析します。

③の売り手の交渉力は、競合する企業の数や力関係など、④の買い手の交渉力には販売業者数などが挙げられます。これらを分析することで、自社の利益が下がる要因を抽出することができます。

⑤競合他社との敵対関係については、競合や業界の現状などを分析し、何が競争関係に影響を及ぼすのかを検討します。

5F分析を通じて、業界における自社の現状を明確化した上で、多角的な視点から「機会」と「脅威」の分析をすることができます。

5.KSF設定の具体例 

「KSF設定方法は分かったけれど、イメージが今ひとつ掴めない」という方に向けて、実際の導入例を取り上げながらご紹介します。

KSFの設定の仕方から、設定後に期待できる効果までの一連の流れについて、理解を深めましょう。

KSFの設定フロー

KSFは単体で設定するよりも、経営戦略を考える中で、KGIやKPIと一緒に検討するケースが一般的です。

フローの全体感としては、以下のイメージになります。

①KGIの設定

②KGIに対する現状把握

③KGI達成までのプロセス検討

④KSFの設定

⑤KPIの設定

①KGIの設定

KGIは最終目標になるため、誰にとっても理解しやすいよう、可能な限り具体的な数値目標にします。

KGIを策定する際には、どのくらいの期間で達成すべき目標か、最終的にありたい姿・理想は何かという観点で検討してみましょう。

②KGIに対する現状把握

KGIに掲げた理想と現状とのギャップを理解し、不足している点を補っていくことで目標達成に近づけます。

③KGI達成までのプロセス検討

②で把握した現状の地点からどのような計画で目標に到達するかを考えます。

ここでは、関係者を巻き込みながら、多角的な視点で現実的に行うことのできる内容を検討しましょう。

④KSFの設定

ここまでできたら、KSFの設定を行います。

具体的な方法については、既にご紹介したフレームワーク分析を活用するのがオススメです。「外部要因」と「内部要因」に着目するのがポイントです。

⑤KPIの設定

KSFが設定できれば、目標達成するために取るべき行動がかなり明確化してきます。

あとは、それぞれのKSFに対応した具体的な管理指標であるKPIを作ることができれば、社員一人ひとりの業務に落とし込みやすくなります。

KPIを検討する際の注意点としては、具体的な指標を作る必要があるため、現場視点を意識することです。

あまりにも現実離れした数値目標を立ててしまうと、実態と乖離しすぎて現場がついて来れなくなってしまう可能性があるので注意しましょう。

KSF設定フローの具体事例

上記の内容が実際にどのようなケースで行われるのか、具体事例をご紹介します。

ある商品を販売している会社において、業績向上のための戦略立案をする事例を考えてみます。

まず、KGIの設定において【半年で売上高を3億円/月にする】と言う具体的な数値を掲げます。

次にKGIに対する現状把握をしてみると、例えば、商品ラインナップがマンネリ化している、集客力の伸びが鈍化している、顧客満足度が下がっている、などさまざまな要因を挙げることができるでしょう。

現状を踏まえて、売上高を単月で3億円に到達させるために、商品を増やしてみることと並行してお客様へのアプローチを見直してみるという計画を立てます。

ある程度のプロセスが見えてきたら、KSFの設定に移ります。

まずは、自社や競合他社の現状を分析し、自社ならではの強みを見つけましょう。こうした分析を経た結果、成功要因として「豊富な商品ラインナップ」「集客力の強化」「既存顧客の満足度向上」などを特定することができます。

KSFを設定できたら、それぞれに対して具体的な指標であるKPIを立てます。

例えば、「店舗での取扱商品の数を20%増加させる」「メディアとのタイアップを行うSNSのフォロワーを2万人増やす」「常連客への特別優待券配布の予算を200万円増額する」などの具体的な数値目標を立てることができます。ここまで設定することができれば、社員一人ひとりの取るべき行動を明確することができます。

いかがでしたか?具体事例とともに理解は深まりましたでしょうか。

今回の事例では、売上高がテーマとなりましたが、採用などの人に関する内容でも応用することができます。自社の経営課題に応じて、フローに沿った検討を進めてみてください。

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6.まとめ

本記事では、KSFについて基本的な概念のご紹介に始まり、具体的にビジネスシーンでどのように活用できるのかという点について詳しく解説してきました。

今回の内容をおさらいします。

・KSFは「重要成功要素」の意味で、目標を達成するため鍵となる要素のことを指す。

・KSFを策定するには、外部要因と内部要因をそれぞれ分析する必要がある。

・KSFが明確になると競合他社と差別化を図りながら自社の強みを活かすことができるよう

 になる。

・KSFの分析にはフレームワークを用いると良い。

・KGI・KPIなど他の概念と組み合わせながら、経営目標の策定〜達成までを実行すること

 ができる。

KSFの理解を深め、企業経営にぜひ役立ててみてくださいね。

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