メンター制度とは?離職防止と心理的安全性を育む“信頼の仕組み”

マネジメント強化による従業員のエンゲージメント向上!

メンター制度とは?離職防止と心理的安全性を育む“信頼の仕組み”

新卒や若手社員の離職が続き、「育成しても辞めてしまう」「早期退職を防ぎたい」
と悩む企業が増えています。特に今は、業務スキルだけでなく

  • 孤独感

  • キャリア不安

  • 人間関係の悩み

といった心理的要因が、離職の大きな理由となっています。こうした背景から、**若手定着の“決め手”としてメンター制度を導入する企業が急増しています。

なぜ今、メンター制度が離職防止のカギなのか

近年、新卒社員や若手社員の早期離職が増加し、企業にとって大きな経営課題となっています。
スキル不足だけでなく、入社直後の孤独感やキャリア不安といった心理的要因が、離職の背景として指摘されています。

こうした状況の中、上司とは異なる立場で寄り添い、安心して悩みを相談できる存在をつくる「メンター制度」が、オンボーディング(新入社員の定着支援)施策として注目されています。
信頼できる先輩社員が伴走者となり、若手社員の不安を軽減し、早期戦力化と定着を両立させる仕組みです。

若手離職率の現実(厚生労働省データ)

厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、2021年3月卒業者の就職後3年以内の大学卒離職率は34.9%に達し、これは過去15年間で最も高い水準です。新卒で入社した約3人に1人が、早期に職場を離れているという厳しい現実が浮き彫りになっています。

若手社員が離職を選択する主な理由は、調査によって以下の点が明らかになっています。

  • 自身の希望と業務内容のミスマッチ(37.9%)

  • 待遇や福利厚生への不満(33.0%)

  • キャリア形成が望めないため(31.5%)

さらに、「人間関係がうまくいかなかった」という声も上位に挙げられており、若手社員が職場で孤立し、気軽に相談できる相手がいないことや、将来への漠然とした不安を感じやすい環境が、離職の大きな背景にあると考えられます。

この高い離職率は、企業にとって見過ごせない経営課題です。具体的には、新たな人材の採用活動や育成にかかるコストが繰り返し発生するだけでなく、貴重な知識や経験を持つ人材の流出によるノウハウの損失、さらには組織全体の士気低下にもつながりかねません。こうした深刻な状況を改善するためには、根本的な対策が不可欠です。

項目

OJT

メンター制度

目的

業務スキルの習得

精神的サポート、キャリア形成支援

担当者

直属の上司や先輩(業務上の利害関係あり)

他部署の先輩社員(利害関係なし、ナナメの関係)

アプローチ

ティーチング(教える)

コーチング(引き出す)、カウンセリング

OJTとの違い ― メンター制度は“心の支援”

OJT(On-the-Job Training)は、実務を通じてスキルや業務知識を習得させる育成手法です。
一方、メンター制度は、日常業務とは離れた立場の先輩社員が心理的サポートやキャリア相談を行う仕組みです。

直属の上司ではなく、利害関係のない先輩と対話できることで、若手社員は本音を話しやすく、孤立を防ぎやすいのが特徴です。
OJTが「仕事を教える制度」だとすれば、メンター制度は「安心して働ける環境をつくる制度」と言えます。

離職を防ぐ3つの科学的メカニズム

メンター制度は単なる相談窓口ではなく、離職防止につながる科学的根拠に基づいた仕組みです。
特に以下の3つの要素が若手社員の定着を支えます。

  • 心理的安全性:安心して相談・挑戦できる環境

  • 承認:努力や成長が正しく評価される状態

  • キャリア透明性:将来の成長イメージが描ける状態

これらが揃うことで、若手社員は「ここで働き続けたい」と感じ、定着率が向上します。

状態

新入社員の行動・感情

結果

心理的安全性が欠如

質問をためらう、ミスを隠蔽、孤立感を深める、「無知・無能だと思われる不安」

成長機会の損失、早期離職のリスク

心理的安全性が高い

積極的に発言・挑戦、些細な疑問や失敗への不安を打ち明ける、「失敗しても大丈夫」という安心感

成長促進、組織エンゲージメント向上、離職防止

①心理的安全性 ― 失敗を共有できる“安心の場”

「対人関係上のリスクを負っても安全であると信じられる状態」を「心理的安全性」と呼びます。これは、ハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱した概念です。Googleが数百チームを対象に実施した「プロジェクト・アリストテレス」調査でも、効果的なチームの最も重要な特徴であることが示されています。心理的安全性の高い職場では、従業員は否定や非難を恐れることなく、自由に発言し、新たな挑戦ができます。

メンター制度は、この心理的安全性の醸成に大きく貢献します。直属の上司とは異なり、評価に直接的な利害関係を持たないメンターは、新入社員にとって利害関係のない相談相手となります。新入社員は「無知・無能だと思われるのではないか」という不安を感じることなく、些細な疑問や失敗への懸念を素直に打ち明けられる環境が提供されるでしょう。

心理的安全性が欠如した環境では、新入社員は質問をためらい、ミスを隠蔽しがちです。その結果、孤立感を深めてしまうことも少なくありません。このような状態は、早期離職の引き金となりかねません。

心理的安全性の有無が新入社員に与える影響は以下の通りです。

しかし、メンターとの対話を通じて「失敗しても大丈夫」という安心感を得られると、新入社員は積極的に業務に挑戦できるようになります。この前向きな姿勢が成長を促し、組織へのエンゲージメントを高めることで、離職防止につながります。実際に、心理的安全性を高めた組織では、離職率が59%低下した事例も報告されています。

②承認と称賛 ― 感謝の循環が信頼を育む

人は誰しも「認められたい」という欲求を抱いています。これはマズローの欲求段階説における「承認欲求」として知られ、他者から尊重され、評価されることで自己肯定感やモチベーションが高まるという普遍的な心理です。メンター制度では、メンターが若手社員の小さな成長や努力を日常的に承認し、称賛することで、若手社員の自己肯定感を育み、組織への所属意識を強化する効果が期待できます。

OJT担当者や直属の上司からの評価は、業務成績や人事考課に直結するため、若手社員にとっては多かれ少なかれ利害関係を伴います。しかし、利害関係が薄いメンターからの純粋な称賛は、若手社員にとって忖度のない、心からの評価として受け取られやすいものです。これにより、若手社員のエンゲージメントは一層向上するでしょう。

さらに、この承認と称賛は「感謝の循環」を生み出します。若手社員はメンターからのサポートや称賛に対し感謝の気持ちを抱き、その感謝の言葉や態度が、今度はメンター自身の自己有用感を満たします。このポジティブな相互作用は、メンターと若手社員双方の信頼関係をより強固にし、組織全体のポジティブなコミュニケーションと活性化を促進します。業務指導だけにとどまらない、こうした人間的なつながりが、「この会社に居続けたい」と感じる従業員の強力な動機となるのです。

項目

状況

調査結果

成長実感の有無と転職意向

成長を「実感していない」新入社員

53.8%が転職を希望

メンターの有無と成長実感

メンターが「いる」新入社員

メンターがいない新入社員より成長実感が高い

③キャリア透明性 ― 成長実感が「辞めない理由」になる

メンター制度が離職防止に貢献する3つ目の要素は、「キャリア透明性」の向上です。メンターとの対話は、若手社員が自身のキャリアパスを明確に描き、将来への不安を解消する上で非常に重要な役割を果たします。メンターは、身近なロールモデルとして、この会社でどのように成長し、どのようなキャリアを築けるのかを具体的にイメージさせる存在となるでしょう。

リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、新入社員の成長実感と転職意向には明確な関連が見られます。

新入社員の成長実感と転職意向・メンター制度の関係

これは、メンターによる定期的なフィードバックや目標設定のサポートが、若手社員の成長実感を育み、仕事へのエンゲージメントを高めているためと考えられます。具体的には、フィードバック量が多いほど、また、自身の仕事が組織にどう貢献しているかを説明されるほど、成長実感は統計的に有意に高まる傾向があることが示されています。

自身のキャリアの道筋が明確になり、日々の業務を通じて成長を実感できることは、社員にとって強力な「会社に留まる理由」となります。メンター制度は、このキャリア透明性と成長実感を同時に提供することで、社員の定着を強力に後押しする効果が期待できます。

ステップ

内容

ステップ①

目的を「育成」から「定着」へ

ステップ②

メンター選定と育成

ステップ③

効果測定の仕組み化

メンター制度を“離職防止策”として設計する方法

メンター制度は、若手社員の定着を促す有効な施策です。しかし、ただ制度を導入するだけでは、期待通りの効果を得られないケースも少なくありません。メンター制度の運用においては、メンターと若手社員の相性がうまくいかなかったり、メンターの業務負担が増加したりといった失敗事例も存在します。

重要なのは、制度の目的を「離職防止」に明確に定め、その目的達成に向けた具体的な仕組みを構築することです。明確な目的設定と、それに沿った制度設計があってこそ、効果的な運用が可能になります。

本セクションでは、離職防止に特化したメンター制度を設計するための重要なステップを解説します。具体的には、以下の3つのポイントに焦点を当ててご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

離職防止に特化したメンター制度を設計する際の重要な3つのステップは以下の通りです。

ステップ①:目的を「育成」から「定着」へ

従来のメンター制度では、新入社員のスキル習得や早期戦力化といった「育成」に主眼が置かれることが一般的でした。しかし、育成のみに焦点を当てすぎると、若手社員が抱える精神的な孤立感や職場への漠然とした不安といった内面的な課題を見過ごしてしまう可能性があります。その結果、業務スキルが向上しても精神的なサポートが不足し、最終的に離職につながるリスクが生じます。

効果的なメンター制度を設計するには、まずその主目的を「離職防止・定着率向上」に明確に再設定することが不可欠です。育成はあくまで定着を促すための重要な手段の一つと位置づけ、この目的の転換が制度設計全体の指針となります。具体的には、以下の測定可能で具体的なゴールを設定することで、より実効性の高い運用が可能になるでしょう。

  • 入社1年後の定着率目標の設定

  • エンゲージメントサーベイにおける特定項目のスコア向上

  • 若手社員からの相談しやすさに関するアンケート評価

この再設定された目的は、経営層、人事部門、現場のメンター、そして若手社員自身にまで明確に共有される必要があります。関係者全員が「離職防止」という共通の目標に向かって協力し合うことで、制度は形骸化することなく本来の力を発揮し、社員の定着に大きく貢献するでしょう。

ステップ②:メンター選定と育成

メンター制度を離職防止策として効果的に機能させるには、メンターの選定と育成が非常に重要です。まず選定においては、業務スキルや経験年数にとどまらず、「傾聴力」「共感性」「ポジティブな姿勢」といった人間性を重視すべきです。若手社員が安心して悩みを打ち明け、信頼関係を築けるかどうかが、制度成功の鍵を握るからです。

メンターは単に任命すれば良いというものではなく、会社として継続的な育成とサポート体制を整えることが不可欠です。メンターに全てを「お任せ」の状態では、負担が増大し、結果として制度が形骸化する最大の原因となります。メンター自身の成長のためにも、定期的な研修やフォローアップが欠かせません。

具体的な育成施策として、以下の点が挙げられます。

  • メンター制度の目的(離職防止、定着)を共有するキックオフ研修の実施

  • 効果的な1on1の進め方やコーチングの基礎スキルを学ぶトレーニング

  • メンター同士が活動の悩みを共有し合う場の設定

  • メンター自身のモチベーション維持のため、貢献を人事評価に反映させたり、活動手当を支給したりする仕組みの導入

  • 上司や人事部が定期的にメンターをフォローアップし、孤立させないサポート体制の構築

ステップ③:効果測定の仕組み化

メンター制度は、導入して終わりではなく、その効果を測定し、継続的に改善していくPDCAサイクルを回すことが不可欠です。制度の目的である離職防止を確実に達成するためには、効果測定の仕組みを設計し、運用していく必要があります。

効果測定においては、定量的指標と定性的指標の両面から評価することが重要です。定量的指標としては、対象となる若手社員の離職率、エンゲージメントサーベイのスコア推移、1on1セッションの実施率などを設定すると良いでしょう。一方、定性的指標としては、若手社員の満足度調査、メンター・若手社員双方へのヒアリング内容、日報やコミュニケーションツールに記録される対話から読み取れる関係性の質などが挙げられます。

これらのデータを収集するためには、定期的なパルスサーベイの実施や、人事部によるメンター・若手社員への個別面談が有効です。また、Microsoft TeamsやSlackなどの社内コミュニケーションツールを活用して、メンタリングの記録や進捗を管理することも、データ分析に役立ちます。

測定結果を分析することで、制度の課題を特定し、具体的な改善アクションに繋げます。考えられる改善アクションの例は以下の通りです。

  • メンターへの追加研修の実施

  • メンターと若手社員のマッチング方法の見直し

  • コミュニケーション頻度に関するルールの変更

この継続的な改善サイクルを通じて、メンター制度は真に効果的な離職防止策として機能するはずです。

企業名

対象社員

離職率改善効果

アクセンチュア

新入社員

40%低下

富士通

若手社員

約30%減少

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成功事例 ― メンター制度×称賛文化で定着率を高めた企業

メンター制度は、単独で機能するだけでなく、社員の承認欲求を満たす「称賛文化」と組み合わせることで、より高い相乗効果を生み、従業員の定着率向上に貢献します。特に、SNSに慣れ親しんだZ世代は、「月に数回以上の賞賛や認識を望む」傾向が、ベビーブーマー世代に比べて73%も高いというGallupの調査結果が出ています。こまめな承認とフィードバックは、彼らの自己肯定感を育み、強固な信頼関係を築く上で不可欠な要素です。

実際に、適切な承認を得ている社員は、そうでない社員と比べて、仕事へのエンゲージメントが4倍高いというデータも示されています。このような背景から、メンター制度に称賛文化を組み合わせることで、社員の「会社に居続けたい」という意欲を強力に後押しできると考えられます。本セクションでは、メンター制度と称賛文化を融合させ、組織課題を解決した企業の成功事例を3つご紹介します。

メンター制度と称賛文化を導入した企業の離職率改善事例

例えば、アクセンチュアでは新入社員の離職率が40%低下し、富士通でも若手社員の離職率が約30%減少した実績があります。

関西みらい銀行 ― 感謝文化で若手離職率を大幅改善

2019年、関西アーバン銀行と近畿大阪銀行の合併により誕生した関西みらい銀行は、組織が大きな変革期を迎えていました。合併に伴う大規模な店舗統廃合や人員削減が急ピッチで進められた結果、従業員一人ひとりの業務量は増加し、同時に職場における身近なサポートや人とのつながりが減少しました。これにより、従業員の間に孤独感が広がり、組織全体に大きな疲弊感が生まれていたのです。特に若手行員の離職率の高さは見過ごせない経営課題であり、また営業店と本部間の相互理解不足やコミュニケーションの希薄化も課題として顕在化していました。このような状況を打破するため、組織全体の活性化と従業員の定着率向上に向けた抜本的なカルチャー変革が強く求められました。

このような喫緊の課題を解決するため、関西みらい銀行はコミュニケーションを起点としたカルチャー変革に着手しました。その具体的な打ち手の一つとして、全社約6,500名を対象にメンター制度(1on1ミーティングの奨励として運用)や、従業員同士で感謝や称賛を送り合うピアボーナスツール「Unipos」を導入しました。Uniposは「Mecha!(めっちゃ!)」という愛称で運用を開始し、その導入の決め手は次の3点にありました。

  • ツールのシンプルさ

  • 実行力のあるサービス

  • 営業店と本部間の相互理解促進への効果

従業員に負担や強制感を与えず「楽しんで使うツール」であることを強調し、1on1ミーティングの土台としてUniposを活用することで、組織全体で新人を支える「感謝文化」の醸成に努めました。

これらの多角的な施策が功を奏し、関西みらい銀行では目覚ましい成果が表れました。定量面では、年に1回実施される従業員意識調査において、特に重視していたモラールに関する3項目が大きく向上し、りそなグループ全体の中でも最も高い上昇率を記録しています。また、Unipos導入前はグループ全体の中でも退職率が高い状況にありましたが、様々な施策の実行により、特に若手行員の退職率が大幅に改善する傾向が見られました。さらに、社内ではUnipos(Mecha!)が「これは明日またMecha!で盛り上がりそう」「Mecha!を送ろう」といった言葉が自然と飛び交うほど深く浸透し、従業員のエンゲージメントスコアも着実に向上するなど、具体的な変化が確認されています。

この成功の要因は、単なる1対1のメンタリングに留まらず、Unipos(Mecha!)を活用した組織全体からの承認と称賛の文化が若手行員の心理的安全性を大きく高めた点にあります。直属の上司とは異なるメンターとの安心して相談できる関係に加え、日常的な業務における小さな貢献や成功が「Mecha!」を通じて可視化され、多くの同僚や他部署の社員からも認められる機会が増加しました。これにより、若手行員は職場での孤立感を解消し、「無知・無能だと思われる不安」を感じることなく安心して意見を表明できる環境で、自己肯定感を育む環境となりました。このような強固な信頼関係と相互承認の文化が、組織への帰属意識を一層強化し、若手社員の定着率向上につながったと考えられます。

項目

内容

導入前の課題

複数の製造拠点が点在し、従業員の一体感醸成やコミュニケーション活性化が困難。部門間の縦割り意識や拠点を超えた連携不足が、社員のエンゲージメント低下や離職リスクにつながっていた。

実施した取り組み

ピアボーナスツール「Unipos」を導入し、全社を挙げて「称賛文化」を構築。拠点や部門の垣根を越え、感謝や称賛のメッセージをポイントとともに送り合い、企業理念や行動指針のタグを付与することで価値ある行動を明確化した。

三菱電機セミコンダクター事業本部 ― 拠点横断の称賛文化で定着維持

三菱電機セミコンダクター事業本部では、複数の製造拠点が点在しており、従業員の一体感醸成やコミュニケーション活性化が課題となっていました。特に、部門間の縦割り意識や拠点を超えた連携不足は、社員のエンゲージメント低下や離職リスクの原因となっていました。こうした状況を受け、組織全体で互いを認め合う文化の必要性が高まりました。

導入前の課題と実施した取り組みは以下の通りです。

この課題を解決するため、同事業本部ではピアボーナスツール「Unipos」を導入し、全社を挙げて「称賛文化」の構築に取り組みました。従業員はUniposを活用することで、拠点や部門の垣根を越え、日々の業務への貢献に対して感謝や称賛のメッセージをポイントとともに送り合えるようになりました。さらに、投稿に企業理念や行動指針のタグを付与することで、価値ある行動を明確にし、社員の主体的な行動を促しました。

Uniposを通じた称賛文化は、以下の点で社員のモチベーション向上と心理的安全性の確保に大きく貢献しました。

  • 社員のモチベーション向上

  • 心理的安全性の確保(多方面からの評価による自己肯定感の向上、安心して意見を表明できる環境の形成)

  • 部門や拠点を越えた強固な信頼関係の構築

  • 高い定着率の維持

この相互承認の仕組みが、部門や拠点を越えた強固な信頼関係を築き、高い定着率を維持する要因となりました。物理的なメンター制度に加え、拠点横断の称賛文化が心理的なサポート関係を構築し、離職防止に寄与しています。

側面

メンター制度の役割

Uniposの役割

相乗効果

人間関係の構築

1対1の信頼関係構築

組織全体への関係性拡張

多角的な承認と所属意識の強化

貢献の承認

若手社員の具体的な称賛、ポイント付与

称賛の可視化、他者からの共感

自己肯定感の向上、行動へのモチベーション向上

組織文化の形成

制度の形骸化防止

感謝・称賛の日常的な蓄積

「互いを認め、支え合う」文化の定着

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Unipos導入企業 ― ピアボーナス×メンター制度で文化定着

メンター制度は1対1の信頼関係構築に重きを置きますが、ピアボーナスツール「Unipos」を併用することで、その関係性を組織全体に広げ、「称賛文化」として定着させるモデルが注目を集めています。

以下に、Uniposとメンター制度の連携による効果をまとめます。

メンターは、若手社員の小さな成功や日々の努力、貢献をUnipos上で具体的なメッセージとともに称賛し、少額のポイントを贈ります。

これらの称賛は社内のタイムラインで共有され、他の従業員も「いいね」や「拍手」で反応できます。これにより、若手社員はメンターだけでなく、部署や役職を超えた多くの社員から承認される機会を得られます。このように多角的な承認を得ることで、新入社員の自己肯定感が育まれ、組織への強固な所属意識が醸成されます。

Unipos上で感謝や称賛が日常的に可視化・蓄積されることで、「互いを認め、支え合う」文化が自然と形成され、メンター制度が形骸化することなく組織に深く根付くでしょう。実際にUniposを導入した企業では、社内に「称賛文化」や「感謝体質」の土台が醸成され、従業員エンゲージメントの向上や離職防止に貢献していると報告されています。

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問題点

解決策

メンターの負担過多と孤立化

業務負荷の調整(活動時間の確保)、貢献度を人事評価に反映、活動手当の支給、メンター同士が悩みを共有できる場の設定

相性のミスマッチと関係性の放置

マッチング精度の向上(事前アンケートによる性格や価値観、キャリア志向の把握)、ミスマッチ時の柔軟な交代ルールの整備、人事部による定期的な関係性フォロー

目的の形骸化

制度目的(離職防止、心理的安全性向上)の定期的な周知、対話テーマ例(キャリアの悩み、人間関係、ストレス管理など)の提供、メンター向けに傾聴やコーチングスキルを学ぶ研修の実施、人事部によるメンタリング内容のモニタリング(※)<br>(※)若手社員のプライバシーに配慮しつつ、目的達成に向けた対話が行われているかの確認に留める

うまくいかないケースとその解決策

メンター制度は離職防止に有効な手段である一方、運用方法を誤ると、期待通りの効果が得られないばかりか、かえってメンターと若手社員双方の負担となり、離職リスクを高めてしまう可能性もあります。制度を成功させるためには、起こりうる問題点を事前に把握し、適切な解決策を講じることが不可欠です。

ここでは、メンター制度が機能しない典型的なパターンを「問題点」と「解決策」のセットでご紹介します。

メンター制度が機能しない主な問題点と解決策は以下の通りです。

Uniposを活かした“称賛×メンター”の好循環モデル

メンター制度は、新入社員や若手社員にとって心の支えとなる重要な仕組みですが、運用上いくつかの課題を抱えるケースもあります。例えば、メンターと若手社員の「1対1」の関係に限定されるため、その効果が組織全体に波及しにくいことや、メンター側の負担が増大し、活動が形骸化してしまうリスクなどが挙げられます。このような課題に対し、ピアボーナスツール「Unipos」を組み合わせることで、メンター制度をより効果的に機能させ、離職防止と組織全体の活性化につながる好循環を生み出すことが可能です。Uniposは、感謝や称賛をオープンに可視化し、組織に「称賛文化」を醸成することで、閉鎖的になりがちなメンター制度の運用をサポートします。

Uniposを活用した「称賛×メンター」の好循環モデルは、以下のステップで組織に浸透していきます。

  • ① メンターが若手社員の行動をUniposで称賛

メンターは、若手社員の業務における小さな成功や努力、成長の兆しを見逃さず、Uniposを通じて具体的なメッセージとともに称賛します。これは、日々の業務で奮闘する若手社員にとって大きなモチベーションとなるでしょう。

  • ② 周囲が可視化し、さらに称賛

メンターからの称賛はUniposのタイムライン上で全社員に共有され、若手社員の活躍が可視化されます。他の社員も「いいね」や拍手、コメントで追加の称賛を送ることができ、若手社員はメンターだけでなく、多様な立場の人々から認められる機会を得られます。これにより、社員間の認知が促進され、普段接点のない社員とのコミュニケーションも活性化します。

  • 若手社員の自己肯定感と心理的安全性が向上

多方面からの承認と称賛は、若手社員の自己肯定感を高め、「自分は会社に貢献できている」という実感を育みます。また、オープンな称賛を通じて、失敗を恐れずに意見を表明できる心理的安全性の高い環境が醸成され、自発的な挑戦行動を促します。実際にUniposを通じて感謝や称賛を受け取ったことが、退職を検討していた若手社員のモチベーション向上につながり、部署のエース級に成長した事例も報告されています。

  • 若手社員の育成への貢献も可視化

若手社員が称賛されることは、メンターのサポートが実を結んでいる証でもあります。メンターの貢献もUnipos上で間接的に可視化されることで、メンター自身のモチベーション向上や、育成活動へのさらなる意欲を引き出すきっかけとなります。

このモデルは、若手社員の心理的安全性向上や成長実感につながるだけでなく、メンターの負担を軽減し、モチベーションを高めます。さらに、組織全体で「互いを認め、支え合う」文化が自然と醸成され、社員のエンゲージメント向上と離職防止に貢献します。Uniposは、メンターと若手社員の「閉じた1対1」の関係を「オープンな関係」へと転換させ、組織全体で新人を支え、育てる文化を構築する強力な仕組みとなるでしょう。

FAQ ― 実務でよくある質問と回答

メンター制度の導入や運用をご検討されている人事担当者様や経営者の皆様からは、その効果や具体的な運用に関して多くのご質問が寄せられます。本セクションでは、これまで解説してきたメンター制度が離職防止に貢献するメカニズム、心理的安全性を育む信頼関係の重要性、成功事例などを踏まえ、実務上のよくあるご質問にQ&A形式でお答えします。

具体的な疑問や不安として、例えば以下のような声が聞かれます。

  • メンター制度で本当に離職率が改善されるのか

  • 当社のような中小企業でも導入し、成功させることができるのか

これらの疑問や不安を解消し、皆様が自信を持って制度導入へ力強く踏み出していただくための一助となれば幸いです。

Q1. メンター制度で離職率は本当に下がる?

適切に設計・運用されたメンター制度は、新入社員や若手社員の離職率低下に大きく貢献するという研究結果や企業事例が多数報告されています。これは、「心理的安全性」「承認」「キャリア透明性」といった要素が確保されることで、若手社員の孤独感や不安が軽減され、組織への定着意欲が高まるためです。

例えば、大起産業株式会社では、メンター制度の導入後、新卒者の1年以内退職率が0%を達成し、3年以内離職率も減少傾向を示しました。同様に、藤川伝導機株式会社では、メンター制度導入により新卒の退職率が17%から8%へと約5割低下した事例もあります。これらの実績は、メンター制度が社員の定着に寄与することの明確な証拠と言えるでしょう。

ただし、単に制度を導入するだけでは、期待する効果は限定的です。自社の文化や目的に合わせた綿密な設計、メンターへの継続的なサポートや育成、そして経営層の強いコミットメントが不可欠です。制度の運用を通じて社員の精神的な欲求を満たすことに加え、給与水準や労働環境といった物理的欲求も同時に整備することが、より確実な離職防止につながります。

企業名

従業員数

導入後の主な成果

導入時の工夫

大起産業株式会社

420人

新卒者の1年以内退職率0%を達成

勤務時間中のコーヒー面談、教育担当者への手当支給

Q2. 中小企業でも導入できる?

中小企業においてもメンター制度は有効な施策であり、少数精鋭の組織だからこそ、その効果を最大限に発揮できる可能性を秘めていると言えるでしょう。大起産業株式会社(従業員420人)の事例では、制度導入後に新卒者の1年以内退職率が0%を達成するなど、中小企業でも大きな成果を上げています。

中小企業がメンター制度を導入するメリットは多岐にわたります。

  • 経営層との距離が近く、制度の意図が浸透しやすい

  • 従業員間の関係性が密になり、強固な信頼関係を築きやすい

  • 「月1回のランチ面談」といったスモールスタートを切りやすく、運用しながら改善のPDCAサイクルを迅速に回せる柔軟性がある

導入にあたっては、メンターの負担が過重にならないよう配慮することが重要です。具体的には、面談時間を業務として確保したり、メンターとしての貢献を人事評価に組み込んだり、手当を支給したりする仕組みを検討すると良いでしょう。

以下は、大起産業株式会社のメンター制度導入事例と、その際の工夫をまとめたものです。

事例企業のメンター制度導入と成果

完璧な制度設計にこだわりすぎず、まずはできる範囲で始めることが成功への第一歩となります。

Q3. 成功している企業の共通点は?

メンター制度を成功させている企業には、以下の共通点が見られます。

  • 経営層の積極的なコミットメント

経営層が制度の重要性を深く理解し、単なる現場任せにせず、全社的な取り組みとして積極的に関与していることです。経営層がメンター制度の重要性や会社の利益への貢献を明確に伝えることで、組織全体での協力体制を構築できます。

  • 目的の明確化と共有

「離職防止」や「定着率向上」といった制度の目的が明確に設定され、メンターと若手社員双方に具体的に共有されていることです。目的が曖昧なままでは制度が形骸化しやすいため、具体的なゴール設定が成功の基盤となります。

  • メンターへの手厚いサポート体制

メンター自身への手厚いサポート体制が整備されていることです。具体的には、メンタリングスキル向上のための研修プログラム実施、メンター同士が悩みを共有する情報交換会の定期開催、そしてメンタリング活動を人事評価に反映させたり、業務負荷を軽減したりする仕組みが不可欠です。

  • 心理的安全性の確保

心理的安全性を確保する環境が意図的に構築されていることです。業務上の利害関係を持たない他部署の先輩社員をメンターに選定するだけでなく、感謝や称賛を日常的に伝え合う文化を同時に推進することで、若手社員が本音で相談し、安心して成長できる場が構築されます。

種類

主な測定項目

測定頻度の目安

定量的指標

離職率(若手・新人)、エンゲージメントサーベイのスコア

導入前後、数ヶ月に1回~年1回

定性的指標

相談のしやすさ、成長実感、メンター自身の学び

定期的(アンケート、ヒアリング)

Q4. 効果測定はどうする?

メンター制度は、導入して終わりではなく、その効果を測定し、継続的に改善していくPDCAサイクルを回すことが不可欠です。制度の目的である離職防止を確実に達成するためには、効果測定の仕組みを設計し、運用していく必要があります。

まず定量的な指標としては、メンター制度導入前後の「離職率」、特に若手・新人の離職率の変化を追跡します。また、「エンゲージメントサーベイ」のスコアを比較することも有効です。具体的には、以下のような「人間関係」や「自己成長・キャリア」に関する質問項目が役立つでしょう。

  • 困ったときに気軽に相談できる環境か

  • 仕事を通じて新たなスキルや知識を身につけられているか

エンゲージメントサーベイは、数カ月に1回から年1回程度の頻度で定期的に実施するのが一般的です。

次に定性的な指標として、メンターと若手社員双方へのアンケートやヒアリングを定期的に実施します。これにより、「相談のしやすさ」「仕事やキャリアにおける成長実感」、さらに「メンター自身の学び」といった、数値だけでは見えにくい具体的な声を集めることが可能です。

メンター制度の効果測定項目

これらの効果測定は一度きりではなく、3ヶ月後、半年後、1年後といった節目で継続的に行い、得られたデータや意見をもとに制度を改善していくPDCAサイクルを回すことが、制度の質を高め、真の離職防止へと繋がります。

企業名

成果

大起産業株式会社

新卒者の1年以内退職率0%を達成

藤川伝導機株式会社

新卒の退職率が17%から8%へ約5割低下

まとめ ― 離職を防ぐのは「制度」ではなく「信頼関係」

本記事では、若手社員の離職防止にメンター制度が極めて有効な施策であることを解説してきました。メンター制度は、「心理的安全性」「承認と称賛」「キャリア透明性」という3つの科学的メカニズムを通じて、社員のエンゲージメントと定着意欲を高める重要な役割を担います。若手社員は安心できる対話の場を得ることで、職場での孤立感を解消し、自己肯定感を育み、将来への不安を軽減しながら成長を実感できるようになるでしょう。

実際に、メンター制度を導入した企業では目覚ましい成果が報告されています。

メンター制度導入による企業事例

これらの実績は、メンター制度が単なる福利厚生ではなく、企業の持続的な成長を支える戦略的な人材投資であることを明確に示しています。

しかし、これらの成功を支える最も重要な要素は、精緻な制度設計だけではありません。その根底にあるのは、メンターと若手社員が心を通わせ、互いに理解し合う中で育まれる「信頼関係」です。制度はあくまで信頼関係を築くための「枠組み」に過ぎず、その中身を充実させるのは、一人ひとりの人間的な関わり合いに他なりません。若手社員が「この会社は自分を大切にしてくれる」と感じる深い信頼こそが、「辞めない理由」となるのです。

離職を防ぎ、社員が長く活躍できる職場環境を築くための第一歩は、メンター制度の導入と同時に、日々のコミュニケーションの中で感謝や称賛を積極的に伝え合う文化を醸成することにあります。Uniposのようなピアボーナスツールを活用し、社員間の小さな貢献にもスポットライトを当てることで、相互承認の意識が高まり、心理的安全性の高い強固な組織文化が育まれるでしょう。制度と信頼、この二つの要素が結びつくことで、社員が安心して成長し、長く働き続けたいと思える「信頼の仕組み」を実現できるはずです。