メンター制度とは?メリットデメリットと事例から学ぶ失敗しない方法

近頃、人材の定着率を高める施策として注目を集めている制度に「メンター制度」があります。

メンター制度とは、先輩社員が後輩社員と1対1のペアになって、会社生活を送る上でのさまざまな支援を行う企業の仕組みです。

メンター制度には、次のメリットとデメリットがあります。

魅力的な制度ではありますがデメリットもあります。メンター制度を成功させるためには「メンターの役割」「制度の運用」について、正しい理解が不可欠です。

本記事では、メンター制度の基礎知識から企業事例まで、

  • これからメンター制度の導入をしたい方
  • 今あるメンター制度の見直しをしたい方

が、メンター制度で失敗しないために役立つ情報を、わかりやすくコンパクトにまとめました。

読み進めるうちに、メンター制度に関わる疑問が解決し、誤解していた部分まで明らかになっていきます。

メンター制度の導入・見直しへ着手する前に本記事をご覧いただき、意義あるメンター制度導入の一助としていただければ幸いです。

1. 先輩社員が後輩社員をサポートするメンター制度の基礎知識

さっそく「メンター制度とは何か?」の基礎知識から学んでいきましょう。

冒頭でもお伝えした通り、メンター制度を一言でいえば「先輩社員(=メンター)が後輩社員(=メンティ)をサポートする制度」となりますが、本章ではより具体的に解説します。

1-1. 「メンター」とは?

組織上の仕組みである「メンター制度」について学ぶ前に、「メンター」の意味から理解するとスムーズです。

メンター(mentor)とは「良き指導者、助言者」という意味の英語。ビジネスシーン以外でも使われる言葉で、例えば「あの人は、私の人生のメンターだ」といった使い方をします。

ここで押さえておきたいのは、メンターという言葉が含む、以下のようなニュアンスです。

  • 経験の浅い未熟な若者を支援する経験豊かな年配者
  • 精神面も含めてサポートを行う人
  • 支援されている人との間に強い信頼関係がある

単なる指導者・助言者にとどまらず、支援される側の「心の支え」となり大きな影響を与えるのがメンターの特性です。

例えば、あなたが今までに接してきた人生の先輩・年長者・恩師との間で、次のような経験をしたことはありませんか。

  • 行き詰まったときもらった一言で、大事なことに気付かされた
  • 対話をしているうちに、自然と視野が広がる感じがする
  • 人生の節目では、いつも心の支えになってくれた

信頼関係のもとに、相手にこういったサポートをもたらすのがメンターとイメージすると、わかりやすいでしょう。

1-2.メンターにまつわる用語を整理

ここでメンターにまつわる用語を整理しておきましょう。

メンターに支援される側の人のことは「メンティ(mentee)」、行われる支援全般を指して「メンタリング(mentoring)」と呼びます。

※1 「メンティ」は「プロテジェ」と呼ばれる事もあります。

※2 詳しくは次項で解説しますが、企業におけるメンター制度では「メンタリング」という言葉を面談に絞って使われることが多くなっています。

「メンター」について理解ができたら、次は企業における施策としての「メンター制度」について、詳しくみていきましょう。

1-3. 企業における「メンター制度」とは?

企業における「メンター制度」とは、組織が特定の社員をメンターとして任命することで「メンター⇔メンティ」の関係性を仕組みとして意図的に作る制度のことです。

メンター制度において「メンター役」を引き受けるのは先輩社員、「メンティ役」は主に新入社員となります。

 

先輩社員と新入社員が11でペアになり、信頼関係を築きながら新入社員をサポートするのがメンター制度の特徴です。

具体的なメンタリング(メンターがメンティに行う支援)の内容は、次のようなものです。

  • 仕事上の秘訣・やり方に関するサポート
  • 職場での人間関係の築き方に関するサポート
  • メンティが仕事上で抱えている悩み相談

業務上の指導・教育以外の面で、「その会社で生きていく上で必要な知恵」を授けたり、メンティが困っているときに頼れる先輩として相談に乗ったりするのが、メンター制度におけるメンターの役割です。

メンター制度では、基本的にメンタリングは「面談」での対話を通して行います(メンタリング=面談、という意味で使われることもあります)。

対話の形式には、決まりはありません。教え・アドバイス・サポート・傾聴など、状況および相手に合わせて選びます。

ここで「人生の先輩・年長者がメンターの適役なら、上司がやれば良いのでは?」という疑問が浮かんだ方もいるかもしれません。

また「普通の先輩とメンターって、何が違うの?」というのも、わかりづらい点かと思います。この2点については、次章でさらに詳しく見ていきましょう。

2. 押さえておきたい「上司」「先輩」とメンターの違い

 

メンター制度を運用する上でしっかり押さえておきたいのが「上司」「先輩」とメンターの違いです。

  • 上司部下の関係とは何が違うのか?
  • 先輩後輩の関係とは何が違うのか?

本章では、この2つを理解することで、メンター制度の本質を浮き彫りにしていきましょう。

2-1. 「上司」との違い

 

まずは「上司」とメンターの違いから見ていきましょう。

メンター制度には「メンターは上司以外の人物から選ぶ」という原則があります。

上司はメンターには適しません。なぜなら、仕事の指示・命令を下し評価を行う上司と部下には、利害関係が発生するからです。

メンター制度は、仕事上の利害関係とは無縁の関係性を通じて若手社員を支援するところに特徴があります。それは「斜めの関係」とも呼ばれます。

 

例えば、仕事上の悩みを抱えてしまったとき、上司に相談するのは誰しも気が引けるものです。

「上司との関係が悪くなって、会社に居づらくなったらどうしよう」
「こんなことを上司に相談したら、評価が下がるかもしれない」

そんなとき、上司ではなく「斜めの関係」であるメンターであれば、「不安や悩みの良き相談相手」になることができるのです。

2-2. 「先輩」との違い

次に「先輩」とメンターの違いですが、本質的には先輩・後輩関係とメンター制度におけるメンター・メンティの関係は同じです。

 

例えば、自分が新入社員だった頃を思い出してみてください。

「職場の雰囲気になじめずにいたら、先輩がランチに誘ってくれた」
「上司に怒られて落ち込んでいるとき、先輩が声をかけてくれた」
「会社をやめたいと思ったとき、先輩が思いとどまらせてくれた」

このような「先輩の存在」に助けられた経験のある人は、少なくないはずです。

しかし「先輩が後輩を助ける仕組み」は、意図的に作られたものではありません。あくまで先輩社員の自主性に依存したもの。自然発生している企業もあれば、していない企業もあります。

この先輩が後輩を助ける仕組みを、自然発生に依存せず、制度として意図的に作り上げるのが「メンター制度」なのです。

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